映画『キャノンボール』の概要:公道を利用したレース、“キャノンボール”が開催されようとしていた。レースの参加者達は、どのようにして警官に捕まらずに走るか、思い思いの策を練っていた。その陰では、参加者のせいで酷い目に遭った男が、レースを取り締まろうと奮闘していた。
映画『キャノンボール』の作品情報
上映時間:95分
ジャンル:アクション、コメディ
監督:ハル・ニーダム
キャスト:バート・レイノルズ、ジャッキー・チェン、ロジャー・ムーア、ファラ・フォーセット etc
映画『キャノンボール』の登場人物(キャスト)
- J.J.マクルーア(バート・レイノルズ)
- 「JJ・マクルーア運送」の社長。「キャプテン・ケイオス」が嫌いで、話題に出すのも嫌がっている。ビクターと共に、救急隊員に扮してレースに参加する。
- ビクター・プリンズム(ドム・デルイーズ)
- JJの幼馴染であり、レースの相棒でもある。「JJ・マクルーア運送」の社員。子供の頃に苛められた経験から、自分の中に「キャプテン・ケイオス」という名前のヒーローを生み出す。普段は大人しい性格だが、マントとマスクを着けて「キャプテン・ケイオス」に変身すると、実力以上の力を発揮することができる。
- シーモア・ゴールドファーブJr(ロジャー・ムーア)
- 御曹司であり役者でもある。父の莫大な遺産を相続している。映画『007』のボンドカーと同じ、アストンマーティン・DB5に乗ってレースに参加する。
- パメラ・グローバー(ファラ・フォーセット)
- 写真家。JJに気に入られ、レース途中で誘拐される。初めは誘拐されたことに対して怒っていたが、レースを楽しむようになる。
- ジェイミー・ブレイク(ディーン・マーティン)
- 元F1ドライバー。フェンダーバームの相棒。フェンダーバームと共に神父に扮してレースに参加する。
- モーリス・フェンダーバーム(サミー・デイヴィス・ジュニア)
- お金を稼ぐのが目的でレースに参加する。汚い手を使い、ジェイミーと共にJJを妨害する。
- ニコラス・ヴァン・ヘルシング(ジャック・エラム)
- 肛門科の医師。ビクターにスカウトされ、レースの救急車に乗ることになる。インパクトのある顔の持ち主。注射を打つのが好き。
- ブラッドフォード・コンプトン(バート・コンヴィー)
- 社長。新婚夫婦の振りをしてレースに参加する。レースにはハーレーダビッドソンで参加している。
- シェーキー・フィンチ(ウォーレン・ベーリンガー)
- ブラッドフォードの相棒。バイクの後ろに乗っているが、体重が重いせいでずっとウィリー走行で走っている。元長距離レースの達人。
- ジャッキー・チェン
- 劇中の中では日本人となっている。相棒が作った自動操縦車でレースに参加している。格闘が得意。
- アーサー・フォイト(ジョージ・ファース)
- パメラの友人。レースの参加者に酷い目に遭わされたため、レースを取り締まろうと1人奮闘する。
映画『キャノンボール』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『キャノンボール』のあらすじ【起】
「JJ・マクルーア運送」ビクターは社長のJJに遅刻したことを怒られる。大切にしているハムスターの様子が変だったのだと、必死に訳を話した。自分の尻尾や足踏み車を齧っていたのだ。JJはハムスターもすぐに元気になって、道路を走る車のように動き回るようになると励ました。ビクターはJJの意見に納得し、“キャノンボール”の勝利を祝おうと話しを変えた。だが、メンバーに“アイツ”を加えようと言った途端、JJの機嫌が悪くなってしまう。
陽気な黒人のフェンダーバームは自分もキャノンボールに参加して賭け金を稼ごうと、ノミ屋のジミーの元を訪ねた。だが、ジミーから頭脳と経験が必要なレースだから、お前には無理だと止められる。“キャノンボール”は時速130キロで5000キロを走る公道のレースだった。しかし、フェンダーバームは諦める気はなく、相棒として元F1ドライバーのジェイミーを連れていた。
ビクターとJJはパトカーに止められないために、どの車を使えばいいか話し合った。ある日、JJはビクターとボートに乗っているときに、事故を起こしてしまう。JJ達は救急車で運ばれながら、他の車が避けて行く様子を見て、この車だと微笑み合った。
王家のシークは部下に、明日一緒にレースに出ろと命令した。部下はYESの返事をしながらも、静かに神に安全を祈った。シークの姉はアメリカの異教徒とレースをすることにいい顔をしなかったが、シークは優勝することしか目に入っていなかった。社長のブラッドフォード・コンプトンは車の手配、重役会議のキャンセル、友人のシェイキーの捜索を秘書に指示した。シェイキーは長距離レースの達人だった。
男達は警察の追跡から逃れるために車を走らせていたが、誤ってプールに落ちてしまう。集会所の前で車の点検をしていると、エンジンを吹かせすぎて集会所を目茶目茶にしてしまう。集会所にいたフォイトは腹を立て、復讐を誓った。
映画『キャノンボール』のあらすじ【承】
男達はモーテルに泊まろうとしたが、駐車場はレーサーの車で一杯だった。仕方なくホテルの建物に突っ込んで車を停車させた。JJは男達に大統領のつもりかと皮肉るが、堪えた様子はなかった。JJとビクターは救命士の格好をしていたため、モーテルのオーナーから重傷者(フォイト)を診てくれと頼まれる。JJは仕方なくフォイトに水を吹き掛けて目を覚まさせた。オーナーはその信じられない治療法に目を剥いて驚いた。
フォイトはレーサー達への怒りを、友人のパメラに吐き出した。モーテルのバーに行くと、多くのレーサー達が集まっていた。フォイトは鍵を拾う振りをしながら、レーサー達の会話を盗み聞きした。JJとビクターは救急車に乗せる医師を探していた。フェンダーバームとジェイミーは神父の振りをしていた。フェンダーバームは優勝を確信しており、賭け金を上げることを考えていた。
JJ達は美しい女性を見かけ、患者として救急車に乗ってもらおうと声を掛けるが、その女性もレースの出場者だった。その時、JJはパメラと目が合い、あまりの美しさに心を動かされる。JJはパメラに声を掛け、レースに出場するのではなく、救急隊員として人命を救助していると嘘を吐いた。パメラはその話を信じた。
フォイトは安全推進委員会に電話を掛け、レースの参加者の摘発を勧めた。そうすれば、地位を向上させるチャンスだと売り込んだ。
シーモアは007の劇中歌と共にモーテルに現れた。そして、出場者のサインに、芸名の「ロジャー・ムーア」を書いた。他の出場者達は女性に声を掛けたり、ビールを用意したり、思い思いの時間を過ごした。
映画『キャノンボール』のあらすじ【転】
夜になり、レースがいよいよ始まろうとしていた。警察も1万人の職員を配備していた。だが、レーサー達はスピード違反で捕まることを恐れてはいなかった。司会者はタイムを記録する方法をアナウンスした。スタート地点とゴール地点でタイムカードを押し、順位を競うのだ。1台目の車がタイムカードを押し、スタートした。
フェンダーバームはJJが参加していることを知り、危機感を募らせた。だが、ジェイミーはJJよりも、ビクターが“変身”した方が恐ろしい力を発揮すると忠告した。その頃、フォイトはパメラに協力してもらい、レースに参加した車とナンバーを書き留めていた。その時、男達が森に突っ込んでいくのが見えた。フォイトは先回りして男達を捕まえることにした。
ビクターはやっと医師のニコラスを見つけることができたが、インパクトのある顔の持ち主だった。言動も変わっており、JJは怒りを募らせる。しかも、ニコラスは報酬として2000ドルを要求してきた。だが、JJが200ドルしかないことを伝えると、あっさりとそれで引き受けた。
JJ達は患者を見つけられずにいたが、ニコラスを乗せて車を出発させた。すると、途中で自動車事故を見つける。フォイトが後ろから追突され、怪我をしていた。パメラから助けを求められ、フォイトに後ろに乗るよう指示を出した。その瞬間、JJはパメラを助手席に連れ込み、ビクターに救急車を出すよう指示を出した。フォイトは救急車に乗れずに道路に倒れてしまう。パメラはフォイトを助けに戻ってくれと頼むが、JJもビクターも聞き入れてはくれなかった。
パメラはJJ達の行いに腹を立て、不貞腐れていた。その時、パトカーに追跡されていることに気づく。JJはパメラに患者の振りをしてくれと頼むが断られてしまう。仕方なく車を停車させて、警官達に急患がいて飛ばしていることを説明した。だが、急いでいるのならなぜ飛行機を使わないのかと疑問を持たれてしまう。ニコラスは患者が肺を病んでいて飛行機に乗せられないと嘘を吐いた。それでも疑われたため、JJとビクターは手を繋いでゲイの振りをして警官の尋問を乗り切った。
映画『キャノンボール』の結末・ラスト(ネタバレ)
夜が明けた。シーモアは助手席に乗せた美女に、テレビに出演した自慢話をしながら車を走らせていた。JJ達はフェラーリに乗った神父(フェンダーバーム)に、祈りを捧げたいので車を止めてくれと頼まれていた。JJは偽の神父だと薄々感づいていたが、ビクターの強い勧めで車を止めた。ジェイミーがJJと話している隙に、フェンダーバームが救急車のタイヤに細工をした。JJはそれに気づき、悪態を吐いて怒った。
JJ達は再び警官に呼び止められてしまうが、コスプレ好きの変態に襲われた患者を乗せていると嘘を吐いた。そして、犯人の情報として、フェンダーバーム達の情報を提供し、銃を持っていると嘘を吐いた。フェンダーバーム達は警官に呼び止められ、捕まってしまう。
フォスタは検問所を設置して、レースに参加している車を炙り出していた。シーモアは新婚旅行の振りをして、検問を突破した。JJ達はトラックの荷台に乗せてもらい、シートを被せて隠れた。ビクターが車の修理をしている間、JJはパメラと交流を深めた。JJの父は炭鉱所で働いており、辞めたらフロリダで悠々自適に暮らそうと考えていた。だが、その前に亡くなってしまう。その時、JJはやりたいことはすぐに実行に移すことを心に誓った。でも、予想外のことが起こるのが人生で、パメラとの出会いは嬉しい驚きだったと伝えた。パメラはその話を嬉しそうに聞いていた。
パメラは“ビクターの中に入る友達”についてビクターに質問した。ビクターの中の友達は「キャプテン・ケイオス」という名前で、困っている人を助けてくれるヒーローだった。子供の頃からJJしか友達がいなかったビクターは、ある日校庭で悪ガキに囲まれてしまう。その時、キャプテン・ケイオスが現れ、悪ガキをぶちのめしてくれたのだ。その日から、ビクターは苛められなくなった。
シーモアはパトカーに追われていたが、車につけられていた装置を使ってオイルを道路に撒いた。パトカーはスリップを起こし、道路の端に消えていった。その頃、シークはパトカーに車を止められ、大人しく違反切符を切られていた。だが、車に乗り込むと再び猛スピードで走り出したため、パトカーに追われてしまう。
水道工事のため、レーサー達は同じ場所で立ち往生していた。そこにガラの悪いバイカー達が現れ、バイクに乗っていたブラッドフォード達が絡まれてしまう。そこに、マントとマスクを着けてケイオスに扮したビクターが颯爽と現れ、バイカー達を倒していった。他の参加者も喧嘩に加わり、乱闘騒ぎに発展する。だが、工事が終わったと聞き、参加者達は喧嘩を止めて次々と出発していった。だが、日本人のジャッキーだけは最後まで戦いを止めようとはしなかった。全員倒した後、車に乗り込んだ。
ゴール間際。車から降りた参加者達はタイムカードを持って一斉に走った。JJが他の参加者を足止めしている間にケイオスが先頭を走るが、溺れている子供を助けてくれと叫んでいる母親の声を聞き足を止めてしまう。その間に、女性の参加者がタイムカードを押した。ケイオスが助けたのは犬だった。JJは腹を立て、二度とケイオスに変身するなとマスクを剥ぎ取った。すると、ビクターは新しいマントとマスクを取り出し、キャプテン・USAに変身した。参加者達はなんだか馬鹿馬鹿しくなり、笑い合った。
映画『キャノンボール』の感想・評価・レビュー
『ワイルド・スピード』や『ニード・フォー・スピード』などストリートレースをテーマにした「速い車」で競い合う作品は沢山ありますが、今作で描かれるのはかなり変わったレースでした。
警察に捕まらないで「速く」走るにはどうしたらいいかと考え「救急車」を選ぶ参加者や、神父に変装する人など個性豊かなキャラクターが揃っています。はっきり言ってレース的な展開はほとんど無く、レースの途中でライバルを足止めするシーンばかり。でもそれがとても面白かったです。
ジャッキー・チェンがまさかの日本人役で出演しているのには驚きました。続編もあるようなので、鑑賞してみようと思います。(女性 30代)
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