ホグワーツの6年生になったハリー。ヴォルデモートとの戦いに備え、ダンブルドアとともに情報を集める一年を描く。日本におけるキャッチコピーは「クライマックスは、ここから始まる!」
映画『ハリー・ポッターと謎のプリンス』 作品情報
- 製作年:2008年
- 上映時間:154分
- ジャンル:ファンタジー
- 監督:デビッド・イェーツ
- キャスト:ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソン、マギー・スミス、マイケル・ガンボン etc…
映画『ハリー・ポッターと謎のプリンス』 評価
- 点数:75点/100点
- オススメ度:★★★★★
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★★★
- 演出:★★★★★
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『ハリー・ポッターと謎のプリンス』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『ハリー・ポッターと謎のプリンス』のあらすじを紹介します。
魔法世界に闇の印が現れ、ダイアゴン横丁を中心にマグル界でもデスイーターが民衆を襲っていた。後日、駅のホームにてその事実を新聞で知るハリー。そこにはルシウスが投獄されたことや、ヴォルデモートの復活によりハリーが”選ばれし者”ではないかという記事が載っていた。ふと外を眺めてみると向かいのホームにダンブルドアがいることに気づく。彼に同行を頼まれ、ホラス・スラグホーン(ジム・ブロードメント)という人物と対面する。彼はかつてホグワーツで魔法薬学教師を勤めており、ダンブルドアは再びその職務を任せたいと訪ねてきたのだ。説得によりしぶしぶ引き受けるスラグホーン。しかしダンブルドアには別の思惑が…。一方、ベラトリックスとナルシッサ・マルフォイ(ヘレン・マックロリー)はワームテールとスネイプの待つ家へ。ナルシッサは闇の帝王から危険な使命を命じられた息子ドラコを守って欲しいとスネイプに頼み込む。その願いを受け入れドラコを守るというスネイプに対し、彼をあまり信じきれていないベラトリックスは”破れぬ誓い”を立てろと命じる。さらにドラコが任務を果たせない場合は自らが代わりに遂行することを2人に誓うのだった。
ダイアゴン横丁にフレッドとジョージが建設した悪戯専門店(ウィーズリー・ウィザード・ウィーズ)を訪れた帰り、ノクターン横丁のボージン・アンド・バークスに入っていくドラコを発見したハリーたち。その挙動が気になり思わずあとをつけると、キャビネットの前で何か揉めている光景を覗き見る。その異様な雰囲気から、ドラコはデスイーターになったのではないかと推測するハリー。しかしロンとハーマイオニーは証拠が無いとして受け入れない。真相を確かめるため、ホグワーツ特急内で透明マントを被りドラコに接触するハリー。しかしわずかな手がかりからドラコにバレてしまい、石化の呪文をかわせず列車に取り残されるハリー。間一髪でルーナに助けてもらい、無事にホグワーツに戻ることができた。夕食時には魔法薬学にスラグホーン先生、闇の魔術に対する防衛術にはスネイプが就任することが発表された。魔法薬学の授業に出席したハリーは教科書を忘れてしまい、先生の棚から一冊借りる。そこには「半純血のプリンス 蔵書」と書かれており、正確な薬の調合法も書き込まれていた。その書き込み通りに、生徒でただ1人高度な薬を作り上げたハリーはご褒美としてフェリックス・フェリシスという幸運の液体の小瓶を貰い受ける。それを飲めば幸運が舞い込み最高の1日になるというこの薬を、ハリーはどうやって使うのだろうか。
ある日校長室に呼ばれたハリーは、憂いの篩でダンブルドアとトム・リドルが初めて出会った記憶を見る。そこには孤児院で一人ぼっちの幼きヴォルデモートと、彼にホグワーツへの入学を勧める若きダンブルドアの姿があった。ダンブルドアによれば、この頃のトム・リドルは周りと何一つ代わらない純粋な少年であったと話す。さらに別の記憶によりトム・リドルとスラグホーン先生が親しかったことが判明するが、その記憶は改ざんされており重要な部分が抜けていたのだ。それが何なのか、先生に取り入って探るようハリーに命じるのだった。果たしてヴォルデモートの重大な秘密とは…。
映画『ハリー・ポッターと謎のプリンス』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ハリー・ポッターと謎のプリンス』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
“選ばれし者”とは
今作からハリーは世間からも周りからも”唯一生き残った男の子”ではなく”選ばれし者”として扱われます。前作で明らかになった予言から、闇の帝王を倒せる唯一の人物として認識されたのです。
指名手配犯フェンリール・グレイバック、RABとは誰?
フェンリールはデスイーターの一人であり、クリスマス休暇中ベラトリックスと共に隠れ穴を襲ったのが彼です。その正体は狼人間で、ルーピン先生を狼人間に変えた張本人でもあります。
RABの正体は次作で明らかになりますが、名前はすでに作品中に登場しています。
マルフォイの行動について
過去作品に比べてグッと活躍した今作のマルフォイ。ケイティに呪いの首飾りを運ばせたり、スラグホーン先生がダンブルドアに贈ろうとしたお酒に毒を盛るなど闇の帝王の意のままに動いています。そして「姿をくらますキャビネット」に林檎や小鳥を入れるシーンが印象的ですが、あれはデスイーターたちがホグワーツに侵入する手段として使えるよう修理していたのです。
苦しい思いをしてまでダンブルドアが黒い液体を飲み干した理由
そうしなければ分霊箱を手に入れることはできず、全てはヴォルデモートによる罠です。黒い液体の毒薬を捨てずに飲み干すと水が飲みたくなる、しかし池の水以外の水はすくえないようカップにも魔法がかけてあります。そして池の水をすくうことであのゾンビのような怪物が出てくるように仕掛けられていました。
スネイプがダンブルドアを殺した謎
全ては物語の最後の最後で明かされます。タイトルの「謎のプリンス」は本人が言ったとおりスネイプのことです。
ダンブルドアのいないホグワーツなんて考えられないし、考えたくもないが、私たちの実生活においても、この先どう生きていけば良いのかわからないほど苦しい状況は必ずある。それでも活路を見出して、進み続けなければならないのだという戒めのようなものを感じる。皆が杖を空に掲げて光を出し、闇を祓う場面は涙が止まらなかった。もう前作までの、あの頃には戻れないのだ。
前作同様、同じ監督だからか、物語の前半と後半の雰囲気の差にメリハリがある。前半は、ハリーの演じ方にもコメディ要素が感じられて新鮮だった。(女性 20代)
『ハリーポッター』シリーズもついに6作目。前作から監督がデヴィッド・イェーツに変更になったため、4作目までと空気感が変わってしまい多少の違和感があるのは前回と同様。
原作が長いためカットしなければならないのは分かるが、場面の取捨選択があまり上手でないように感じる。最終作と同じように、前後編に分けたらもっと評価は高かったに違いない。
最終章に向けての繋ぎのエピソードなので、外せないもののこの作品単体ではいまいち盛り上がりに欠けるのも残念なところ。(男性 30代)
謎のプリンスとはいったい誰なのか、わかったときは衝撃だった。後半にショッキングなシーンが続き、ハリー・ポッターシリーズの終わりに向けてどんどんシリアスで重いストーリーになっていくのがわかり、第一作の華やかでキラキラしたファンタジーのワクワク感が変わっていくのが辛かった。1つの転換期となる作品で、この作品は単体で見ても面白い作品だと思う。幼かったハリーたちがどんどん大人になって、恋愛で悩んだりする姿を見るのは彼らの成長を感じて楽しかった。(女性 20代)
映画『ハリー・ポッターと謎のプリンス』 まとめ
映画としては残り2作品となったシリーズ第6作目、ついにヴォルデモートの倒し方を把握するかわりに、ダンブルドアの死という大きすぎる代償を払いました。今まで世界最高の偉大な魔法使いだと謳われていたダンブルドアがあんなにあっさりと…。それほどに「アバダケダブラ」の威力は凄まじいものだとされているのが分かります。しかも彼の最期の言葉は「セブルス、頼む」です。何故わざわざ自分を殺すように促すのか、反撃しないのはどうしてなのか、初めて見た時はその衝撃と消失感が大きすぎてついていけませんでした…。このシリーズは序盤、中盤は割と時間をかけられているのにラストシーンはあっさりしている、という印象を抱くことが多いです。そのせいで本編に疑問や謎が多く残され、理解が追いつかない人が続出するのでは…と思います。特に死人の扱いに慣れすぎているというか、描写が短すぎて少し雑に感じました。そしてスラグホーン先生により明かされた分霊箱の存在と、これを使えば不死身になれるという恐ろしい事実。これまででさえ散々苦労していたのに、ダンブルドアが亡くなった今無事に立ち向かっていけるのか不安が募ります。この「謎のプリンス」は前作の「不死鳥の騎士団」にも増して全編的に暗くシリアスな雰囲気です。そのため突如勃発するロン、ハーマイオニー、ラベンダーの三角関係や、スラグホーン先生の開催する食事会が唯一の明るいエピソードとなっています。特にロンとハーマイオニーの関係が一段と進んだのは長年のファンとして嬉しい限りです。
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