この記事では、映画『エクソシスト2』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『エクソシスト2』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『エクソシスト2』の作品情報
上映時間:118分
ジャンル:ホラー、SF
監督:ジョン・ブアマン
キャスト:リンダ・ブレア、リチャード・バートン、ルイーズ・フレッチャー、マックス・フォン・シドー etc
映画『エクソシスト2』の登場人物(キャスト)
- リーガン・マクニール(リンダ・ブレア)
- 12歳の時に悪魔祓いを受けたが、現在は何も覚えていないため、精神病院に通ってカウンセリングを受けている。しかし、ラモント神父がリーガンの潜在意識に触れたせいで、潜んでいた悪魔パズズが暴れだす。
- ラモント神父(リチャード・バートン)
- 教会からの依頼を受けて、前回の悪魔祓い中に死亡したメリン神父の死因調査を行う。その過程でリーガンの中にまだパズズが潜んでいることを知り、彼女を助けようと奮闘する。
- ジーン・タスキン医師(ルイーズ・フレッチャー)
- 精神病院の医師でリーガンの担当医。リーガン自身が悪魔祓いについて何も覚えていないため、シンクロナイザーを用いて潜在記憶を呼び起こそうとする。
- シャロン・スペンサー(キティ・ウィン)
- リーガンの家庭教師。女優業で忙しいリーガンの母の代わりに、彼女の面倒を見ている。実は悪魔パズズに魅了されていた。
- ランカスター・メリン神父(マックス・フォン・シドー)
- 二度悪魔祓いの経験がある故人。一度目はアフリカでコクモという少年に、二度目はリーガンをであったが、悪魔祓いの途中で謎の死を遂げた。死後もリーガンの夢の中に度々出てくる。
- コクモ(大人:ジェームズ・アール・ジョーンズ)
- メリン神父によって過去に悪魔祓いを受けた、アフリカの科学者。パズズが取り憑いていた頃は、害虫であるイナゴを操る能力を持っていたが、現在はイナゴ対策の研究をしている。
映画『エクソシスト2』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『エクソシスト2』のあらすじ【起】
ラモント神父はスペイン語圏のとある修道院にいた。そこでは女性が周囲に押さえつけられながら暴れていた。彼女は善人であるがゆえにパズズに取り憑かれていた。「ポルケ(なぜ私に取り憑くのか)?」と繰り返し泣き叫ぶが、急に表情を変えて周囲の蝋燭をなぎ倒し、不敵な笑みを浮かべながら自ら燃え尽きた。
精神病院に通うリーガンは、いつものようにタスキン医師とカウンセリングをしていた。悪魔祓い当時の出来事について聞かれるも、リーガンはまるで何も覚えていない。タスキンは催眠術を応用したシンクロナイザーを用意し、リーガンと潜在的な記憶を共有しようと試みるも、リーガンはそれを拒否した。
ラモント神父は、教会からメリン神父の死について調査してほしいと依頼されていた。悪魔祓い中に死んだメリン神父は、悪魔によって返り討ちにされたという、教会側にとって不都合な噂が広まっており、その真相を明らかにしてほしいとのことであった。
調査をすべく、リーガンがいる精神病院を訪れるラモント神父。タスキン医師は、リーガンはトラウマのせいで記憶を押しとどめているだけだと説明する。それに対し、ラモント神父は邪悪な霊が関係していると主張し、両者の言い分は対立する。そこへリーガンがやってきて、シンクロナイザーを試したいと言い出した。

映画『エクソシスト2』のあらすじ【承】
翌日、リーガン、ラモント神父、タスキン医師とその助手の四人は、シンクロナイザーを使う。装置のしくみは、使用者二人を催眠状態にした後、脳波を同期することにより、一方から他方に対して潜在記憶の共有を行うというものであった。まずはリーガンが催眠状態に掛かり、そこにタスキン医師が加わった。
リーガンの記憶が共有された途端、タスキン医師の様態が悪くなる。そこへラモント神父が、彼女を助けようとリーガンの代わりに装置をはめる。催眠状態になったラモント神父は、タスキン経由で間接的にリーガンの記憶を共有し、悪魔に取り憑かれたリーガンとメリン神父の姿を見た。ラモント神父が意識の中で悪魔を追い払い、タスキン医師はなんとか助かる。しかし、実験後に消去するはずであったリーガンの潜在記憶は、ラモント神父に残ってしまっていた。
その後間もなく、病院内で放火があった。幸い大事には至らなかったが、これはリーガンの心の中に触れたことに対する、悪魔からの警告であった。リーガンの心の奥にはまだ悪魔パズズが潜んでいたのだ。そのことに勘付いたラモント神父は、彼女を救い出そうと決心する。
その後も、シンクロナイザーを用いて潜在意識の共有を行うリーガンとラモント神父。リーガンが見るという夢の中では、まだ若いメリン神父がアフリカでとある少年の調査をしていた。善人であるその少年にパズズが取り憑いたため、偉大な善には悪魔が取り憑くのだと、メリン神父は考えていた。メリン神父は悪魔祓いを行ってその少年を救出した。
夢の中でパズズと会話するラモント神父は、アフリカの少年がまだ生きているということ、そして悪魔に打ち勝った彼がパズズの強敵であるということを悟り、彼を捜しに行くことにする。彼はコクモという名前であった。
映画『エクソシスト2』のあらすじ【転】
教会からの反対を押し切って、コクモを捜しにアフリカに飛んだラモント神父。なかなか見つからず苦労していたが、それと同じ頃、リーガンの中でパズズが暴れだしていた。病院のベッドで寝かされていたリーガンは、アフリカにいるラモント神父と意識の交信をする。
ラモントは自分でも知らぬ間にコクモのもとに辿り着いていた。現在は科学者としてイナゴ対策の研究をしているコクモは、突然変異で生まれたメスの「良いイナゴ」を増やして、害虫問題を解決しようとしていた。
じっとしていられなくなったリーガンは、病院を飛び出してラモント神父を捜しに行く。アフリカから帰ったばかりのラモント神父と博物館で会い、ホテルに移ってシンクロナイザーを使う。リーガンとの潜在記憶の共有により、メリン神父の霊から、リーガンを救えとのメッセージを受けたラモント神父は、ワシントンのジョージタウンへ向かう。心配になったリーガンは、彼女を捜しているタスキン医師とシャロンに電話をかけ、ラモント神父とジョージタウンに向かうことを伝える。ジョージタウンには、かつてメリン神父がリーガンに悪魔祓いを行った家が残っていた。
映画『エクソシスト2』の結末・ラスト(ネタバレ)
後を追うタスキン医師とシャロンより先に、ジョージタウンの家に着いたラモント神父とリーガン。ラモント神父がかつてのリーガンの部屋に入ろうとすると、中から大量のイナゴが飛び出した。リーガンが部屋に入ると、そこにはもう一人リーガンがいた。彼女の中身は完全にパズズであった。
タスキン医師とシャロンもタクシーでジョージタウンの家に向かう。しかしタクシーが突風に襲われ、制御が利かなくなり家の門に突っ込む。大破したタクシーからシャロンは難なく抜け出すも、タスキン医師を助けようとしない。彼女は悪魔に魅了され、その力に服従していた。タスキン医師を家に入れまいとするシャロンは、車から漏れたガソリンを利用し炎を燃え上がらせ、自分もろとも周囲を火の海にする。
ラモント神父は、パズズに操られて本物のリーガンを殺そうとする。抵抗するリーガンだが、突然彼女に、今までパズズが取り憑いてきた「善人」の魂が乗り移る。「ポルケ?」という彼女の発言に、修道院の女を思い出したラモント神父は我を取り戻す。そして本物のリーガンからパズズの心臓をえぐり取れという命令を受け、パズズに襲い掛かる。揉み合いのさなか、家全体が大量のイナゴと暴風に見舞われ崩壊する。
なんとかパズズから心臓をえぐり取ったラモント神父だったが、イナゴの襲撃は止まない。叫ぶリーガンだったが、コクモの魂が乗り移り、頭上で腕を振り回し始めると、次第にイナゴの大群は消え去った。
事態は終息するも、全身を火傷したシャロンは息を引き取る。タスキン医師も悪魔の存在を認め、リーガンに謝罪する。その場を後にするリーガンとラモント神父。すぐに野次馬や警察がやってきて、タスキン医師に事情を聞こうとするも、彼女はただ一点を見つめるだけだった。
映画『エクソシスト2』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
悪魔祓い系映画の金字塔であるエクソシストの続編。1からはかなり時間が経過しており、12歳だったリーガンも16歳に成長している。1で死亡してしまったメリン神父の汚名を晴らす為に悪魔祓いの調査をする中で、実はまだリーガンの中に悪魔が潜んでいる事を知り、悪魔を再び追い出そうと奮闘するという内容。やはり1の印象が強く、少し映像描写的には物足りなさも感じるが、その後の悪魔との完全な決着までを描いているので、ひっかかりを完結させるという意味では、こちらも見ておいた方が良いだろう。(男性 30代)
前作の4年後を描いた続編。
リーガンの中にはまだ悪魔が潜んでいる。命を落としたメリン神父の悪魔祓いは成功していなかった。
特に、大量のイナゴが飛び交い、足元をうじゃうじゃと這うシーンにインパクトがあり、強く印象に残っている。
前作から続いた話は本作で完結するが、前作を超える衝撃や恐怖は感じられなかった。
特殊メイクやCGに若干の違和感があり、古さが際立っていた。
ホラー映画だと思って観ると、受け取る衝撃はやや少ないようだ。(女性 20代)
『エクソシスト』の続編として作られた今作。キャストも1から続投ししっかりと「続編」要素はあるのですが、「悪魔祓い」はどこに行ってしまったのだろうと言うくらい前作とは別のジャンルの作品になっていてかなり残念でした。
前作で命を落としたメリン神父。彼の悪魔祓いは成功しておらず、主人公リーガンの身体の中にはまだ「悪魔」が潜んでいたという設定。
悪くは無いのですが、不気味と言うよりも「気持ち悪い」イナゴの大群などの描写は私には合いませんでした。(女性 30代)
前作『エクソシスト』があまりにも強烈だっただけに、本作の方向性の変化には戸惑いました。オカルトというより、スピリチュアルSFのような展開で、怖さよりも混乱のほうが印象に残る。ただ、悪魔パズズの存在や、夢と現実の曖昧さを強調する演出は挑戦的で、ある意味では評価すべき作品。リンダ・ブレアが成長した姿も見どころ。(30代 男性)
まったく怖くない『エクソシスト』にびっくり。個人的には“悪魔の続編”という期待が大きすぎたのか、予想外の方向に話が進んでしまい拍子抜けしました。宗教性よりも、精神感応とか超能力とか、テーマが広がりすぎて焦点がブレている印象。それでも最後まで観てしまったのは、何かが起きそうな不思議な雰囲気があったからかもしれません。(20代 女性)
本作はホラーというより、もはやオカルトファンタジー。前作のような緊張感や恐怖はないが、精神世界を旅するような奇妙な映像体験としては面白い部分も。特に催眠装置を使ってのシーンは独特で、リンダ・ブレアの演技も健闘している。ただし『エクソシスト』という名を背負ったことで、過度な期待に潰された気がします。(40代 男性)
女性としては、前作の少女の恐ろしさよりも、今作の“少女が抱えるトラウマ”に寄り添う形で観ることができました。とはいえ、物語の説得力や構成力に難あり。神父とリーガンの精神的な絆を描こうとする意図はわかるけれど、それがスリルや感情に結びついていなかったのが残念でした。映像は幻想的で綺麗だったけど…。(30代 女性)
本作、正直言ってカルト映画としては面白いです。前作のようなジャパニーズホラー的恐怖を求めていたら物足りないかもしれませんが、“奇作”を楽しみたい映画ファンには刺さるかも。映像、演出、音楽がどれも前衛的で、まるで70年代のサイケな夢を見ているかのような気分に。怖くはないけど、ある意味記憶に残る作品です。(20代 男性)
リンダ・ブレアの成長した姿が魅力的でした。彼女が持つ“善なる力”をめぐる物語という解釈で見ると、けっこう奥が深い。ただ、エクソシストの名前を冠することで“ホラー”として期待してしまうのが最大の罠。ジャンル違いのギャップが大きすぎる。でも音楽や光の使い方など、映像表現は個人的に高評価です。(40代 女性)
シリーズ作として観ると確かに“迷走感”は否めませんが、独立した作品としては意外と楽しめました。とくにアフリカの神秘的な描写や、悪魔パズズの神話的な存在感には独特の魅力があります。ジョン・ブアマン監督のビジョンは独創的すぎて評価が分かれそうですが、退屈はしませんでした。変わり種のオカルト好きにおすすめです。(50代 男性)
映画『エクソシスト2』を見た人におすすめの映画5選
エクソシスト(1973)
この映画を一言で表すと?
史上最恐の悪魔祓い。ホラー映画の金字塔にして原点!
どんな話?
少女リーガンに取り憑いた悪魔と、それを祓おうとする神父たちの死闘を描いた物語。冷気、揺れるベッド、嘔吐、異様な言動…。実際に起きた事件をモチーフにしており、恐怖と宗教の深淵を覗かせる伝説的ホラーです。
ここがおすすめ!
『エクソシスト2』を観たなら、ぜひ原点である1作目を再鑑賞すべき。圧倒的な演出、リアルな悪魔描写、そして葛藤する神父たちのドラマが、恐怖の中に深い人間性を残します。
サスペリア(1977)
この映画を一言で表すと?
夢と悪夢が交差する、色彩の魔術と魔女の狂気。
どんな話?
名門バレエ学校に転入した少女が、次第に周囲で起きる奇怪な事件に巻き込まれていく。やがて学校に潜む邪悪な秘密と魔女たちの存在が明らかになる、美しくも恐ろしいダリオ・アルジェントの傑作。
ここがおすすめ!
『エクソシスト2』のように視覚・音響で魅せる演出が際立つ一作。物語性よりも“感覚的恐怖”を楽しむ作品で、幻想的かつ不気味な映像美は今観ても新鮮。
ローズマリーの赤ちゃん(1968)
この映画を一言で表すと?
幸せな妊娠の裏に潜む悪魔的陰謀…サイコロジカル・ホラーの原点!
どんな話?
若い夫婦が引っ越した先で、隣人や周囲の人間に囲まれながら妊娠生活を送る女性・ローズマリー。しかし次第に彼女は、自分の妊娠が悪魔的な儀式の一部ではないかと疑い始める…。
ここがおすすめ!
心理的恐怖がじわじわと心を蝕むタイプのホラーで、悪魔の存在を現実的に描写。『エクソシスト2』のスピリチュアルな路線が好きな方におすすめの、重厚かつ不穏な作品。
サイレントヒル(2006)
この映画を一言で表すと?
霧に包まれた街で出会う“信仰と罪”の迷宮。
どんな話?
娘の奇病を治す手がかりを求めて訪れた町「サイレントヒル」。しかしそこは異世界と化し、宗教的カルト集団と異形の怪物たちが支配する恐怖の地だった。母の愛が狂気と信仰の中で試される。
ここがおすすめ!
悪魔的存在や宗教が絡む世界観、幻想的でグロテスクな映像美が『エクソシスト2』と通じる。心理ホラーとビジュアルホラーを兼ね備えた異色の映画です。
セイント・モード(2019)
この映画を一言で表すと?
救いを求める者が辿る、狂気と信仰の美しき地獄。
どんな話?
元看護師の若き女性モードは、難病の元ダンサーを在宅看護することに。しかし彼女の“神との対話”は次第に過剰な信仰と妄想へと傾き、やがて現実と妄念の境が崩れていく…。
ここがおすすめ!
信仰と狂気、純粋さが生む危険性を描いた静かなる恐怖作。『エクソシスト2』のように「霊的現象」を心理的・象徴的に描いた映画を好む人には強く推したい1本です。
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