この記事では、映画『イベント・ホライゾン』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『イベント・ホライゾン』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『イベント・ホライゾン』の作品情報
上映時間:96分
ジャンル:SF、ホラー
監督:ポール・アンダーソン
キャスト:ローレンス・フィッシュバーン、サム・ニール、キャスリーン・クインラン、ジョエリー・リチャードソン etc
映画『イベント・ホライゾン』の登場人物(キャスト)
- ウィリアム・ウェアー(サム・ニール)
- イベント・ホライゾン号を製造した博士。深く愛していた妻が自殺にて亡くなり、酷く悔いている。自分の闇に飲み込まれ、次元の果てへ向かおうとする。
- ミラー(ローレンス・フィッシュバーン)
- アメリカ航空宇宙船ルイス&クラーク号の船長で黒人男性。自分に厳しく、クルーにも厳しい。過去に1人のクルーを見捨てたことがあり、その時のことを酷く悔いている。
- スターク(ジョエリー・リチャードソン)
- 副長。金髪の女性。理知的で判断力に長けた人物。イベント・ホライゾン号に対し、初めから疑いを持っている。
- ピーターズ(キャスリーン・クインラン)
- 医療隊員。一児の母。代役がおらず、やむを得ず任務へ参加。息子の影を追いかけて死亡する。
- ジャスティン(ジャック・ノーズワージー)
- 機関士で年若い青年。一番初めにコアへと取り込まれ、その深淵を覗く。闇に囚われ自殺を図ろうとして重体になるもミラーの機転によって命は助かる。
- クーパー(リチャード・T・ジョーンズ)
- 救助隊員。軽口を叩き少々、喧嘩っ早い黒人男性。ウィリアムとの間に溝を作り、険悪になる。ルイス&クラーク号の爆破に巻き込まれるも、宇宙服のエアーで帰還し助かる。
映画『イベント・ホライゾン』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『イベント・ホライゾン』のあらすじ【起】
2040年、超深宇宙探査船イベント・ホライゾン号が太陽系境界線の探索に出発。しかし、イベント・ホライゾン号は海王星の彼方で忽然と消息を絶ってしまう。それは後に史上最悪の事故と記録された。
そして、2047年現在。アメリカ航空宇宙船ルイス&クラーク号は、7年前に消息を絶ったイベント・ホライゾン号の探査とクルーの救助を極秘任務として海王星へと航行中であった。
船長は怖いもの知らずと呼ばれて名高いミラー。彼が率いるクルーと共にウィリアム・ウェアー博士も同行し、56日間を経て海王星圏内へと到着した。
そこで、初めてミラーと博士は任務の詳細をクルーへと告知。消息を絶ったと思われていたイベント・ホライゾン号から微弱の電波を受信したため、任務を受けて出動したと言う。イベント・ホライゾン号は国家の機密実験船で、光速よりも速く飛ぶ。いわゆるワープができる唯一の宇宙船だった。その宇宙船を造ったのが、ウィリアムなのである。
当時、イベント・ホライゾン号は順調に航行を続けていたが、ワープの際に何らかのトラブルが生じ、途中で消息不明となった。それが、7年を経てようやく発見できたのである。姿を消していた7年間の空白を調べるのがウィリアムの仕事だった。
受信した音声録音からは、悲鳴と共に妙な音が録音されている。データには助けを求める声が録音されていた。
イベント・ホライゾン号の発信電波を辿って行き、ルイス&クラーク号は電磁嵐の中を進みとうとうその姿を捉える。
自分達が乗っている船の何十倍もの大きさを誇るイベント・ホライゾン号。しかし、通信しても返事はない。船体は無傷で重力や室温調整がオフになっていた。休眠状態でもない限り、クルーが生存できる環境ではない。しかも、生命反応はあるものの位置が特定できず、船全体が反応を示す。明らかに異常な事態であった。

映画『イベント・ホライゾン』のあらすじ【承】
ミラーは船内の状況を確かめるべく直接、乗り込むことにし自らが率先して中へと突入。
船内は全てが凍結状態で様々な部品が無重力状態で漂っている。中央通路から医務室へ。使用した形跡はなく、生命反応もない。ジャスティンは機関室へ向かい、ピーターズはブリッジへと向かった。
ブリッジでは血痕が発見され、更に獣か何かに酷く損傷された冷凍死体が見つかる。ウィリアムは航行日誌を入手するよう指示。
同じ頃、機関室では冷却液の漏れを発見するも、予想範囲内であることが分かる。そして、更に奥へ向かい、船の心臓部へ到達。大型の生命反応が確認されるも、そこでジャスティンからの通信が途絶え、映像が切れる。
その頃、ジャスティンは心臓内部に発生した時空の歪へ取り込まれ、発生した波動によりルイス&クラーク号も煽りを食らって損傷してしまう。
クルー達はイベント・ホライゾン号へと避難を余儀なくされ、全員がそちらへと乗り込むことになった。
ウィリアムによってシステムの復旧はされたものの、フィルターの損傷により空気が20時間分しかないことが判明。ルイス&クラーク号の修理にも時間がかかる。
ジャスティンは救助されたものの、意識はなく覚醒がいつになるか分からない状況だった。
ウィリアムから心臓部のコアについて、詳細を聞くことにしたミラー。コアは3つのリングが常に回転し磁場を抑制、内部にブラックホールを固定させることができるようになっていた。いわゆるゲートである。これにより到着地点を指定した上で時空を飛び越えワープするのだ。
ウィリアム曰く、コアには危険性はないと言う。だが、ミラーは実害があったとして、コアの部屋を立ち入り禁止とするのだった。
映画『イベント・ホライゾン』のあらすじ【転】
ピーターズが入手した航海日誌を観ていた時だった。急にイベント・ホライゾン号の出力が低下。ウィリアムはコア内部へと入り込み、故障個所を確認。修理しようとして亡くなったはずの妻の幻覚を見る。同じ頃、ジャスティンの容態が急変。彼は闇が来ると言葉を残し再び意識を失うのだった。
ウィリアムとピーターズ、ミラーとジャスティンがそれぞれに奇妙な幻覚を見た。更にスタークからは幻覚と生命反応との間に関係があると言い、イベント・ホライゾン号自体が生きているようだと報告する。空気の持続時間はあと10時間。ルイス&クラーク号の修復が完了するか、この奇妙な船で全員死ぬか。2つに1つ。ミラーには船長としてクルーの命を守る責任がある。彼は苛立ちながら、全員が助かる方法を模索していた。
誰もが不安を募らせる中、ジャスティンが突如、宇宙服を着ることもせずに減圧室へ。彼は闇が見せ続ける悪夢に耐えられず、自殺を図ろうとする。だが、寸前で正気へと戻り死にたくないと叫んだ。ミラーは彼が宇宙空間へ飛び出す寸前に彼を救出した。全身が破裂する前にどうにか命を取り留めたジャスティン。休眠状態にして、生命の維持に務める。
ミラーは様子のおかしいウィリアムに詰め寄るも、彼は分からないことが多過ぎて原因の究明ができないと言う。人は大抵、誰でも心の奥底に闇を抱えている。ミラーもそうだった。ジャスティンが言っていた自分の中の闇が迫るという言葉と、イベント・ホライゾン号にかつて乗っていた船長が残した言葉から、恐らくこの船は宇宙の彼方まで行き、地獄の底からその闇を持ち帰ってしまったのだろう。故に、地獄から己を救えという言葉を残したのだ。
そんなミラーの元へ、ルイス&クラーク号の修理が終わったと報告が入る。最終確認を行い、20分で脱出の命令を出した。その間、航海日誌の映像修復が完了。当時のクルー達は闇に囚われ、同志討ちしていたことが分かる。ミラーは早々にクルーへと撤退命令を出した。しかし、ウィリアムは彼の意見に反対し船のどこかへ消えてしまう。
映画『イベント・ホライゾン』の結末・ラスト(ネタバレ)
必要機材の回収をしていたピーターズ。彼女には幼い息子がいた。今回の任務には参加するはずではなかったが、代わりがいなかったために参加を余儀なくされていた。彼女はコアの誘惑に負け、息子の幻覚を追いかけて命を落としてしまう。
コアへ戻って来たウィリアムはピーターズの遺体を発見し、自分の闇に囚われてしまう。彼の妻は自殺にて命を落としていた。ウィリアムは自分の目を抉り、イベント・ホライゾン号に設置されていた爆薬をルイス&クラーク号へ仕掛ける。修理した船は爆発し、2人のクルーを巻き込んでしまった。
更にウィリアムは1人のクルーを襲い、猟奇的に殺害。ミラーはその惨状を目にし、奴と対決する決心をする。後を追ってブリッジへ向かうと、スタークが倒れている。彼女は気絶させられているだけで、命に別状はなかった。船長の椅子には血塗れのウィリアムがいた。彼はイベント・ホライゾン号が到達した場所へ戻ろうとしている。
だが、そこへクラーク号の爆破に巻き込まれたが、助かっていたクーパーが戻って来る。その彼を倒そうとしたウィリアム。ブリッジの窓を破壊してしまい、宇宙空間へと飛ばされてしまった。
イベント・ホライゾン号は最早、生き物と化している。次元の向こうには人智を遥かに超越した場所があるのだ。そこはもしかしたら、本当に地獄と呼ばれる場所なのかもしれない。ミラーは過去の闇と対決することになる。この船に住み着いている闇は、そういった人々の闇を浮き彫りにし実体化するのだ。彼は痛めつけられながらも、自分を見失うことなく抵抗。そうして、爆破の起動ボタンを押した。イベント・ホライゾン号は2つに割れ、本体は闇へと消えていく。ミラーはスタークとジャスティン、クーパーを助け、自らは船の本体と共に命を落とした。
72日後、休眠状態のスターク達は救助隊の到着により、助けられるのだった。
映画『イベント・ホライゾン』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
壮大なSFホラー映画。予算規模がいささか大きいB級オカルトパニック映画だと思っていれば間違いがない。恐怖の根源が悪魔か、宇宙の深淵に潜む人知を超えた何かなのかの違いしかない。パニックホラー映画としては基本は抑えてあり、何よりも役者が格段に良いので楽しめるには違いがないが、悪魔と違いエクソシストが出てこない分物語の広がりは狭い。トンでもSFグッズを使って闘ってみても良かったのかもしれないが、やったらやったでヘンテコ映画になってしまいそうだし、ただどこかではもう少し冒険してほしい。(男性 30代)
はじめはエイリアンか、謎のウイルスか、実体を持つ何かによって悲劇が起きたと思っていたが、結局何と戦っているのかもはっきりしないまま勝ち方も分からずにエンディングを迎えたこの作品。
地獄へ行ったせいで船に悪魔が乗り移り、ウェアー博士に取り憑いたのだ、と言うのならまだしも、自分の闇に飲み込まれてウェアー博士はまるで何かが取り憑いたようにいきなり狂いだすのは釈然としない。闇に飲み込まれて突然人を超越した力を手に入れ、不死身になるのは違和感である。
このように気になる点は随所にあったが、20年以上も前のオカルト映画として、グロテスク要素が強く、宇宙に行ったのに戦うものは自身の闇、という設定はなかなか興味深いものであった。(女性 20代)
本作は、消息を絶つも再び海王星に姿を現した深宇宙探査船イベント・ホライゾン号の調査に向かったクルーたちの恐怖を描いたSFホラー作品。
宇宙という未知の世界や暗闇に包まれた探査機内の怖さは想像を絶するほどのものだった。
エイリアンなどのモンスターは登場せず、探査機内という閉鎖的空間内での怪奇を描いている。
底知れない無限の空間と無限の恐怖、狂っていくクルーたちの描き方が秀逸で96分があっという間に感じるほど引き込まれた。(女性 20代)
消息を絶っていた宇宙船が発見され、探査に向かった人達が次々に不可解な現象に巻き込まれていくストーリー。こういう世界観大好きなんです。見てから知ったのですが、この作品1997年に作られたそう。ローレンス・フィッシュバーンが若くて痩せているわけですね。作中では、2015年には人類は月に移住している設定。まだまだ遠い未来の話ですね。
今から約30年後の宇宙が舞台となっていますが、かなりツッコミどころ満載の展開。しかしストーリーはハラハラドキドキさせてくれる面白いものでした。かなりグロいシーンもあるので、苦手な方は注意です。(女性 30代)
宇宙船という密室で起こる恐怖を描いたこの作品、ホラーとSFが絶妙に融合していて衝撃でした。イベント・ホライゾン号が“地獄”のような異次元から帰還し、クルーたちに幻覚や狂気をもたらす設定が斬新。クライマックスでドクター・ウィアが完全に正気を失い、地獄を自らの理想郷と語るシーンは鳥肌ものでした。派手な演出よりも、心理的にじわじわ来る恐怖が秀逸です。(30代 男性)
正直、観終わった後は頭が混乱しました。SFホラーというジャンルには慣れている方ですが、本作は想像以上に“悪夢”そのものでした。イベント・ホライゾン号が訪れた次元が“地獄”であるという暗示が徐々に明らかになる展開には背筋が凍りました。特にラストで、脱出したと思った主人公の夢(幻覚?)に再びウィアが現れるラストカットが不気味すぎて忘れられません。(20代 女性)
「未知の宇宙=未知の地獄」というコンセプトにゾッとしました。イベント・ホライゾン号が実は異次元へワープして帰還したという設定はワクワクしたけど、戻ってきた船がまるで“意志を持っている”ように描かれるのが怖かった。とくに乗員がそれぞれの罪やトラウマを幻覚として見せられ、狂気に陥る描写は心理的にきついけど見応えありました。(40代 男性)
怖い!けど面白い!という感想に尽きます。舞台は宇宙なのに、描かれているのは宗教的な「地獄」や「罪」の概念で、まるでダンテの『神曲』を宇宙で再現したような感じでした。イベント・ホライゾン号の内部が生き物のように歪み、船自体が地獄へと引き込もうとする描写は圧巻。音楽も不協和音で、不安を煽る演出が本当に上手いです。(20代 男性)
イベント・ホライゾンという名前が持つ意味も含めて、非常に深い映画でした。科学の最先端が“神の領域”に踏み込むことで、逆に人間の最も原始的な恐怖が顕在化するという皮肉が描かれていた気がします。特にウィア博士が自らの罪悪感に飲まれて「目をえぐる」シーンは衝撃的。科学とオカルト、理性と狂気の境界を問う一作でした。(50代 男性)
宇宙という無機質な空間なのに、こんなに血と苦悩があふれている映画は初めて。視覚的なグロさもありますが、それ以上に登場人物たちの“過去の罪”や“喪失”がじわじわと効いてくる心理ホラーとして秀逸。なぜこの映画がカルト的な人気を持つのか、納得です。上映当時は過激すぎてカットされたというのも頷けます。(30代 女性)
映画『イベント・ホライゾン』を見た人におすすめの映画5選
サンシャイン2057
この映画を一言で表すと?
太陽を救う使命の中で、宇宙と人間の狂気が交差する哲学的SFスリラー。
どんな話?
太陽の死により地球が滅亡の危機に瀕する中、科学者たちを乗せた宇宙船イカロスII号が太陽への爆弾投下任務に向かう。彼らは前の船の行方を追う中で、次第に人間の精神の限界と対峙していく。
ここがおすすめ!
極限状態での心理描写が鋭く、映像美とスリリングな展開が融合。『イベント・ホライゾン』のように、科学と狂気、宇宙と地獄というテーマが絡み合う作品で、視覚的にも精神的にも深く突き刺さります。
エイリアン
この映画を一言で表すと?
宇宙という孤立空間で、恐怖が静かに忍び寄る元祖SFホラーの傑作。
どんな話?
貨物船ノストロモ号が遭難信号に応答し、未知の生物を回収したことから始まる惨劇。密室の宇宙船内で、乗組員たちは次々と“エイリアン”の脅威に晒され、生死をかけた逃走劇が繰り広げられる。
ここがおすすめ!
『イベント・ホライゾン』と同様、閉鎖空間×未知の恐怖を描いたSFホラーの金字塔。リドリー・スコットの演出による緊張感と、美術・音響・生物デザインすべてが一流。何度観ても新たな発見があります。
ライフ(2017)
この映画を一言で表すと?
火星から来た“生命”は進化しすぎた悪夢――静かなる侵略SFスリラー。
どんな話?
国際宇宙ステーションに持ち込まれた火星の微生物は、やがて驚異的なスピードで進化し、乗組員を一人ずつ襲っていく。密室の恐怖と科学の暴走が描かれる、スリリングな宇宙ホラー。
ここがおすすめ!
科学の進歩がもたらす恐怖を体感できる作品。『イベント・ホライゾン』が持つ絶望的な状況と閉塞感を引き継ぎつつ、テンポの良さと映像のクオリティも抜群。衝撃のラストも話題となりました。
ソラリス(2002)
この映画を一言で表すと?
宇宙に浮かぶ海が心を覗き返す、人間存在への深い問いかけ。
どんな話?
宇宙ステーションに赴いた心理学者が、亡くなった妻とそっくりな存在と再会する。惑星ソラリスの“海”が人間の記憶を具現化し、乗員の心の奥にある罪と向き合うことになる。
ここがおすすめ!
『イベント・ホライゾン』と同じく、宇宙の“不可解な力”に人間の精神が試される作品。アクションではなく内省的なSFを求める方に最適で、静かに深く恐怖を与えてくる哲学的な一作です。
パンドラム
この映画を一言で表すと?
目覚めた先は無人の宇宙船――記憶と理性を奪う閉鎖SFホラー。
どんな話?
宇宙移民船で目覚めた兵士が、記憶喪失のまま巨大船内を探索する中で、狂気と戦いながら衝撃の真実に近づいていく。謎の生命体、精神錯乱、そして人類の運命が絡む。
ここがおすすめ!
『イベント・ホライゾン』のような密室恐怖、精神崩壊、宇宙の孤独感を引き継いだダークなSFホラー。先の読めない展開と謎解き要素、そして終盤の“世界の真実”に震える一本です。
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