映画『永遠のこどもたち』の概要:孤児院で育ったラウラは、自分が入っていた施設を買い取ったときから怪奇現象に遭遇する。ある日、息子のシモンが姿を消し、ラウラはシモンを見つけるため、孤児院の謎に迫る。深く暗い影が恐ろしい、スペイン発ゴシックホラー。
映画『永遠のこどもたち』の作品情報
上映時間:108分
ジャンル:ミステリー、ホラー
監督:J・A・バヨナ
キャスト:ベレン・ルエダ、フェルナンド・カヨ、ロジェール・プリンセプ、ジェラルディン・チャップリン etc
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映画『永遠のこどもたち』の登場人物(キャスト)
- ラウラ(ベレン・ルエダ)
- 孤児院『良き羊飼い』で育った37歳の女性。自分が入所していた孤児院を買い取り、障害のある子供達のための施設を開園しようと計画している。夫カルロス、養子のシモンと共に円満な家庭生活を送っている。
- カルロス(フェルナンド・カヨ)
- ラウラの夫で医師。温和で冷静な男性。ラウラを心から愛し、施設の開園に協力している。シモンの失踪後、独自で資料を集め捜査を進める。
- シモン(ロジェール・プリンセプ)
- ラウラとカルロスの養子。7歳。生まれたときは未熟児だった。HIV陽性のため病気がち。空想癖があり、架空の友達とよく会話している。明るく好奇心旺盛な少年。
- ベニグノ(モンセラート・カルーヤ)
- ラウラが買い取った孤児院に侵入する謎の老女。白髪で大きな眼鏡をかけている。30年前、『良き羊飼い』で職員として短期間働いていた。
- ピラール(マベル・リベラ)
- 失踪したシモンの捜索のため、警察から派遣された心理学者の女性捜査官。ラウラとカルロスの心情を汲み、献身的に捜査に当たる。
- レオ・バルバン(エドガー・ヴィヴァル)
- 怪奇現象の権威。孤児院で起きる現象についてラウラから相談を受け、アウローラを紹介する。
- アウローラ(ジェラルディン・チャップリン)
- バルバンがラウラに紹介する霊媒師の女性。ラウラに協力して、孤児院の子供達の霊に接触しシモンの行方を聞き出そうとする。死者に近い立場にあることが原因で、常に体中に傷や痣を負っている。
- エンリケ(アンドレ・ゲルトゥーディフ)
- アウローラの助手の若い男性。ラウラの霊媒術を手伝い、経過を記録する。
- トマス(オスカル・カサス)
- ベニグノの息子。『良き羊飼い』の生徒の一人で、骸骨のような容貌を持つ少年。常に不気味なマスクを被り、地下室で一人で過ごしている。他の生徒達の悪戯が原因で、洞窟で命を落とす。
映画『永遠のこどもたち』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『永遠のこどもたち』のあらすじ【起】
孤児院『良き羊飼い』で育ったラウラは、現在は夫カルロスや養子のシモンと共に円満に暮らしている。ラウラ達は、シモンの架空の友達と遊ぶ癖や病気を気にしながらも、幸せな家庭を築いている。
ラウラは、障害を持つ子供達のための施設に改装しようと、現在は閉鎖されている『良き羊飼い』の屋敷を買い取る。ラウラは、カルロスやシモンと共に屋敷に越し、開園の準備を進める。
ラウラとシモンは、屋敷の近くの海岸で貝殻拾いをし、岩場の洞窟に入る。シモンは暗がりに向かって語りかけ、見えない友達を家に招待すると言う。シモンは、友達が迷わず屋敷まで行けるようにと、海岸からの帰り道に道標として貝殻を落として歩く。
ある日、ソーシャルワーカーを装ったベニグノが屋敷を訪れる。ベニグノは、新しい治療法を紹介すると言って、シモンの出生や病気についてまとめた資料をラウラに手渡す。気味悪く感じたラウラはベニグノを追い返し、資料をキッチンの鍵付きの引き出しに隠す。
ある夜、ラウラは不審な物音で目を覚ます。ラウラが庭から聞こえる音を辿って物置に入ると、物陰に隠れていたベニグノが飛び出し、走り去っていく。
朝、ラウラが玄関の扉を開けると、扉の前から敷地の外まで、貝殻が並んで落ちている。
シモンは、6人の子供達の絵を描き、自分はこの子供達と宝探しゲームをするのだとラウラに説明する。隠してあったはずのシモンの宝物のコインが失くなっており、シモンはゲームが始まったと気付く。ラウラとシモンは、子供達が残したヒントを手掛かりに、キッチンの鍵付き引き出しの中でコインを発見する。
シモンがゲームを自作自演したと思ったラウラは、シモンを叱る。シモンは、本当の母ではないラウラこそ嘘をついていると言い返す。ラウラは、シモンが自分は養子であることに気付いていたと知り、ショックを受ける。シモンは、友達のトマスからそのことを知ったと言う。
映画『永遠のこどもたち』のあらすじ【承】
施設の開園パーティーに、大勢の仮装した客人が屋敷を訪れる。忙しいラウラは、トマスの部屋を見て欲しいと駄々をこねるシモンを思わず殴ってしまう。
しばらくして、ラウラはシモンの姿が見えないことに気付き、屋敷中を探し回る。階段下の小部屋から物音がして、ラウラは扉を開けるが、ただ雑用品が詰まっているだけである。ラウラは雑用品に八つ当たりする。
屋敷の中で、ラウラは、不気味なマスクを被った一人の少年に出会う。ラウラは、シモンを探して海岸を走り回り、足に大怪我を負う。ラウラは、洞窟に一人の少年の姿を見る。
病院に搬送されたラウラのもとへ、捜査官のピラールがやってくる。ピラールは、シモンの肉親による誘拐を疑い、ベニグオが怪しいと考える。
シモンが発見されないまま、半年が過ぎる。ラウラは、シモンの『見えない友人』の存在を認め、シモンは見えない友人達に連れて行かれたのだと信じる。
ある日、ラウラとカルロスは、街で乳母車を押して歩いているベニグノを目撃する。ラウラがベニグノを呼び止めた瞬間、ベニグノはトラックに轢かれて即死する。
ピラールは、ベニグノはかつて『良き羊飼い』の職員だったことを突き止める。ベニグノの部屋から押収された写真には子供時代のラウラも写っており、ラウラは当時のベニグノや息子のトマスについてかすかに思い出す。
ラウラは、他の孤児達よりも早く里親に引き取られた。その後、トマスは他の孤児達から醜い容姿をからかわれ、悪戯に巻き込まれて洞窟で命を落とした。ラウラは、不気味なマスクを被った子供はトマスだと気付く。
映画『永遠のこどもたち』のあらすじ【転】
ラウラは、超常現象の権威バラバンに、屋敷に潜む子供達の霊について相談する。バラバンは、ラウラに霊媒師のアウローラを紹介する。
ある日、アウローラはバラバンや弟子のエンリケと共に屋敷を訪れ、孤児達の霊に接触を試みる。アウローラ達を疑うカルロスは、ピラールを現場に招待する。
ラウラ達は、屋敷中に設置されたカメラとマイクを通して、モニターを見ながらアウローラの動向を追う。トランス状態になったアウローラは、瀕死状態で苦しむ孤児達の霊と遭遇する。スピーカーから子供達の泣き喚く声が響き、モニターの画像が乱れる。トランス状態を抜けたアウローラは、子供達の霊は見たが、シモンの姿はなかったとラウラに話す。
ラウラは、アウローラ達をペテンだとみなすカルロスやピラールと対立する。カルロスは家を出ようと提案するが、ラウラはシモンを見つけるまで屋敷を離れないと言い張る。
翌日、ラウラは子供達が生前に隠した木箱を偶然見つけ、子供達の霊が宝探しゲームをしたがっていることに気付く。ヒントを辿るうちに、ラウラは物置に据え付けられた竃の前に辿り着く。ラウラは、竃の中から、子供の骨が詰まった5つの麻袋を発見する。
警察により、骨はラウラ以外の5人の孤児達のものだと判明する。30年前、ベニグノはトマスを殺した孤児達に毒殺し、遺体を竃で焼いて骨を袋に詰めた。ラウラが屋敷を買い取ったため、ベニグノは、犯罪が露見する前に証拠を回収しようと物置に忍び込んだのだった。
映画『永遠のこどもたち』の結末・ラスト(ネタバレ)
ラウラは、今度こそ屋敷を離れようとするカルロスを先に出発させ、二日間一人で屋敷に残る。ラウラは、屋敷を30年前の孤児院と同じ状態にし、職員の制服を着て、鐘を鳴らして子供達の霊を招集する。
ラウラが見えない子供達を相手に遊び始めると、子供達の影が現れる。子供達は、階段下の小部屋にラウラを誘い込んで閉じ込める。ラウラは、小部屋の奥の隠し扉を開けて地下室に下り、トマスの部屋を発見する。
ラウラは、衰弱したシモンを見つけて抱きかかえる。ラウラが部屋を出ようとすると、子供達の笑い声が響き渡る。子供達の霊を消すため、ラウラは、シモンに子供達の存在を否定するよう促し、強く目を閉じる。
ラウラが目を開けると、子供達の笑い声は消え、腕の中にいるはずのシモンは消えてる。ラウラは、床に転がっている干からびたシモンの遺体を発見する。
開園パーティーの日、ラウラに拒絶されたシモンは一人でトマスの部屋に入り、取り乱したラウラは誤って小部屋の隠し扉の前を雑用具で塞いでしまった。シモンは、トマスの部屋で人知れず衰弱死していた。
自分がシモンを殺したことに気付いたラウラは、罪に耐えられなくなり、シモンの遺体を抱えながら大量の睡眠薬を飲んで自殺する。
死後、ラウラの霊はシモンや孤児達の霊に迎え入れられ、屋敷で子供達と永遠に一緒にいることを誓う。
ラウラ、シモン、孤児達は、屋敷の一角に葬られる。遺品整理のために屋敷を訪れたカルロスは、ラウラとシモンの霊が身近にいることを感じる。
映画『永遠のこどもたち』の感想・評価・レビュー
最初はミステリー寄りの作品だと思ってたので思ったよりもホラー要素が強くて怖くてびっくりした。
ただ怖いだけのホラー映画ではなくストーリーがしっかりとしているので考えながら観ることが出来た。
色々なところで伏線が張られていて最後の最後でどんどん回収されていくので終盤の展開は謎解きが分かった時の感覚に近いものを感じながら観ることが出来た。
結末はなんでこんなことになってしまったんだろうという気持ちと母親の愛情とはこういうことなのかと切なくなった。(女性 20代)
異様な雰囲気のホラー映画でした。製作にギレルモ・デル・トロが噛んでるとなると、それも納得です。独特の暗さと悲しさが印象的で、『永遠のこどもたち』というタイトルがまさしくストレートに表していると途中で気づきました。
海外ホラーにありがちなビックリさせられるタイプとは違う、ジワジワと恐怖が襲ってきます。(女性 20代)
普通のホラー映画とは違って、物語のラストがやはり衝撃的だった。子供達の幽霊がシモンを誘い込んで殺したのかと思いきや、ラウラの何気ない行動のせいだったというのは、母親としてあまりにも悲しい結末だと思う。ありえないと分かっていても、シモンには生きていて欲しかったなと思わずにはいられない。ベニグノが犯した罪というのも、悲しいものだった。ホラー映画でありながら、子を思う母親の気持ちが感じられる作品。(女性 30代)
本作は、孤児院で育ったラウラが孤児院を買い取り、入園希望者を集めたパーティを開催するが息子のシモンが姿を消し、孤児院に隠された秘密を知る様子を描いたスペインのゴシックホラー作品。
死んでしまったこどもたちは地下に取り残されていて、大人になることはできずに永遠にこどものまま。死後の世界がこんな場所だったら素敵だなと思った。
しっかり怖いシーンもあるがただ怖いだけでなく、観終わった後に考えさせられ、切なさと哀しさの先にある家族愛に感慨深さを感じる作品。(女性 20代)
鑑賞後、色々なことを考えさせられる作品でした。まず『永遠のこどもたち』というタイトル。このタイトルから結末を考察するとある人にとってはハッピーエンドかも知れませんが、全員がハッピーエンドな訳ではありませんでした。
『ピーターパン』に登場する「ネバーランド」を知っていますか?「永遠に子供でいられる世界」。まさにこの作品に登場する孤児院は「ネバーランド」であった…というか「ネバーランド」にされてしまったのでは無いかなと感じました。
観客に考えさせる結末でとても面白かったです。(女性 30代)
みんなの感想・レビュー
孤児院の話題は、日本ではNGですか?
この映画では事件の記録が抹消されて、現実的ではない。孤児院の実態を世に知らせるべきです。
ラストのシーンで子どもたちの部屋で長いこと眠っていた母親は「シモンに会いたい」とつぶやきます。するとミイラ化していたシモンがみるみるうちに蘇っていきます、そして子どもたちも。
子どもたちが目の前にいる女性がラウラだと気がついて喜んで近づいてきます。「大人になってる、ウェンディみたい!」
多分この時ラウラは生死の境をさまよっていたのでしょうが、シモンにずっとここにいて自分達の世話をして欲しいと頼まれこれを受け入れます。最後に“ラウラとシモンここに眠る”というお墓が建てられていたのですが、夫は自分のそばに妻の存在を感じてにっこり笑って終わります。妻は息子と永遠に一緒にいられる、そう悟ったようでした。
子供と一緒にいたい、そのために母親ラウラがした究極の選択に胸がつまるお話でした。
①子どもたちの正体
ソーシャルワーカーと称して母親に近づいてきたペニグナ・エスコペート、実は昔孤児院で短期間働いていたのです。息子がひとりいたのですが顔が醜かったためかぶりものをして人目を避けて生きていました。
あるとき事件が起こります、子どもたちがトマスに意地悪をしてしまった結果満潮になった洞窟で溺死してしまい遺体が海岸に打ち上げられたのです。子どもたちは罪に問われませんでしたが、家に来た霊能者にあることを告げられます。
子供たちは毒殺されている、と。その後物置の中から子どもたちの骨が発見されます。
シモンが洞窟で出会った友だちとは洞窟で溺死したトマス、そしてシモンが絵に描いていた5人の子どもは毒殺された子達だったのでしょう。シモンに真実を教えたのはトマスだったのかもしれません。
②霊能者の言葉が地味に怖い
女性霊能者は母親にこう語りかけます、「私たちのように死に近い人間に霊は見えるのよ」そう言って自分の腕にある無数の自傷跡を見せます。そして母親の腕にも・・・シモンも病気で長くなかったからこそトマスや見えない友達が見えていたんだろうと。
「死に近い人間に霊が見える」その言葉に母親はある行動に移ります、それは薬物の大量摂取です。そして「だるまさんがころんだ」の遊びで子どもたちを呼び出しシモンの居場所を教えてと頼むのです。
そして霊能者が最後に言った「シモンのためにどこまで行くのかあなたが決めること」この言葉はラストシーンに直結する重要な言葉です。霊能者の言葉がひとつひとつ母親の行動に影響を与えていて少し怖くなってしまいます。