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映画『ブラックブック』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ブラックブック』の概要:ナチス占領下のオランダで、様々な謀略に巻き込まれながらも自分の信念を裏切ることなく、逞しく生きるユダヤ人女性の半生を描く。オランダ人監督ポール・バーホーヘンが母国で製作した、女性視点の戦争ドラマ。

映画『ブラックブック』の作品情報

ブラックブック

製作年:2006年
上映時間:144分
ジャンル:ヒューマンドラマ、歴史、戦争
監督:ポール・ヴァーホーヴェン
キャスト:カリス・ファン・ハウテン、トム・ホフマン、セバスチャン・コッホ、デレク・デ・リント etc

映画『ブラックブック』の登場人物(キャスト)

ラヘル・シュタイン / エリス・デ・フリース(カリス・ファン・ハウテン)
オランダ出身の美しいユダヤ人女性。戦前は歌手をしていたが、ナチスが台頭してからは本名をオランダ人風の名前に変え、カトリックの家庭に身を隠して暮らしている。生来の楽天家で、逆境でも希望を失わず、強い意志をもって積極的に行動する。
ルードヴィヒ・ムンツェ(セバスチャン・コッホ)
ナチス親衛隊大尉。オランダのハーグに在するナチス本部の諜報部のトップ。基本的には平和主義者で、無益な虐殺や略奪には反対している。英国軍のハンブルグ空襲により、妻と子供を失った。趣味は切手収集。
ハンス・アッカーマン(トム・ホフマン)
レジスタンスの一員。元医師のオランダ人。射撃の名手で、レジスタンス活動の先頭に立って真っ先に敵地に乗り込む。大胆不敵な性格。
ヘルペン・カイパース(デレク・デ・リント)
レジスタンスのリーダーを務める初老のオランダ人。生粋の社会主義者。
ギュンター・フランケン(ワルデマー・コブス)
ナチス親衛隊中尉。レジスタンスへの対応についてムンツェと対立している。美声の持ち主で、ナチスのパーティーではステージに立って歌う。
ロニー(ハリナ・ライン)
オランダ人女性。フランケンの愛人で、ナチス本部でタイプライターとして働いている。笑顔の絶えない朗らかな女性。エリスと親友になり、党本部で働けるよう手配する。
スマール(ドルフ・デ・ルイーズ)
オランダ人の公証人。ラヘルの父親の旧友で、ユダヤ人であるラヘルの一家が秘密裏にハーグを出られるよう手配する。レジスタンスの権利を守るため、ナチスと交渉を続けている。
ファン・ハイン(ピーター・ブロック)
ユダヤ人擁護派のオランダ人警察官。ナチスの目をかいくぐって、ユダヤ人達を安全な区域に誘導している。
カウトナー(クリスチャン・ベルケル)
ナチス親衛隊大将。ハーグのナチス本部の責任者。
ロブ(マイケル・ユイスマン)
隠れ家が破壊され、行き場を無くしたラヘルを助けるユダヤ人青年。

映画『ブラックブック』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ブラックブック』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ブラックブック』のあらすじ【起】

1956年、イスラエルのキブツ。ユダヤ人のラヘルは、現在は小学校の教師をしながら穏やかに暮らしている。ある日、ラヘルはオランダから観光にやってきた古い知人のロニーと再会する。久しぶりにオランダ語で会話したラヘルは、第二次世界大戦中の出来事を回想する。

1944年、オランダのハーグ。ラヘルは、家族と離れ、名前をエリスと変えてカトリックの一家に匿われて暮らしている。ある日、ドイツ軍の空襲によって隠れ家が大破し、行き場を失ったエリスは、ユダヤ人青年ロブと共に空き家に身を潜める。

エリス達は、ユダヤ人に協力しているという警官ハインから、南部にあるユダヤ人解放地区へ行くよう勧められる。エリスは公証人スマールを訪ね、エリスの父親が保管していた財産を受け取り、ハインの案内でロブと共にハーグを出る船の発着所へ向かう。

エリスは離れ離れになっていた家族と再会し、他の大勢のユダヤ人達と共に船に乗り込む。エリス達が乗った船は、ドイツ軍中尉フランケンが指揮する巡視船に発見される。ドイツ兵達は、水中に飛び込んで逃げたエリス以外の乗客全員を銃殺し、財産を奪う。

エリスは、カイパースが指揮するレジスタンスに参加する。カイパースは盗聴機の運搬をエリスに指示し、エリスはレジスタンスのメンバーのハンス達と合流する。

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映画『ブラックブック』のあらすじ【承】

列車で盗聴機を運ぶ最中、エリスとハンスはドイツ兵に荷物を検査されそうになる。エリスは機転を利かせて隣の高級車両へ移り、偶然、ドイツ軍大尉ムンツェの車室に入る。エリスとムンツェは貴重な切手についての話題で盛り上がり、親しくなる。

ある日、カイパースの息子を含むレジスタンス達がドイツ軍に逮捕される。カイパースは党本部への潜入捜査を計画し、ムンツェに接近して情報を手に入れるよう、エリスに指令を出す。

エリスはナチスの党本部にいるムンツェに会い、スマールから入手した大量の古い切手を贈る。ムンツェはエリスの心遣いに感動し、その夜に開かれる党大会のパーティーに誘う。エリスは、会場でフランケンを発見して動揺するが、平静を装って皆の前で歌を披露する。

エリスはムンツェを誘惑して陥落しようとするが、ムンツェはエリスがユダヤ人だと気付いている。強く惹かれ合う二人は、危険を承知で恋人関係になる。

エリスはフランケンの愛人ロニーと親しくなり、ロニーの仲介で党本部での職を得る。スマールは、レジスタンスの人権についてムンツェと交渉するために党本部へ赴き、隙を見てエリスに盗聴機を渡す。エリスは盗聴機をフランケンの部屋に仕掛ける。

スマールの働きにより、ムンツェはレジスタンス達の処刑を取り止める。ムンツェは、レジスタンスが抵抗をやめれば囚人達を解放する、とスマールに約束する。

カイパース達は、フランケンとハインの会話を盗聴し、二人が共謀してユダヤ人達を騙して金品を奪っていたことを知る。エリスはフランケンへの復讐心を募らせるが、ユダヤ人よりオランダ人の命を優先するカイパースに制止される。

映画『ブラックブック』のあらすじ【転】

エリスとハンスは、仲間を募ってハインの殺害計画を実行する。ハインがレジスタンスに殺されたことにより、フランケンは報復のために囚人達の処刑の実行を決定する。

ムンツェは、エリスがレジスタンスのスパイであることに気付いている。エリスの告白を聞き、ムンツェは愛情からエリスに協力し始める。

ムンツェは、フランケンの失脚を狙い、フランケンがユダヤ人の財産を横領していることをドイツ軍大将カウトナーに報告する。横領の証拠が見つからず、逆にムンツェはレジスタンスへの加担をフランケンに暴かれて逮捕される。

ヒトラーの誕生日パーティーの夜、レジスタンスは仲間達の救出作戦を実行に移す。エリスはムンツェも助けるよう、ハンスに依頼する。エリスの手引きにより、ハンス達は党本部の牢獄に侵入するが、待ち伏せしていたドイツ兵に襲撃され、ハンス以外のほとんどのレジスタンスが命を落とす。

事前に作戦を知っていたフランケンは、全てをエリスの責任にするため、盗聴器の前でエリスがレジスタンスを裏切ったかのように演出する。カイパース達はエリスが裏切ったと考え、エリスへの復讐を誓う。

フランケンはエリスを投獄する。ロニーの計らいにより、ムンツェは脱獄し、エリスを助け出して逃亡する。

映画『ブラックブック』の結末・ラスト(ネタバレ)

ドイツが連合国軍に降伏し、戦争が終結する。ハンスは、いち早く国外へ逃亡しようとしたフランケンを射殺する。

ハーグ郊外に身を潜めていたエリスとムンツェは、市内へ戻る。街中が祝賀ムードに包まれており、人々は戦争終結を祝って大騒ぎしている。人ごみの中で、エリスは連合国軍のパレードに参加しているロニーと再会する。

エリス達はスマールの自宅へ行き、スマールの裏切りについて詰問する。その最中、訪ねてきた何者かによってスマールは銃殺される。ムンツェは犯人を追うが、ムンツェに気付いたレジスタンス達によって捕らえられる。エリスも捕まるが、直前にスマールが肌身離さず持っていた黒い背表紙のノートを入手して隠し持つ。

ムンツェは、連合国軍が派遣した治安部隊の本部へ連行される。治安部隊はムンツェを証人として扱おうとするが、連合国軍に協力しているカウトナーの企みにより、ムンツェは口止めのために処刑される。

自警団に捕らえられたエリスは、ナチスに加担した女として酷い扱いを受ける。治安部隊の軍医になったハンスはエリスを助け、自分の診療所へ連れていく。ハンスは、国を救った英雄として人々から尊敬されている。

ハンスからムンツェが処刑されたことを聞き、エリスは激しく取り乱す。ハンスは、鎮静剤と嘘をついて大量のインスリンをエリスに打ち、エリスを殺そうとする。ハンスが目を離した隙に、エリスはチョコレートを食べて血糖値を戻し、その場から逃げ出す。

エリスは治安部隊に真実を話して協力を要請し、息子達の遺体を調査しているカイパースのもとへ向かう。エリスはスマールのノートをカイパースに見せ、裏切りの誤解を解く。以前にドイツ軍に逮捕されていたハンスは、フランケンに脅迫されてスパイになり、スマールと結託してレジスタンスの情報をドイツ軍に伝えていた。

正体がバレたことに気付いたハンスは、死体のフリをして棺に入り、霊柩車で運搬されて国外への逃亡を図る。霊柩車に追いついたエリスとカイパースは、棺の蓋を固く締めてハンスを窒息死させる。

その後、エリスは名前をラヘルに戻してイスラエルに渡り、結婚して子供をもうけ、穏やかに暮らしている。

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