映画『ダニー・ザ・ドッグ』の概要:首輪を付けられたダニーは、バートの“犬”として命令されるまま暴力を振るっていた。だがある日、バートに連れられて行った倉庫でピアノを見つけ、心を揺さぶられる。そして、ピアノ調律師のサムと出会い、愛を教えられる。
映画『ダニー・ザ・ドッグ』の作品情報
上映時間:103分
ジャンル:アクション、ヒューマンドラマ、サスペンス
監督:ルイ・レテリエ
キャスト:ジェット・リー、モーガン・フリーマン、ボブ・ホスキンス、ケリー・コンドン etc
映画『ダニー・ザ・ドッグ』の登場人物(キャスト)
- ダニー(ジェット・リー)
- 子供の頃バートに引き取られ、戦闘技術を仕込まれる。戦いの合図は首輪を外すこと。偶然出会ったサムに愛を教えられ、初めての家族が出来る。
- サム(モーガン・フリーマン)
- ピアノ調律師。交通事故に遭い、目が見えなくなった。ダニーと出会い、少年のように怯える彼を優しく見守る。
- バート(ボブ・ホスキンス)
- ダニーの主人。高利貸し。ダニーに戦闘技術を教え、金を返さない者に暴力を振るわせる。
- ヴィクトリア(ケリー・コンドン)
- ダニーの養女。生まれる前に父を亡くし、母も幼い頃に交通事故で亡くしている。音楽学校に通っており、ピアノが得意。
映画『ダニー・ザ・ドッグ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ダニー・ザ・ドッグ』のあらすじ【起】
首輪を外されたダニーは、男に命令され数十人の男達を倒していった。金を回収した男は、再びダニーに首輪を付けた。
手下の男に連れられ、ダニーは地下室に入れられた。頭を怪我した為、ダニーはテーピングを渡されるが、自分に使うという意識が無かった。その為、破れてしまったサウンドバックの補修に使った。そして、渡された缶詰を動物のように手で食べた。
主人のバートに命令され、ダニーは目の前の男達を倒していく。幼少期からそう躾けられたのだ。だが、首輪を外さなければ、バートが殴られていようと一歩も動かなかった。骨董品倉庫に金の回収に行くことになり、バートから指示を受ける。だが、ダニーは倉庫にあった古びたピアノが、なぜか気になった。
ダニーはランプから目を逸らすなと指示されて1人部屋に残される。そこにピアノ調律師の男がやって来た。ダニーは怯えて男に背を向けるが、男は1人で話し続けてピアノを調律していく。男は目が見えていないらしく、まだ居るのかと聞かれる。ダニーはYESと声を発した。男から調律を手伝って欲しいと頼まれ、ダニーは男の横に座った。男は優しくダニーに接した。ダニーは戸惑いながらも嬉しそうに鍵盤を弾いた。調律が終わったピアノの音色はとても美しく、男が弾いているのをダニーは嬉しそうに見ていた。
男はサムと名乗り2人は握手を交わした。だがその時、サムからカチカチ音が鳴ると言われる。ランプが光っていた。ダニーは慌てて隣の部屋に向かうが、バート達は怪我をしており、言われた通りにしろと怒られる。
映画『ダニー・ザ・ドッグ』のあらすじ【承】
ダニーの存在を知った男から、バートは裏で行われる命を懸けた格闘技大会への誘いを受ける。バートに命令されたダニーは、一瞬でチャンピオンの男を殺した。バートは大金を手にして、気分よく車に乗り込んだ。だが、横から突然トラックが突っ込んできて、銃を乱射される。ダニーは奥に座っていた為、奇跡的に無事だった。
サムがピアノを調律していると、突然ダニーが現れる。そして、腕から血を流したダニーは、血溜まりの中に倒れてしまう。ダニーは悪夢から目を覚ますが、自分がどこに居るか分からず、ベッドの下に隠れてしまう。サムはご飯を持ってきて、怯えるダニーに優しく声をかけた。
サムの養女のヴィクトリアも、ダニーのことを心配していた。その為、音楽が好きだという情報を得ると、ベッドの下に居るダニーに鍵盤ピアノを渡した。サム達は無理矢理ダニーを引きずり出すことはせず、出て来るのを待っていた。夕食時に鍵盤ピアノを抱えたダニーが出て来て、ヴィクトリア達は喜んだ。そして、スプーンの使い方が分からないダニーに、優しく教えてあげた。
映画『ダニー・ザ・ドッグ』のあらすじ【転】
ダニーの腕の傷が塞がった為、サムはダニーを連れて、ヴィクトリアを音楽学校へ送り届けた。別れる間際、ダニーはヴィクトリアから頬にキスをされて驚く。サムはその姿を微笑ましそうに見ていた。サムはダニーを連れて買い物に出掛け、食材の選び方を教えた。ダニーは嬉しそうに聞いていた。
ダニーは食器棚に貼られた家族の写真を見ていた。サムはそれを感じて、家族のことを話し出した。サムとヴィクトリアの両親は親友だった。父親が亡くなった後、必然と母親と付き合うようになり結婚をした。だが、母親も交通事故で亡くなってしまったのだ。サムの失明もその時のものだった。サムから家族のことを聞かれるが、ダニーは覚えていなかった。
サムがダニーを連れてスーパーで買い物をしていると、突然争う男達が入って来た。サムは怯えるが、ダニーは気にした様子も無くフルーツを選んでいた。家に帰り、サムはダニーに争う男達を見て怖くなかったのか問い掛ける。ダニーは自分には関係が無いので怖くなかったと平然としていた。サムは戸惑いながら、ダニーが腕を怪我した日のことを聞いた。そこで、家族じゃないおじさんが死んだという言葉を聞いて、サムはなんとなく状況を理解した。
ダニーはサムやヴィクトリアに連れられて、映画館やボートなどに遊びに出掛けた。そして、3人で撮った家族写真を食器棚に飾った。ダニーが夜中ピアノを弾いていると、ヴィクトリアが入って来た。ダニーはどこで聞いたか分からないが、頭の中で鳴っている曲を弾いていた。ヴィクトリアは生まれ変わるときが来たのだと言って、怯えるダニーの首輪をそっと外した。
ダニーはサムと共にピアノの調律に向かった。そこで、ヴィクトリアが学校を卒業したら故郷へ戻る為、家族だから一緒に来て欲しいとサムから言われる。ダニーは喜びサムに抱きついた。そして、調律を手伝った報酬を貰う。
ダニーがヴィクトリアへのプレゼントを買った帰り、男にぶつかった。その男はバートの手下の男だった。バートが生きており、戻らないとプレゼントを贈る相手に手下を送り込むと脅される。ダニーは絶望しながらも男に従った。
映画『ダニー・ザ・ドッグ』の結末・ラスト(ネタバレ)
ダニーは再び首輪を付けられ、裏格闘技大会に連れて行かれる。戦いたくないと言っても許してくれず、バートに無理矢理コートの中へ突き落される。ダニーは必死に攻撃を躱していたが、命を守るために闘わなくてはいけなくなる。だが、ダニーには殺すことが出来なかった。バートは怒り、ダニーを殴って再び地下室に投げ込んだ。
サム達はダニーが突然居なくなったことに戸惑い、落ち込んでいた。その頃、ダニーは地下室を抜け出し、バートの引き出しを漁っていた。そして、女性と子供のダニーがピアノを弾いている写真を見つける。ダニーは写真を持ってバートを問い詰める。バートはダニーの母が売春婦で、唯一愛した女性だと話した。
ダニーは再び裏格闘技大会に連れて行かれる。だが車で移動中、後ろからハンドルを掴み事故を起こした。ダニーは首輪を外すとバート達の元から逃げ出し、サム達の家へ駆け込む。ダニーは売春婦だと言われたと言って、母の写真をヴィクトリアに見せた。だが、ヴィクトリアはダニーの母が売春婦には見えなかった。ダニーが戸惑っていると、サムが写真の詳細を聞いてきた。
サムはダニーを連れて、ある音楽学校を訪れた。教師である老婦人は、優れた演奏者だったダニーの母のことを覚えていた。だがある日、ダニーの母が突然居なくなった為、金銭的な理由で故郷に帰ったと思っていた。
ヴィクトリアはダニーの母の写真に写っている楽譜を虫眼鏡で眺め、ダニーの為に同じ曲を弾いてあげる。ダニーはそれを聞いて、再び幼い頃の記憶が蘇る。ダニーは母からクローゼットで静かにしているように言われる。すると、男達が入って来て母の体を求めた。だが、母は咄嗟に花瓶で抵抗してしまい、男に殺されてしまう。ダニーは怒りでクローゼットから出るが、男に捕らわれて連れて行かれてしまう。
ダニー達の元にバートが手下を連れて来た。ダニーはサム達をクローゼットに隠し、外へと飛び出した。ダニーは数十人の男を倒すが、怒ったバードと更なる手下がやって来る。ダニーが天井の隙間に入り逃げていると、サム達の部屋に出てしまう。そこに、バートが来て、すべてを水に流して元の生活に戻ろうと声を掛けられる。ダニーは受け入れず、バートを殴り殺そうとする。だが、ヴィクトリアの悲鳴を聞いたサムに止められる。ダニーは母親を殺した男がバートだということを思い出し、怒りで震えていた。バートはダニーに侮辱の言葉を吐き、自分を殺させてダニーを殺人犯にしようとしていた。だが、サムがバートを鉢植えで殴りつけ気絶させた。
サムとダニーはヴィクトリアの演奏会を見に行く。ヴィクトリアが演奏してくれたのは、母が演奏していた思い出の曲だった。ダニーは涙を流しながらその演奏を聞いていた。
映画『ダニー・ザ・ドッグ』の感想・評価・レビュー
薄暗い部屋で圧倒的な暴力を披露する。その主人公はどこか寂しげな目をしている。そんな冒頭から始まる本作は、アクション映画でありながら切ない雰囲気が漂っている。
犬として育てられた主人公ダニー。演じたジェット・リーの演技力も相まって暴力性を感じさせない。ずっと強い男を演じてきたリーがここまでか弱く見えるのもすごい。そんなダニーが盲目のピアニストと出会い、更に暴力と遠ざかっていく。そしてその圧倒的な暴力が展開されてしまうその瞬間、興奮が頂点に達した。(男性 20代)
制作・脚本リュック・ベッソン監督による作品で、主演がジェット・リー。
ジェット・リー演じるダニーは、幼少期から戦うためだけに育てられた忠実な犬であり戦うことしか知らない。だが、それは教えられなかっただけで言葉は話せるし、理解できている。ただ、余計なことを話さないよう躾けられていただけだ。戦う場面になると正に狂犬のような様子を見せるが、普段はまるで子供のようである。狂犬が優しさと出会い愛を教えられていく過程で、人間へと成長していく様子がジェット・リーの巧みな演技によって演じられている。彼だからこそ、この役が嵌ったのかもしれない。アクションはさすがと言うべき激しさで、納得のスケール。且つ、胸を打つストーリー展開に満足する作品。(女性 40代)
本作は、首輪を付けられ闘犬として躾を受けているダニーが盲目のピアノ調律師との出会いをきっかけに愛を知っていく姿を描いたヒューマンドラマサスペンス作品。
ダニーが命令通り人を殴るバイオレンスな描写もあるが、音楽の魅力や人の優しさ、切なさといった色んな心情の変化も描かれている。
特に、ダニー役のジェット・リーの激しいアクションや子犬のような切ない表情に目が離せなかった。
終盤に向かうにつれて沢山の愛が感じられるが、ラストで愛を知ったダニーがピアノ演奏会で涙を流すシーンに感動した。(女性 20代)
愛を知らず、戦うことしかして来なかったダニーと盲目の調律師が出会い、家族の温かさを知り人間として成長していくストーリーなのですが、正直この手の物語は腐るほどあります。今作はジェット・リーとモーガン・フリーマンの共演で、監督はリュック・ベッソンという事もあり期待値もそれなりに高かったのですが、想像を超えては来ませんでした。
悪いやつが成敗され、愛を知らなかったダニーは人間らしさを取り戻していく王道のストーリーなので途中の悲しいシーンもハッピーエンドのためだと割り切って見ることが出来ました。(女性 30代)
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