映画『動物と子供たちの詩』の概要:キャンプで知り合った6人の少年は、ハンターに殺されるバッファローに同情し、牧場の柵を壊してバッファローを逃がす計画を立てる。少年たちは、生きる価値がないとされる老齢のバッファローに自分たちの姿を重ねていた。カーペンターズの主題歌が胸に染み入る青春映画。
映画『動物と子供たちの詩』の作品情報
上映時間:102分
ジャンル:青春、ヒューマンドラマ
監督:スタンリー・クレイマー
キャスト:ビル・マミー、バリー・ロビンズ、マイルズ・チャピン、ジュッセ・ホワイト etc
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映画『動物と子供たちの詩』の登場人物(キャスト)
- コットン(バリー・ロビンズ)
- 少年キャンプで知り合った6人組のリーダー。両親が離婚しており、心に深い傷を抱えている。現在16歳で、17歳になったら海兵隊に入隊するつもりでいる。
- テフト(ビル・マミー)
- 金や世間体のことしか頭にない父親に反発し、車泥棒を繰り返している。ヒッピー風の風貌で反抗的な性格。
- シェッカー(マイクルズ・チャビン)
- おデブなムードメーカー。父親が有名な芸人で、本人も芸達者。明るく振舞っているが、両親の愛情に飢えている。
- スチーブ(ボブ・クレイマー)
- ビリーの兄。メガネをかけた冴えない風貌をしており、両親の愛を独占している弟を憎んでいる。激昂すると自傷行為に走る。
- ビリー(マーク・バハニアン)
- スチーブの弟。甘えん坊で、愛用の枕が手放せない。子供扱いされることを嫌っており、兄に対しても生意気。
- グデナウ(ダレル・グレイザー)
- 母親に過保護に育てられ、14歳になっても寝小便の癖が治らない。ひ弱で内気ないじめられっ子。コットンに救われる。
映画『動物と子供たちの詩』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『動物と子供たちの詩』のあらすじ【起】
アリゾナ州ボックスキャニオン少年キャンプ施設では、少年たちの心身を鍛える長期合宿が行われている。少年たちは、組ごとに分けられた宿舎で寝食を共にし、日中は立派なカウボーイになるための鍛錬に励む。
6組に配属されたコットン、テフト、シェッカー、スチーブ、ビリー、グデナウの6人は、監視役の教官が寝入った隙を見て、キャンプ場を抜け出す。勝手にキャンプ場を抜け出すことは当然規則違反だが、彼らには柵の中に閉じ込められたバッファローを救うという目的があった。少年たちは覚悟を決めて馬に乗り、荒野を走り出す。
このキャンプ場で知り合った6人には、問題児扱いされているという共通点があった。少年たちの脳裏に、今まであった様々な出来事が浮かんでくる。
ムードメーカーのシェッカーは、よく太った明るい少年だ。彼の父親はショービジネスの世界で活躍する有名な芸人で、シェッカーもモノマネや声帯模写がうまい。彼はいつも明るく振舞っていたが、両親の愛には飢えていた。しかし両親は、そんな息子の孤独に全く気づいていない。
内気なグデナウは、読書好きのおとなしい少年だ。母親は息子を過保護に育て、彼に挑戦する機会を与えてこなかった。父親は、14歳になっても寝小便をする息子を心配し、母親の反対を押し切ってキャンプに参加させる。
映画『動物と子供たちの詩』のあらすじ【承】
“ラリー1”“ラリー2”と呼ばれているスチーブとビリーの兄弟は、お互いを常に敵対視している。兄のスチーブはメガネをかけた冴えない容姿をしており、甘えん坊の弟が両親を独り占めすることにストレスを感じ続けてきた。ビリーの方も、どんな場所にも愛用の枕を持ち歩くほどの甘ったれで、人を思いやることができない。スチーブは、ビリーの枕に火をつけてしまうほど、弟が憎たらしかった。
クールな印象のステフは、手先が器用な少年だ。ステフの父親は株のディーラーをしており、いつも仕事に追われている。ステフは父親への反発心から車の盗難を繰り返していた。父親はステフを叱りはするが、息子の心と向き合うことはせず、金の力で犯罪をもみ消していた。ステフはそんな父親のやり方に傷ついていた。
16歳のコットンは、6人の中で1番しっかりした少年で、この組のリーダー格。ヘマばかりする他の5人に比べると、コットンは頭も運動神経もいい。彼は思いやりもあり、他の組でいじめられていたグデナウを救い、6組に迎え入れてやった。他のメンバーも、コットンには深い信頼を置いている。
しかし、そんなコットンにも問題はあった。彼の両親は離婚しており、ハデ好きな母親は、常に男を絶やさない。コットンは、海兵隊員の父親が大好きで、本当は父親と暮らしたかった。しかし、2人は裁判所の許可なく会えない規則になっており、それがコットンには悲しかった。そのストレスで、コットンは精神的に不安定な面がある。彼は早く自立したくて、17歳になったら海兵隊に入隊するつもりだった。
映画『動物と子供たちの詩』のあらすじ【転】
それぞれに傷のある6人は意気投合し、友情を深めていく。しかし、他の組からはバカにされ、“寝小便組”と揶揄される。
ある日、教官は6人を野生のバッファローが保護されている牧場へ連れて行く。6人は喜んでいたが、ハンターが次々とバッファローを撃ち殺していくのを見て衝撃を受ける。その牧場では、役に立たない老齢のバッファローを撃たせる商売をしていた。
“殺し屋!バッファロー殺し!”と騒ぎまわった6人は、教官にひどく叱られる。教官に、“お前らもバッファローと同じで生きる価値のないカスだ”と罵倒され、彼らは悲しみと怒りを感じる。そして彼らは、あの牧場のバッファローを救おうと決意する。
キャンプ場を出た6人は、行けるところまで馬を使い、途中から徒歩で町を目指す。テフトは町で害虫駆除のオンボロトラックを見つけ、鍵なしでエンジンをかける。少年たちは大喜びでトラックに乗り込み、バッファロー牧場を目指す。
空腹だった少年たちは、寂れた酒場でチーズバーガーを注文する。そこで店内にいた2人組の酔っ払いにからまれる。彼らはすぐに出発したが、2人組は後を追ってきて、トラックを無理やり停車させる。2人組の目的は金だった。しかしテフトが銃を出したため、2人組は退散していく。
大人をやっつけた6人は、意気揚々とトラックを走らせる。ところが、トラックは何もない荒野で突然止まってしまう。ガス欠だった。
映画『動物と子供たちの詩』の結末・ラスト(ネタバレ)
すっかり元気をなくした6人は、このまま進むか、キャンプ場へ戻るかで口論になる。弱音を吐き出した仲間を見て、コットンは多数決を取る。戻るのに賛成したのはコットンだけだったが、これはみんなをやる気にするための作戦だった。絶対に最後までやり抜くと誓い合った6人は、元気に荒野を歩き出す。
その夜は野宿をして体を休め、まだ暗いうちに再び出発する。しばらく行くと、丘の向こうからバッファローの鳴き声が聞こえてくる。
牧場へたどり着いた6人は、近くにいるハンターに気づかれないよう見張り台の上へ登る。ビリーはそこで、ずっと持っていた枕を捨てる。6人は、バッファローを救うことで、自分たちも強くなろうとしていた。
バッファローは正門から出すつもりだったが、鍵を外す名人のテフトでも、門の錠前を開けられない。感情を高ぶらせるコットンを見て、テフトがどこかへ行く。
テフトはハンターのトラックを盗んできた。そのおかげでついに門が開く。他のメンバーはバッファローの後方から大音量でラジオを流し、バッファローの群れを走らせる。バッファローの群れが門から出たのを見て、6人は歓喜する。
ところが、飼いならされたバッファローは、すぐに止まって草を食べ始める。向こうからは騒ぎに気付いたハンターの車が近づいていた。テフトは空に向けて銃を撃つが、それでもバッファローは走らない。興奮したコットンは泣きながらトラックに乗り込み、バッファローの群れへ突っ込んでいく。
ハンターたちは、コットンが乗ったトラックのタイヤを狙って銃を撃ち始める。しかし、弾はなかなか命中しない。コットンは銃弾の中を走り回り、バッファローを走らせることに成功する。それと同時にトラックが止まり、ドアからコットンが崩れ落ちてくる。コットンは、流れ弾に頭を撃ち抜かれて死んでいた。この悲劇的な結末に、少年たちは言葉を失う。
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