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映画『エデンの東』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『エデンの東』の概要:キャルは孤独だった。人付き合い良く生きられないし、善行を尊ぶ父親とは考え方が相容れない。誰かに愛されているという実感を求めていたキャルは、ある日、父から死んだと聞かされた母親が、実は生きていたことを知る。

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映画『エデンの東』の作品情報

エデンの東

製作年:1954年
上映時間:115分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:エリア・カザン
キャスト:ジェームズ・ディーン、ジュリー・ハリス、レイモンド・マッセイ、リチャード・ダヴァロス etc

映画『エデンの東』の登場人物(キャスト)

キャル・トラスク(ジェームズ・ディーン)
父の語る正義に納得できない少年。ある日、父から死んだと聞かされていた母が生きていることを知る。
アダム・トラスク(レイモンド・マッセイ)
キャルの父。敬虔なキリスト教信者で発明家。キャルを善行に導こうとする。
ケート(ジョー・ヴァン・フリート)
キャルの母でアダムの元妻。潔白でいることに固執し、融通の利かないアダムに嫌気が差し、家を出る。酒場の経営者として成功し、裕福な暮らしをしている。

映画『エデンの東』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『エデンの東』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『エデンの東』のあらすじ【起】

豪華なドレスを着た女が高額の預金を降ろすのを見かけたキャルは、女の後を追った。女の名はケート。ケートはキャルが自分の後ろを付いて来るのに気付いていたが、無視して自分の屋敷に戻った。屋敷の窓から外にいるキャルの様子をうかがい、正体を知っているか使用人に問う。使用人はケートが経営する酒場にいるのを見たと答えた。ケートはキャルの正体を確かめろとジョーに命じた。ジョーが少年に事情を尋ねようとすると、キャルはケートと話したいと言った。何を話すつもりかと問うと、嫌いだと伝えてくれと言い残し、キャルはその場を立ち去った。

キャルの父親であるアダムは、物を凍らせる研究をしていた。野菜を冷凍することができれば長期保存ができる。そうすれば、長距離移送も夢じゃなくなる。実験のために沢山の氷を買い付けようとする父に、キャルは豆やトウモロコシを育てた方が金になると進言した。しかし、父は金よりも研究が大事なのだとキャルの話を聞き入れなかった。キャルは苛立ち、倉庫に保管されていた氷を窓から放り出し、台無しにしてしまった。

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映画『エデンの東』のあらすじ【承】

その晩、アダムはキャルに説教し、改心させるために聖書を読ませた。しかし、チャルの反抗的な態度は変わらない。キャルのアダムに対する反抗心の原因は、父が自分たちに吐いた一つの嘘にあった。キャルは最近、近所の人に死んだと聞かされていた母が実は生きていると知らされたのだ。なぜそんな嘘を吐いたのか、キャルは父を問い詰める。苦しませないためだと父は答えた。キャルはもっと母親のことを教えて欲しいと食い下がったが、父は応えなかった。

キャルはケートが経営する酒場に潜り込んだ。彼が酒を飲んでいるところを見つけたケートの使用人が、ジョーやケートに見つかったら大変なことになると彼に警告した。キャルは使用人にケートの下に案内するよう頼み込んだ。彼はケートこそが自分の母親なのではと考えていたのだ。ケートは自分の部屋で眠っていた。キャルは話を聞いてほしくて彼女を起こした。目を覚ましたケートは突然現れたキャルに驚き、保安官に通報した。話を聞いてくれと訴えたキャルだが、酒場を追い出されてしまった。

映画『エデンの東』のあらすじ【転】

保安官は連行されてきたキャルに酒場への立ち入りを禁じた。それから、キャルの両親の若い頃の写真を彼に見せた。保安官から渡された写真を見て、キャルは自分の考えが正しかったと確信する。保安官もキャルとケートの関係を保証した。キャルはどうして両親が別れることになったのかと保安官に尋ねた。しかし、保安官も詳しい話は知らなかった。ただ一つ、アダムは本物の善人だとだけ断言した。

冷凍保存の試験のためのレタスの収穫が始まった。農家の人たちは成功を祈ってはいたが、半信半疑だった。収穫されたレタスは氷と共に列車で運ばれた。キャルたちが列車を見送ってしばらくすると、悪い知らせがもたらされた。山中を移動中の列車が雪崩に巻き込まれ立ち往生してしまったというのだ。列車は来た道を戻らざるを得なかった。キャルたちが戻ってきた列車の積荷を確認すると、レタスは水浸しで腐っていた。自分たちの失敗を糧に誰かが冷凍法を成功させるだろう。腐ったレタスを手に父は呟く。キャルは父の試みは正しかったと励まそうとしたが、落ち込んだ父は自分の思い上がりで野菜が無駄になったと嘆いた。

映画『エデンの東』の結末・ラスト(ネタバレ)

父が損した分の金を稼ぐため、キャルは豆農家に金を貸してほしいと相談を持ちかけた。国際情勢は戦争が始まる雰囲気で、アメリカも何時参加することになっても可笑しくない。そうなれば、豆の需要が上がる。豆を植えるためにも、キャルには資本が必要だった。豆農家は自分の父親を救おうとするキャルに感心して、豆農家は協力を約束した。しかし、豆農家にも資本金は大金で用意ができない。キャルは一か八か、ケートに金を借りようと目論んだ。

酒場での騒動の後、ケートはキャルが自分の息子であると気付いた。金を借りにやってきたキャルを事務所に招き入れたケート。ケートは聖人ぶって破滅したアダムを非難した。彼女の不満はキャルにも同意できた。ケートはキャルが自分に似たことを喜んだ。元夫を救うつもりはなかったが、ケートはキャルのために資本金として必要な分の小切手を切って彼に渡した。

大豆で儲けた金を、父の誕生日にプレゼントしたキャル。しかし、アダムはキャルの努力も無視して戦争で儲けた金など要らぬとキャルを非難した。キャルは必死で稼いだ金だから受け取って欲しいと父に懇願した。しかし、アダムはキャルのことを悪人呼ばわりし続けた。正義を押しつける父親の愛などもう要らない。そう言い捨て、キャルは父と決別した。妻と同じように、息子に棄てられた。一家が崩壊したショックで、父は脳卒中になって倒れてしまった。事切れる間際、父は見舞いに来ていたキャルに囁いた。最期まで自分を看病してほしい。その言葉で親子は和解した。

映画『エデンの東』の感想・評価・レビュー

両親が離婚した原因や、母親は亡くなったと聞いていたキャルだったが、本当は今も生きているという事実など、明かされていなかったことが徐々に公になっていき、キャルの気持ちや、両親の想いが描かれており、元々の家族の在り方や今の現状がはっきりしていた。男手一つで育ててきたアダムのキャルへの想いが強く、一度突き放して去ってしまったキャルだったが、父親が病気と知り、戻ってくる親子の絆も感動した。また、母親の姿を見ただけで確定できる事も、キャルだからこその自信だと思った。(女性 20代)


正義に拘るアダムの気持ちも分からなくないのだが、それに固執していてはダメなのだなと感じた。息子のキャルにも元妻のケートにも、それぞれの正義と考えがあるのだ。なかなか自分自身を変えるのは容易ではないので、最後にアダムとキャルが和解できて良かったなと思った。ただ、それが病に倒れてからだというのが、少しだけ寂しく感じた。主人公を演じたジェームズ・ディーンは本当にカッコ良くて、惜しい人を亡くしたなと思った。(女性 30代)


現在も語り継がれるジェームズ・ディーンの魅力が詰まった作品。彼の演技、しぐさ、ファッションは世界中に影響を与えた。
そして、彼が劇中で演じるキャルの素朴さ、親の愛を受けるために一生懸命に行動する健気な姿は、思わず純粋な気持ちにさせられる。その反面、自分の失ったものを突きつけられているようにも思える。
ともかくジェームズ・ディーンがカッコいい映画ではあるが、戦争下における家族の微妙な関係などにも注目してほしい。(男性 40代)


ジェームズ・ディーンというとこの『エデンの東』を思い浮かべますが、あまりにも早すぎる死により出演作は今作を含めて5作品しかありません。そうとは思えないほどの人気を誇る彼の素晴らしい演技を見られる作品でした。
父に育てられた主人公。しかし父とは考えが合わず「孤独」を感じていました。そんな時に知る母の存在。とにかく内容が濃いです。すごいとしか言いようのない演技力に脱帽でした。(女性 30代)


大学生の自分からすると少し古めの作品でしたが、傑作の文字を見て鑑賞しました。時代背景の理解度の問題でしょうが、登場人物に感情移入できずに終わってしまいました。母親の事実を隠しながら善人と称えられる父、父が倒れる原因を作ってしまった主人公、息子に対して突然態度が変わった母親。うーん心理が分からない…。その他、兄の婚約者の行動もただの浮気に見えてしまいました。演技は見事だと思います。これを通しで撮影したのかと、驚くシーンが随所にあります。(男性 20代)

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みんなの感想・レビュー

  1. 松村ひろ子(ほぼ70歳) より:

    最後の盛り上がりを見せるシーンが若干違っています。父親は自分に性格が似ている兄を気に入っており、母親似の弟キャル(ジェームスディーン)を邪険にしていた。弟は何とか父親の愛情を受けたくて自分なりに努力をするのだが、認めてくれることはなかった。兄の婚約者はこの弟が気がかりで何とか父親に平等に愛してあげてほしいと願っていた。弟は隣町で娼婦の元締めとして金を稼いでいた母親(幼いころに母親は死んだと聞かされていた)を突き止める。この母親似だから父親が自分を嫌っているんだと思い、兄にも母親を引き合わせる。それを知った兄はショックを受けて気がおかしくなり志願兵として行ってしまい、それを見た父親は脳卒中で倒れてしまう。あと2,3日の命かもしれないといわれ兄の婚約者は「今こそ弟を受け入れてほしい」と父親に頼んだ。そして付き添いの看護婦は断って、キャルにそばにいてほしいと言って受け入れた。(もっともあと2,3日の命の父親がこの名台詞をいうのがまず不自然)
    ここが一番盛り上がるところですが、何の罪もない兄が半分気がおかしくなって婚約者を残して戦争に行ってしまうというのがちょっと可哀想な盛り上がりを見せる結末でした。心理描写が主演のキャルに感情移入しすぎていて粗削りな無理な父子和解。
    1952年作品ということは太平洋戦争終戦後間もないという歴史下だったからでしょう。

    主演のジェームスディーンは当時すい星のごとく現れた有望な新人でしたが、その後2作品に出演して20代で自動車事故死してしまい、一層儚い人気俳優となったのでした。物憂げな表情が抜群に素敵な男優で当時の若い女性は夢中になったものでした。
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