映画『名探偵コナン 天空の難破船』の概要:大人気コミック、『名探偵コナン』シリーズの劇場版第14作。コナンの最大レベルであるキッドとコナンがタッグを組む。二人は、飛行船をジャックしたテロ組織を見事捕らえることができるのか。
映画『名探偵コナン 天空の難破船』の作品情報
上映時間:102分
ジャンル:アニメ、サスペンス
監督:山本泰一郎
キャスト:高山みなみ、小山力也、山崎和佳奈、山口勝平 etc
映画『名探偵コナン 天空の難破船』の登場人物(キャスト)
- 江戸川コナン(高山みなみ)
- 本当の姿は、高校生探偵工藤新一。黒の組織に飲まされた薬のため、頭脳はそのままに身体だけ小学生へと戻ってしまった。
- 毛利蘭(山崎和佳奈)
- 工藤新一の幼馴染。空手で全国大会に出場するなど強い女性であるが、突如として姿を消した新一を思い続ける一途さも持つ。
- 怪盗キッド(山口勝平)
- 若者を中心に人気を集める大怪盗。これまでコナンとは幾度も勝負を繰り返している、ライバル的存在。自分なりの美学を持つ。
- 毛利小五郎(神谷明)
- 毛利蘭の父親で、探偵事務所を開いている。コナンの暗躍によって、眠りの小五郎として世間にその名が知られることとなった。
- 灰原哀(林原めぐみ)
- 闇を抱えたクールな少女。本当の姿は、元黒の組織のメンバー。コナンと同じ薬を飲んだために、身体が小学生に戻っている。
- 藤岡隆道(野田圭一)
- 鈴木次郎吉がキッドとの勝負のために用意した飛行船に乗り合わせていたルポライター。テロ組織が持ち込んだバクテリアに感染してしまう。
映画『名探偵コナン 天空の難破船』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『名探偵コナン 天空の難破船』のあらすじ【起】
東京に位置する微生物研究所で、ある日大事件が起きた。研究所内に保管されていたバクテリアが、『赤いシャム猫』というテログループによって強奪されたのだ。そのバクテリアは致死80%を超える恐ろしいバクテリアで、それを盗み出したテログループは研究所を破壊し立ち去った。
そして、彼らはインターネット上に犯行声明を出したのだ。その声明には、彼らが殺人バクテリアを手に入れたこと、そして、そのバクテリアを用い7日以内になんらかの行動を起こすことが明示されていた。犯人である赤いシャム猫は、本来は財閥を主にターゲットとして活動していた組織だったが、10年前に解体されたはずだった。
今更再び動きを見せ始めた彼らを捕らえるべく、警察も動き出す。一方、鈴木財閥の相談役、鈴木次郎吉は因縁の怪盗キッドとの対決のため、彼に挑戦状を送りつけていた。怪盗キッドとは、その華麗な盗みの手口から若者を中心にファンも多い、年若き大怪盗である。
映画『名探偵コナン 天空の難破船』のあらすじ【承】
今回、次郎吉が怪盗キッドに盗んでみせろと挑んだのは、『レディー・スカイ』というビッグジュエルだった。レディー・スカイは、鈴木財閥が新しく開発した飛行船、ベル・ツリーI世号に保管されることとなった。そして、これまで幾度となくキッドの盗みを阻止してきたコナンや、その仲間である少年探偵団、保護者代わりの蘭と小五郎などがその場に招待されるのだった。
キッドを止めるべく、様々なトラップが仕掛けられてあるその飛行船。しかし、なんと偶然にも蘭が、ウェイターに変装し忍び込んでいたキッドの姿を見つけてしまうのだった。焦ったキッドは、咄嗟に自分が工藤新一である風に装う。蘭と新一しか知らないはずの話をその男が知っていたことから、蘭は彼が新一であると信じてしまうのだった。
しかし、ここで恐ろしいことが起きてしまう。なんと、赤いシャム猫から次郎吉に電話が入ったのだ。そして、彼らが先日盗み出したバクテリアが、この飛行船内に仕掛けられているというのだ。その言葉を証明するように、飛行船に乗り合わせていたルポライターの藤岡に、バクテリアの感染症状が現れてしまうのだった。
映画『名探偵コナン 天空の難破船』のあらすじ【転】
そして、次々と赤いシャム猫のメンバーが、飛行船内に乗り込んでくる。そして、あっという間に船内は彼らによってハイジャックされてしまうのだった。彼らは、飛行船内に4つの爆弾を仕掛けたといい、もし人質が少しでもおかしな動きを見せた場合、それを起動させると彼らを脅す。
しかし、ここで誤算があった。灰原を除く少年探偵団の面々が、うまくその場から脱出していたのだ。そして、彼らは船内に隠された爆弾を探し始める。しかし、レポーターの西川が、子供達の数が少ないことに気がついてしまう。そして、何気なく呟いたその言葉が、テログループに聞かれてしまうのだった。
灰原がこっそり連絡を取っていた探偵バッチも見つかってしまい、とうとうコナン達は捕まってしまう。そして、爆弾をコナンが解除してしまったことを知った犯人達は、なんとコナンを飛行船から突き落としたのだ。絶体絶命、そんな時コナンを助けたのは、他でもない怪盗キッドだった。
映画『名探偵コナン 天空の難破船』の結末・ラスト(ネタバレ)
地上に無事に着いた二人は、乗客を救うためタッグを組むこととなる。キッドが新一に変装し、二人は目暮警部のツテを使いヘリコプターに乗り込んだ。そして、機体が飛行船に近づいた時、キッドが変装を解きコナンを連れ飛行船へと飛び立ったのだ。
そして、コナンは友人の服部平次の助けも借りて真犯人を導き出した。それは、なんと藤岡と、そして、同じくレポーターとして乗船していた彼の仲間達だった。実は彼らの真の目的は、自分達が飛行船でテロを起こし警察の目を集めている際に、地上に残った仲間達が仏像を盗み出すことだった。
彼らは赤いシャム猫などではなく、その名を語っただけだったのだ。元々彼らはバクテリアを盗み出してはおらず、そう見せかけるために研究所を爆破したのだった。コナンは藤岡と対峙すると、阿笠博士に作ってもらった道具を使い彼を倒すことに成功する。その頃キッドはレディー・スカイを盗み出そうとしていたが、キッドの変装を見破った蘭によって阻まれてしまう。宝石を蘭に返したキッドは、そのまま姿を消すのだった。
映画『名探偵コナン 天空の難破船』の感想・評価・レビュー
致死率80%のバクテリアに感染した場合の諸症状を、警察関係者は研究所所員などから聞けなかったのか?もしもそれが漆にかぶれたのと同じ症状だったとしたら、犯人グループはなぜその症状を知っていたのか…等々、いつも通りにツッコミ所は満載でしたが、一番疑問が残ったのは、コナンとキッドが佐藤・高木刑事の前で組んでいたことをどう説明したのかです。
スタッフロールの後、最後のシーンで蘭が言っていた「新一が絶対やらないこと」には笑いました。(女性 40代)
劇場版シリーズ14作品目。ここまでくると設定も被ってしまいそうですが、色々な脚本家が担当していることもあり、どの作品も違う面白さがあるコナンシリーズ。今作は他の作品に比べ、コメディ要素が多く謎解きは少なめです。
それでも、ミステリー作品やパニックムービーとしては楽しめると思います。『ダイ・ハード』のジョン・マクレーンのような言い回しをするコナンには笑ってしまいましたが、コナンとキッドが船上で繰り広げるアクションはどこか現実的で、しっかり考えられていました。(女性 30代)
関連作品
次作 名探偵コナン 沈黙の15分
前作 名探偵コナン 漆黒の追跡者
みんなの感想・レビュー
第8作に続く怪盗キッド映画です。(笑)本当に出ずっぱりなので特に彼のファンに人気の高い作品です。ラストの蘭とのシーンでドキドキした方もきっと多いのではと思います。それだけでなくコナンを色々とサポートしたり、いつものことながら宝石は取らなかったり、好感度はうなぎのぼりだったことでしょう。
冒頭の作品紹介から、大々的に紹介された組織「赤いシャム猫」。いつもの主要キャラの説明を削ってまで出てきたのだから、敵側とはいえよほど大活躍するのだろうと思っていました。しかしオチは仏像を盗むためのカモフラージュで傭兵たちの単独行動、「赤いシャム猫」はまるで関係なかったのです。わざわざ名前を出して印象付ける必要はあったのでしょうか…。ミスリードが雑すぎて本当に残念です。盗まれた細菌兵器の件もうやむやのまま終わってしまい、初見時は拍子抜けどころか意味が分からなくて混乱したほどです。本作の見どころは怪盗キッドの行動、蘭と新一が幼い頃の飛行船のエピソード、灰原の言動、平次と和葉と甥っ子のやり取り、小五郎の一本背負い、コナンのアクションシーンにまとめられると思います。キャラクターの魅力だけが光った映画です。
①感染者はゼロ
喫煙室に行った人物や、咳やくしゃみ等の飛沫、もしくは体に触れると感染してしまうと思われていた殺人バクテリア。実際は漆にかぶれただけ、というオチだったため痒くなる以外に害はありません。真犯人の演技はもちろん、手を赤くしていたウエイトレスが倒れたのは自分が感染したと思い込み、ショックで倒れたからです。蘭は藤枝に肘を触られたため漆にかぶれましたが、実際人から人への接触感染はありえるのでしょうか?調べてみると、皮膚に反応した樹液が残ったまま他人に触れてしまうと感染する可能性があるようです。なので今回は蘭をおとなしくさせる藤枝の計画的行動だったと思われます。
②蘭がキッドに気づけた理由
キッドがまだウエイターに変装しスカイデッキを下見していた段階で蘭は彼がキッドだと推理し問い詰めます。「新一LOVE」と園子がイタズラ書きしたこの世で一枚の絆創膏を、ウエイターがつけていたからです。その絆創膏を蘭は別の添乗員が擦り傷を作ったときに渡していたため、添乗員=ウエイターであると感づいたのです。そしてそんなことをできるのはキッドぐらいだと確信したわけです。
その後自分は新一だとごまかすキッドも、蘭はまだ疑っています。「」と言っているのは映画第8作目「銀翼の奇術師」のことです。このときの蘭は新一に告白してしまいましたが、蘭の中でそのときの新一=キッドの変装だったと思い込んでいるため今回もそのパターンだと分かっています。しかし顔を引っ張ってもマスクが剥がれない、さらに幼い頃のエピソードを知っていることから見事騙されてしまいました。キッドの勝利ですね。