映画『ダンボ(1941)』の概要:とてつもなく大きな耳ゆえに、笑い者にされ母親からも引き離されたサーカスの子象・ダンボが、一躍人気者になるまでを描いた感動作。1941年に公開された、ウォルト・ディズニー制作の長編アニメーション。
映画『ダンボ』の作品情報
上映時間:64分
ジャンル:ファンタジー、ミュージカル、アニメ
監督:ベン・シャープスティーン
キャスト:エドワード・ブロフィ、ハーマン・ビング、ヴァーナ・フェルトン、スターリング・ホロウェイ etc
映画『ダンボ』の登場人物(キャスト)
- ダンボ
- 生まれたばかりのサーカスの子象。耳がとてつもなく大きく、そのせいで母親以外の他の象からは除け者にされ、観客からも馬鹿にされている。母親のジャンボが檻に閉じ込められたため、独りぼっちになってしまう。生まれたばかりの子象なので言葉は話さない。
- ティモシー(エドワード・ブロフィ)
- サーカスに住んでいる鼠。独りぼっちのダンボを気の毒に思い、友達になった。ダンボをショーの人気者にしてあげようと画策している。お調子者で兄貴気質。
- ジャンボ(ヴェルナ・フェルトン)
- ダンボの母親で、サーカスの象。待ち望んだ我が子を心から愛し育てる。しかしダンボが子供達に悪戯をされそうになっているのを見て暴れ出し、鎖に繋がれ檻に入れられてしまった。
映画『ダンボ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ダンボ』のあらすじ【起】
コウノトリが赤ん坊を授けるため飛んで来た。フロリダにいるサーカスの動物達にも、次々と赤ん坊がやってくる。しかし象のジャンボの元には、いくら待っても赤ん坊は来ない。彼女はがっかりしてしまう。
次の日、一足遅れて1羽のコウノトリが飛んで来た。彼はサーカス団を乗せた汽車に飛び乗り、ジャンボの元にかわいい子象を授ける。しかしこの子象には他の象と違うところがあった。耳がとてつもなく大きかったのだ。そのせいで、子象は皆から「ダンボ」と呼ばれるようになった。ジャンボだけは決してダンボの事を馬鹿にせず、たっぷりの愛情を注ぐのだった。
サーカス団は新しい街に着いた。街の子供達がダンボの耳をからかう。ダンボを虐めはじめた子供達に、ジャンボは攻撃し暴れはじめた。ジャンボは危険な象として鎖に繋がれ、隔離されてしまった。ダンボは他の象達から爪弾きにされ、母親と引き離された悲しみで孤独に泣いていた。それを見ていたのは鼠のティモシー。ダンボを気の毒に思ったティモシーは、ダンボを虐める象達を脅かし、ダンボと友達になるのだった。
映画『ダンボ』のあらすじ【承】
ティモシーはダンボをショーの人気者にしようと考えを練っていた。サーカスの団長が象のピラミッドのショーを思いついたのを漏れ聞き、ダンボをショーの主役にするよう、寝ている団長に考えを吹き込んだ。象達のピラミッドの上に、ジャンプ台からダンボが飛び乗るのだ。しかしダンボは自分の耳に躓いて、ジャンプを失敗してしまった。ショーは台無しになりテントは倒壊、象達も大怪我をしてしまった。
ダンボは罰として、笑い者のピエロ役をさせられることになってしまった。ダンボは火事の建物から飛び降りるパフォーマンスをすることになった。観客はこれを見て大笑い。ピエロ達はショーの成功を喜ぶが、笑い者にされたダンボは1人泣いていた。ティモシーはダンボを勇気付けようと、ジャンボの檻にダンボを連れて行く。檻の小さな窓からはお互いの姿は見えず、鼻でしか触れ合うことができない。ジャンボは鼻でダンボを揺らしながら、優しく子守歌を歌うのだった。
映画『ダンボ』のあらすじ【転】
ピエロ達はショーの成功を祝って酒盛りをしていた。その酒が、水の入った桶に落ちてしまう。ダンボはしゃっくりを止めようとその桶の水を飲んでしまった。酔っぱらったダンボとティモシーは、ピンクの象の幻覚を見る。ピンクの象が躍る幻覚に気分が良くなったダンボとティモシーは、いつの間にか眠ってしまった。
次の日の朝。目覚めたダンボとティモシーは、いつの間にか高い木の上にいた。カラス達に起こされた2匹はビックリ仰天。どうやらダンボが酔っぱらっている間に、木の上まで飛び上がってしまったようだ。ダンボの大きな耳が翼の役割を果たしたのではと、ティモシーは大喜び。カラスたちは初めそれを信じずダンボを馬鹿にしていたが、ダンボの不幸な身の上を聞いて、飛ぶ練習に付き合ってくれることになった。カラスはダンボに「魔法の羽」と言って羽を一本くれた。ダンボが耳を大きく動かすと、本当にダンボは空を飛び上がることができた。ダンボは鳥のように空を飛びまわる。
映画『ダンボ』の結末・ラスト(ネタバレ)
次の日のショーが始まった。演目は前日と同じく、火事の建物からダンボが飛び降りるというものだ。前日の成功に味を占めたピエロ達は、ダンボが飛び降りる建物の高さを3倍にしていた。ダンボとティモシーは皆を驚かせようと、カラスからもらった魔法の羽を鼻で掴み、飛ぶ準備をしていた。ダンボは飛び降りるが、風に煽られて魔法の羽を落としてしまう。魔法の羽を失ったダンボは怖くて耳を広げることができず、どんどん落下地点のトランポリンが近づいてくる。ダンボの頭に乗ったティモシーは、あの羽は嘘で元々ダンボには飛ぶ力があるのだと叫ぶ。トランポリンに落下する直前、ダンボは羽を広げ、大きく飛び上がった。
ダンボは空飛ぶ象として一躍有名になり、サーカスの人気者になった。ティモシーもダンボのマネージャーとして成功する。ジャンボも檻から解放され、再びダンボと暮らせるようになった。ジャンボと2人用の特別車をもらったダンボは、親子揃って幸せそうに次の街へと去っていくのだった。
映画『ダンボ』の感想・評価・レビュー
耳が長い象のお話しですが、自分が他の象と違う為に親と離れ離れになってサーカス団の見世物にされる場面は観ていて涙が出てきます。それでも懸命にいつか親と会えると信じている主人公には勇気づけられます。
ディズニーシリーズのキャラクターでは、1番好きなキャラクターです。耳の大きさが人気の秘密なんだとは思います。(女性 30代)
大きな耳のダンボは、外見故に周囲から嘲笑・蔑視の的にされ、守ってくれた母も、ある事件をきっかけに幽閉、一人ぼっちになってしまう。しかし、母の代わりにダンボのそばにいてくれたティモシーや、ダンボの境遇に心打たれ、力を貸してくれたカラスたちに見守られ、幼くしてダンボは奇跡の才能を発揮する。
主人公ながら、一切しゃべらないものの表情豊かなダンボと、それに代わり、軽妙な語り口で物語を進めていくティモシーの組み合わせが楽しい一作。(男性 20代)
有名なディズニー作品ですが、物語を知っていても知らなくても、大人も子供も楽しめる作品でした。映像が綺麗で、ティム・バートン監督らしいファンタジー感のある雰囲気が素敵です。ところどころサーカスの演出もあり、物語と関係なく観ていて楽しい。ダンボは他の象と違い表情豊かで、目がクリクリしていてすごく可愛らしいです。その一方、空を飛ぶ姿は力強く、その逞しさのギャップが良いです。ディズニーらしい純粋で気持ちの良い映画です。(男性 20代)
飛べる象が、能力に気づかず、見た目が醜いという理由でいじめられる話。ディズニーの名作であり、音楽を聴いたことがある人も多いであろう名曲のある素敵な映画だ。
ダンボは、いじめられている一方で母親に愛され、ティモシーやカラスに支えられて成長していく。いじめられていた分、恐怖を克服して飛べた時の爽快感はなかなかである。
ダンボを突き動かす親子愛も美しいので、子供にはぜひおすすめしたい一作だ。(女性 20代)
大きな耳というコンプレックスを活かし、サーカスの一大スターとなるダンボの物語は、仲間たちに生後間もなく剣をと嘲笑にさらされ、大好きな母ジャンボも、彼をかばって、隔離されるという、悲しい運命をたどる。それゆえ、序盤にかけて、作中の劇伴が、あくまでその世界の背景を描くものとなり、ダンボの運命とは裏腹に、サーカスのごとく明るく騒がしいものになっている、このギャップがなんとも悲壮感を持たせる。(男性 20代)
守ってくれる親がいること、助けてくれる友達がいることでダンボは自分を好きになり、進むべき道をみつけ成長できたのだと感じます。
これはファンタジーな夢の物語ですが、私たち人間にも同じことが言えるでしょう。他人との違いをコンプレックスだと捉えて落ち込むのではなく、違いを魅力だと捉えるだけで人生はとても明るいものになります。
自分の良さは自分が一番よくわかるはず。勇気と優しさを忘れずに生きたいと思わせてくれる素敵な作品です。(女性 30代)
みんなの感想・レビュー
本作の物語は『みにくいアヒルの子』にとても良く似ています。異なるのは、母親からの愛情を受けているかどうか、という点。ダンボは母親からの愛情を遮断されるという形で絶望するわけですが、アヒルは母親の愛情など一度も感じたことがないわけです。これがラストのカタルシスに大きく影響してきます。
ダンボはサーカス団のスターになり、母親とも再会できるわけですが、アヒルは自らが白鳥であることに気づき、池から飛び立っていく。どちらがいいでしょうか?好みによりますが、見ていて楽しいのは本作のエンディングではないかな、と思います。2つの救いがあるわけですからね。イジメからの開放と母親との再会。こっちの方が救いがある。アヒルは見方によってはバッドエンディングです。アヒルは孤独と闘いながら生きていかなくてはいけないんですから。