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映画『ディア・ハンター』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ディア・ハンター』の概要:ベトナム戦争の帰還兵が心に負った傷の深さと、極限状態での友情を描いた名作。ロバート・デ・ニーロの親友を演じたクリストファー・ウォーケンの迫真の演技が高く評価され、アカデミー助演男優賞を受賞。アカデミー賞では9部門でノミネート、5部門を受賞している。撮影時ガンに侵されていたジョン・カザールには最後の出演作となった。

映画『ディア・ハンター』の作品情報

ディア・ハンター

製作年:1978年
上映時間:183分
ジャンル:戦争、ヒューマンドラマ
監督:マイケル・チミノ
キャスト:ロバート・デ・ニーロ、クリストファー・ウォーケン、ジョン・サヴェージ、ジョン・カザール etc

映画『ディア・ハンター』の登場人物(キャスト)

マイケル(ロバート・デ・ニーロ)
ペンシルヴェニア州クレアトンの製鉄所で働くロシア系移民。同じ境遇の仲良し5人組のリーダー格。冷静沈着で度胸のある男。親友のニックとスティーヴンとともにベトナムへ徴兵され、過酷な戦争体験をする。ニックの恋人のリンダに片思いしている。
ニック(クリストファー・ウォーケン)
マイケルと同居している親友。山や木を愛する繊細で心の優しい男。マイケルが猟へ行く時は必ずニックを相棒にする。戦争により心を病んでしまう。
スティーヴン(ジョン・サヴェージ)
5人組の1人。戦地へ向かう直前にアンジェラと結婚式を挙げる。しかしアンジェラは別の男の子供を妊娠している。戦争で両足を失う。
リンダ(メリル・ストリープ)
ニックの恋人。地元のスーパーで働いている。酒乱の父親がおり、どこか悲しげな女性。
スタンリー(ジョン・カザール)
臆病な性格で護身用の銃を手放せない。他の4人にいつもからかわれている。
ジョン(ジョージ・ズンザ)
ジョンの酒場がみんなのたまり場になっている。大柄で料理が得意。歌もうまい。
アクセル(チャック・アスペグレン)
明るいおデブさん。ムードメーカー的な存在。

映画『ディア・ハンター』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ディア・ハンター』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ディア・ハンター』のあらすじ【起】

1960年代後半のペンシルヴェニア州クレアトン。ロシア系移民のマイケル、ニック、スティーヴン、アクセルの仲良し5人組は同じ製鉄所で働いている。今日はスティーヴンの結婚式で5人は大いにはしゃいでいた。

スティーヴンと結婚するアンジェラは妊娠しているようだったが、そのことは周囲に隠していた。スティーヴンはマイケルとニックとともに月曜にはベトナムへ徴兵されることになっており、スティーヴの母親はこの結婚に反対していた。

教会での結婚式が終わり、賑やかな披露宴が始まる。ニックはリンダにベトナムから帰ったら結婚しようとプロポーズする。マイケルもリンダのことを好きだったが、相手が親友のニックならば仕方がないと思っていた。その夜、ニックはマイケルに“俺に万が一のことがあったら、必ずここへ連れ帰ってくれ”と頼む。マイケルはそうすることを約束する。

翌日、5人は猟へ行き、マイケルは立派なシカを仕留める。マイケルは猟の相棒に必ずニックを選び、シカは一発で仕留めると決めていた。その後マイケルとニックとスティーヴンはベトナムへ旅立つ。

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映画『ディア・ハンター』のあらすじ【承】

ベトナムの戦場は想像以上に過酷だった。それでもマイケルは持ち前の度胸と賢さでなんとか生き抜いていた。ベトコンに襲われた村で、マイケルはニックとスティーヴと再会する。しかし3人揃ってベトコンの捕虜にされてしまう。

ベトコンたちは川に捕虜たちを監禁し、小屋に捕虜を連れ込んでロシアン・ルーレットをやらせる。どちらが生き残るか賭けをして楽しむのだ。スティーヴンはあまりの恐怖に正気を失っていく。ニックとロシアン・ルーレットをやることになったマイケルは、隙を狙って銃で反撃し、敵を皆殺しにする。

マイケルはニックとスティーヴンを連れて川へ逃げ、なんとか味方のヘリに怪我をしたニックを乗せる。マイケルとスティーヴンはヘリにぶら下がるが川へ落ち、スティーヴンは足を負傷する。マイケルはスティーヴンを背負って街中まで歩き、通りがかりのジープにスティーヴンを乗せてもらう。そして自分は徒歩で逃げる。

サイゴンの軍事病院を抜け出したニックは、繁華街のはずれで銃声を聞く。そこには大金を賭けてロシアン・ルーレットをする若者たちと大勢の客がいた。心を病みかけていたニックは若者の銃を奪い、自らの頭に銃口を向けて引き金を引く。そしてニックは怪しい男に誘われ車に乗り込む。偶然現場にいたマイケルはすぐに車の後を追うが見失ってしまう。

映画『ディア・ハンター』のあらすじ【転】

それから2年後。マイケルはベトナムから帰還する。スタンリーたちはリンダが留守を守るマイケルとニックの家に集まっていたが、マイケルは帰ってこなかった。翌朝、マイケルはリンダがひとりになったのを確認して自宅に戻る。リンダはマイケルの帰還を心から喜んでくれた。しかしニックからはなんの連絡もなかった。

マイケルは改めて仕事帰りのスタンリーとアクセルを訪ねる。ジョンの店へ行くとみんなが歓迎してくれるが、マイケルもスタンリーたちも複雑だった。スティーヴンが復員後どこにいるのかわからないと聞き、マイケルはアンジェラに会いに行く。アンジェラは心労で寝込んでいた。家には誰の子供かわからない幼い金髪の男の子がいた。

リンダは家を出て行くというマイケルについて行く。同じベッドで寝てもマイケルはリンダに手を出そうとはしなかった。昔のようにボーリングをしたり猟へ行ったりもするが、以前とは何かが違う。マイケルは追いつめたシカをわざと逃がしてやる。そして軽い気持ちで人に銃を向けるスタンリーに本気で怒り、スタンリーの銃を捨ててしまう。

マイケルは復員軍事病院にいるスティーヴンを見舞う。スティーヴンは両足を失い、車椅子生活をしていた。スティーヴンはマイケルにサイゴンから毎月届くお金を見せる。それは間違いなくニックからの送金だった。マイケルは帰りたくないというスティーヴンを強引に家へ連れて帰り、サイゴンへ向かう。

映画『ディア・ハンター』の結末・ラスト(ネタバレ)

現在のサイゴンはかなり危険な状態だった。それでもマイケルは混乱する街中へ出て行き、あの賭博場へ行く。しかし賭博場は閉鎖されていた。マイケルはニックを連れ出した怪しい男に大金を渡し、秘密の賭博場へ案内してもらう。

川を渡ってたどり着いた賭博場では、相変わらずロシアン・ルーレット賭博が行われていた。そこでマイケルはついにニックと再会する。ニックはロシアン・ルーレットに挑戦し続ける廃人となっており、マイケルのこともわからない。マイケルはここのボスに大金を支払って急遽ニックの相手にしてもらい、なんとか自分を思い出してもらおうとする。

マイケルが止めてもニックは頭に銃口を向け引き金を引く。マイケルも自分の頭に銃口を向け“愛してる”と言って引き金を引く。二巡目。マイケルは“木を覚えているか?山を覚えているか?”と問いかける。ニックは少し微笑んで“一発だ”という猟の時のマイケルの口癖を口にする。しかしその直後、銃弾がニックの頭を打ち抜く。マイケルはニックを抱き抱えて泣き叫ぶ。

マイケルは約束通りニックを故郷へ連れて帰る。葬儀の後、みんなはジョンの店に集まる。しかしみんなどうしていいかわからない。沈黙を破るようにジョンが歌い始めた「ゴッド・ブレス・アメリカ」をみんなで合唱し、ニックを偲んで献杯する。

映画『ディア・ハンター』の感想・評価・レビュー

この映画を観てロシアンルーレットというものを知りました。
狂気の象徴として描かれたロシアンルーレット、バラエティなどで風船ロシアンルーレットを観ても笑えない、この映画を観たからだと思います。
ある日突然日常を奪う戦争を、狂気で描いた傑作です。

ベトナムの小屋の中、薄暗い中行われたロシアンルーレットシーン、当時のVHSでの画素では詳細が見えず、それもまた恐怖心を煽りました。
デジタルリマスターであのシーンがはっきり見えるなら是非もう一度観たいと思います。
はっきり見えてもきっと恐ろしいシーンに変わりないでしょう。(女性 40代)


若い頃のロバート・デ・ニーロには危険な危うい雰囲気と、ギリギリのところを生きているような緊張感がありますよね。『タクシードライバー』を鑑賞した時に思っていたことですが、この作品でも同じことを感じました。
「極限状態」とはどういうことなのか、この作品は物凄くリアルに感じます。特にロシアンルーレットのシーンは鳥肌が立つほどの緊張感で観ていて身体が硬直してしまいました。クリストファー・ウォーケンの演技も素晴らしく、彼とデニーロだから極限状態での絆や友情を描くことをここまでリアルに描くことが出来たのでしょう。(女性 30代)

みんなの感想・レビュー

  1. 大原不二男 より:

    うむ、マンダムでつ〜٩(^‿^)۶34年前観ました。ショッキングな映画でした、形は違えども、キリングフィールドと同じ香りがあります。良い映画ですね。