ダンブルドアの遺志を継ぎ、分霊箱を探し出し破壊する旅に出たハリー、ロン、ハーマイオニー。追っ手に邪魔されながらも、わずかな手がかりを頼りにヴォルデモートを追い詰める姿を描く。
映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』 作品情報
- 製作年:2010年
- 上映時間:146分
- ジャンル:ファンタジー
- 監督:デビッド・イェーツ
- キャスト:ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソン、レイフ・ファインズ、マイケル・ガンボン etc…
映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』 評価
- 点数:65点/100点
- オススメ度:★★★★★
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★★★
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』のあらすじを紹介します。
ダンブルドアが亡くなったことにより闇の帝王軍団の勢力は増していき、ホグワーツやマグルも襲われもはや安全な場所は皆無となりかけていた。ダーズリー家も引越しを決意し、ハーマイオニーは両親から自分の記憶を消し、ハリーとロンも最後の戦いに向けて準備を進めていた。マルフォイ家ではヴォルデモートとデスイーターたちが集まり、こちらもハリーを狙う計画を進めていた。机上に浮かぶ死にかけた一人の女性、彼女はホグワーツでマグル学を教えており同僚のスネイプに助けを求めるが、当然聞き入れられるわけもなくヴォルデモートに殺されてしまう。しかもその亡骸はナギニの餌に…。
ハリー一人になったダーズリー家に不死鳥の騎士団の面々が到着する。この家から逃げるタイミングを狙われると判断したマッド-アイは、特有のにおいを持つという未成年の魔法使い全員にポリジュース薬を飲んでハリーに変身させ、どれが本物か分からなくさせる作戦を立てた。みんなを危険な目に遭わせたくないと反対するハリーだが他に方法は無く、6人のハリーと騎士団メンバーがペアになり隠れ穴目指して飛び立った。しかしそこまでしたにも関わらず、待ち伏せしていたデスイーターに襲われてしまう。間一髪でその場を切り抜けたハリーだが、ヘドウィグを失ってしまいジョージもその戦いで左耳を失った。さらにマッド-アイ・ムーディが死亡したことが報告される。その原因は彼とペアを組んでいたマンダンガス・フレッチャー()。マンダンガスはヴォルデモートが現れた途端姿くらましをしてマッド-アイを一人にしたのだ。そもそもこの日に逃げ出すことは極秘なはずで、誰かが情報を漏らしたに違いない。死を悼むと同時にマンダンガスへの怒りを覚える一同であった。
新しい魔法省大臣、ルーファス・スクリムジョール(ビル・ナイ)がダンブルドアの遺品を届けに隠れ穴へやって来る。ロンには灯消しライター、ハーマイオニーに「吟遊詩人ビードルの物語」という本、そしてハリーには金のスニッチが渡される。ハリーにはもう一つグリフィンドールの剣が贈られるはずだったが肝心の剣は行方不明。それにしてもなぜこれらを渡したのか、どんな時にどうやって使うのかが分からず戸惑うばかりの3人。そんな中で行われたビル・ウィーズリーとフラー・デラクールの結婚式の最中、またもデスイーターに襲われてしまい…。
映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
ハーマイオニーが両親の記憶を消した理由は?
もし自分に何かあっても、2人が悲しまないようにと願った結果です。
ハリーが持つ鏡の破片は何か
両面鏡という魔法道具で、離れていても所持者同士で会話ができます。「不死鳥の騎士団」でシリウスから貰い受けたのですが、その描写は映画では全カットされており今作で突然登場しました。大した説明も無いまま頻繁に登場する道具ですが、実は重要な役目を果たしていたことが次作で明らかになるのです。
RABの正体は次作で明らかになりますが、名前はすでに作品中に登場しています。
新たな敵、人さらいとは
デスイーターとはまた違う存在として動く、人さらいと呼ばれる魔法使いたち。その役目はマグル生まれ=混血の魔法使いを捕まえて魔法省に差し出すことです。ヴォルデモートに忠誠心があるわけでは無いのですが、すでに魔法省も彼の傘下にあったため結果的に闇の帝王側の利益になるのです。
ニワトコの杖の行方
ブルガリアの杖職人、グレゴロビッチがどこからか入手。その後闇の魔法使いグリンデルバルドに奪われます。そして彼はダンブルドアとの戦いに敗れ、杖はダンブルドアの物になりました。ヴォルデモートにニワトコの杖のありかを話してしまった老人はこのグリンデルバルドです。
グリフィンドールの剣の謎
ベラトリックスによればこの剣は彼女の金庫にしまってあったはず。それがどうして湖の氷の下で見つかったのでしょうか。その答えは次作で明らかにされ、雌鹿の守護霊の謎も解けます。ハリーが潜ったあとで再び湖が凍ってしまいそうになったのはロケットに邪魔されたからです。
分霊箱の数について
これまで指輪、日記、今作でロケットを破壊したあとハリーは「分霊箱はあと3つだ」と発言します。前作で魂を7つに分けた、とヴォルデモートが言うので分霊箱は7つあり「あと4つでは?」と思った方もいるのではないでしょうか。7つに分けたというのは自分自身の魂+分けた魂なので、最後には本体を倒さねばならないということです。
ヘドウィッグやドビーがハリーを守るために、身代わりになって死ぬ設定がなんとも辛い。闇の帝王を倒す史上最大の革命のためには、観る側も相当な覚悟をして、次作の最終話に挑まなければならないと思う。
冒頭で、ハーマイオニーが自分の記憶を消す魔法を、両親にかける姿も切なかった。また、ダーズリー一家も安全のために引っ越すことになるのだが、原作での描写と比較すると、映画は淡々と進んでいって呆気なかったのが少し残念だ。より、一人一人の心情を知りたいのであれば、原作を読まれることをオススメする。(女性 20代)
シリーズも7作目になり、作品のピークは自分の中では過ぎた感があるが、ここまで来たら通過儀礼として最後まで視聴を決意。
最初に感じたのは、ハリーとハーマイオニーのダンスシーンの必要性。正直いらない。と、言うか何の意味があったのか理解できない。それなのに、原作のシーンはカットしまくりと、怒りを覚える出来。
パート1なので完結は次作に持ち越し。とは言え、キャラクターひとりひとりは魅力的なので最後まで見ることはできた。(男性 30代)
ハリー・ポッターシリーズの完結編の前編。初期の楽しくて華やかなファンタジーな世界観は見る影もなく、暗い混沌とした魔法界はクライマックスに近づいているということを感じさせる。映像自体も暗く内容もヘビーで、今までの伏線もどんどん回収されていくのでこのシリーズを最初から見てきた人でないと楽しめないと思う。出てくるキャラクターも多く人間関係の見どころも盛りだくさんで、ついていくのに必死だった。(女性 20代)
映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』 まとめ
ついに舞台はホグワーツを離れ、最終決戦に向けて出発しました。特に今作は序盤から分霊箱を探す、という明確な目的があったためある意味今までで一番見やすい構成だったかもしれません。とはいえ物語が進むにつれ謎は増えていき、さらにここに来て新キャラが登場するという混乱具合です。それに加えマッド-アイはあっけなくやられてしまうしデスイーターや人さらいに常に狙われるなど落ち着いた状況は望むべくもありません。そして本編を通して手に入れた分霊箱はロケットただ1つ。あと一作で3つの分霊箱を手に入れられるのだろうか…と不安になってしまいます。しかも今回はまた新たに死の秘宝というアイテムが登場します。それに関する物語などファンタジー要素が強まりワクワクしました。透明マントはハリーに、ニワトコの杖がヴォルデモートの手に渡った今、蘇生の石はどこにあるのか気になるところです。
みんなの感想・レビュー
およそ10年に渡るハリー・ポッターシリーズ映画作品が、ついに完結しました。シリーズ後半はほぼ不穏な空気が流れ、本編でも何度か絶望的な状況になった上で、ようやく本当のハッピーエンドが訪れてくれました。ここまで多くの犠牲を払いましたが、無事に次世代へと繋ぐことができて良かったと思います。まさかラストシーンでハリーとジニーの子ども、ロンとハーマイオニーの子どもが見られるとは…。しかも、新しくホグワーツに入学するハリーの子どもの名前はアルバス・セブルス・ポッターです。ダンブルドアはともかく、あれだけ対立していたはずのスネイプの名前が…。今作の見所は、ハリー対ヴォルデモートの戦いはもちろんのこと、スネイプのリリーに対する純粋な愛が明らかになるところです。このエピソードでスネイプの特に女性ファンが増えたことは確実です。それだけでなく、この想いを知ってから過去作品を見返してみるとすっかりスネイプに対する印象が変わっているのです。例えば「賢者の石」のクィディッチでブラッチャーがハリーを襲うシーン。当時はスネイプが助けていたと聞いても到底信じられませんでしたが、今ではすんなりと受け入れられます。他にもハリーに冷たく当たる場面はたくさんありますが、比較的ジェームズに対しても否定的な態度を取っているのが分かります。全ての行動は自身の経験が元になっており、全てはリリーを愛していたがためだったのです。そしてモリーがあのベラトリックスを倒せたのも、かつてリリーがハリーへの死の呪文を跳ね返せたのも母の愛によるもの。そしてハリーがここまで勇敢に立ち向かえたのは自らの力に加え、友人や先生方と長年育んだ絆のおかげ。どちらもヴォルデモートには到底持つことのできない代物であり、作品の大きなテーマでもあったのです。
①ロンは誰に変身していた?
ベラトリックスの金庫に侵入するためハーマイオニーはポリジュース薬で彼女に変身しましたが、ロンはハーマイオニーの魔法で顔を変えられただけの架空の人物に変身していました。もうポリジュース薬が一人分しか残っていなかったからです。
②スネイプをナギニに殺させた理由は?
なぜここでは「アバダケダブラ」等の呪文を使わなかったのでしょうか。答えはニワトコの杖の忠誠心が完全なものでは無かったため、失敗する恐れがあったからです。その点ナギニの殺傷能力には信頼を寄せています。
③ダンブルドアの待つ、「あの世とこの世の中間世界」
ハリーは「アバダケダブラ」をくらったのにどうして生き返ることが出来たのでしょうか。赤ん坊の頃に襲われたときリリーが必死でハリーを守り亡くなりました。その時リリーは無意識に「護りの魔法」をハリーにかけます、その愛の力によりヴォルデモートの死の呪文が跳ね返って彼は力を失うのです。その時失った魂がハリーの体に入り込んでしまい、期せずしてハリーが分霊箱の一つとなってしまったのは作中でも明らかになりました。ここからの描写が足りないため混乱を生むと思うのですが、ハリーの血には今でも「護りの魔法」が生きています。そしてヴォルデモートは「炎のゴブレット」で復活する際、必要な材料としてこのハリーの血を使いました。つまりヴォルデモートの体の中にも「護りの魔法」が流れており、彼が死なない限りこの魔法は生き続けるためハリーは死ななかったのです。
④ネビルの大活躍のわけ
実はネビルも7月生まれで「不死鳥の騎士団」で明らかになった予言に当てはまる男の子だったのです。結果的にヴォルデモートが一番の敵として混血であるハリーを選んだため、ハリーが”選ばれし者”となりましたがネビルがこの役目を果たす可能性もありました。ラストでグリフィンドールの剣を手にし、勇敢にもナギニを倒した姿からも主人公の素質があることが見受けられます。
⑤ニワトコの杖の忠誠心はいつからハリーに?
「謎のプリンス」でドラコとダンブルドアが対峙したとき、”武装解除”により杖の忠誠心はドラコへと移ります。そして「死の秘宝 PART1」のラストでハリーがドラコに”武装解除”したため、この時点でニワトコの杖の主人はハリーでした。ヴォルデモートは、スネイプがダンブルドアを殺したことで杖の主人はスネイプに移ったのだと勘違いしていたのです。