映画『どんてん生活』の概要:山下敦弘監督が、大阪芸大の卒業制作作品として撮った初めての長編映画。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭オフシアター部門グランプリを受賞。主演の山本浩司は、この後、山下映画には無くてはならない存在となる。
映画『どんてん生活』の作品情報
上映時間:90分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
監督:山下敦弘
キャスト:山本浩司、宇田鉄平、康季丹、前田博通 etc
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映画『どんてん生活』の登場人物(キャスト)
- 南紀世彦(山本浩司)
- 元暴走族で、田所のつくる裏ビデオのダビングを仕事にしている。巨大リーゼントが特徴。裏ビデオのダビングで得たお金を別れた妻子に送金している。
- 町田努(宇田鉄平)
- やりたいこともなく、無為に日常を過ごす大学生。パチンコ屋で紀世彦に声をかけられ、缶コーヒーを奢ってもらい、裏ビデオのダビングを手伝うようになる。ビールを万引きして捕まる。
- 愛子(康季丹)
- 田所のつくる裏ビデオの主演女優。田所の彼女でもある。裏ビデオ製作に見切りをつけた田所と一緒に街を出て行く。
- 田所(前田博通)
- 裏ビデオを撮影し、紀世彦にダビングをさせている男。彼女でもある愛子を主演女優にして撮影をしている。裏ビデオはAVとは違うというポリシーを持っている。
映画『どんてん生活』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『どんてん生活』のあらすじ【起】
曇り空の朝、パチンコ屋の開店を待っていた町田努は、巨大リーゼントの南紀世彦に声をかけられる。町田は、紀世彦から缶コーヒーを奢ってもらい、「学生?フリーター?」など色々聞かれる。そして、その日のパチンコを終えた町田は、紀世彦のアパートに連れて行かれ、そこで裏ビデオのダビングを頼まれるのだった。
一晩かかってダビングをすると翌朝、町田は裏ビデオを撮影している田所の部屋に連れていかれる。その部屋には、一人の裏ビデオ女優、愛子がいて、テレビゲームをしているのだった。
紀世彦の部屋に戻って、さっき会った愛子の出演するビデオをダビングする町田。ダビングをしながらビデオを見ていると、愛子の相手役として紀世彦が出演しているのだった。町田は紀世彦に「男優やってみる?」と誘われる。しかし町田は、笑いながら断るのだった。
ある日、町田は紀世彦の部屋で一人ダビングをしている時に「呪」と書かれたマスクを発見する。クローゼットの中には、暴走族の衣装と思われる服と、当時の紀世彦の写真、更に妻と子どもの写真があるのだった。
映画『どんてん生活』のあらすじ【承】
町田が部屋で、紀世彦の過去のものを見つけている時、紀世彦は別れた妻と会っていた。喫茶店で紀世彦は、別れた妻から子どもの日常などを聞く。そして元妻が、ある男から一緒に住まないかと言われていることも聞くのだった。喫茶店を出て歩いていると突然、紀世彦は腹を押さえうずくまる。少し休みたいと言う紀世彦。そこは、ラブホの前で、あからさまの小芝居に呆れた元妻は紀世彦を置いて帰るのだった。
数日後、いつものように開店前のパチンコ屋に並ぶ町田と紀世彦がいた。パチンコ屋の駐輪場に入ってくるバイクを見た紀世彦は、かつての暴走族時代を思い出すのだった。
新年になり、田所の家に挨拶に行く町田と紀世彦。今年はどんな年にしたいと田所に聞かれ、紀世彦は「幸せになりたい」とつぶやくのだった。紀世彦の部屋で町田は愛子を交えて3人で飲んでいた。酔いつぶれた紀世彦を置いて、二人は遊びに出てしまう。目を覚ました紀世彦は、町田によって今迄の生活が少し乱されていることを感じるのだった。
映画『どんてん生活』のあらすじ【転】
突然、愛子と田所は街を去ることになる。ダビングの仕事にあぶれた町田は、コンビニでビールを一本万引きして捕まってしまう。町田は、コンビニの事務所でバイトに散々嫌味を言われる。言い返す言葉もなく、ただ椅子に座っているしかない町田だった。ふと町田は、近くに置いてある金属バットに目をやる。町田は、その金属バットを握り、背後からバイトの頭を殴り、血まみれになるまで何度も何度も殴る妄想を、町田は椅子に座って頭に思い描くのだった。
翌朝、紀世彦が迎えにくる。「万引きなんかするなよ」と紀世彦は言い、二人は部屋に戻るのだった。田所がいなくなってしまったので、二人はダビングをした裏ビデオを車に積み込み、山奥に捨てに行く。廃棄作業を終え先に紀世彦の部屋に戻った町田は、かかってきた電話をとる。それは、紀世彦の別れた妻からの電話で明日は会えないという連絡だった。町田は紀世彦に、そのことを告げようとするが、明日会う子どものためにおもちゃを買って帰ってきた紀世彦を見ると何も言えなくなるのだった。
映画『どんてん生活』の結末・ラスト(ネタバレ)
結局、町田は紀世彦に伝言を伝えなかった。紀世彦は、子どもへおもちゃを持って駅へ向かい、そこで元妻と子どもの到着待つのだった。もちろん、二人は現れない。何も知らない紀世彦は、駅の階段に腰掛け、ただ待ち続けるのだった。近くを町田や田所、愛子が通りすぎる。それに紀世彦は気がつかない。
町田は、河原でタバコを吸う高校生をぼんやりと眺めていた。やがて、一人でパチンコへ向かうのだった。
夜になっても紀世彦は、駅で子どもを待っていた。パチンコを終えた町田は、待ち続けている紀世彦に声をかけ、隣に座るのだった。二人は紀世彦の部屋へ帰る。そして、紀世彦が子どものために買ったおもちゃで一晩中遊ぶのだった。
翌朝、二人は部屋を出る。そして、陽だまりでバスを待つ。春は近づいていた。二人は、みんなで花見をすることを妄想するのだった。そこには、紀世彦の子どもも愛子もいて、幸せそうなのだった。しかし、現実には北風の吹くバス停で、二人は佇んでいるのだった。それでも紀世彦と町田は、卑屈にはならない。「何でも屋でもやる?」と呑気に話し合っているのだった。
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