映画『フィフス・エレメント』の概要:若かりし頃のブルース・ウィリスが主演を務めた超大型SF作品。後に『バイオハザード』で主演を務めることになるミラ・ジョヴォヴィッチのデビュー作であったりと、あらゆる意味で話題となった一本である。
映画『フィフス・エレメント』の作品情報
上映時間:127分
ジャンル:SF、ラブストーリー
監督:リュック・ベッソン
キャスト:ブルース・ウィリス、ゲイリー・オールドマン、イアン・ホルム、ミラ・ジョヴォヴィッチ etc
映画『フィフス・エレメント』の登場人物(キャスト)
- コーベン・ダラス(ブルース・ウィリス)
- しがないタクシー運転手。ある日、リー・ルーと出会ったことによって、地球の命運をかけた大きな戦いに巻き込まれることとなる。
- ゾーグ(ゲイリー・オールドマン)
- 宇宙を股にかける武器商人。強大な力を呼び覚ますことのできる石板を手に入れようと企む。
- コーネリアス神父(イアン・ホルム)
- リー・ルーとコーベンが最初に会いに行った人物。二人にフィフス・エレメントとその使命について伝える。
- リー・ルー(ミラ・ジョヴォヴィッチ)
- モンドシャワン人の遺体から再生された謎の美女。とある使命を果たすため地球へとやってきた。
- ディーヴァ・プラヴァラグナ(マイウェン・ル・ベスコ)
- 連邦一の歌姫。フィフス・エレメントを覚醒するための鍵となる、4つの石板を託されている。
映画『フィフス・エレメント』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『フィフス・エレメント』のあらすじ【起】
1914年のエジプト。壁画を研究していたとある研究者の前に、突如として信じ難い出来事が起こる。なんと、謎の宇宙服を身につけた集団が現れ、とある物をその場から持ち出したのだ。そして、彼らは300年後、地球に危機が迫った時再び現れるという言葉を残すと、忽然と姿を消したのだ。
そして、それから300年後の2214年。科学の発展により優雅な生活を送っていた人間だったが、そんな人間の前に突如としてミスター・シャドーという恐るべき存在が現れた。脅威となるミスター・シャドーに対し人類は攻撃をしかけるが、しかし、敵はその攻撃を全て吸収し、更なる力を得てしまうのだった。
最早人類に勝ち目はない。ただ絶滅を待つのみとなった人間の前に、とある集団が姿を現した。それは300年前、突如として姿を現した謎の集団、モンドシャワン人だった。彼らは約束通り、地球を守るために再びやってきたのである。しかし、唯一の希望であるモンドシャワン人も、マンガロワ人という宇宙の殺し屋の攻撃を受け、船ごと墜落してしまうのだった。
映画『フィフス・エレメント』のあらすじ【承】
そして、モンドシャワン人は全滅してしまったのだ。落胆する政府。しかし、政府はその船に残された腕の一部から、現在の科学の力で身体を復元することに成功したのである。そして、謎の美女、リー・ルーが誕生した。政府は彼女を厳重に保管していたが、彼女はその施設から脱走してしまう。
一方、その世界でコーベンという男性がタクシー運転手として働いていた。その日もいつもと変わらず車を走らせていた彼だったが、突如、彼の日常を壊す出来事が起きる。なんと、空から一人の美女が降ってきたのである。それこそが、脱走したリー・ルーだった。
彼女はコーベンに何かを必死で訴えるものの、彼女の言葉は地球のものではないため、コーベンはそれを理解できない。しかし、彼女が警察に追われていることを知ったコーベンは、彼女を警察ではなく、コーネリアス神父という者の元へ連れて行くことにする。それは、彼女が口にした言葉の中で、唯一コーベンが聞き取れた名前だったのだ。
映画『フィフス・エレメント』のあらすじ【転】
コーネリアス神父は、この世に迫る危機について語りだす。300年前、世界を滅ぼすであろう悪の存在の誕生が既に予見されていた。一方、フィフス・エレメントという要素が、そんな世界を救う鍵となるとされていたのだ。そして、なんとリー・ルーこそが、5番目の要素であるフィフス・エレメントだったのだ。
しかし、彼女がその力を発揮するためには、鍵となる4つの石板を手に入れる必要がある。そして、その石板は、現在連邦最高の歌姫、ディーヴァ・プラヴァラグナの元へ預けられていた。彼女は10年に一度フロストン・パラダイスという場所で大々的なコンサートを開いており、ちょうど明日がその日だった。
そして、リー・ルー、コーネリアス、そして、コーネリアスの依頼を受けたコーベンは、急いでフロストン・パラダイスへと向かうのだった。しかし、その石板を狙っているのはリー・ルー達だけではなかった。ゾーグという武器商人もまた、その石板を手に入れようとしていたのである。
映画『フィフス・エレメント』の結末・ラスト(ネタバレ)
そして、コーベン達はコンサートが行われるホテルへと辿り着く。しかし、そのコンサート会場を、ゾーグが雇った宇宙人の集団が襲撃をかける。一行は必死になってそのテロリスト達と戦うが、最悪なことに、ディーヴァが戦いの最中、ゾーグに撃たれ命を落としてしまったのだ。
死の間際、ディーヴァは自らの体内に隠していた石板を取り出すと、それをコーベンに託す。その石板を手に、コーベンはリー・ルーを連れて慌ててホテルから逃げ出した。そして、彼らはとある場所へと向かう。それは、300年前にモンドシャワン人が現れた例のエジプトの遺跡だった。
あの日、彼らが遺跡から持ち出したものこそ、4つの石板だったのである。そして、コーベンは石板を元にあった場所に戻し、その中央にフィフス・エレメントであるリー・ルーが座った。
しかし、それだけでは悪を滅ぼすには足りなかった。彼女がその力を発揮するには、愛が必要だったのである。そして、コーベンがリー・ルーに口づけをした。二人の愛の力によってフィフス・エレメントとしてのリー・ルーの力が目覚め、地球を責めていたミスター・シャドーは打ち倒された。そして、地球を救ったリー・ルーとコーベンは、晴れて結ばれるのだった。
映画『フィフス・エレメント』の感想・評価・レビュー
ベッソンの本格的なSF作品は本作が初だったが、宇宙人のキャラクターデザインは2018年日本公開の『ヴァレリアン』に通じるものがある。またエリック・セラの音楽がいいのは毎度のことだが、本作のディーヴァの歌は格別だった。また親日家のベッソンらしい演出があるのも、日本人としては嬉しいポイント。
俳優陣も豪華で、特に『レオン』でシリアスな刑事役だったゲイリー・オールドマンが衝撃的な髪型で笑える。そんな彼も、いまやオスカー俳優である。20年以上前の作品だが、今観ても充分楽しめる良作。(女性 40代)
起用している俳優陣や、個性的なキャラクターデザインもさる事ながら、やはり劇中のオペラがこの作品のクオリティを高めているような気がする。SF作品であり、いわゆる人類滅亡にかかわる異性人との争いかと思いきや、終着点には、愛がとても重要となる物語。当時のブルースウィルスはまだ若く、ヒロインであるミラジョボビッチもあどけなさを少し感じるのである。こういった過去の映画作品から俳優の成長を見てとれるのも、映画作品を見ていく楽しみの一つではないだろうか。(男性 30代)
『バイオ・ハザード』の最強女戦士のイメージが強いミラ・ジョボヴィッチだが、こちらの作品ではあどけなさが感じられめちゃくちゃ可愛い。もちろんアクションもあり宇宙人のディーヴァが歌う音楽が流れるなか、敵を蹴散らしていくシーンは最高にカッコ良い。またキャストも豪華で主役のブルース・ウィリスをはじめゲイリー・オールドマン、クリス・タッカーなどが出演している。特にクリス・タッカー演じるルービーが面白く最後まで笑わせてくれる。色彩も独特でオレンジなどの終始カラフルな映像が気分を上げてくれる。(女性 30代)
少し前の作品なので近未来な世界観にレトロな雰囲気も交わり今では作られないような作風になっていて、観ていてとても楽しかった。ストーリーは気楽に観れるものになっていて娯楽映画として楽しむにはもってこいな作品になっていた。
ブルース・ウィリスがいることで作品が締まったので、彼の存在感を改めて感じることが出来た。また、ゲイリー・オールドマンの少し間抜けな悪役を観ることが出来るので好きな人にはおすすめしたい。(女性 20代)
「レオン」のヒットのおかげで予算を得た映像はきらびやかで「なにかありそう」な雰囲気に溢れている。しかし残念ながらどこか肩透かし。申し訳ないが味がしそうでしない食べ物を口にした気分になってしまった。
しかしそれはこちらの期待値が高すぎたからこそ。監督の以前の作品のことなぞ忘れ、ただそこにある1本の映画として観たら楽しみ方はいくらでもあるはずだ。「グラン・ブルー」や「レオン」でベッソンを好きになってからこれを観たらショックだったというだけで…。(男性 40代)
みんなの感想・レビュー
本作の、宙を飛んでいるタクシーを観て、ドキドキしたことを覚えています。こんな未来がくるでしょうか?見どころは、研究所を飛び出したリールーが空から舞い降りてくるシーンと、歌姫ディヴァのオペラ熱唱シーンです。
不思議な安らぎを持つ高音の響きが忘れられません。人類を危機から救うこと、それには愛が必要という壮大な物語。ヒロイン・リールー役を演じる、ミラ・ジョボビッチはまさに女神です!当時は19才、初々しくてかわいい。
そんな彼女が今やアクション女優として成功しているなんて、素晴らしいことです。またいつかリュック・ベッソン作品に主演してもらいたい。作品のもう1つの魅力は、エリック・セラの音楽です。映像と共に聴くのもいいが、サントラだけ聴くのも楽しい。
①愛と平和を紡ぐ物語~歌姫ディヴァが歌う、オペラに乗せて
「フィフス・エレメント」の世界観を彩るものは、音楽だと思う。歌姫ディヴァが歌う、オペラのシーンがとても気に入っています。オペラの歌は、短いけれどなんともいえない高音のやわらかさで心を癒します。
音楽を聴く時ほど、愛を感じる瞬間はないでしょう。リュック・ベッソンの映画では、エリック・セラが作曲した曲が使われています。オペラのシーンで歌う曲は、「The Diva Danse」。耳に残る曲なので、ぜひサントラ盤を聴いて下さい。
筆者は、「グラン・ブルー」で流れる曲にもヤラレました。聴いているうちに映像が浮かんでくるのが素晴らしい。浮遊感なのか、それとも海に潜水してゆくような音なのか。
リュック・ベッソン映画では、耳から楽しむ映画鑑賞をおすすめします。
②女神なしでは生きられない!
リュック・ベッソン監督の映画には、女神がいます。例えば、「フィフス・エレメント」(97)では、リールーを演じたミラ・ジョボビッチ、「LUCY ルーシー」(14)では、ルーシー役のスカーレット・ヨハンソンというように。
そして、映画も女神がいると必ずヒットしています。ところが、アクションもので男ばかり出る映画だと評価が低いように感じられます。それは偶然でしょうか?ぜひ、次回作は女性が主人公の作品を期待したい。
リュック・ベッソン監督の魅力は、繊細なカメラ・ワークと音楽との一体感です。なによりも、ヒロインを演じる女優の美しさに目を奪われます。本作では、衣装も凝っていて、ジャン=ポール・ゴルチエデザインの服です。
16才から温めていて、1番作りたかった作品が「フィフス・エレメント」です。とびきりキュートなリールーをご覧下さい。