映画『くもりときどきミートボール』の概要:発明家という夢をひたむきに追い続けていた青年、フリント。ある日彼は、水を入れただけでどんな食べ物も生み出せるという機械を作り上げた。しかし、それが全ての混沌の始まりだったのだ。
映画『くもりときどきミートボール』の作品情報
上映時間:90分
ジャンル:コメディ、アニメ
監督:フィル・ロード、クリストファー・ミラー
キャスト:ビル・ヘイダー、アンナ・ファリス、ブルース・キャンベル、ミスター・T etc
映画『くもりときどきミートボール』の登場人物(キャスト)
- フリント・ロックウッド(ビル・ヘイダー)
- 偉大な発明家を夢見て、日々発明に精を出す青年。水を入れることでどんな食べ物も生み出せる機械を開発した。
- サム・パークス(アンナ・ファリス)
- 気象予報士の女性。所謂オタクだが、世間からそれを隠していた。フリントと出会い考え方が少しずつ変わっていく。
- スティーブ(ニール・パトリック・ハリス)
- フリントの相棒である猿。フリントの開発した翻訳機で、他の人間に自分の気持ちを伝えられる。
- ブレント・マクヘイル(アンディ・サムバーグ)
- かつて有名だった元子役。未だにその時の栄光を引きずっている。
- ティム・ロックウッド(ジェームズ・カーン)
- フリントの父。長年漁師として働いてきたため、フリントの発明品になかなか理解を示さないでいる。
- シェルボーン(ブルース・キャンベル)
- 町の市長。自分の利益しか考えていない人間であるが故、町を危険に巻き込んでしまう。
映画『くもりときどきミートボール』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『くもりときどきミートボール』のあらすじ【起】
唯一の名産物はイワシという小さな港町。人々はイワシに飽き、他の物を食べたいと思いながらも売れ残ったイワシを処理しなければいけない毎日を送っていた。
そんな町に、フリントという少年が住んでいた。彼は幼い頃より発明家に憧れ、様々な発明を繰り返していた。その発明品は、足にかけるだけで靴がわりになるスプレー(二度と脱げないという欠点あり)、など奇抜なものばかり。そのため、彼は周りからの理解を得られず孤独な日々を送っていた。そんな彼の唯一の理解者は彼の母親だったが、そんな母親も若くしてこの世を去ってしまう。
大きくなったフリントは、未だ発明家の夢を諦めていなかった。そして、水を入れればどんな料理も作ってくれるという機械を作りだしたのだった。しかし、機械は暴走し遙か彼方へ飛んでいってしまう。ちょうど街はリニューアル式典を行なっている真っ最中で、暴走した機械はそんな晴れ舞台をめちゃくちゃにしてしまう。フリントは、再び町の住民に敵意を向けられるのだった。
映画『くもりときどきミートボール』のあらすじ【承】
橋の上で一人落ち込むフリント。そして、そんなフリントの元に一人の女性がやってくる。彼女の名前はサム。気象予報士で、今回の式典の中継を任されていたのだ。しかし、そんな晴れ舞台は謎の機械の暴走によってめちゃくちゃになってしまった。
しかし、そんな時奇跡が起こる。なんと、空からチーズバーガーが降ってきたのだ。彼方へ飛んでいった機械は、雲の中で水分を含み、元々フリントがコマンド入力していたチーズバーガーへと変わったのだ。そして、街全体にチーズバーガーが降り注ぐ。イワシに辟易していた住民達は、この奇跡に大喜び。これが、フリントの発明が初めて人々に受け入れられた瞬間だった。
その機械は、フリントの研究室にあるコンピューターから指示を出すことが可能だった。それからというもの、町の住民はフリントに降らせてほしい食べ物を頼むようになる。人に頼りにされることが嬉しいフリントは、喜んで毎日食べ物の雨を降らせるのだった。
映画『くもりときどきミートボール』のあらすじ【転】
世界中の人々が、食べ物が降るこの町に大きな関心を寄せていた。サムの気象予報ならぬ食べ物予報も大人気を博し、誰もが幸せになれたはずだった。その頃、町の市長は、そんなフリントの発明に目をつけた。その発明を使い、町を復興させようと考えたのだ。市長は、さらに町への注目度を高めるために、フリントに今までにも増して食べ物を作るように命じた。
しかし、毎日の無茶なオーダーによって、機械は既に悲鳴をあげていたのだ。フリントもそのことに気づいていた。もうやめようと提案するフリントに対して、市長はフリントを脅し無理矢理機械を使わせるのだった。
そして、恐れていた時がやってくる。最初に気がついたのはフリントの父だった。降ってくる食事が、以前より巨大になったのである。そして、その巨大化はどんどん進み、なんと食材が建物を破壊するまでになってしまった。そして、各国から人を呼んだ大式典のその日、なんとミートボールスパゲッティが巨大な竜巻となって町を襲い始めたのだ。
映画『くもりときどきミートボール』の結末・ラスト(ネタバレ)
町に大災害を引き起こした、と住民達はフリントを責める。しかし、中にはこれはフリントだけではなく自分達にも責任がある、と彼を擁護する者もいた。しかし、フリントは強い自責の念に駆られていた。そして、自ら雲の中に突っ込み、機械を止める決心をしたのであった。
スティーブ、サム、サムの相棒、そして、かつてフリントを虐めていたブレントは、そんなフリントに加勢する。フリントの発明品である飛行機で雲の中に突入した一行は、今までの無理が祟り肥大化してしまったその機械と再会する。機械を止めるには、その機械の中心部に行くしかない。
しかし、もはやその機械は自我を持っていた。機械は次々と食べ物で出来た刺客をフリント達の元へ送り込む。仲間達の体を張った貢献により、フリントはなんとか機械の元へたどり着いた。そして、機械に礼と謝罪の言葉を述べて、フリントは機械をオフにしたのであった。命がけで世界を救ったフリント達を、町の住民は温かく迎え入れた。そして、フリントはサムと晴れて結ばれるのだった。
映画『くもりときどきミートボール』の感想・評価・レビュー
初めて、4Dで映画を観た作品で当時話題になりました。空から降ってくる沢山の食べ物の匂いが映画館で体験出来ました。上映時間が短いですが、ダラダラとしていなくて内容がまとまっていました。ストーリーはありえないですが、夢があるなと思いました。
子供と一緒に観たい映画かもしれません。映像はもひとつですが、食べ物がありふれていて何でも手に入る現代だからこそ、食べ物の大切さを子供に教えないといけないかもしれません。(女性 30代)
食べ物が空から降ってくれば良いのに。幼い頃、そんな空想をした人も多いのではないだろうか。水を入れただけでどんな食べ物でも生み出せる機械なんて、本当に夢のようで素晴らしいと思う。理性的に使えばずっと幸せなままだったのに、市長のように際限なく使おうとするところが人間のダメなところだなと思った。主人公のフリントは、少年の心を持った大人という感じだった。素晴らしい発明品を作ったわりに間抜けなところが多くて、親近感が沸いた。(女性 30代)
空に浮かぶ雲が「わたあめ」みたいに美味しそうだと思ったことありませんか?降ってくる雨がジュースだったらいいのになんて子供の頃考えませんでしたか?そんな夢みたいなことが起こってしまった世界の物語。
水を入れるだけで何でも好きな食べ物が出てくる機械を発明したフリント。夢のような素晴らしい機械に思えましたが、その機械のせいで世界は大変なことになってしまいました。
子供向けの作品かと思いきや、名産品はイワシとか、パパは漁師など設定が細かくて大人も楽しめる作品だと思います。(女性 30代)
みんなの感想・レビュー
①テーマが現代社会を皮肉っていて非常に深い
最初はただのアニメ映画だと思ってみたが、実は話が展開するに連れてテーマが重いことに気が付く映画である。
最初は町で嫌われていた発明家が、失敗した機械のおかげで美味しいものが食べられるようになった。
元々は町の人々は幸せになって欲しいという思いで発明をしていたので、彼も喜んでいた。
しかし段々と欲深くなってきた人々は彼に様々なお願いをしにやってくる。
食べたいもの、子供の誕生日など勝手なことを言い始めるのだ。
暗くて人付き合いが苦手な彼を嫌っていたはずなのに、誰もがそのことを忘れ平気な顔をして近づいてくるという事実はシニカルである。
息子の誕生日になにかしてあげたいという人など、父親として何かしてやりたいという気持ちさえ忘れてしまったのだ。
もはや自分で何かをしたいという人への思いやりすら忘れ、ひたすら人に依存するという重いテーマが隠されていると感じた。
小さな子供にはただのアニメ映画にしか映らないかもしれないが、本当は大人が見るべき映画なのかもしれない。
食べ物があふれかえっている現代への社会風刺的な役割をしている作品であり、見終わったあと意外にも心に響いていることに気が付く。
②内容が良質なのにタイトルが酷すぎる
もう少し他に考えられる邦題はなかったのだろうか?
あまりに酷すぎる。
どんなに良い映画でも入り口はもちろんタイトルであり、その付け方次第で成績も変わってしまうだろう。
このタイトルだとどんな映画なのかもさっぱりわからないし、予測も不能。
ましてや大人向きのアニメだとは誰が想像するのだろう。
本気で見て欲しいならもう少し内容にあったタイトルにして欲しいところだ。
アニメだと一見子供向きだと決めてかかってしまい、大人が見ることはあまりないのが現実である。
自分の子供が見たいといえば一緒にいくこともあるのだろうが、全員がそういう訳ではない。
それを考えるとこのような良質な大人向けのアニメ映画はどのように宣伝すれば見てもらえるのだろうか?
ディズニー映画であるわけでもないし、絵が可愛いわけでもない。
タイトルが比較的魅力的なわけでもないこの映画は徐々に世の中に埋もれていってしまう。
それは余りにも残念なことだ。
社会風刺を描き、簡単な話を皮肉り見やすくしているのだから。
やはりもうすこし宣伝、販売の仕方を考えより多くの人に鑑賞してもらえるようにして欲しいというのが1映画ファンとしての個人的な意見である。