映画『コープスパーティー』の概要:2010年にPSP版ゲームが発売、アニメ、小説、漫画と展開している人気ホラーアドベンチャーゲームの実写映画。アイドルグループ乃木坂46の生駒里奈が主演し、続編も決定している。
映画『コープスパーティー』 作品情報
- 製作年:2015年
- 上映時間:93分
- ジャンル:ホラー、サスペンス
- 監督:山田雅史
- キャスト:生駒里奈、池岡亮介、前田希美、JUN(BEE SHUFFLE) etc
映画『コープスパーティー』 評価
- 点数:60点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★☆☆☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『コープスパーティー』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『コープスパーティー』のあらすじを紹介します。
クラスメイトの繭の転校が迫り、直美、哲志、あゆみ、良樹、世依子、朔太郎の7人は別れを惜しんでいた。
学校が建っている場所にはかつて天神小学校があったが、保険の先生の死、生徒2人が殺害され、未だに行方不明がわからないサチコという生徒もいる。
そのサチコにお願いして、ずっと一緒にいられるようにする“幸せのサチコさん”のおまじないをしようとしていたのだった。
様子を見に来た先生、傘を届けに来た哲志の妹の由香も参加した。
すると教室が崩れ、気が付くと天神小学校にいた。
怪奇小説家、鬼碑忌コウの資料を見つけた9人は、“死逢わせのサチコさん”が原因で異世界に飛ばされた事を知る。
生徒を殺した犯人といわれる用務員に先生が殺されてしまい、バラバラになって逃げる事に。
逃げる途中で足を怪我した直美を、同姓でありながら密かに思いを寄せる世依子が手当てするが、直美は世依子と喧嘩別れする。
その後、世依子は首を吊った状態で見つかる。
一方、あゆみと良樹は元の世界に戻る手がかり探しに奔走していた。
2人は繭を見つけるが、子供の霊に取り憑かれていた彼女は惨殺され、哲志と一緒にいた由香は忽然と姿を消す。
繭の遺体を見つけた朔太郎は常軌を逸してしまい、彷徨っていた由香を殺そうとするが、彼は用務員の手にかかる。
鬼碑忌コウが残したビデオテープと、子供たちの切り取られた舌を発見したあゆみと良樹は、直美、哲志と再会し、元の世界に帰る方法を知る。
映画『コープスパーティー』 結末・ラスト(ネタバレ)
子供の霊に舌を返して成仏させようとするあゆみと良樹だったが、元凶のサチコを成仏させる必要があった。
サチコの霊に捕まっていた由香は瀕死の状態であゆみに助けられ、命を賭した良樹によって用務員から守られる。
鬼碑忌コウの仕掛けた監視カメラを見つけた直美は、世依子を殺したのはサチコに取り憑かれた自分だったと知る。
哲志を守ろうとしてサチコの記憶に触れた直美は、母親である保険の先生とサチコが校長に殺され、サチコが生徒を殺した事を知る。
直美とあゆみによって母の霊とサチコは再会、直美たちは元の世界に戻れる事に。
けれどサチコの罠で、由香は哲志にとどめを刺されてしまう。
そして直美と哲志の仲に嫉妬したあゆみは、直美が元の世界に帰れないようにしていた。
あゆみの行動に気付いていた哲志は、自分の命と引き換えに直美を助ける。
元の世界に戻った直美とあゆみは、哲志がいない事に絶望するのだった。
映画『コープスパーティー』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『コープスパーティー』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
ホラーアドベンチャーゲームらしいストーリー
ゲーム版や、他のメディア作品を知らなくても、十分に楽しめるストーリー展開。
「幸せのサチコさん」が「死逢せ」だったという、漢字の読み方によって最悪のおまじないになっていた部分には、なるほどと感心させられる。
かつて同じ異世界に迷い込んで命を落とした小説家の鬼碑忌コウが残した手がかりや、帰るために必要な持ち物を小出しにしていくのは、いかにもゲームらしい展開。
切り取られた舌を持っていくあゆみの行動は普通ならツッコミどころだが、ホラー要素がある脱出系ゲームの経験者なら使いどころがあるとわかる。
保健室でペンダントを拾っていた直美が、サチコにハサミで刺されそうになった時に命を救われるだけでなく、記憶が流れ込んでくるという不自然な部分も「ゲームが原作だから」と納得できる設定。
だが、ゲーム寄り過ぎる展開には違和感がある。
多く使われる残酷描写
残酷描写が多く、いかにも作り物という見た目でもトラウマになるようなものが多い。
おっとりした印象の繭が殺され、仲がよかった朔太郎が内蔵の写真を撮っていると、繭から「私の内臓見ないで」と電話がかかってくるシーンにはぞっとさせられる。
電話の雑音の具合は、ホラー映画ならではの恐怖感を煽る演出になっている。
演技力が無さすぎるキャストにがっかり
仲が良いと思われた7人の生徒の関係が、極限状態で崩れていくのも見もの。
直美と哲志は付き合っていないが両想いに近く、直美に報われない恋心を抱く世依子、哲志に片思いしているあゆみ、あゆみに思いを寄せる良樹、仲が良い繭と朔太郎。
そしてブラコンの由香とシスコンの哲志の関係も、スパイスになっている。
だが、出演者たちの演技力の無さは酷すぎる。
終盤になるにつれて見慣れてくるが、まるで棒読みのセリフにギクシャクした動きでは感情移入もできない。
悪霊と化し、連続殺人事件の真犯人になったサチコの、狂気が垣間見える演技だけは素晴らしい。
ホラーゲームの実写映画化という事と、主演がアイドルということであまり期待せずに鑑賞した今作。想像以上にグロテスクな描写と、作り込まれた設定がとてもよく出来ていて、良い意味で期待を裏切られました。
正直、キャストの演技力は素晴らしいとは言えません。しかし、演技に慣れていないからこそのリアルな雰囲気が彼女たちが置かれた状況や恐怖心を表してくれているような気がして、そこまで気になりませんでした。
かなり面白かったので、続編も鑑賞してみたいと思います。(女性 30代)
映画『コープスパーティー』 まとめ
有名ホラーアドベンチャーゲームの実写映画ということで、公開前から話題を呼んだ本作。
アイドルグループ乃木坂48の生駒里奈主演で、若手の出演者が勢ぞろいしている事も話題になったが、演技の方はイマイチ。
また、ゲーム版の重要なポイントでもある残酷描写の数々をどう描くか、という部分が注目されたが、インパクトや気持ち悪さは十分に際立っている。
最初の被害者となる先生の最期や、人間の形を失うほどの状態になって亡くなった繭には度肝を抜かれてしまった。
また、よく見ると校舎のいたるところに転がっている死体の気持ち悪さや、おどろおどろしい用務員の姿も怖い。
続編の製作も決まっていて、本作の主演の生駒里奈の続投も決定したようだ。
ホラーゲームを原作とした映画ではなく、ホラーゲームの実写映画としてなら楽しめる作品。
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