映画『Dear フランキー』の概要:スコットランドを舞台に父親の暴力で難聴となった少年と、その少年を守るためにある嘘をつき続ける母親の姿を描いたヒューマンドラマ。『300〈スリーハンドレッド〉』のジェラルド・バトラー主演作。
映画『Dear フランキー』の作品情報
上映時間:102分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ショーナ・オーバック
キャスト:エミリー・モーティマー、ジャック・マケルホーン、メアリー・リガンズ、ジェラルド・バトラー etc
映画『Dear フランキー』の登場人物(キャスト)
- フランキー(ジャック・マケルホーン)
- 難聴の少年。船乗りの父親に宛てた手紙を書き続けており、父親が送ってくれる切手を楽しみにしている。父親の航路を地図で辿っているため地理が得意。
- リジー(エミリー・モーティマー)
- フランキーの母親。暴力的だった父親のことについて嘘をつき、父親に扮してフランキーに手紙を書いている。そして父親に見付かるのを恐れて引っ越しを繰り返している。
- 見知らぬ男(ジェラルド・バトラー)
- リジーの依頼でフランキーの父親役を演じる男。フランキーの書いた手紙を読み、誠心誠意に父親役を演じきろうとする。
- マリー(シャロン・スモール)
- フランキーが越してきたアパートにあるレストランの女経営者。リジーに仕事をオファーするなど親身になってくれる。
映画『Dear フランキー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『Dear フランキー』のあらすじ【起】
フランキーは母リジーと祖母の3人で港町に引っ越してくる。フランキーはアパート階下にあるマリーの店でフィッシュ&チップスを購入する。そして父親から送られてきた切手を大切にアルバムに貼り付ける。フランキーは新しい学校に通い始め、手話ができる少女と親しくなる。一方、リジーは私書箱から手紙を受け取り、珍しい切手を購入する。そして父親の振りをしてフランキー宛ての手紙を書き始める。リジーはフランキーに父親がアクラ号で航海に出ていると説明していた。
職探しをしていたリジーはマリーから店番の仕事を依頼される。同級生の悪戯っ子がフランキーの父親が乗船するアクラ号が近くの港に寄港してくるという記事を見せる。そして父親がフランキーのために姿を見せるか賭けをする。そのことを綴ったフランキーの手紙を読んだリジーは困り果てる。リジーはアクラ号が実在すると思っていなかったのだ。フランキーは少女に唆されて父親の秘密を探ろうとリジーのクローゼットを物色し、リジーに怒られる。
映画『Dear フランキー』のあらすじ【承】
リジーは夜のバーに繰り出す。バーの中は男ばかりで、皆がリジーのことを見つめてくる。そしてリジーはバーテンダーから商売女と誤解されてしまう。途方に暮れたリジーは明け方まで海辺で過ごし、マリーに声を掛けられる。リジーは1日だけ父親役を演じてくれる赤の他人を探していたことを明かし、マリーはある男を紹介する。リジーは男と喫茶店で待ち合わせる。現れた男は名前も名乗ろうとせず、自分の正体を伏せたままにする。リジーは男にフランキーが書いた手紙を見せて事情を説明する。
船が寄港する日、フランキーが姿を消してしまう。マリーが探しに出掛け、港を一望する丘でフランキーを見付ける。その間に男がリジーのアパートにやって来る、リジーは、マリーに連れ戻されて来たフランキーに男を父親だと紹介する。男はフランキーに魚の図鑑のお土産として渡す。フランキーが手紙に欲しいものとして書いていたのだった。フランキーは嬉しくて男に抱きつき、男は戸惑いながらもフランキーを抱擁する。
映画『Dear フランキー』のあらすじ【転】
フランキーは男と共にサッカーの練習に向かい、悪戯っ子の鼻を明かす。そして2人はマリーの店で食事を取る。男はベジタリアンのフランキーに合わせて魚を食べないようにする。フランキーは男とアクラ号を見に行き、記念撮影をする。さらに水辺で石切遊びをし、フランキーは男が手渡してくれた石を大切にポケットに仕舞う。フランキーは男と別れるのを嫌がり、男は翌日も3人で過ごすことを提案する。リジーは渋々承諾し、こっそりと謝礼金を手渡す。
新聞を確認していた祖母はフランキーの父親の姉がリジーを探している記事を見付ける。リジーは慌てて連絡を取り、父親が危篤であることを知る。姉は何とか父親とフランキーを会わせてほしいと頼むが、リジーはまず自分だけで父親に会うことにする。リジーとフランキーは埠頭で再び男と落ち合う。男はアクラ号から姿を見せるパフォーマンスまでしてみせる。そして、3人で港を一望する丘や海辺で過ごし、夜はマリーと共にダンスイベントに参加する。そして男はリジーと共に踊る。
映画『Dear フランキー』の結末・ラスト(ネタバレ)
男はリジーに父親と別れた理由を尋ね、リジーは父親の暴力がフランキーの難聴の原因であることを明かす。別れの時間が訪れ、フランキーは手作りした木彫りのタツノオトシゴを男に渡す。玄関まで男を見送ったリジーは思わず男とキスを交わす。リジーはその後、自分の上着のポケットを探ってそこには謝礼金が入っているのを見付ける。
リジーは病院でフランキーの父親に面会する。父親はフランキーと会うことを求め、リジーを罵る。父親の変わらぬ性格を嫌に感じたリジーはその場を去る。リジーはフランキーに父親の体調が悪くなったとだけ説明する。そしてリジーはフランキーの描いた絵と写真を父親の病室に届ける。父親は亡くなり、リジーはその事実だけをフランキーに告げる。リジーはマリーに男の正体を尋ね、マリーは自分の弟だったことを明かす。リジーが最後に私書箱を確認すると、フランキーからの手紙が届いていた。そこには男が実の父親でないことを見抜いていたことが綴られていた。リジーはその手紙を読んで涙する。
映画『Dear フランキー』の感想・評価・レビュー
これぞイギリス映画といった味わいの小粒な良作。リジーと見知らぬ男は「父親」に扮し、フランキーは「父親」の正体を知らない振りをすることで、それぞれが嘘を演じているところが興味深い。「良い嘘」「正しい嘘」が存在するように思わせてくれる作品だった。ジェラルド・バトラーはちょっとひねくれたタフガイを演じてばかりいるイメージがあったが、今作では優しさの滲むキャラクターで非常に好感が持てた。(MIHOシネマ編集部)
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