『シックスセンス』のM・ナイト・シャマラン監督が原案、製作を務めるサスペンスホラー。エレベーターに閉じ込められた男女を何者かが襲い始める。クリス・メッシーナ主演。
映画『デビル』 作品情報
- 製作年:2010年
- 上映時間:80分
- ジャンル:サスペンス、ホラー
- 監督:ジョン・エリック・ドゥードル
- キャスト:クリス・メッシーナ、ローガン・マーシャル=グリーン、ジェフリー・エアンド、ボヤナ・ノバコビッチ、ジェニー・オハラ etc…
映画『デビル』 評価
- 点数:65点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★☆☆☆
- キャスト起用:★☆☆☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『デビル』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『デビル(2010)』のあらすじを紹介します。
ある日高層オフィスビルから一人の男が転落死する事件が起きる。妻子をひき逃げ事故で失い失意の中にいるボーデン刑事(クリス・メッシーナ)は現場にかけつけるが、状況から自殺だと判断する。
一方でビルの中ではエレベーターの故障で5人の男女が閉じ込められる事故が起こっていた。監視カメラで中の様子が分かる警備員は、5人に冷静に行動するように伝えるが、突然明りが消えると若い女が背中を切られて負傷してしまう。疑心暗鬼になった5人はパニック状態に陥る。事情を聞いて警備室にやってきたボーデン刑事は5人の素性を調べ始める。すると5人の内4人が何かしらの悪事に関わっており、1人の男は素性が不明であった。救出を急ぐレスキュー隊を嘲笑うかのように、エレベーターの中では一人また一人と殺されていく。そしてついに素性不明の男だけが生き残るのだった。
誰もがその男を犯人だと思った時、実は名前を勘違いしていただけで男の素性は判明していたことが分かる。素性が分からなかったのは、エレベーターの中で殺されたはずの老婆の方だった。突然立ち上がる老婆は、自らが悪魔で罪深い者を連れ去りに来たと生き残った男に告げる。その男こそボーデン刑事の妻子をひき逃げした犯人だったのだ。しかし心から謝罪する男を悪魔は見逃して去って行く。ボーデン刑事は残された男を連行しながら、彼の罪を許すと告げるのだった。
映画『デビル』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『デビル(2010)』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
シャマランは運命論者なのか?
今作におけるシャマランの位置づけは原作であるが、やはり彼の思想が色濃く出ている作品である。シャマランはヒンドゥー教の家庭で育っているが、中高はカトリック系の学校に通っており、このことは彼の作品に大きな影響を及ぼしている。『アンブレイカブル』や『サイン』は特に彼が運命論者であることを決定づけるような作品だ。
さて今作で扱われている題材は罪と運命だ。たまたまエレベーターに乗り合わせた5人(実際には4人)の罪人は運命によって導かれている。密室の中ではどこへも逃げることができず、悪魔の裁きを受けるのを待つのみだ。ここで悪魔は運命を司る絶対の存在として描かれる。監視モニターにノイズとして不気味な顔が浮かび上がる様は、まるでデジタルの聖骸布だ。しかし罪人に裁きが下るという運命は、男の心からの贖罪によってギリギリの所で回避される。それは人間が運命に打ち勝った奇跡の瞬間だ。主人公のボーデン刑事は男を連行しながら、彼を許すと告げる。まるでキリスト教で言う所のアガペーのようだ。しかしボーデンはれっきとした人間だ。神(悪魔)の意志を超えて、人間同士が許し合った先に新たな運命が切り開かれたのだ。
エレベーターの中に悪魔が乗っていて、罪を犯した人間たちを殺していくというストーリー。悪魔として描かれているわけではありませんが、悪魔の存在が当たり前のように描かれるのには驚きました。
老婆の見た目に騙されたのは私だけではないでしょう。しかし、閉じ込められ抵抗も出来ずに殺されていくのはショッキングでした。
終わり方が少し物足りない気もしましたが、全て「シャマランだから」の一言で許されてしまうでしょう。(女性 30代)
映画『デビル』 まとめ
M・ナイト・シャマランによるザ・ナイト・クロニクルズ製作第一作目。エレベーターの中という密室劇は低予算ゆえなのだろうが、演出もそこそこキレがあってテンポもいい。ソリッド・シチュエーション・スリラーというジャンルなら80分という短い尺も好意的に捉えられるだろう。エレベーター内の映像は届くが、声は聞こえないという設定もうまく緊張感を煽っている。ただエレベーターに集められた男女の、メインの男以外の罪状がどうも説得力に欠ける。何もその程度で地獄に落とさなくても……と思ってしまうものばかりだ。挙げ句の果てには何の罪もない警備員まで邪魔だという理由で殺してしまう始末。ある意味シャマラン的とも言える、やや強引なストーリー展開についていけさえすれば楽しめるだろう。
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