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映画『デッドマン』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『デッドマン』の概要:巨匠ジム・ジャームッシュがジョニー・デップを主演に迎えたモノクローム西部劇。美しい映像とエキセントリックな音楽が描き出すのは、新しくも古くもない全てが個性的なウェスタンムービー。

映画『デッドマン』の作品情報

デッドマン

製作年:1995年
上映時間:121分
ジャンル:西部劇、アクション
監督:ジム・ジャームッシュ
キャスト:ジョニー・デップ、ロバート・ミッチャム、ミリー・アヴィタル、ゲイリー・ファーマー etc

映画『デッドマン』の登場人物(キャスト)

ウィリアム・ブレイク(ジョニー・デップ)
会計士。ディッキンソン工場からの仕事の依頼でマシーンという名の街にやってくる。気弱な性格だが、殺人事件に巻き込まれ濡れ衣を着せられて以来、逃亡生活を通して冷徹になってゆく。
ノーボディー(ゲイリー・ファーマー)
インディアン。二つの部族からなる混血児。そのせいで、幼少期には酷い差別を受けた。教養があり、イギリスの詩人ウィリアム・ブレイクを愛している。同姓同名のブレイクに惹かれて旅を先導する。
セル・ラッセル(ミリ・アヴィタル)
紙で作られた花の売り子。ブレイクと出会い一夜を共に過ごすが、恋人に見られてしまい射殺される。
ジョン・ディッキンソン(ロバート・ミッチャム)
ディッキンソン工場の社長。息子をブレイクに殺されたとして殺し屋を雇う。目的の為なら手段を選ばない性格。
コール・ウィルソン(ランス・ヘンリクセン)
親を殺し、煮て食べたという伝説を持つ殺し屋。

映画『デッドマン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『デッドマン』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『デッドマン』のあらすじ【起】

ブレイクはクリーヴランドからマシーンという街へ向かう途中の汽車の中、薪をくべていた男に話しかけられる。マシーンには会計士の仕事があるのだとブレイクは語る。

街へとついたブレイクを待ち受けていたのは、どこか寂れた光景と疲弊した人達の姿であった。仕事の依頼を受けたディキンソン金属会社へと訪れる。しかし、依頼したのは二ヶ月前であってすでに新しい会計士を雇ったとして突き返されてしまう。

その夜、ブレイクは酒場で一本のウィスキーを買い一人で飲んでいると、セル・ラッセルという名の紙製の花売りの娘が酒場から出てきた男に突き飛ばされるのを見る。それを助けたブレイクはラッセルに頼まれて家まで送るのだった。

ラッセルの部屋へと入ったブレイクはベッドの中で銃を発見する。すると突然、許嫁のチャーリーという男が部屋へと入ってくる。ベッドの中のラッセルとブレイクを見たチャーリーは、愛していたのだと言って突然銃を出しブレイクへと向けて発砲するも、ラッセルがそれを庇い死んでしまう。ブレイクは反射的に手にした銃でチャーリーを撃ってしまう。そして部屋から逃げ出すのだった。

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映画『デッドマン』のあらすじ【承】

気絶していたブレイクが目を覚ますと、インディアンがナイフでブレイクの胸から弾をほじり出していた。

ディキンソン社長は息子のチャーリーがブレイクに殺されたのだと言い出し、三人の殺し屋を雇い、ブレイクを捕まえろと命ずる。ブレイクが撃ったチャーリーの父親はディキンソン社長だったのだ。

インディアンに治療されていたブレイクは名前を尋ねられる。ウィリアム・ブレイクだと答えると、インディアンは突然取り乱す。すると突然、18世紀イギリスの詩人ウィリアム・ブレイクの詩を吟じるのだった。

その後、ブレイクはインディアンに従って馬に乗り旅に出る。

殺し屋三人も後を追うようにブレイクを探す旅へと出る。殺し屋の一人コール・ウィルソンは、両親を犯して殺して煮て食ったという伝説の持ち主だった。

ブレイクはインディアンに名前を尋ねると、ノーボディー(誰でもない)だと答える。ブレイクはノーボディーに色々と尋ねる。ノーボディーは二つの部族の混血であり、どちらにも蔑まれていた。そんな孤独を埋めるために狩りに熱中したが、狩りの途中突然イギリス兵士に捕まってしまう。その後、各地を転々としてイギリスへと移され、白人たちの見世物にされてしまうが、そこでウィリアム・ブレイクの詩に出会ったのだ。脱走したノーボディーは、部族が酷い目にあっているのを目の当たりにするのだった。

三人の猟師を見つけたノーボディーは、その三人の元へとブレイクを行かせる。獲物だと騒ぎだし撃ち合いになった三人に巻き込まれたブレイクは、ノーボディーと共に三人を殺してしまう。

映画『デッドマン』のあらすじ【転】

再び歩み出したブレイクが発見したのは、木に貼られた自分の指名手配書だった。自分の置かれた状況に驚き、怒りを露わにする。

専属契約と聞いていた殺し屋三人はその指名手配書を見て怒りをあらわにする。元々バラバラに活動していた三人故に揉め事になり、一人が撃たれて殺されてしまう。

ノーボディーは、旅の道中で眠ったブレイクを置いて行ってしまう。目を覚ましたブレイクが彼の名を呼び続けるが返事はない。そこで保安官二人に鉢合わせるが、ブレイクは人が変わったように容赦なく彼らに向けて発砲するのだった。

二人になった殺し屋は保安官の遺体を見た後、近くにブレイクがいることを察する。その夜コールは自身の伝説の通りに仲間の一人を食べてしまう。

道中、銃に撃たれた子鹿の血を顔に塗りたくり、子鹿の隣にそっと寄り添うように寝そべるブレイク。そして、再び歩き出したブレイクの目に飛び込んできたのは、性行為中のノーボディーだった。再会を喜ぶノーボディーを尻目に相手の女は怒って去って行ってしまう。

映画『デッドマン』の結末・ラスト(ネタバレ)

再び道中を共にするブレイクとノーボディーは、海と空が出会う場所である鏡に向かう。白人の交易所へと着いた彼らは、そこにいた宣教師にあからさまな人種差別を受ける。ブレイクに気づいた宣教師は銃を取り出し銃口を向けるもブレイク達に始末されてしまう。しかし、後から追ってきた敵に撃たれ、ブレイクは深い傷を負う。

その後、深手を負ったブレイクとノーボディーはカヌーで移動する。後ろには仲間を殺して一人になったコールがすぐそばまで来ていた。

目的地である鏡の場所へ行くための新しいカヌーを調達するため、インディアンの部落に立ち寄ったブレイクとノーボディー。意識が朦朧とするブレイクをたくさんのインディアン達が覗き込んでいた。

新たに調達したカヌーにブレイク一人を乗せ、ノーボディーは船を見送る。そこへやって来たコールがノーボディーと撃ち合いになり、二人は同時に倒れるのだった。それを見たブレイクは船の上でそっと目を閉じるのだった。

映画『デッドマン』の感想・評価・レビュー

冒頭では、少し臆病めなジョニーデップ扮するブレイクが、運悪く殺人の濡れ衣を着せられ、逃亡するという物語。敵に襲い掛かられる度に徐々に冷徹な性格へと変貌していく様が面白い本作品。人種差別やインディアンなどをテーマに取り入れており、またブレイクの役柄がジョニーデップにマッチしており見応えとしても十分である。西部劇の雰囲気が好きな方にはぜひ、おすすめの作品といえるだろう。(男性 30代)


映画を一言で言うと叙事詩。
ウィットな会話が魅力的なジム・ジャームッシュ監督の映画の中では異色ですが、ジャームッシュワールドはしっかりと存在するから不思議。
モノクロの世界とニール・ヤングの音楽が心地よく、うっかりウトウトしてしまう…決して退屈なわけではないのですが。

子鹿のシーンは特に印象的。
消えゆく命を送る儀式のようなピンとしたはりつめた空気感に心を奪われました。
この映画のジョニー・デップ最高です。(女性 40代)


ジョニー・デップの儚げな表情や、美しい顔立ちを音楽や世界観とともに楽しむ今作。言ってしまえば静かで盛り上がりの少ない作品ですが、だからこそ彼の魅力を存分に感じることが出来てファンにはたまらない作品になっていました。
これまで見てきたモノクロ映画とは少し違う、哀愁が漂う雰囲気にグッと惹き付けられ、美しい自然とそれと対比するように描かれる恐怖や孤独がしっかりと伝わってきました。
映画好きなら1度は見て欲しい作品です。(女性 30代)

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