映画『ブレックファスト・クラブ』の概要:イリノイ州のシャーマー高校で、ある日の土曜日、懲罰補習が行われた。嫌々ながら補習に参加させられた5人の男女高校生。しかし、そこで自分のこと、両親や友人のことを語り合い、共に1日を過ごすうちに、5人のメンバーそれぞれに変化が表れ始める。1980年代に活躍したジョン・ヒューズ監督の代表的青春映画。
映画『ブレックファスト・クラブ』の作品情報
上映時間:97分
ジャンル:青春
監督:ジョン・ヒューズ
キャスト:エミリオ・エステヴェス、モリー・リングウォルド、アリー・シーディ、ジャド・ネルソン etc
映画『ブレックファスト・クラブ』の登場人物(キャスト)
- アンドリュー・クラーク(エミリオ・エステヴェス)
- レスリング部に所属する「スポーツ馬鹿」。父親の期待に応えるため、常に勝つことを目標に練習に励んできた。その父親から、学生時代の自分は「ワル」だったという話を聞くと、それまで「悪さ」をしたことのなかった彼は、初めて「悪さ」をして、父親に褒められようとする。それが、今回の懲罰補習に参加した原因だった。
- クレア・スタンディッシュ(モリー・リングウォルド)
- 校内の人気者で、父親はお金持ち。補習に参加したメンバーから、「お姫様」と呼ばれる。授業中に買い物に行ったことが原因で、懲罰補習に強制参加させられることになるが、自分は補習に参加するような生徒ではないと主張する。補習中に、執拗にちょっかいを出してくるジョンを最初は毛嫌いするが、次第にその気持ちに変化が現れる。
- アリソン・レイノルズ(アリー・シーディ)
- 補習中に、奇っ怪な行動を取る「不思議ちゃん」。はじめは何も喋らなかったが、ようやく口を開いたかと思うと、出てくる話は噓ばかり。しかし、両親から無視され、友達もいない寂しい境遇にあることがわかり、次第にアンドリューたちにも心を開いていく。
- ジョン・ベンダー(ジャド・ネルソン)
- 不良少年。補習の時間にアンドリューやクレアにちょっかいを出し、邪魔をするだけでなく、ヴァーノン先生にも反抗して、補習の回数をどんどん増やされる。彼自身の話から、父親からDVを受けていることがわかってくる。
- ブライアン・ジョンソン(アンソニー・マイケル・ホール)
- 物理部、数学部、ラテン語部に所属する秀才だが、ダサい格好のために、変わり者と見られたり、いじめられたりしている。技工の試験で赤点を取ってしまい、自殺を図ろうと手に入れた照明弾がロッカーで暴発。それが原因で懲罰補習に参加することになった。
- リチャード・ヴァーノン(ポール・グリーソン)
- シャーマー高校の教師で、懲罰補習の担当。教師歴22年だが、狭量で、生徒のことを一面的にしか見られない。生徒から馬鹿にされることを嫌い、常に威圧的な態度で生徒に接する。
- カール(ジョン・カペロス)
- シャーマー高校の校務員。「俺はこの学校の目であり、耳なんだ」と言うように、校内の情報に通じている。また、哲学者のような一面も持ち合わせており、教師のヴァーノンや、不良のジョンからも一目置かれている。
映画『ブレックファスト・クラブ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ブレックファスト・クラブ』のあらすじ【起】
冒頭、作品のテーマを象徴するように、デビット・ボウイの曲が流れる。
「若者が変わろうとしているとき
説教しても何も効果はない
自分の変化はちゃんと分かっているから」
場面は変わって、イリノイ州の郊外にあるシャーマー高校。ある日の土曜日に、5人の男女生徒が、懲罰補習に参加するため、当校してくる。
その中の1人、ブライアンが、ナレーションでこれから登場する5人を紹介する。ガリ勉、
スポーツ馬鹿、不思議ちゃん、お姫様、チンピラの5人だ。
まず、父親のBMWに送られて来たのは、「お姫様」のクレアだった。クレアは父親に、自分は補習を受けるような生徒ではない、と言い張る。父親は、クレアが授業中に買い物に行ったことが学校にバレて、補習を受けるハメになったことを知っているが、娘をなだめて補習に送り出す。
続いて「ガリ勉」のブライアンは、母親の車で送られてくる。クレアの父親の車に比べると、ホコリをかぶった古びた車だ。ブライアンは母親から、たとえ補習でも、何かを学んでこいとハッパをかけられ、車から送り出される。
「スポーツ馬鹿」のアンドリューは、父親の車で送られてくる。父親は、ブライアンが悪さをしたことは咎めないが、それが見つかって懲罰補習に呼ばれたことをなじっている。「罰を受ければ奨学金はもらえん」という父親の言葉に、アンドリューは「誰のせいだよ?」という表情を見せ、車から出ていく。
「チンピラ」のジョンは、5人の中でただ1人、両親から送られず、歩いて学校にやって来る。道を横切ろうとするジョンにぶつかりそうになって、車が急停車する。構わず歩き続けるジョン。
その車の後部座席から、「不思議ちゃん」のアリソンが降りてくる。アリソンは運転席にいる、両親と思われる人物に話しかけようとするが、運転席の人物はアリソンを無視して車を走らせ、去っていく。
7時6分。図書館に集合させられた5人の前に、教師のヴァーノンが現れる。初めから威圧的な態度で、生徒たちの口答えはいっさい許さず、席を立つことも許さない。そして、ヴァーノン先生は5人の生徒に、「自分とは何か」という作文を1000文字以上で書くよう、課題を与える。
ヴァーノン先生が隣の部屋に戻っていくと、ジョンが他の生徒にちょっかいを出し始める。アンデリューとクレアには、「恋人同士なのか?」とからかい、2人を苛立たせる。アリソンは大きな音でツメを噛み、皆を唖然とさせる。
ジョンは、ヴァーノン先生が監視のために入口のドアを開けておくよう言ったにもかかわらず、ドアの蝶盤のネジを外して、ドアを閉めてしまう。怒ったヴァーノン先生が、誰がやったかを追及しても、生徒たちはシラを切る。
ヴァーノン先生は、ドアのネジを外したのはジョンだと思い、彼を問いただすが、ジョンは反発したため、翌週の土曜日も補習に来るよう言い渡される。さらにジョンが反発すると、補習の回数はどんどん増えていき、2カ月先の土曜日まで補習に来ることになってしまった。
7時44分。補習に参加した全員が課題の作文には手を付けず、思い思いのことをやっている。タバコを吸うジョン、風景画を描き、その上に自分の頭のフケを落として、風景の上に雪が降ったようになったのを見て、1人喜ぶアリソン。
そのうち、みな退屈で居眠りを始める。ヴァーノン先生がやってきて、「起きろ!」と怒鳴っても、誰も目を覚まさない。しかし、「トイレに行きたい者」と聞くと、目をつむったまま全員が手を挙げる。
映画『ブレックファスト・クラブ』のあらすじ【承】
10時22分。ベンダーは退屈しのぎに図書館の本を破り始める。さらに、クレアに卑猥な話をし始め、彼女がバージンなのかどうかを、しつこく聞いてくる。アンドリューが怒ってジョンを止めようとする。
ジョンがアンドリューに手を挙げると、アンドリューはその手をかわして一瞬でジョンを床にねじ伏せる。「お前とはケンカしたくない」と言うジョンを、アンドリューは解放して「なぜだ?」と尋ねる。ジョンは「お前を殺したくないからだ」と言ってナイフをちらつかせる。アンドリューは、クレアに話しかけるなとジョンに言い聞かせ、2人の諍いは終わる。
校務員のカールがやって来て、部屋のゴミを回収し始める。ジョンはカールをからかうつもりで、校務員になるにはどうすればいいのかを聞く。カールは、生徒たちの心を見透かしたように、「おれは奴隷だと思っているんだろう?」と聞き返し、「そうかもな」と自問自答する。
しかしカールは、生徒の手紙やロッカーの中を見たり、生徒の会話を立ち聞きしたりできる立場なので、校内の情報通だった。カールは、「俺はこの学校の目であり、耳なんだ」と話し、さらに、部屋の時計が20分進んでいると指摘する。カールの話を聞いたジョンは、ニヤリと笑う。
昼食の時間になり、アンドリューとアリソンが飲み物の買い出しのために部屋を出ることを許される。そこでアリソンが初めて普通に会話を始め、アンドリューが補習に参加させられている理由を聞く。アンドリューは適当な作り話でごまかそうとするが、アリソンにすぐ見破られてしまう。
5人の生徒がそれぞれに昼食を食べ始める。クレアは寿司、スポーツ選手のアンドリューは、大量のサンドイッチや果物、牛乳のパックなどを並べ始め、それを見た皆は目を丸くする。
アリソンは、サンドイッチのサラミを放り投げ、代わりに砂糖を振りかけたパンの上にコーンフレークを大量に乗せ、パンに挟んでバリバリ食べ始める。その光景を見た全員が唖然とする。
ジョンはブライアンの質素な昼食をチェックした後、ふざけてブライアンと彼の両親の会話を一人芝居で演じる。最初は笑いながらその様子を見ていた他の生徒の顔が、次第に曇り始める。実は、補習に参加している生徒は皆、両親との間に何らかの問題を抱えていたのだ。
アンドリューから、「おまえの家族はどうなんだ?」と聞かれ、ジョンは、自分が父親の暴力を受けている様子を演じる。そんなのは噓だ、と言い切るアンドリューに、ジョンは珍しく真剣な表情で自分の腕を見せる。そこにはくっきりと、葉巻の火を押しつけられた後があった。
ジョンは急に荒れ狂い、他の皆は押し黙ってしまう。クレアがアンドリューに、「(聞いては)まずかったわね」とささやくと、アンドリューは「噓に決まっている」と、1人意地を張るのだった。
映画『ブレックファスト・クラブ』のあらすじ【転】
ヴァーノン先生は、昼食中にコーヒーをこぼして、「ミシシッピ川の川底のようなコーヒーだ」とぼやきながら席を離れる。ミシシッピ皮は、イリノイ州を流れる大河のことだ。その隙にジョンは図書館を出て行き、他の4人もついていく。ジョンの目的は、自分のロッカーにあるマリファナを取りに行くことだった。
マリファナを入手した帰り道で、ヴァーノン先生の姿を見かけた5人は、慌てて別のルートから図書館に戻ろうとするが、そこは扉が閉められていた。このままでは、全員で図書館を抜け出したことがばれてしまう。
するとジョンは、ブライアンのズボンの中にマリファナを突っ込み、大声を出しながら体育館に走っていって、そこでバスケを始める。それに気付いたヴァーノン先生は、体育館へ行き、ジョンを捕まえる。
ジョンのおかげで他の4人は、先生に見つからずに図書館に戻ることができたが、ジョンは懲罰で倉庫に閉じこめられてしまう。ジョンは天井裏を伝って倉庫から脱出を試みるが、途中で天井が破れて落ちる。しかし、その後、無事に図書館に戻ってくる。
ヴァーノン先生はトイレで用を足している最中だったが、ジョンが落下した物音に驚いて図書館にやってくる。慌ててクレアのいる机の下に隠れるジョン。今の物音は何だと聞く先生に対して、みなジョンをかばうためにシラを切る。
ヴァーノン先生は慌てていたせいか、ズボンのお尻の部分にトイレシートがひっかかっていた。それを見て笑いを押し殺す生徒たち。先生が出て行くと、ジョンはマリファナを吸うために席を立つ。
ほかの生徒もマリファナに興味津々だが、アンドリューは皆を止めようとする。しかし皆、ジョンについていき、結局、アンドリューもマリファナを吸う。
マリファナで皆、ハイな気分になり、アンドリューは上着を脱いで踊り出す。スポーツマンのアンドリューのダンスは激しく、雄叫びでガラスが粉々に砕け散り、それを見たアリソンは目を丸くする。
そのころ、ヴァーノン先生は、資料の保管庫で秘密情報を盗み見ていた。そこに校務員のカールがやって来て、何を見ているのかヴァーノン先生に問いただす。まずいところを見られたヴァーノン先生は、カールに秘密にしておくよう頼むが、カールは口止め料として50ドルを要求する。
映画『ブレックファスト・クラブ』の結末・ラスト(ネタバレ)
マリファナでうち解けた生徒たちは、それぞれのプライベートな話を始める。クレアはジョンに、バッグの中身を見せるほど気を許していたが、ジョンが複数のガールフレンドの写真を持ち歩いているのを見て呆れる。
クレアが、なぜ複数のガールフレンドと付き合うのか問い詰めると、ジョンは逆に彼女に、なぜこんなにたくさんの物がバッグの中に入っているのか尋ねる。クレアが、自分は物を捨てられない性格なのだと答えると、ジョンは「自分もだ」と答える。それは、ジョンが複数のガールフレンドと付き合っていることの答でもあり、クレアは渋々納得する。
アンドリューは、ブライアンがなぜ偽のIDカードを持っているのか尋ねると、ブライアンは選挙に行くためだと答える。あまりの真面目な答に、引き気味のアンドリュー。
そんな2人の前にアリソンがやって来ると、クレアの真似をして、自分のバッグの中身が見たいか尋ねる。2人はそろって「結構だ」と断る。アリソンは怒って自分からバッグの中身を2人の前にぶちまける。バッグの中からは大量のガラクタや下着などが出てきて、アリソンは家出するために備えているのだと説明する。
アンドリューがアリソンに、家に問題があるのか、それとも問題があるように思われたいのか尋ねると、アリソンは怒ってその場を去る。その後を追ってアンドリューが真剣にアリソンの悩みを聞くと、アリソンは親から無視されているのだと打ち明ける。
その頃、ヴァーノン先生は、カールに娘や生徒についての愚痴をこぼしていた。ヴァーノン先生は、生徒が自分たちを馬鹿にしていると言う。それを聞いたカールは、ヴァーノン先生が生徒と同じ16歳のとき、教師のことをどう思っていたか考えてみろと諭す。
さらにヴァーノン先生は、自分が年を取って生徒たちの世話になるのかと考えると、不安で夜も目が覚めると言う。それを聞いたカールは、「当てにするな」と言った。結局、甘えていたのは自分自身なのか? ヴァーノン先生はカールのひと言で、考え込む。
図書館の5人は、車座になって自分たちの身の上を話し始めていた。クレアがバージンなのかどうか答えないため、アリソンは、自分は色情魔で、精神科医と卑猥な行為をしたと嘘をつく。クレアは騙されて、自分がバージンであることを白状してしまう。
アンドリューは、ラリーという弱そうな同級生のお尻にテープを貼ったことが原因で、補習に参加させられていた。それまで悪いことをしたことがなかったアンドリューだったが、父親が学生時代にワルだったという自慢話をするため、悪いことをしない自分は、父親をがっかりさせているのではないかと考えていた。
そのため、更衣室で着替えているラリーに飛びかかり、そのお尻にテープを貼った。ところが、テープを剥がすときに、ラリーはお尻の皮までむけてしまったのだという。アンドリューは父親に褒めてもらおうとしてやった行為だったが、そのためにラリーは彼の父親から怒られるかもしれない。そのときのラリーの悔しさを思うと、アンドリューはやりきれない気持ちになるのだった。
その話を聞いたブライアンが、自分が補習に参加している理由を語る。それは、技工のテストで赤点をとったことが原因だった。簡単に単位が取れると思って履修した技工の試験で、ブライアンは象のランプを作った。象の鼻を引くとランプが点く仕組みだったが、ランプは点かず、その作品は失敗作に終わってしまった。
ブライアンの話で暗い雰囲気が漂ってしまったとき、突然、アリソンが「自分は足で字が書ける」と言い出す。そこから特技の話になり、ジョンはクレアにどんな特技があるかを尋ねる。特技などない、と言い張るクレアに、ジョンがしつこくせまるので、クレアは皆が笑わないということを条件に、特技を見せる。それは、胸の間に口紅を挟んで、唇に塗るという特技だった。
ジョンは、「(クレアの)イメージが台無しだ」と言って、クレアを馬鹿にする。それを聞いたクレアは泣き出す。アンドリューとアリソンは、笑わない約束だと言って、ジョンを責める。ジョンは、笑ったのではないと言い張る。
さらにジョンは、追い打ちをかけてクレアの悪口を言う。お姫様で、苦労知らず、耳のダイヤのピアスも、どうせ父親のプレゼントだろうと。クレアは涙で顔をぐちゃぐちゃにしながら、ジョンのことが大嫌いだと叫ぶ。
気まずい雰囲気になったので、ブライアンが話題を変える。彼が皆に問いかけたのは、月曜日にこのメンバーが会ったとき、お互いに声をかけるか、という質問だった。そして、「僕たちはもう、友達だよね」と念を押す。
アンドリューは同意する。しかしクレアは、月曜日に会っても無視すると言い切る。それを責めるアンドリューに、クレアは、体育会系の友達の前でブライアンに話しかけられたら相手にするかと尋ねる。アンドリューは言葉に詰まる。クレアはさらに、アリソンから挨拶をされても、無視するという。
その態度に、ジョンが怒りをぶちまける。クレアは、そんなジョンが偽善者だと罵り、正直に本心を話して何が悪いと、開き直る。それを聞いたブライアンは、呆れて言う。「変人」と思われている自分やアリソンのほうがマシだと。
クレアは、自分と他の皆は住む世界が違うと言い、自分に与えられているプレッシャーはここにいる誰にもわからないと、言い訳をする。
ブライアンは、プレッシャーなら自分も感じていると言う。彼は常に両親からプレッシャーを与えられている。赤点を取ると、他の教科で最高点を取っても、全体では平均点になってしまう。両親に許されないと思い、ブライアンは落ち込んだ。そして、自殺を考えて銃を購入したと告白する。銃はロッカーにしまっておいたが、それが暴発したために発見され、懲罰補習に参加するよう、言い渡された。
ブライアンの言葉に、全員が驚く。クレアは、自殺は良くないと諭す。アンドリューは、ただの照明弾だから大丈夫だと話す。それを皆聞いて吹き出す。
さらにアリソンが、補習に参加した理由を話す。それは、「何もしなかったから」ということだった。何もしていないのに、その行動自体が変なので補習に参加させられた。それを聞いてみな大笑いする。そして、それまでの諍いが噓だったかのように、みな音楽をかけて踊り出すのだった。
ダンスで大騒ぎした後、ジョンはこっそり屋根裏を伝って倉庫に帰っていった。クレアは、5人の中で一番頭のいいブライアンに、代表して作文を書いてほしいと頼み、ブライアンはそれを引き受ける。
クレアはアリソンにメイクをする。アリソンは、見違えるようにきれいになった。それを見たアンドリューは、すっかりアリソンに惹かれてしまう。
クレアはジョンのいる倉庫にやって来ると、ジョンに告白してキスをする。ジョンも素直にクレアを受け入れる。
補習が終わる。図書館を出た5人は、みな笑顔で校務員のカールに挨拶をする。迎えに来た親たちの車に乗る前に、アンドリューとアリソンがキスをする。続いて、クレアはダイヤのピアスをジョンに渡し、この2人もキスを交わす。
誰もいなくなった図書館で、ヴァーノン先生は、ブライアンの書いた作文を読む。作文には、こう書かれてあった。
補習に参加するのは当然だ。しかし、「自分とは何か」というテーマの作文は馬鹿げている。先生は自分の都合で、自分たちが何かを決めつけている。僕たちは、自分たちのことが何か気付いている。それは、ガリ勉、スポーツ馬鹿、不思議ちゃん、お姫様、チンピラだと。そして、作文の最後の名前は、「ブレックファスト・クラブ」となっていた。
親の迎えはなく、1人で学校のグラウンドを歩いて帰るジョン。しかし、彼はなぜか嬉しくなって、ガッツポーズを掲げるのだった。
映画『ブレックファスト・クラブ』の感想・評価・レビュー
どことなく自分の学生時代を思い出す映画。古い映画ではあるけれども現在の子供にも通じる部分がきっとあると思っている。彼らは今後もしかしたらほとんど互いに口を利かないかもしれない、しかし事あるごとにこの日を思い出すに違いない。たとえ属性が違っても分かり合えたこの日の経験がきっと彼らの財産になるだろう。学校という特殊なシステムの意義の一つはこうした多様な個性が互いにであうことにあるのだ。(男性 30代)
高校生のスクールカーストを題材とした元祖的な作品。親との関係や自分のキャラクターなど、ティーンズ時代の窮屈な思いや葛藤を会話劇として描いている。
タイプの異なる5人の男女が、初めは互いにいがみ合いながらも、次第に本音を吐き出してぶつかり合うことで自分自身を解放してゆく。学校を出た時の彼らの清々しい表情が、これからの前向きな未来を表しているようである。
それぞれの個性が際立つ昼食のシーンや、先生に見つからないよう全員結束して逃げるシーンなど、笑える場面も多くコメディとしても面白い作品である。(女性 30代)
ずっと以前に観た時にはそれほど印象に残っていなかったのだが、「ピッチ・パーフェクト」等、今でも色々な映画の中で名前が出てくる映画ということで改めて観直した。自分とは歳が離れた高校生の話ということもあり、以前は登場人物達のある種の身勝手さが受け入れられなかった気がする。しかし、自分が歳をとった結果、一周回ってなんとなくではあるが「そういうこともあるかな」位に思えてきたのが面白い。「自分とはなにか」の作文は、本当の意味ではいくつになっても書けない気がするけど。(男性 40代)
人間的には典型的なクラスの縮図でもあり、すごく管理的で閉鎖的な社会の縮図でもある様子を描いた、ブラットパックのシンボル的映画である。そしてその社会の閉塞感をどうやって克服していくかも教えてくれる。
「ヤングガン」でビリー・ザ・キッドを演じたエミリオ・エステヴェスを始め、80年代の青春映画で活躍した俳優たちが揃っているので当時の流行も感じられる。意外な人物同士の交流は見ていて面白いし、コミュニケーションを色んな方法でとる彼らの姿には学ことも多くて見応えがある映画だった。(女性 20代)
センスの良い映画というのは何年経っても目に新しく映るのだなぁと実感させられる作品。まるで時を重ねるごとに味が出てくるヴィンテージのように、あの頃のファッションや空気感などが、心地よく画面越しに伝わってくる。
少ない登場人物に限られた場面展開、至ってシンプルな脚本も、この洗練されたセンスをより一層際立たせているように思う。まさに80年代アメリカを代表する青春映画。(女性 30代)
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