映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』の概要:名優、トム・ハンクスとレオナルド・ディカプリオがタッグを組んだ超豪華サスペンス映画。自伝小説を元にしており、こんなとんでもない人物が実際にこの世に存在したと思うと、心が踊る。
映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』の作品情報
上映時間:141分
ジャンル:サスペンス、ヒューマンドラマ
監督:スティーヴン・スピルバーグ
キャスト:レオナルド・ディカプリオ、トム・ハンクス、クリストファー・ウォーケン、マーティン・シーン etc
映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』の登場人物(キャスト)
- フランク・W・アバグネイル・Jr(レオナルド・ディカプリオ)
- とあるきっかけから詐欺師となった青年。小切手偽造のプロ。
- カール・ハンラティ(トム・ハンクス)
- FBI捜査官。長年にわたりフランクを追うこととなる。
- ブレンダ・ストロング(エイミー・アダムス)
- フランクが恋に落ちた女性。良家の娘。
映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』のあらすじ【起】
時代は1968年にまで遡る。ニューヨークにあるブロンクスヴィルという街に、フランクという少年が暮らしていた。彼は16歳という思春期ながらも、家族の愛を目一杯受け、素直な青年に成長していた。彼は仲の良い自分の両親を尊敬しており、自分も将来そんな家庭を築きたいと考えていた。
しかし、そんな日々に突如として終わりが訪れる。父親の事業が失敗してしまったのだ。それを機に、フランクの家族は困窮した生活を余儀なくされる。そのことがきっかけか、母親は新しい恋人を作り家を出ていってしまう。ついこの間まで仲の良かった両親が離婚する姿を見たフランクは、「金さえあれば」、そう強く感じた。金さえあれば、今までの幸せな日々が続いていたはずだった、そう考えたのだ。
それからというものの、フランクは金に強い執着を見せるようになる。母親か父親、どちらと一緒に住むか決めろと迫られたフランクは、耐えきれなくなって家出する。そして、フランクはマンハッタンへと渡った。
映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』のあらすじ【承】
金に飢えるフランクが目をつけたのは、確固たるステータスを持つパイロットだった。フランクは高校の新聞記者を装いパイロットに近づくと、パイロットの仕事の実態について詳細に聞き出した。そして、パイロットの制服を手に入れたフランクは、その情報を元にパイロットと身分を偽って生活を始めたのだ。
そして、その一方でフランクは小切手の偽造を始める。不思議なことに、パイロットという身分でその小切手を使うと、誰も怪しむことなくそれを使えるのだった。パイロットとして世界中を旅しながら、小切手で稼いだ金でフランクは優雅な生活を送っていた。しかし、偽造小切手が世の中に出回っていることに気づき、とうとうFBIが捜査を開始した。
FBI捜査員のカールは、必死の捜査の末、とうとうハリウッドでフランクを追い詰めるのだった。しかし、機転の利くフランクは、うまくその場を切り抜ける。FBIから逃げ出したことに有頂天になるフランクだったが、一方で彼は言い知れぬ孤独感に襲われていた。パイロットという自分の身分に近づいてくる人物は多くいるものの、それは本当の彼ではないからである。
映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』のあらすじ【転】
そして皮肉なことに、本当のフランクの姿を知っているのは、彼を追いかけ続けるカールだけだった。追われる身と追う身、本来決してわかり合うことのないはずの二人であったが、フランクは何故かカールに対して奇妙な感情を抱くようになる。
そして、とあるクリスマスの夜、フランクは思い切ってカールに電話をかけるのだった。思わぬ電話の相手に驚くカールだったが、フランクが誰かに構って欲しい、まだただの子供であることを看破する。そして、それからというものの、クリスマスだけのフランクとカールの秘密の電話は、毎年の恒例となる。
そして、ある年、フランクの運命を大きく変える出来事が起こる。ブレンダという看護師の女性に恋に落ちたのだ。ブレンダに近づくために小児科医になりすましたフランクだったが、彼女の父親が検事であると知ると、次は弁護士に早変わりする。そして、見事父親に気に入られ、ブレンダとの婚約を認めてもらうのであった。フランクは自身の幼少期の出来事から、自分こそは幸せな家庭を築いてみせる、と固く決意していた。
映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』の結末・ラスト(ネタバレ)
しかし、恐ろしいことにカールはこの何年間も、フランクを逮捕することを諦めてはいなかった。彼は家出した子供達のリストの中から、とうとうフランクを突き止めたのだった。そうして、婚約パーティーの当日、FBIが会場に乗り込んできた。フランクはブレンダに再度愛を伝え、空港で落ち合おうと言い残して慌ててその場を去っていった。
そして、少し時間を置いてから彼は空港へと向かう。しかし、その場にブレンダの姿はなく、代わりに大量の捜査員たちが待ち受けていた。その場からなんとか逃げ切ったフランクであったが、後日、フランスでとうとう逮捕されてしまう。12年の禁錮刑を言い渡されたが、それに待ったをかけたのは、フランクと長年追いつ追われつを繰り返していたカールだった。
カールはフランクの小切手偽造の腕やそのほか詐欺の技術を買い、FBIの協力者として抜擢したのだ。それからというものの、フランクは偽造のできない小切手を作り出すなど、多大な貢献を残す。そして、フランクとカールの間には、確かな友情が芽生えているのだった。
映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』の感想・評価・レビュー
ディカプリオが若い!と登場と同時に思ったが、作中でどんどん大人っぽく変化していくのがさすがだった。実話だと知って観た方が、本当にこんなことが可能だったのか!と驚くのではないだろうか。
主人公フランクはもともと地頭がいい人だったのだと感じた。父親の姿を見て自分のものにしたネックレスのテクニックや、トム・ハンクス演じるカールとの初対面シーンの機転、自力で乗り越えた弁護士試験も然り。エイミー・アダムスのちょっと頭の足りないおバカさんな演技も今となっては貴重でよかった。(女性 40代)
単純に良くできた脚本と、最高のキャスト。素晴らしい仕上がりの作品。レオ様の七変化が面白くとてもカッコイイ。トム・ハンクスとの相性もぴったりで、ハラハラするシーン満載な中にも不思議な友情で結ばれていく二人の関係が絶妙である。
実在の人物を題材にしたストーリーは、存分に感情移入でき、一週間勉強して司法試験をパスしたというシーンなどは、彼の類まれなる天才さを簡潔にうまく表現している。
タイトル通り、どんなに追い込まれた状況でも逃げ切ってしまう主人公は、詐欺師ながらも人を傷つけない優しさと魅力に溢れていて、誰もが憎めないキャラクターである。
最後の最後、ハッピーエンドで自分の力を世間のために使う終わり方が清々しい。(女性 30代)
フランク・W・アバグネイル・Jrという実在の人物の自伝を元にした作品。FBI捜査官のカールは、実在していたわけではなく、フランクを追う多くの捜査官を元に作り上げた人物である。かつてフランクは映画で描かれている犯罪を実際にやってのけており、その才能を買われ、逆に詐欺防止のコンサル会社を立ち上げていたというから驚きだ。完璧な悪という描き方ではなく、孤独さや幼い頃の家庭環境などが元となっている犯罪ゆえ、ある意味同調してしまう部分も少なからずあった。少年さを残しつつ、少しずつ成長を見せるという人物像は、ディカプリオだからこそ演じきれた役柄ではないだろうか。(男性 30代)
ハリウッド版、「トムとジェリー」みたいな映画です。
お互いに“すごく頭が良いんだなぁ”と終始感心してしまいました。
追う警察と追われる詐欺師の奇妙な交流がおかしくも温かい、ちょっと不思議な感覚になります。実話を元に制作されたとのことですが、非常に映画向きの内容だと思いました。シンプルにエンターテイメントとして楽しめるし、ヒューマンドラマとしても観られます。
主演作は若かりしレオナルド・ディカプリオとトム・ハンクスという大物コンビです。この二人が騙し騙されの壮大な鬼ごっこをしてると思うとそれだけで楽しいです。
ラストも収まりが良くて好きです。
なんとなく、クリスマスが近くなるとあのシーンが思い出されます。(女性 20代)
レオナルド・ディカプリオ演じるフランクはなんと未成年。最初に人を欺いたことは1週間も高校の先生のフリをすることだったが、生徒たちは見事騙された。ここからすでに大胆な詐欺師の卵が誕生しているわけである。最初にトム・ハンクス演じるカールに会った時の機転といい、情報収集から行動に移すまでの大胆さといい、彼の天才ぶりを見ていると、初めから詐欺以外でその能力を発揮できなかったのかと思ってしまう。
決して詐欺は許されるものではないが、のちに詐欺防止で活躍するところを考えると結局この道を通って良かったのではないかとさえ感じさせてしまうところが悔しい。
この話がとんでもないところは、実話に基づいているということだ。途中はハラハラ、最後は清々しい非常に良作であった。(女性 20代)
実際に存在した詐欺事件を元に制作された映画だったため、手口などにリアリティさがあった。さらに詐欺師役にレオナルド・ディカプリオ、彼を追う刑事役にトム・ハンクスがそれぞれ演じているため、ドラマ的な要素も垣間見ることができ、とても満足のいく作品であった。
実際の事件を元にした映画ではあるが、作品の雰囲気は全体的に明るめで最後にハッピーエンドが待っているため、ハッピーエンドが好きな方はもちろん子供にもオススメできる作品だ。(男性 20代)
この映画を語るのであれば、主演の二人、まだ若々しさが残るレオナルド・ディカプリオと感動的な映画での素朴さを残す演技だけでなく、味のある役を演じたトム・ハンクスだろう。カリスマ性光るフランクをディカプリオが演じているのははまり役であるし、ハンクス演じるカールは、初めは好きになれずにいるが、追いかけるだけでなく、フランクを理解できる人になっていくところがハンクスの今までの役所らしい作り方になっていた。映画自体もどことなくフランク自身のような軽さがあり、その中にセンスあるかっこよさが光る映画になっている。(女性 30代)
この映画のすごいところが、この話が実話で、レオナルド・ディカプリオ演じるフランク・アバグネイルが実在した人物だというからあっぱれです。天才だからこそ、大胆なことを堂々とできたのかもしれませんが、パイロットとして業務移動していたり、医者に扮してそれっぽいことを言ってみたり、凡人からしたら、バレた時のことを考えただけで行動に移さないことばかりで、観ているこちらの心臓が張り裂けそうでした。これは人生で観るべき作品の一つです。(女性 20代)
みんなの感想・レビュー
ポスターやオープニング画像がポップなので、アニメの「ルパン三世」でのルパンと銭形の追いかけっこ位にカジュアルな話かと思ったら全く違った。そもそも実話を元にした話だという。お遊び的な鬼ごっこの話であるはずがなかった。そういうわけで初見の時の印象が薄い。しかしあらためて「そういう話ではない」と思って観返すと実は「ちょっと良い話」であることに気づく。寂しくて自分を追う捜査官に電話してしまう詐欺師って可愛らしいではないか。不安定な家庭環境に置かれて父性を他に求めた人の話なのかな。
死ぬまでに一度は見ておきたい映画の一つです。フランクが次々と人を騙してお金を稼いでいくところは爽快でハラハラドキドキ感も味わえ、そしてフランクとカールの追う者と追われる者ですが、カールはフランクの良き理解者、親子の様でもあり親友の様な、絶妙な関係性がとても良く、最高のバディでした。キャスト陣の演技も素晴らしく、2時間超えの作品ですがあっという間に見終わってしまいます。しかもこれが実話というから驚き、特に実際に司法試験に合格したというエピソードは本当にビックリです。フランクはとても頭が良く、まさに天才ですね。
スタイリッシュでお洒落な作品と言うとこの作品が1番に頭に浮かびます。天才詐欺師と彼を追うFBI捜査官の嘘みたいな追いかけっこは、思わず感心してしまうほど良く出来ていて見た人全員を満足させてくれるでしょう。
レオナルド・ディカプリオが演じるのは天才詐欺師のフランク。この作品自体がフランクの自伝小説から生まれているというのだから驚きですよね。男前で頭のキレる彼は「詐欺師」だなんて忘れてしまうくらい魅力的でした。
そして彼を追う捜査官を演じたのはトム・ハンクス。彼の役どころが絶妙です。頭は良いのにちょっと抜けてるところが憎めなくて応援したくなります。
ラストの展開も最高でした。何度も見たくなるし、沢山の人にオススメしたい作品です。
レオナルド・ディカプリオが好きな人はもちろん、特にファンじゃないという方にもこの映画はおすすめだ。実際私もこの映画を観て彼のことが好きになった。なんて華やかで画面映えする人なのだろう、と感心してしまったし、その天性さえ感じさせるオーラが、己の身のこなしひとつで世間を翻弄してきた詐欺師のイメージにぴったりだった。
詐欺なので犯罪は犯罪だが、重い話ではないので終始楽しんで観られるのも良い。オープニングがめちゃくちゃお洒落で、オチも最高。
幸せを取り戻したい一心から、詐欺を繰り返すフランク。いろいろな職業や名前を使って成りすまし、小切手を次々に現金に変えていった。彼の行動もエスカレートしていきFBIにも追われるようになるが、名前を変えながら巧みに詐欺を繰り返していった。そんなことをしていても、いつか終わりがくるのは目に見えている。実話を元にした作品というのもとても興味深く、本当にこんなことができたのかと驚きを隠せない。まだ若いフランクの将来にも、期待したいところだ。
タイトル通り”捕まえられるもんなら捕まえてみな!”とでも言っているような、挑発的な逃亡劇です。パイロット、医者、検事と成りすましますが、切り替わりの手法が滑らかで驚きます。本当にサラっと変身してしまいます。大金を手にしても恋をしても、クリスマスは決まって一人で過ごす姿を見ると、嘘をつき続けると孤独になっていくのだなと思いました。小切手偽造を見抜けるようになっていて、その能力を生かす道に勧めたのは奇跡だと思います。非常に鮮やかな人生、これが実話なのだから驚きです。
とてもオシャレで楽しい作品です。天才詐欺師×FBI捜査官の追いかけっこ。ディカプリオ演じる頭脳明晰な詐欺師がパイロット、弁護士、医者になりすまし皆を華麗に騙していくところはアッパレです。色々なレオ様が見られるのでファンにはとてもおススメです。全て嘘なのに司法試験は本当にパスしたのはスゴイ!ラストの「捕まえてやろうな」がとてもカッコ良いです。トム・ハンクスもとても良く、文句なしの最高傑作です。しかもこれが実話というのは驚きですね。
レオナルド・ディカプリオ演じる主人公の逃亡や犯行、扮装による七変化などが大胆かつ魅力的でかっこよく、彼が段々大人になっていく変化も感じられて見事だった。
やっていることは派手だが、注意を引くためにFBIのカールに自ら電話をかけてしまうところやお金に執着する姿に、ずっと孤独だった彼の心の傷が垣間見えて心を持っていかれた。
本作が実話を基に作られていることは信じられないが、鮮やかな演出やテンポの良いストーリーで2時間21分最後まで飽きずに楽しめた。
さすがスピルバーグ作品!という映画だった。オープニングからおしゃれで、オープニングのシーンを本編で拾っていくような作りに驚いた。内容的にはシリアスなはずだが、スピルバーグ作品ということでどこかほっこりとした雰囲気が漂うのも印象的だ。
フィクションであれば「設定盛りすぎ」というツッコミが入りそうなものだが、これが事実に基づいているのだから面白い。手口も鮮やかで、見ていて飽きのこない映像だった。
若いレオナルド・ディカプリオとトム・ハンクスという豪華なW主演にも引けを取らない、面白い映画だと感じた。まだ観たことがない人は、ぜひ一度観てもらいたい。
スピルバーグ監督作品というのが意外でした。すごく盛り上がるシーンがあるわけではないですが、淡々と進んでいく中にもドキドキしたり緊迫するシーンがてんこ盛りで最後まで楽しめますし、何と言っても実話という点が一番の驚きです。医者やパイロットにまでなりすましてしまい、度胸も頭脳も持ち合わせた主人公をレオナルド・ディカプリオが魅力的に演じています。
個人的に、オープニングがスタイリッシュでおしゃれなところも好きなポイントです。
ユニフォームがつくる信用性の高さを改めて感じる作品。レオナルド・ディカプリオが、その容姿と巧みなトーク術で女性を虜にしていく様に、つい見ている側も彼を好きになってしまう。身分詐称の手口も鮮やかで、すぐに物語に引き込まれた。
犯罪者とFBI捜査官という二人の間に芽生える、奇妙な関係性も見どころ。フランクを数年間追い続けたカールだけが、本当のフランクを知っている、というのも皮肉だ。何度も描かれる少年フランクの孤独に、切なくなった。
フランクのお金に執着するきっかけが、切ないなと思った。幸せな暮らしだったからこそ、余計に両親の不仲が耐えられなかったのだろうなと思う。ブレンダとの恋が実らなかったのは悲しいが、彼女の気持ちを思うと致し方ない感じがする。しかし、カールという理解者がいたことは幸福だと思う。きっと彼がいなければ、フランクはずっと孤独を抱え寂しい人生を歩んでいたのではないだろうか。これが自伝小説を元に制作されているというのが、なんとも驚きである。
主人公フランクが憎めない。もとは家族思いの優しい青年だったのを、悲しい現実がフランクを間違った方に導いてしまったとしか思えない。
軽快に物語が進んでいく様子は、後先を考えず詐欺行為を繰り返す子供な彼自身を表しているようだ。ただ寂しがり屋の子供だと気づいてあげてほしい、彼を気遣ってほしいと途中から切なくなってしまった。
また、フランクの唯一の理解者であるFBI捜査官との掛け合いはクスッと笑えて、心が温まるので必見だ。
影山さん、こんにちは。
汚い言葉で申し訳ございませんが、この映画のディカくんはどっちが先か忘れちゃったけど、弁護士とお医者さんというすごいですよね!(どっちかウソ)物語と思いつつも、「まじじゃね?」って信じちゃいました。
私、塾講師をやっていたころに、女子中生が「タイタニック見た?」ってシツコイほど言われて、ソレが原因で、嫌いだったのです。でも、「キャッチミー~」はトム・ハンクスとの掛け合い、古くはクリント・イーストウッドとケビン・コスナーのかけ相見たく感じて、超高感度アップしたんですよ。
まぁいまだに「タイタニック」は…、キャシー・ベイツ様は好きなんですけど(汗)
レオナルド・ディカプリオの演じるフランクは悪党といえば悪党だ。どこからどう見ても犯罪者なのだから逮捕され刑務所送りになるのも致し方なし。同情はできないのだが…。
しかし彼の犯行動機はやはり切ない。家出したのも両親の離婚が原因で、それも2人を深く愛しているからこそ、どちらか一方と生活するなんて嫌だったのだ。
多額のお金が欲しかったのも、以前のようにお金があれば母は父のところへ帰るはずだと信じていたからで、父にしつこく母との復縁を促す彼の姿にはやはり同情してしまう。
まだ16歳なのにたった一人で世間と戦い、勝ち抜く方法(間違えた方法ではあるが)を自力で見出していくこのどこかまだ幼い犯罪者を憎む気にはなれない。親に甘えきって、わがまま放題に暮らしている高校生より、彼のほうが何倍も偉いと思うのはおかしいだろうか。
冒頭の“事実に基づいた物語”というテロップをうっかり見逃してしまうと困ったことになるので要注意なのだが、事実ならば面白い話だ。
主人公を演じたレオナルド・ディカプリオはこの頭脳明晰な少年詐欺師をそつなく演じていたし、トム・ハンクスも真面目で心優しいカール捜査官役で安定感のある演技を見せてくれる。
映画全編もとにかく安定感のある作品だなという印象だった。すごく好きなシーンや嫌いなシーンがあるわけでなく、ここがよかったとか悪かったという点も特にない。大きく心を揺さぶられるような作品ではないが、観客を選ばないよくできた娯楽映画にはなっている。
主人公のフランクが最初の詐欺事件を起こしたのがなんと16歳!その後も本物のパイロットや医者や弁護士になりすまし、大人を相手に約2億8000万円のお金を騙し取ったのだからすごい。慎ましく暮らす高齢者から大切なお金をむしり取るゴミのような詐欺と違って、彼の犯行は常に大物相手であり、その度胸には感服する。
これが完全なフィクションならば“そんな都合よく騙されるか!”で失笑して終わりなのだが、実話に基づいていると知らされているので失笑が感心に変わる。
16歳の少年がここまで銀行やFBIを翻弄する物語など非現実的すぎて成り立たないとほとんどの人が思うだろう。“事実は小説よりも奇なり”とはよく言ったものだ。