映画『ブロードウェイと銃弾』の概要:デビッドは舞台の脚本家として働いていたが、実績もなく名前も売れていなかった。ある日、劇場の支配人からスポンサーが見つかったと連絡を受ける。だだ、そのスポンサーはマフィアのボスで、資金を出す条件は愛人を出演させることだった。
映画『ブロードウェイと銃弾』の作品情報
上映時間:99分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
監督:ウディ・アレン
キャスト:ジョン・キューザック、ダイアン・ウィースト、ジェニファー・ティリー、チャズ・パルミンテリ etc
映画『ブロードウェイと銃弾』の登場人物(キャスト)
- デビッド・シェーン(ジョン・キューザック)
- アーティスト志向の脚本家。芸術家としてのこだわりが強く、プライドが高い。脚本家としては成功しておらず、スポンサーを探していた。ヘレンの魅力に惹かれ浮気してしまう。
- ヘレン・シンクレア(ダイアン・ウィースト)
- 元大女優。若い頃の成功体験が忘れられず、プライドが高い。最近はあまり仕事の打診がなかったので、エージェントの強い勧めでデビッドの舞台に出演する。口が上手く、デビッドを掌で転がし自分の思うように台本を変更させる。
- オリーブ・ニール(ジェニファー・ティリー)
- マフィアのボスの愛人。頭が悪くセリフ覚えも悪い。演技も下手くそだが自覚がない。女優になるのが夢だった。
- チーチ(チャズ・パルミンテリ)
- 父親がやくざだったため、自身もマフィアの道に進んだ。オリーブの用心棒として行動を共にするが、オリーブのことはあまり好きではない。脚本家としての意外な才能を発揮し、デビッドにアドバイスを送るようになる。
- エレン(メアリー=ルイーズ・パーカー)
- デビッドの恋人。家出同然でデビッドについて行き、長きに渡って生活を支えている。デビッドがなかなか結婚に踏み切らないため、好きだと言ってくれたデビッドの友人と浮気をするようになる。
- ジュリアン・マークス(ジャック・ウォーデン)
- 劇場の支配人。デビッドの友人。マフィアのニックとも繋がりがある。
- ニック・ヴァレンテ(ジョー・ヴィテレリ)
- マフィアのボス。オリーブのことを溺愛している。殺人も厭わない危険な人物。
映画『ブロードウェイと銃弾』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ブロードウェイと銃弾』のあらすじ【起】
芝居の内容について脚本家のデビッドと、劇場の支配人のジュリアンが揉めていた。ジュリアンは芝居の内容が暗かったためセリフを変えて欲しかったのだが、デビッドは自分の仕事にこだわりを持っており、変更することを嫌がった。
マフィアのボス(ニック)の愛人であるオリーブは、クラブで踊り子として働いていた。だが、他の女性達と同じ控室に押し込められ働く現状に嫌気がさし、ニックに当たり散らした。オリーブの本当の夢は、舞台女優になることだった。ニックはオリーブに惚れこんでいたため、夢を叶える約束をした。
デビッドはジュリアンからスポンサーが見つかったと連絡を受け、興奮して喜んだ。だが、出資する条件は、演技力も分からない女性(オリーブ)を出演させることだった。デビッドはスポンサーがニックだと聞かされ嫌な予感を感じるが、とりあえずオリーブに会って決めることにした。ジュリアンはその代わり、元大女優のヘレンに主演の打診を行っていることを話した。デビッドはヘレンの出演を喜び、すっかり気分を上昇させた。
ヘレンは平凡な主婦役として主演の打診を受けていると聞き、エージェントを非難した。有名な作品に出演していたヘレンには耐えられない仕事だった。だが、エージェントはあえてきつい言葉を言い、昔のように仕事はないのだと苦言を呈した。その時、デビッドから花束と、“偉大なアーティスト”と書かれたメッセージが届く。ヘレンの気分は良くなり、台本の調整するためデビッドと会うことを決める。
映画『ブロードウェイと銃弾』のあらすじ【承】
デビッドはジュリアンと共にオリーブに会いに行くが、オリーブは舞台に詳しくもなく、たいした経験もなかった。しかも、傍でニックが電話で、“放火に見せかけろ”や、“脚をぶった切ってやる”など物騒な言葉を叫んでいたため、デビッドは気分が悪くなってしまう。デビッドは家から出た途端、オリーブに任せるのは無理だと叫んだ。だが、ジュリアンから資金を得るために仕方がないのだと窘められる。
9月10日月曜日。デビッドは今日から日記をつけることにした。10時のリハーサルに男優のワーナーが上機嫌に現れた。その次に夫を奪う女を演じるイーデンが現れる。イーデンは陽気な性格で、おしゃべりな女性だった。オリーブもお目付け役のチーチと共に現れるが、機嫌がとてつもなく悪かった。デビッドは間を取り持ち、オリーブに関係者の皆を紹介した。最後に30分遅刻してヘレンが現れた。
デビッドは初日なので軽い読み合わせで終えることにした。オリーブが一々言葉の意味を確認すること以外は、順調な滑り出しだった。その後、デビッドはヘレンに誘われ、もぐりの酒場に足を運んだ。ヘレンはデビッドの才能を褒めながらも、遠回しに芝居の内容を変更して欲しいことを話した。デビッドはヘレンの誘導に気づかず、セリフの変更を検討することを約束した。
映画『ブロードウェイと銃弾』のあらすじ【転】
9月17日。ヘレンがイーデンに対して存在が鬱陶しいと非難したため、口論に発展してしまい、イーデンが泣きじゃくる事件が起こる。オリーブの無駄なセリフをカットしたことも問題になった。オリーブは舞台に出る時間が短くなるから嫌だと叫び、チーチもしゃしゃり出てきて、デビッドは2人に怒られるハメになる。ワーナーは何も問題を起こさない優等生だったが、ダイエットをしているにも拘らず、レモン水以外の物を口にするようになった。
デビッドはヘレンの家に招かれ、次は私だけのために脚本を書いてくれと頼まれる。ブロードウェイの街並みを眺めながら、デビッドは夢心地でヘレンの話を承諾した。その時、まるでついでのように、ヘレンから第2幕の内容を変更して欲しいと頼まれる。デビッドはそれも二つ返事で了承した。
デビッドはセリフについてオリーブとチーチに文句をつけられ、腹を立てながら劇場を飛び出した。だが、チーチ達の言うように自身の脚本に問題が有るのではと思うようになり、ヘレンに悩みを相談した。ヘレンは調整するためにリハーサルがあるのだとデビッドを励ました。デビッドはヘレンに恋する気持ちを自覚していた。
デビッドの恋人のエレンが劇場に遊びに来ていた。30分は平和にリハーサルを行っていたが、オリーブとイーデンが台本に文句をつけ出し、収拾できない事態に発展する。だが、チーチが台本について妙案を出し、デビッド以外がその案に賛同した。
映画『ブロードウェイと銃弾』の結末・ラスト(ネタバレ)
デビッドはヘレンと台本について話していた。ヘレンが台本の変更に賛成だったため落ち込むが、サプライズで誕生日プレゼントを貰い気持ちを浮上させた。その夜、デビッドがクラブでエレンと誕生日を祝っていると、チーチが店を訪れているのが見えた。デビッドがチーチに謝罪しに行くと、台本について更なるアドバイスをもらう。
9月24日。デビッドが書き直した台本は好評だった。だが、チーチからアイデアを貰ったことは話さなかった。その後、デビッドは書き直した台本をこっそりチーチに確認してもらった。デビッドはヘレンから新しい台本について称賛の言葉を貰うが、初稿は理屈っぽいだけだったと貶され複雑な気持ちを抱く。ヘンリはデビッドの才能を褒め称え、キスをした。
10月1日。ヘレンがパーティーを開いた。デビッドは著名な脚本家達に会え、夢のような時間を過ごした。だが、途中でヘレンに呼び出され、体の関係を迫られる。デビッドはパーティーに参加したかったが、ヘレンの魅力に逆らえなかった。
10月12日。ボストンでの舞台初日。観客達の評判はよかったが、チーチはオリーブの演技の下手さが我慢できなかった。デビッドは必死にチーチを宥めた。ニューヨークでの舞台初日の終了後。デビッドはたくさんの資金を手に入れたのでオリーブを降ろすべきだとジュリアンに相談するが、殺されたくなければ出演させろと止められてしまう。
デビッドとヘレンの関係が新聞にスクープされてしまい、エレンに浮気がばれてしまう。デビッドは必死に誤解だと弁明し、仕事に邁進していただけだと話した。その後、友人に相談しに行くが、たいしたアドバイスは貰えなかった。
チーチはオリーブの下手な演技が耐えられなくなり、暗闇で射殺した。10月25日。明日は舞台初日なのにオリーブが投資稽古に現れなかった。デビッドはオリーブの代役を稽古に参加させたが、オリーブよりも断然よかった。
デビッドはオリーブがやくざの抗争に巻き込まれて亡くなったと聞き、チーチの元に向かった。チーチが殺したと確信していたのだ。チーチは平然と芝居を救うために殺したことを認めた。デビッドは命を粗末にするチーチの考えが理解できなかった。その夜、デビッドはヘレンに浮気したことを話すが、エレンもデビッドの友人と浮気していることを告白した。デビッドは気持ちを整理できず、顔を覆った。
チーチはボスからオリーブと浮気をして殺したと誤解を受け、舞台の裏で手下に撃たれてしまう。チーチは死ぬ間際、デビッドに最後のセリフを変えろと伝え、息を引き取った。後日、舞台の成功が新聞に掲載された。だが、デビッドは脚本家を辞める決意をし、エレンにプロポーズをした。
映画『ブロードウェイと銃弾』の感想・評価・レビュー
口の悪い売れない作家、過去の栄光に縋る女優などいった、どこかねじの外れた人間たちのコメディ映画です。声に出して笑うようなシーンはないですが、こじれたり衝突したりといった人間関係が面白いです。舞台芸術に最も真摯に向き合ったのがギャングのチーチであったことがなんとも…少し悲しい最後でしたね。途中までは事がうまく進み、段々と歯車が噛み合わなくなる展開が自然で引き込まれます。ラストの二人が結ばれるオチには違和感がありましたが、”まぁいいか”と思わせられます。(男性 20代)
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