映画『シンシナティ・キッド』の概要:エリックは地元一の腕を持ち、シンシナティ・キッドの異名を持つ賭博士だった。強い対戦相手を求めるエリックは、ディーラーのシューターに口利きをしてもらい、ザ・マンの名で知られるランシーとの決闘に挑む。
映画『シンシナティ・キッド』の作品情報
上映時間:103分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ノーマン・ジュイソン
キャスト:スティーヴ・マックィーン、アン=マーグレット、カール・マルデン、エドワード・G・ロビンソン etc
映画『シンシナティ・キッド』の登場人物(キャスト)
- エリック・ストーナー(スティーブ・マックイーン)
- 腕利きの賭博士の青年。地元で彼に敵う者はおらず、自分よりも強い賭博士を求めて都会に行きたいと思っている。
- シューター(カール・マルデン)
- 人望の厚いディーラー。賭博士たちから、その腕と公平さを買われていた。
- ランシー・ハワード(エドワード・G・ロビンソン)
- 世界でも有数の腕を持つ賭博士。類稀なる腕を持っているが、老いによる衰えを感じている。
映画『シンシナティ・キッド』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『シンシナティ・キッド』のあらすじ【起】
墓地の前にできた葬儀の列を横切るシンシナティ・キッドことエリックは、黒人の少年に声をかけられた。少年は、コインを壁際に向かって投げて、どちらが壁ぎりぎりのところに落とせるかという賭けを、持ちかけてきた。エリックはそれに応じ、コインを放る。勝ったのはエリックだった。少年からせしめたコインをポケットに入れるとエリックはカジノに向かった。
煙草の煙をくゆらせ、ブラックジャックに興じる男たち。一人が自信満々にコールをする。他の参加者が男の手札にいいカードが揃っていると予測してゲームを降りる中、対面に座っていたエリックは更にコールをする。彼は男がハッタリをしかけていると読んだのだ。彼の読み通り、男の手札には何の役も揃っていなかった。大金を稼いだエリックに対して、負けた男はイカサマをしたと難癖をつけた。お前が下手なんだと言い残してその場を去ろうとするエリック。男はエリックを追いかけて金を置いて行けと脅した。エリックは男の脅しに立ち向かい、相手を気絶させると、窓を破ってそこから退散した。
映画『シンシナティ・キッド』のあらすじ【承】
町のカジノから逃げ出したその足で、エリックは顔見知りが集まる別のカジノに向かった。エリックはポーカーをしている男たちに歩み寄った。彼の目的は賭け事ではなかった。彼はそこでポーカーに興じていた内の一人に金を貸していた。男はポーカーに勝ったばかりで、気前良く借金を清算した。それからエリックはカジノに居合わせたディーラーのシューターという男に挨拶をした。この町には、自分と張り合える相手がいないから、マイアミに向かうつもりだ。エリックはシューターにそう話す。シューターは、エリックがこれまで賭け事で勝ち続けてこられたのは、アマチュアを相手にしていたからで、今のままの姿勢でプロに挑めば酷い目に遭うぞと警告した。そして、シューターは、マイアミに行く前に、この町にやってきたという大物、ランシー・ハワードに挑んでみてはどうかとエリックに提案した。
ランシーは町で一番豪華なホテルで、夕食を取っていた。そこにかかってきたのは、エリックからの電話だった。賭け事で自分に挑みたいというエリックの提案にランシーは快く応じた。
映画『シンシナティ・キッド』のあらすじ【転】
エリックは確かに凄腕だが、ランシーはそれを上回る。だから、自分が得意なゲームを選んで挑めとシューターはアドバイスする。しかし、エリックの自信は揺るがず、彼のアドバイスを聞き入れる気はなかった。
シューターの家に電話がかかってきた。それは、ランシーからの電話だった。ランシーはエリックとの対決の場で、ディーラーを務めることになったシューターに挨拶をした。ランシーもエリック同様、シューターの腕を信用していた。
金持ちの家で行われたポーカーの試合で、シューターはディーラーを務めることになった。試合が終わった後、彼はシューターにエリックとランシーの試合で、シューターがディーラーをするという話の真偽を確かめた。彼らの試合は、様々な場所で話題になっていて、試合自体が賭けの対象になっていたのだ。エリックの勝利に金を賭けようとしていた男は、報酬と引き換えに、試合がエリックの有利に運ぶよう、イカサマをしろと持ちかける。ランシーはもう年寄で、読みが崩れたとしても不思議なことはない。シューターはディーラーとしてのプライドからその話を断ろうとするが、12000ドルもの借用書をちらつかされて、引き受けざるを得なくなってしまった。
映画『シンシナティ・キッド』の結末・ラスト(ネタバレ)
試合の日が決まり、町中が熱狂した。大勢が勝敗予測に金を賭け、エリックとランシーの試合には多額の金が集まった。試合はエリックの有利に始まり、それからしばらく膠着状態が続いた。座り続けた腰には疲労が溜まり、判断力も鈍っていく。試合の最中、エリックはシューターがイカサマをしていることに気付く。正々堂々、自分の力で勝ちを手に入れたいエリックはシューターをディーラーから降ろす。改めて勝負を始めるエリックとランシー。戦いは数日に渡り続いたが、遂に決着のときが訪れた。誰もがエリックの勝利を確信したそのとき、彼は判断ミスを犯してしまう。強気なランシーの態度をハッタリだと読み違えたエリックは、逆転負けをしてしまった。ランシーに賭けた者たちは歓声に沸き、エリックに賭けた者たちは彼を非難した。シューターにも蔑まれたエリックは、呆然と会場を後にした。
路上に座り込むエリックの前に黒人の少年が現れ、コイントスの勝負をしかけてきた。執拗な誘いにエリックは渋々応じるが、その賭けにも負けてしまう。
映画『シンシナティ・キッド』の感想・評価・レビュー
ひたすらにポーカー中心なストーリーではあるけれども、注目したいのはポーカーで頂点を狙う男であるキッドの精神の葛藤だ。心理戦のポーカーで頂点に立つには自分の心を乱す女性の存在は作るべきでないと理解しつつも、会いに行ったり突き放したりと揺れ動いてしまう彼の姿が面白くも応援したくなった。
ラストには負けてしまったものの、ヒロインの愛を勝ち取ったシーンには思わずにやけてしまう。全速力、泡風呂、雨に濡れる、壁ドンするスティーヴ・マックィーンの魅力が全て詰まった作品だ。(女性 20代)
ギャンブルに対する偏見ってありませんか?パチンコ、競馬、競艇など日本にも沢山のギャンブルがありますが、どうしても「だめなこと」という認識から抜け出せずにいる私は、今作の主人公エリックの生き方に、こんな事でいいのかななんて疑問に思っていました。
しかし、作品を見ているうちにポーカーで「頂点」に上り詰めようとするエリックの見事なやり方に一気に引き込まれてしまい、最終的にはギャンブルも悪くないなんて感じてしまいました。
予想以上に楽しませてもらえる作品でした。(女性 30代)
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