映画『クレイジー・ハート』の概要:かつては栄光を手にし、伝説と言われたカントリー歌手。壮年となった彼は、様々な出来事から堕落。1人の女性記者と出会い、かつては抱いていた愛や温もりを思い出す。生きることを諦めていた男が、再び立ち上がる様を描いたヒューマンドラマ。
映画『クレイジー・ハート』の作品情報
上映時間:111分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:スコット・クーパー
キャスト:ジェフ・ブリッジス、マギー・ギレンホール、ロバート・デュヴァル、ライアン・ビンガム etc
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映画『クレイジー・ハート』の登場人物(キャスト)
- オーティス・“バッド”・ブレイク(ジェフ・ブリッジス)
- 57歳のカントリー歌手でアルコール依存症。かつては伝説と呼ばれるほどのカントリー歌手だった。人生のどん底にいるも、ジーン親子と出会うことにより、希望を持つようになる。
- ジーン・クラドック(マギー・ジレンホール)
- サンタフェ在住で地元紙の記者。4歳になる息子を育てるシングルマザー。優しく芯の通った赤毛の女性。
- ウェイン・クラマー(ロバート・デュバル)
- ヒューストンでバーを経営している。バッドの親友で、アルコール依存症を克服した経緯を持つ。バッドの依存症克服に力を貸してくれる。
- トミー・スウィート(コリン・ファレル)
- バッドが見出し育てた弟子でカントリー歌手。真摯にバッドを思っており、復活に力を貸してくれる。
- ジャック・グリーン(ポール・ハーマン)
- バッドが所属する音楽事務所のマネージャー。バッドの才能を信じているが、腐っている彼にどうにか仕事を回そうと奮闘してくれる。
映画『クレイジー・ハート』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『クレイジー・ハート』のあらすじ【起】
かつて一世を風靡した伝説のカントリー歌手、バッド・ブレイクも早57歳。新曲も書かずに毎晩、酒に溺れ曲の売れ行きも落ち、今や地方への巡業に回る日々を送っていた。
それに伴い歌手としての情熱も失せ、落ちぶれてしまったバッド。地方とは言え、どこに行ってもバッドを知らない者はおらず、羨望の眼差しを向けられる。売れ行きは落ちる一方なのに、ファンには言い寄られる。そんな生活にも嫌気が差し性根は腐っていくばかり。
それでも稼がなければ明日をも知れぬ状態である。しかも、かつての栄光を手にしたプライドも許さず、嫌々ながらマネージャーのジャックの指示により、単独で営業の仕事を続けているのだった。
そんなある日、出向いた営業先サンタフェで地元紙の女性記者、ジーンの取材を受けたバッド。彼女にどこか親近感を覚える。ショーの後もジーンの取材を受け、互いに身の上を語り合った。ジーンにはどうやら4歳になる一人息子がいるらしい。その夜は何事もなく別れる。
バッドが所属する音楽事務所には、もう1人のカントリー歌手トミー・スウィートがいる。彼を見出し育てたのはバッドだったが、トミーの人気は今や鰻登りであった。しかし、バッドとトミーの間には何らかの確執があるらしく、バッドはそれに関して一切口外はしないのだった。
翌朝、ジャックから仕事の話が入る。大きなホテルでのショーの話だったが、そのショーにはトミーも出演するようだ。バッドはトミーの前座を務めるのはごめんだと、その話を断ってしまう。
サンタフェでの2夜目。ショーは大盛り上がりで終わる。深夜1時にジーンと待ち合わせ、2人きりで飲んだ。そして、親密さを深めつつ惹かれ合って身体を重ねた2人。
翌朝はジーンの自宅で朝食を摂った。4歳の息子とも仲良くなり、バッドは次の約束をして別の営業先へと向かった。
映画『クレイジー・ハート』のあらすじ【承】
結局、ホテルでのショーへ出演することにしたバッド。リハーサルを済ませ、食事を摂っているとレストランにトミーが現れる。バッドをよそにトミーへと言い寄るファン達。トミーは自分の恩師ともいうべきバッドを尊重しているが、ファンはそんなことなどお構いなしである。弟子は以前から恩師と組んでツアーを回りたいと思っているようだが、バッドはずっと断り続けていた。
新たな人生を歩むには、まとまった金が必要だと言うバッド。それなら新曲を作れと言うトミー。だが、かつてはあったはずの情熱がどこかへ失せてしまい、新曲を作る気力も湧かないのであった。
その夜、バッドのショーにトミーが乱入してくる。弟子は恩師を真摯に思い、復活のチャンスを与えようとしているようだが、バッドは彼の思いを素直に受け入れることができなかった。
翌日、2日ほどの休暇ができたため、ジーンの元へ向かおうとしたバッドだったが、疲れからか運転中に居眠りをしてしまい、交通事故に遭ってしまう。気付いた時には、サンタフェの病院でベッドの上だった。足首の骨折と脳震盪を起こしているらしい。医師からは怪我は治るが、今の生活を続けていると内臓疾患や卒中で死ぬ可能性が高いと申告されてしまう。
アルコール依存症を指摘され、煙草と酒に禁止令。更に減量を言い渡される。だが、バッドには酒をやめるという選択肢がなかった。
映画『クレイジー・ハート』のあらすじ【転】
退院後はジーンの自宅で過ごすことにしたバッド。彼女のベッドでギターを片手にお遊び程度の歌を唄っていると、ジーンから不安を吐露される。
歌手であるバッドは地方やツアーで各地を駆け回っているが、ジーンは自宅でただバッドが訪れるのを待つだけである。忘れられるかもしれないのが不安だと言う。
ジーンもバッドも過去に結婚で失敗をしている。互いに合意の上で結婚はしないことにした。
後日、ジャックに電話すると契約更新で好条件が提示されたと知らされる。それもトミーの口添えによるものだった。故に、動けるまでに回復したらヒューストンに戻れと言われる。
回復するまでしばらくの間、ジーン親子と過ごし自宅があるヒューストンへ戻ったバッド。
ジーン親子と出会ったことで、気持ちに変化が現れる。バッドは帰宅早々、新曲作りに取り掛かった。そして、別れた妻と息子に会いたいと電話するも、妻は早逝しており息子からは会いたくないと言われてしまう。
映画『クレイジー・ハート』の結末・ラスト(ネタバレ)
休暇が取れたとのことで、ジーン親子がヒューストンへ来てくれた。バッドは大喜びで2人を迎える。
翌日は3人で水族館へ。子育てで疲れているジーンを思い、バッドは息子の面倒を代わりに見ることにした。しかし、休憩に入ったバーで酒を飲んでいる間に息子を見失ってしまう。人が多い大都市で、幼い子供を捜すのは大変なことである。バッドは治りかけの足を引き摺りながら、方々を捜して回ったが、見つけられない。彼は警官に助けを求めた。
ジーンと落ち合ったが、バッドが酒を飲んでいたため、彼女は激怒。無事に息子は見つかるも、バッドに失望したジーンは、荷物をまとめて息子と共にサンタフェへ帰ってしまう。
自分がしたことを深く悔いたバッドは、自ら禁酒を決意。友人ウェインの助けを借りて、アルコール依存症のセラピーへ通うことにした。
ウェインも以前はアルコール依存症だった。彼はセラピーに通い、見事に依存症を克服したのである。友人に励まされ、依存症と戦うバッド。
しばらく後、アルコールに打ち勝ったバッドは、ジーンの元を訪ねることにした。しかし、彼女はバッドを拒絶。
失意の元、自宅に戻ったバッドは、庭の手入れや家の掃除を徹底的に行い、気を紛らわせる。
そうしている内に、自然と歌が湧いてくることに気付いた。
1年と4カ月後。精神的にも身体的にも復活したバッドは、トミーに楽曲を提供することで安定した生活を送ることができていた。トミーのライブを見学した彼は、会場を出たところで記者に声をかけられる。ジーンだった。彼女の左手の薬指には、指輪が光っている。どうやらあの後、良い人と巡り会えたらしい。
バッドとジーンは笑顔で、互いに積もる話をするのだった。
映画『クレイジー・ハート』の感想・評価・レビュー
自分が願って夢見ている理想の「幸せ」と実際に自分が感じている現実の「幸せ」ってだいぶ違いませんか?でもこの作品を見ていると、小さくて何気無い現実の幸せが、紛れもない本当の幸せなのだと感じさせてくれました。
「過去の栄光」からプライドを捨てきれないミュージシャン。年老いて人気は落ちぶれていても昔の輝かしい栄光が邪魔をして素直になれない姿は、本当にもどかしかったです。
しかし、アルコールをやめ、庭を綺麗にして、自分を見つめ直すことで新しい曲が浮かび、幸せがやってくるストーリーは身近な幸せを感じさせてくれて、とても温かい気持ちになりました。(女性 30代)
スターダムへと駆け上がり、ファンに囲まれちやほやされる生活の中、健全な心と私生活を送ることがいかに困難であるか、主人公の落ちぶれ方を見るにそれが良く分かる。彼の転落の様はまるで絵に描いたかのような状態で、落ち目の自分を受け入れることができずに腐ってしまっている。頂点を味わった人間が落ち目を受け入れるのは容易ではないだろう。自分でもきっと同じようになると思う。主人公を演じるジェフ・ブリッジスの演技に深みと渋みがあり、今作によりいい味を加えている。第82回アカデミー賞にて主演男優賞を受賞し、評価されているだけある。原作は長編小説のようだが、監督は今作が長編映画初監督というのだから凄い。とても心を打たれる名作に入れても良いと思う。(女性 40代)
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