この記事では、映画『ブルーラグーン』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ブルーラグーン』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『ブルーラグーン』の作品情報
上映時間:101分
ジャンル:ラブストーリー、青春
監督:ウィリアム・A・グレアム
キャスト:ミラ・ジョヴォヴィッチ、ブライアン・クラウズ、リサ・ペリカン、ピーター・ヒアー etc
映画『ブルーラグーン』の登場人物(キャスト)
- リリー(ミラ・ジョヴォヴィッチ)
- 宣教師の娘。幼い頃の海難事故で、母と共に漂流。無人島で育つ。賢く、現実的で、愛嬌がある。美しいものが好き。
- リチャード(ブライアン・クラウズ)
- 無人島で生まれ育った青年。両親は海難事故で自殺。サラに拾われ、リリーと共に育てられる。好奇心旺盛で、まだ見ぬものへの憧れが強い。
- サラ(リサ・ペリカン)
- リリーの母。未亡人。伝道経験があり、未開の地での生活能力がある。たくましく、子供を守る強い母。無人島でも信仰心を失わず、歌やお祈り、祝祭行事で生活を彩る賢い女性。
- シルビア(ナナ・コバーン)
- 無人島に立ち寄った貿易船の、船長の娘。裕福なお嬢様。自分の魅力に自信があり、サラを見下し、リチャードを誘惑する。
映画『ブルーラグーン』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『ブルーラグーン』のあらすじ【起】
南太平洋を航海中のある船が、漂流している木のボートを見つけた。救助すると、中には一組の男女の死体と、眠る幼い男の子が乗っていた。男女は15年前の海難事故で無人島へ流れつき、人知れずそこで成長し、夫婦となった者達だった。今再びボートで流された彼らは、死を決意して自ら命を絶ち、子のリチャードだけが命拾いをしていた。
リチャードを救った船には、未亡人のサラが赤子のリリーを連れて乗船していた。親を亡くしたリチャードの世話をすると決めたリリー。しかし、この船をも不幸が襲う。コレラ患者が出たのだ。発症すれば、命は無い。船長は、サラと子供達だけをこっそり小舟で逃がす事に決めた。世話係に頑強なケニーを同行させるが、小舟を大海原に出す事は、漂流させるも同じ事だった。
灼熱の太陽の下、次第に水が無くなってくると、ケニーが粗野な本性を現した。水を確保するため、泣く子供達に手をかけようとしたのだ。サラはケニーを銛で殴り、海に落とした。そしてただ海を彷徨い、力尽きかけたその時、サラの目の前に陸地が現れた。
上陸した小島を探検し、荒れた小屋を見つけたサラ。すると、リチャードが歩き出し、ママを呼ぶ。ここは、リチャードの生まれ育った島だった。サラはリチャードを抱き上げ、彼の母になると決めた。

映画『ブルーラグーン』のあらすじ【承】
サラが聖職者の夫と過ごした伝道生活で得た知識は、無人島での暮らしに大いに役立った。彼女は食べ物を集め、家を修理し、島の危険をよく調べた。同時に、子供達には英語を教え、マナーを教え、文明社会に戻る準備も怠らない。子供達は服を着たがらない野生児だが、健康で明るい少年少女に育っていた。
サラが決めた一家のルールは、日暮れまでに家に戻る事、満月の日には島の北側に行かない事、サメに近づかない事。どれも、子供達を守るためだった。ある日、小舟で遊んでいたリリーとリチャードは、船を流されサメに狙われてしまう。リチャードが釣った魚を囮にして何とか浜辺まで泳ぎ戻るが、サラは彼らを強く叱った。サラは子供達を深く愛しており、危険から守ると同時に讃美歌を教え、楽しい遊びも教えた。リリーとリチャードは、幸せに暮らしていた。
次第に、男女の体の違いに興味を持ち始める子供達。サラはこれから体に起こるであろう変化について話し、苦労して性教育を試みる。母の苦心など知らず、子供達はあっけらかんとしたものだった。彼らにとっては、自然の生き物達の交尾が一番の教科書だった。
サラは子供達と文明社会に戻る事を目指していたが、その願いは叶わず、肺病にかかってしまう。自らの死期を悟った彼女は、子供達に自分の埋葬と葬儀の手ほどきをした。子供達はその通りに墓を作り、母を弔い、リリーとリチャード二人きりの暮らしが始まった。
映画『ブルーラグーン』のあらすじ【転】
リリーとリチャードは、立派な青年に成長した。リリーは母が好んだ文明的なイベントを止めようとするが、リチャードは母の遺志を大切にしていた。イースターの日恒例の、カラフルな卵を探すゲームを始める二人。リチャードの発案で、勝者に賞品を贈るルールに変更だ。リリーは無邪気に卵を集めるが、リチャードはそっと自分の卵を隠し、わざと負ける。そして海に潜り、賞品の大きな真珠をリリーに贈った。リリーは真珠を飽きずに眺め、髪に飾った。
仲の良い二人だが、リチャードの子供っぽさがリリーを苛立たせる時もある。彼が危険を承知でサメと泳ぎの勝負をし、怒ったリリーと口論になった。二人は自分達の心や体や相手との付き合い方が今まで通りにならない事に戸惑い、寝る場所を別にした。
ある日、リリーが初潮を迎え、大人になった。血を見てパニックになるが、すぐに母の教えを思い出すリリー。リチャードの体にも変化が訪れていたが、彼はリリーほど素直にそれを喜べず、大人になった事を証明しようと、満月の日に禁止されていた島の北側へ行ってしまう。
そこでは、遠くに住む島の先住民が、死者の埋葬の為に墓で踊り夜を明かしていた。体に泥を塗り、隠れてその様子を見るリチャード。明け方、先住民の一人と行違うが、争いにはならなかった。嬉々として家に戻ると、心配したリリーが迎えに来ていた。二人は無事の再会を喜び、抱き合い、キスをした。永遠の愛を約束し、結婚式を挙げる二人。
映画『ブルーラグーン』の結末・ラスト(ネタバレ)
夫婦になったリリーとリチャードは、始終愛を確かめ合い、幸せに暮らしていた。そこへ、一艘の船から降ろされた小舟が島へ近づいてくる。乗組員は8人。1人は若い女性だ。彼らは貿易船の者達で、航海の途中、水の補充に立ち寄ったのだ。女性は船長の娘のシルビア。彼らは、きちんとした英語と握手で自分達を迎えた半裸の男女に驚いた。
リリーとリチャードは、精一杯のもてなしで彼らを歓迎した。事情を知り、彼らをサンフランシスコまで連れて行こうと協力する船長。服を贈り、シルビアがその世話をする。シルビアは、ワイルドで美形のリチャードを気に入っていた。化粧をしてドレスを着、夫に媚びを売るシルビアを見て、初めて嫉妬という感情を知るリリー。
リリーは絵の具で顔を塗り、髪を結ってリチャードに披露する。しかし、その姿は滑稽なだけだった。シルビアに釣りを教えると出かけて行くリチャードに怒り、リリーは一人泉で水浴びをし、絵の具を落とす。その様子を、乗組員の男がじっとりと見つめていた。
男は泉から上がったリリーを追いかけ、家で彼女の真珠を奪う。そしてリリーに襲い掛かろうとした時、リチャードが駆け付けた。リチャードもまたシルビアに誘惑されたが、リリーへの愛は揺るがず、シルビアを置いて帰宅したのだ。男ともみ合いになるリチャード。ライフルを持った男から逃れ、海に出る。リチャードは巧みに男を誘導し、男はサメの餌食となった。
騒ぎを受け、貿易船は翌朝出航する事になった。彼らもその船に乗るはずだったが、突然行きたくないと言い出すリリー。彼女のお腹の中には、二人の子が宿っていた。リリーは、子供を文明社会で育てる事を望まなかった。そして数か月後、どこまでも青い海の中で、愛しい我が子を抱き上げる二人の姿があった。
映画『ブルーラグーン』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
無人島で育った2人の少年少女が、文明から切り離された中で自然と惹かれ合っていく様子が美しく描かれていました。特にリチャードとリリリが恋に落ちていく過程には、ぎこちなさと純粋さがあって、まるで本当の初恋を覗き見ているような気分に。クライマックスで2人と赤ん坊が小舟で流されていく場面は切なさと不安に満ちていて、ラストの「眠っているだけ」というセリフに救われました。(20代 女性)
美しい南国の島を舞台に、自然と共に成長していく子どもたちの姿が印象的でした。とはいえ、生きるための知恵や出産など現実的な描写も多く、単なるロマンチック映画ではありません。リチャードとリリリが互いに惹かれていく過程が丁寧に描かれていて、最初は兄妹のようだった2人が恋人として歩み始める姿に感情移入しました。無垢さと本能、愛の始まりが交錯する不思議な映画です。(30代 男性)
10代の頃に観て、改めて大人になってから再見。無人島というシチュエーションの中で育った2人の子どもが、周囲に誰もいないからこそ自然と心と体で惹かれ合っていく過程はとてもロマンチックで、どこか切ない。母として見ると、2人だけで子育てをするラストには胸が締めつけられた。文明社会から隔絶された環境だからこそ、本能的な愛が際立つ作品。(40代 女性)
初めて観たとき、「これが青春映画なのか」と衝撃を受けました。都会的な恋愛とはまるで異なる、野生と純粋さが共存するような描写が新鮮で、特に2人の初めてのキスや戸惑いがリアルで美しかったです。終盤のサバイバル的展開からのラストには驚きましたが、「愛する人となら、どこでも生きられる」と感じさせてくれる余韻が素晴らしいです。(20代 男性)
本作は続編という位置づけではあるものの、ほとんど独立した内容として楽しめました。主人公のエマラインとリチャードが無人島で大人になっていく過程、そして愛を育んでいく流れがとても詩的で、映像美と相まって静かな感動を覚えました。特に出産のシーンと、父親としてのリチャードの成長が印象的で、人間の本質に迫るテーマを持った映画でした。(50代 男性)
映像がとにかく美しくて、まるで夢の中にいるような映画体験だった。自然とともに生きる2人の姿は、とても原始的でありながらどこか理想的でもある。言葉が少ないぶん、視線や仕草で語る2人の演技が胸に刺さりました。ラスト、命の危機にさらされながらも穏やかに眠るような終わり方には涙が出ました。(30代 女性)
無人島での生活という設定から、もっとサバイバル寄りの話かと思いきや、ほとんどが成長と恋愛を描いた叙情的な物語でした。リリリの美しさとリチャードの素朴な優しさが絶妙にマッチしていて、観ていてうっとりするような世界観。終盤に船で発見されるシーンは一瞬冷やっとしましたが、全てを包み込むような優しいラストに救われました。(20代 女性)
10代の若さで恋と子育てを経験する2人の姿に、戸惑いながらも愛を選ぶ力強さを感じました。現代のような情報社会とは真逆の環境で、人としてどう成長するのかというテーマが静かに流れていたと思います。自然の厳しさ、美しさ、孤独、愛情といったすべてを感じられる映画で、ラストの余韻も深いです。(40代 男性)
「何も知らない2人が、自然と愛を知っていく」。そんなテーマが映像で見事に描かれていて、セリフよりも映像の持つ力が強く印象に残る作品でした。リチャードがリリリに嫉妬するシーンや、2人が初めて手を繋ぐ描写が、言葉にしなくても心に染みる演出。結末は悲劇的にも見えるけれど、私は希望に満ちたエンディングだと思いました。(50代 女性)
社会の常識やしがらみから解放された2人の恋愛を描いた映画として、とてもユニークだった。特に恋に落ちるプロセスが、観念や理屈ではなく本能と感情で描かれている点が面白い。島という“閉じられた世界”が、彼らにとっては逆に自由だったことがラストでよく分かる。観るたびに新たな感情が湧く名作です。(30代 男性)
映画『ブルーラグーン』を見た人におすすめの映画5選
キャスタウェイ
この映画を一言で表すと?
孤独と自然に向き合いながら人間性を取り戻す、無人島サバイバルの決定版。
どんな話?
飛行機事故で太平洋の孤島に漂着した男が、現代社会から完全に断絶された環境で、サバイバルしながら生きる術を身につけていく。日数を重ねるごとに精神的な孤独と向き合い、自分自身と再び出会う物語。
ここがおすすめ!
『ブルーラグーン』の自然の中で生きる描写に魅力を感じた人には、この作品の圧倒的なリアリティが刺さるはず。文明から切り離された人間が、時間とともに変化していく様子が感動を呼ぶ名作です。
ザ・ビーチ
この映画を一言で表すと?
理想郷が悪夢に変わる、若者の楽園サスペンス。
どんな話?
バックパッカーの青年がタイで秘密の楽園のようなビーチを発見し、そこで新しいコミュニティに加わる。しかし、楽園には表と裏の顔があり、理想と現実のギャップに直面することに。美しい自然の中で崩れる心の物語。
ここがおすすめ!
『ブルーラグーン』の“ユートピア的な環境”というテーマに惹かれた人なら必見。夢のような場所に潜む人間の本性を描くこの作品は、青春・孤独・自己発見が重層的に描かれ、深く考えさせられます。
ブルーバレンタイン
この映画を一言で表すと?
“愛の始まりと終わり”を静かに描く、心に刺さるラブストーリー。
どんな話?
若い男女の出会いから恋、結婚、そして破綻に至るまでを、過去と現在を交差させながら描く。愛し合ったはずの2人がなぜ壊れてしまったのか、その過程が静かに、リアルに映し出される。
ここがおすすめ!
『ブルーラグーン』のように、愛の芽生えや成長を描いた作品が好きな人におすすめ。こちらはより現実的でシビアなラブストーリーですが、感情の機微を丁寧にすくい上げる点で共通しています。
ロミオ+ジュリエット
この映画を一言で表すと?
シェイクスピアの古典が、若さと衝動を体現する現代的な悲恋に。
どんな話?
現代風にアレンジされたヴェローナ・ビーチを舞台に、敵対する家同士に生まれた若い2人が恋に落ち、やがて悲劇を迎える。シェイクスピア原文のセリフをそのままに、ビジュアルはスタイリッシュかつ斬新。
ここがおすすめ!
純粋で衝動的な若い恋というテーマは『ブルーラグーン』と非常に親和性が高い。ヴィジュアルと音楽のセンスも抜群で、若さのもろさと美しさを体感できる作品です。
イントゥ・ザ・ワイルド
この映画を一言で表すと?
すべてを捨てて自然へ旅立った青年の、魂の記録。
どんな話?
エリート大学を卒業した青年が、家庭や社会を捨てて一人アラスカの荒野を目指す。旅の途中で出会う人々との交流と、自らを試す孤独な時間の中で、彼は“本当に生きるとは何か”を考えるようになる。
ここがおすすめ!
『ブルーラグーン』のような自然との対話や、文明を離れた環境での自己形成に惹かれた人にはぴったり。静かで深い感動と余韻が残る、実話をもとにした一作です。
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