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映画『パーマネント・バケーション』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『パーマネント・バケーション』の概要:孤独と老い、生きるとは何か。答えを見つけ出すために一人の若者がニューヨークの裏街をひたすら歩く。世界が賞賛したジム・ジャームッシュ監督のデビュー作。16mmで綴る傑作青春ムービー。

映画『パーマネント・バケーション』の作品情報

パーマネント・バケーション

製作年:1980年
上映時間:75分
ジャンル:青春
監督:ジム・ジャームッシュ
キャスト:グリス・パーカー、リーラ・ガスティル、ジョン・ルーリー etc

映画『パーマネント・バケーション』の登場人物(キャスト)

アロイシュス・パーカー(グリス・パーカー)
死ぬこと、老いること、様々な不安を払拭する為にニューヨークの裏街を歩き続ける青年。人生とは漂流することだ、という考えを持っている。
リーラ・ガスティル(リーラ・ガスティル)
アロイシュスの同居人。窓の外をぼーっと眺めるのが好き。いつもお決まりの場所に座っている。

映画『パーマネント・バケーション』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『パーマネント・バケーション』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『パーマネント・バケーション』のあらすじ【起】

ニューヨークの裏街、荒廃した建物や人々のいるこの場所を転々と歩いているアロイシュス・パーカー。彼は手に持ったスプレーで壁に落書きをする。そして彼は、彼自身の人生について語り出す。物語というものは点と点の繋がりで、最後に何かが現れる絵のようなもの。ならばアロイシュスの人生も同じで、一つの点からもう一つの点へと移動する。永遠に漂流し続ける。アロイシュスは、自分の人生とは漂流し続ける事だと考えている。

部屋に戻ると、同居人のリーラという女が窓の近くに座っている。どこにいたのかと尋ねられ、アロイシュスはあてどもなくただ歩いていただけだと答える。彼女はタバコを吸いながらずっと窓の外を見つめている。

アロイシュスは、床に無造作に置いてあるジャズのレコードをかける。彼は無類のジャズ好きであり、流れてくるビーバップのジャズに合わせてアロイシュスは踊り出す。それはまるで何かを忘れようとしているかのように激しい。踊り終えると鏡を見て自分の髪を整え直し、そこに写るリーラに人の生死、孤独について語る。

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映画『パーマネント・バケーション』のあらすじ【承】

台所でロートレアモンの詩集を読んでいるアロイシュス。リーラに向かって詩集の断片を朗読し始める。再び孤独について語り合う二人。アロイシュスは孤独を感じないためにも漂流が必要なのだと語る。必死に仕事をする人間も同じで、それは寂しさから逃げようとしているのだ。アロイシュスの父も同じ考えを持っていたが、母のルース・ボルトンは違って普通の考えを持っていた。しかし、父の死後ルースは精神病院に入院してしまう。窓の外を見つめながら、アロイシュスは母に会いに行くことを決心する。

向かいに立ち並ぶ高層ビルとはかけ離れた、荒廃した建物の残された一帯を歩くアロイシュス。そこには、ベトナム戦争の戦場だと思い込んで何かに怯えている男がいる。彼にくだらない冗談話をしてアロイシュスは去って行く。

その一角にある病院へと着いたアロイシュス。そこには、決して綺麗とは言えない部屋に老婆と二人で隔離されているルースの姿があった。アロイシュスが必死に語りかけるも、ルースからまともな返事を聞くことはできなかった。老婆はその間ずっと笑い続けている。

映画『パーマネント・バケーション』のあらすじ【転】

狂ってしまったルースを見て、そこがクレイジーな場所だと感じたアロイシュス。病院を出て再びニューヨークの裏街を歩く。荒れ果てた建物の前で子供達は群れをなし、扉の前にいた女は乱れた格好でスペイン語の歌を歌っている。突然発狂するその女の前をアロイシュスは何も言わずに通りすぎる。

そんな狂った街の寂れた映画館へと入るアロイシュス。受付の女にポップコーンを頼み執拗に話しかけるが、女は読書に夢中でアロイシュスを相手にしない。するとそこにいた黒人があるジャズメンに関するジョークを語り出す。そのアメリカ人のジャズメンは時代を進みすぎて、その音楽はアメリカにもヨーロッパにも受け入れられず、貧困に苦しみ自殺しようとした、という話だった。

アロイシュスが夜の街を歩いていると、サックスを持った男に会う。彼に即興で何か演奏して欲しいとアロイシュスは頼む。夜の寂れたニューヨークに美しいサックスの音色が響く。アロイシュスはその音を止まって聴くことなく再び夜の街を彷徨うのだった。

映画『パーマネント・バケーション』の結末・ラスト(ネタバレ)

翌朝、屋上で目覚めたアロイシュスは再び街を歩き出す。途中車を盗み、それを売り払って幾ばくかのお金を得る。部屋へ戻ったアロイシュスは、いつもの場所にリーラがいないことに気づく。名前を呼んでも返事がない。その後、トランクに自分の洋服とパスポートを詰め込み何かのメモを書き残すと、トランクを持って部屋を出て行ってしまう。

翌日、トランクを持ったアロイシュスは波止場にいた。そこにはもう一人、フランスのパリから来たばかりだという同じ年齢位の男がトランクを持って立っていた。アロイシュスはその男に、ニューヨークを出て行くのだと語る。アロイシュスはパリに行くべきかをその青年に尋ねると青年は、行くべきだ、と答える。

船が到着する。アロイシュスとパリの青年は入れかわるように歩み出し、アロイシュスは船に乗り込む。一ヶ所に留まる事は出来ない、そんな事を思いながらアロイシュスは遠ざかっていくニューヨークを見つめるのだった。

みんなの感想・レビュー

  1. NYアイラブユー より:

    ラストシーンが美しすぎ!この時代に場末の映画館でビール飲みながら観たかった。
    みずみずしいところがかえってカッコいい。心に響く不協和音のオーバーザレインボー。

  2. NU より:

    ラストシーンがとても印象に残っている。
    終わりはスタートラインでもあると感じた。
    主人公と同様にふらふらした人生だったので理解できた。永遠の青春映画!
    いつかNYに行きたい。