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映画『ダークシティ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ダークシティ』の概要:常夜の街。ジョン・マードックは記憶を失くした状態で目覚めた。ジョンの“妻”と謎の黒ずくめの集団は彼の後を追う。自身が誰なのか求める中で、ジョンは暗闇の世界の真実を知る…。アレックス・プロヤス監督が描く近未来サスペンス。

映画『ダークシティ』の作品情報

ダークシティ

製作年:1998年
上映時間:100分
ジャンル:SF、サスペンス
監督:アレックス・プロヤス
キャスト:ルーファス・シーウェル、キーファー・サザーランド、ジェニファー・コネリー、ウィリアム・ハート etc

映画『ダークシティ』の登場人物(キャスト)

ジョン・マードック(ルーファス・シーウェル)
記憶喪失の男。ホテルの浴場で目が覚め、記憶を求めて街を彷徨う。自分が誰か一切分からないが、「シェル・ビーチ」という海岸だけは脳裏に強く焼き付いている。
ダニエル・P・シュレーバー(キーファー・サザーランド)
心理学者、研究者。「異邦人」に協力し、謎の液体を製造している。ジョンに、記憶喪失であることと異邦人が彼を狙っていることを忠告する。
エマ・マードック(ジェニファー・コネリー)
ジョンの“妻”にあたる女性。バーで歌手として働く。過去に浮気をし、それ以降ジョンが姿を消す。ジョンに申し訳なく思っており、彼の行方を捜す。
フランク・バムステッド(ウィリアム・ハート)
警部。娼婦連続殺人事件の犯人としてジョンを捜索する。エマに事情聴取をするが、エマの心境を知り、業務を超えて彼女に寄り添う。
ハンド(リチャード・オブライエン)
謎の集団「異邦人」の一人。全身黒ずくめ、青白い容貌に無感情な瞳で、「チューン」という超能力を使う。ボス・ブックの命を受け、ジョンをつけ狙う。

映画『ダークシティ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ダークシティ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ダークシティ』のあらすじ【起】

1950年代のニューヨークを思わせる街。陽は差さず、街は一日夜の闇に包まれていた。寂れたホテルの一室で、一人の青年が目を覚ます。浴槽に浸かっていたがそんな記憶はなく、青年は自分が誰かも分からなかった。唯一覚えているのは「シェル・ビーチ」という海岸の景色。そんな時、シュレーバー博士という男から電話がかかる。「異邦人」という集団が青年を狙っているから身を隠せという警告だった。

ジョンの“妻”エマは仕事帰りに、夫の主治医を名乗るシュレーバーから呼び出される。エマは3週間前にジョンと会ったきりで、ジョンはめっきり姿を見せていないという。一方、青年は自分の記憶を探って街をめぐっていた。得られた記憶は、氏名が「ジョン・マードック」ということだけ。街では娼婦の殺人事件が頻発して騒然としていた。ジョンが目覚めた部屋にも、娼婦の死体が横たわっていた。ジョンはある考えが過るが強く否定する。

バムステッド警部は娼婦連続殺人事件に頭を悩ませていた。彼の元にエマが訪ねてくる。エマは、夫ジョンが同事件の犯人として指名手配されていることを告げられる。シェル・ビーチを目指していたジョンは、娼婦殺しの犯人は自分であることを認識する。動揺する中、異邦人がジョンを襲う。だが、ジョンは咄嗟に潜在能力を発揮して危機を脱する。

エマが帰宅すると、失踪したはずの夫が家に戻っていた。ジョンはエマの存在を知りはしたが、自分とどんな関係か思い出せないでいた。エマは、自分が浮気してからジョンは蒸発した、と真実を話す。家を飛び出したジョンは、バムステッドたちに追い詰められるがエマがジョンを逃がす。

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映画『ダークシティ』のあらすじ【承】

間一髪のところで、ジョンは再び超能力を用いてその場を逃れる。ジョン逮捕に失敗したバムステッドは、シュレーバーの元を訪れる。ジョン本人を見て、「とても人殺しには見えない」とバムステッドは率直な印象を述べた。

逃走中のジョンは、不審なシュレーバーを見つけ尾行する。シュレーバーは街角の何もない壁をすり抜け、謎の空間に消える。シュレーバーが着いた先は、異邦人の地下アジトだった。地下では市民の記憶が「生成」「製造」されていた。黒ずくめの集団が一同に会し、不気味な巨像内部の時計の針を止める。すると、地上の人々は眠りにつき街全体の活動が静止する。ジョンだけは眠らず、街の異様な光景を気味悪がる。

異邦人は超能力「チューン」を発現させ、街を模した物体が空間に現れる。地上に出た異邦人の数名は、眠る人々に何かを注射した。ジョンは、街一体―建物内部さえ―の姿かたちが組み変わるさまを目撃する。そこで、異邦人が暗闇の街を支配していることを初めて知る。時間が動きだすと、人々は何事もなかったかのように活動を再開した。

ジョンの潜在性に目をつけた異邦人は、仲間のハンドにジョンの記憶を刷り込む。ハンドの脳内には、ジョンの誕生から殺人に至る場面が一気に映り込む。

ジョンはシェル・ビーチ行きの列車に乗るため、地下鉄を利用していた。そして、プラットホームで元刑事のワレンスキに出会う。彼は、街の構造やある時点以前の記憶を持っていないことを疑問視して調査をしていた。結果、ワレンスキは異邦人が人間の記憶を奪って別のものとすり替えている事実を発見した、と言う。出口のない街を脱出する方法は一つ―ワレンスキはそう叫ぶと路線に身を投げた。

映画『ダークシティ』のあらすじ【転】

ハンドはジョンの記憶を得たことで、ジョンの感情に同化し「人間的」になっていた。特に妻エマに執心し、ハンドはマードック夫妻の思い出の場所に向かう。

ジョンは娯楽施設を運営する伯父カールを訪ねる。伯父曰く、シェル・ビーチはジョンの故郷で、ジョンは子どもの頃そこで両親と暮らしていた。だが、両親は火事で命を落とす。生き残ったジョンには当時の傷痕があるはずだが、驚いたことに、大人のジョンには何も残っていなかった。加えて、ジョンは街に一度も昼がないことに気付く。

中心街に戻ったジョンは、ハンドに姿を見つけられる。ジョンは憤っており、強力なチューンでハンドを押さえつけた。ハンドは、異邦人は人から奪った記憶で街を創り、人間になるため毎晩街を作り替えていることを白状する。そして、人間の情緒を研究・学習しているのだ、と異邦人の目的をジョンに明かす。ジョンはバムステッドの車に乗ったエマに助けられるが、そのまま警察署に連行される。

取り調べの中、ジョンは自らの犯行を否定する。バムステッドに昼間や日光について問うと、バムステッドは首を傾げる。事件の問題を超えて、バムステッドも街や自らの生活に疑問を抱き始めた。そして、バムステッドはジョンを留置場から逃がす。考えを共有した二人は、シュレーバーの元へ急ぐ。

シュレーバーは、ジョンに人間のチューン使用者として異邦人の実験台になれと脅す。しかし、バムステッドに阻止され、怯えたシュレーバーはジョンたちをシェル・ビーチに案内する。一方、ハンドたちに奇襲されたエマは記憶を書き換えられようとしていた。

映画『ダークシティ』の結末・ラスト(ネタバレ)

運河を下る中、ジョンたちはシュレーバーから異邦人の正体を聞き出す。シュレーバーを含む人間たちはどこからか異邦人に誘拐され、強制的に実験台にされた。ハンドも言った通り、異邦人は人間の「個性」に強い関心を示していた。異邦人は全体で一つの記憶を共有し、絶滅しかけた異星人の種族だった。人間のように、個々に心を持つことを切望しているのだという。人間であるシュレーバーは研究者という点で手を貸し、個人の記憶製造を担当していた。

ジョンたちは、シェル・ビーチと書かれた看板がある建物に到着する。しかし、海はなかった。街の先―外の世界はないことを知り、ジョンは愕然とする。絶望したジョンとバムステッドは看板を壊しにかかる。壁が崩れると、その先には宇宙空間が広がっていた。街自体が、宇宙の中にぽっかり浮かんでいるのだ。そこに、エマを人質にしたハンドたちが現れる。バムステッドは異邦人に攻撃を仕掛けるが、一緒に宇宙空間に放り出されてしまう。同志を失ったジョンは、とうとう気を失ってしまう。

地下に連れて来られたジョンは、異邦人に殺されかける。だが、ボス・ブックは「研究の終了段階」としてジョンと異邦人の意識を一体化させることを告げる。ジョンの意識を異邦人と統一することで、街の時間を永久に止める魂胆だった。シュレーバーは刷り込みを強いられるが、彼がジョンに注射したのは「本当の記憶」だった。気絶していたジョンは、途端に自己を思い出す。両親は異邦人に殺され、孤児になったジョン少年はシュレーバーに引き取られた。そして、彼からチューンについての知識を学び、使い方も指導された。「君には特別な力があって、街を救える」とシュレーバーの言葉が心に浮かぶ。ジョンは覚醒し、今度は意識的にチューンを操って異邦人に挑む。ボス・ブックを倒すと、地下は音を立てて崩れる。

完全に自己を取り戻したジョンは、街を立て直すことを決める。ジョンは新たな「創造者」として、次から次へと街を再生する。時間はまた動きだし、ジョンはシェル・ビーチに行く。ジョンは、大陸と海を創り、闇空に太陽を昇らせる。街は明るさを得て、昼の光にジョンの目は眩んだ。シェル・ビーチの畔には、エマそっくりの女性が立っていた。ジョンはその女性―アンナと言葉を交わす…。

映画『ダークシティ』の感想・評価・レビュー

面白い。ストーリーも映像も世界観も大好きなSF作品の一つ。
マトリックス」と似ていると言われるが、ダークシティの方が完成度は高いと思う。
記憶を操るSF物は、自分自身のアイデンティティーを喪失しそうで怖い。
自分は本当はどこにいたのか、どんな人間だったのか。そこに気がつかない方が幸せだったのではないか・・・
ラストのシェルビーチがとても綺麗で印象的。(女性 40代)


物語が進むにつれ、非常に壮大な展開が待ち受けているSF映画。記憶を失った主人公が、自分の記憶を辿るために四苦八苦していくのだが、よくあるスパイや暗殺者としての陰謀説のような展開かと思いきや、町全体がいわゆる異邦人と呼ばれる異星人によって支配されており、人々の記憶も作成されたものだったという内容。ここまで大きな話であれば、ストーリー展開にも多少のほつれは発生しそうなものだが、世界観としてとても良く組み立てられており、思わず没入してしまう程、クオリティの高い作品である。(男性 30代)


本作は、暗闇のホテルの一室で目覚めた記憶喪失の男が警察に追われながらも失った記憶を取り戻そうとする姿を描いた近未来SFサスペンス作品。
自分の顔にも妻の顔にも見覚えがなく一体何が起こっているのか分からない主人公。
観ているこちらまで不安になった。
カルトチックで美しく退廃的な雰囲気を持つ独特の世界観が個性的で、とにかく自分好みで強く記憶に残った。
物語の構造が秀逸で緊迫感あるミステリーとなっていて飽くことなく楽しめる作品。(女性 20代)


他の映画にはない独特な世界観で、絵画を見ているような美しさとインパクトを感じた。主人公のジョンはなぜ「異邦人」から狙われているのか、彼が殺人事件の犯人なのか、謎が多くて物語の冒頭から引き込まれた。
「異邦人」によって記憶が改ざんされ、昼間がないことなどを疑問に思えないことが怖いなと思った。ダークシティの秘密がきちんと明らかにされるので、見終わった後にスッキリした気持ちになる。クオリティが高く、SFを普段見ない人にもおすすめしたい作品。(女性 30代)


何気なく見た作品だったのに衝撃的すぎて忘れられない作品となったこの『ダークシティ』。キーファー・サザーランドやルーファス・シーウェルなど豪華なキャストが揃っているのでかなり見応えがありますが、それ以上に世界観やシナリオが秀逸で『マトリックス』のようだと言われる所以がよく分かりました。
1998年の作品ですが古さは全く感じられず、むしろ作るのが早すぎたのではないかと思ってしまいました。それほどまでによくできたストーリーでクオリティも申し分ないので、もっと広く多くの人に知ってもらいたい作品です。(女性 30代)

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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