映画『Buy Me バイ・ミー』の概要:厳格な母親を持つ女子大生が密かにモデル事務所へ所属。だが、ファッションショーツアーのつもりで向かった先で、実は事務所が売春斡旋を行っているという実態を知る。モデル仲間と生活を共にした女子大生は、やがてセレブから大金を得るようになる。
映画『Buy Me バイ・ミー』の作品情報
上映時間:108分
ジャンル:ヒューマンドラマ、サスペンス
監督:ヴァディム・パールマン
キャスト:ユリヤ・フリーニナ、スヴェトラーナ・ウスティノヴァ、アンナ・アダモヴィチ etc
映画『Buy Me バイ・ミー』の登場人物(キャスト)
- カーチャ(ユリヤ・フリーニナ)
- 優秀な女子大生。詩人の研究をしており、フランスのパリへ語学留学する予定だった。英才教育を施す厳格な母親を持ち、息苦しい思いを抱えている。美しい容貌を持っているが、少々世間知らず。
- ガーリャ(スヴェトラーナ・ウスティノヴァ)
- 菜食主義者でカロリーを常に気にしている。皮肉屋で金髪の美女。妖艶でパトロンを数人持ち、高額な車を購入してくれる人物もいる。時々、ぶっ飛んだ言動をしたりする。ポルシェが大好きで、車があるだけで上機嫌。
- リザ(アンナ・アダモヴィチ)
- 黒髪で妖艶な美女。非常に落ち着いており自分に自信がある。人脈が広く自分の体を武器にして、狙った獲物を手に入れる。カーチャの姉のような存在で、忠告や教えを授ける。男は全員トイレだと言って憚らない。ポルシェの支店に勤めている。
映画『Buy Me バイ・ミー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『Buy Me バイ・ミー』のあらすじ【起】
大学の奨学生に選ばれフランスへの語学留学をすることになったカーチャ。彼女の母親は娘の英才教育に酷く熱心で、息苦しい生活を強いていた。そこで、カーチャは密かにモデル事務所へ所属し、フランス留学と偽ってファッションショーツアーへ。奨学金を無駄にすることにはなるが、有意義な体験ができると予想してのことだった。
同じ事務所のモデルたち総勢9名で一路アラビアへ。モデル仲間のリザの話によると、どうやらモデル事務所は、ファッションショーという名目で売春斡旋を行っているらしい。今回が初仕事であったカーチャは人知れず怯えたが、リザのアドバイスのお陰でどうにか乗り越えるのであった。
鮮烈の初仕事を終え、ロシアへ戻って来たカーチャ。当座の宿泊先はリザのアパートで共に約2か月を過ごす。他にも菜食主義者のガーリャが一緒に住んでいた。母親から解放されたカーチャは、リザとガーリャの影響を受け、次第に淫らなアンダーグラウンドの世界へと踏み出していく。
リザはポルシェのロシア支店に勤め、上司と寝ることで安定した生活を得ている。彼女は同僚とも寝ているが、どうやら本命はその同僚の方である。ガーリャには多くの恋人がいるらしく、高額なポルシェの車を買い与える男がいるらしい。3人は共に生活することで、少しずつ互いの事情を理解していった。
映画『Buy Me バイ・ミー』のあらすじ【承】
ある夜、クラブへ出向いた3人は、酒と薬でハイになり目当ての男をそれぞれに物色。カーチャは酔った勢いで危険だと有名な男と一夜を共にする。男は手を上げることこそなかったが、カーチャを酷く乱暴に抱いた。彼女はその行為を苦痛に感じ、自分が支持する詩人の詩を唱えることで乗り越える。男はそんなカーチャを笑い、家まで送り届けてくれるのだった。リザとガーリャは物慣れないカーチャを心配していたが、帰宅後にトイレで嘔吐する彼女がトイレの水漏れを心配したことで呆れてしまう。
リザの会社でパーティが開催され、参加したカーチャ。パーティにはリザの上司夫妻も参加していたが、リザ曰く彼は妻に隠れて彼女を抱くスリルがたまらないらしい。すぐに呼び出されるだろうという予想通り、リザは上司に呼ばれて別室へ。1人残されたカーチャの元へリザの同僚がやって来る。彼はリザへと好意を寄せていたが、自分がどう言われているか気になっている様子。そこで、カーチャはリザが言った言葉をそのまま伝えた。すると、同僚は上司の妻を伴って、不倫現場へ突入。このことでリザは会社を解雇されてしまうのだった。
アパートの家賃はリザの上司が払っていたらしく、リザが職を失ったことで収入がなくなってしまう。このままでは住む場所も維持できない。そこで、カーチャは以前、自分を手荒く抱いた男へと再びすり寄り、当座の生活費など支援してもらうことに。実質、男の愛人となったカーチャは、リザとガーリャを養うことで更なる深みへと嵌っていく。
映画『Buy Me バイ・ミー』のあらすじ【転】
そんなある夜、帰宅したリザとカーチャは荒れ果てた部屋の様子に驚いてしまう。ガーリャは家中の食べ物を食い荒らし、ベッドで泣き濡れていた。彼女が痛く気に入っていた車が購入したパトロンに奪われたらしい。そこでカーチャは愛人に無心。ところが、食事を共にしているレストランに母親の姿を発見してしまう。テーブルの下に隠れた彼女は、愛人に事情を話したが、テーブルの下から出るなら車を買い戻してやると言われ、覚悟を決めることにした。
このことでカーチャの嘘が母親に露見。母親は娘が娼婦まがいなことをしていることに激怒。母子は激しい喧嘩をして別れてしまう。そんな彼女を哀れに思った愛人は、ポルシェを購入するために大金を渡してくれる。男はカーチャに愛されると迷惑だと言いながら、彼女とベッドを共にするのだった。
大金を得て帰宅したカーチャにガーリャは大喜び。3人は更に信頼を深めた。
翌日、ガーリャと共にポルシェを見に向かう。車に詳しいタクシー運転手にも協力を得て、中古車にしては掘り出し物だという旧型のポルシェを予約した。
映画『Buy Me バイ・ミー』の結末・ラスト(ネタバレ)
その日の夜は以前からリザが追いかけていた男性がいるバーへ。カーチャは彼のSPを退け、堂々と正面から対話を持つ。リザは大慌てだったが、カーチャのお陰で男性が持つ別荘へ招待されることになった。
ガーリャとリザは翌日のためにドレス選びに余念がない。ところが、カーチャはトイレに籠もって妊娠検査薬を睨んでいた。そこには紛れもなく妊娠の兆しが現れている。彼女は咄嗟に母親へと連絡しようとしたが、寸前で堪え父親である愛人に連絡。すると当然、男はカーチャを拒絶。彼女は泣きながらもその事実を静かに受け止めるのだった。
翌日、ガーリャは購入した車の受け取りに向かいリザは別荘へ。カーチャは1人でアパートに残った。そんな時、アパートにリザの元同僚が訪ねて来る。カーチャは男の車で病院へ向かい、中絶手術を受けることにした。
一方、別荘へ向かっていたリザは、運転手に降格されてしまったSPの報復に遭い、複数の男達に強姦される羽目に。
同じ頃、ガーリャは馴染みのあるタクシー運転手によって絞殺され、購入資金を奪われてしまうのだった。
その後、カーチャはリザの家を出てガーリャの葬儀にも参列しなかった。彼女は予定通り留学先のフランスへと向かい、滞在予定の部屋の前でひとしきり泣き濡れる。そうして、本来の道へと戻るのだった。
映画『Buy Me バイ・ミー』の感想・評価・レビュー
世間知らずに育てられた女子大生が、母親の束縛から逃れアンダーグラウンドへと飛び込み、痛い目に遭うというストーリー。いずれにしても主人公には本来の道があるため、逃げ道や救いは用意されているが、彼女に関わった2人の女性は人生を左右されることになる。
こういう話はよくある。なまじ容姿が美しいため、金持ちの男に体を求められ金銭を受け取ることも往々にしてあるだろう。それを世間では娼婦と呼ぶのだが、彼女たちは一貫して自分達は娼婦ではないと断言している。ただ、彼女たちは成功を得るために、使えるものを使っているに過ぎない。そんな女性たちの生々しい心情と奮闘を描いている。(MIHOシネマ編集部)
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