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映画『フォルトゥナの瞳』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『フォルトゥナの瞳』の概要:死を目前にした人が透けて見えるという特殊な目を持つ主人公。彼は幼い頃、瀕死体験を経験しており人生に希望を見出せずにいた。そんなある日、ある女性と運命的な出会いを果たし恋人となるが、彼女までも透けて見えてしまい…。

映画『フォルトゥナの瞳』の作品情報

フォルトゥナの瞳

製作年:2018年
上映時間:111分
ジャンル:ファンタジー、ラブストーリー
監督:三木孝浩
キャスト:神木隆之介、有村架純、志尊淳、DAIGO etc

映画『フォルトゥナの瞳』の登場人物(キャスト)

木山慎一郎(神木隆之介)
幼い頃、航空機事故にて両親を失い、自らも瀕死体験を経てフォルトゥナの瞳を得る。整備士として働いており、仕事は丁寧で腕も良い。2号店の店長を任される。誠実で心根が優しい。葵と恋人同士になるが、彼女を救うために命を賭ける。
桐山葵(有村架純)
携帯ショップのスタッフ。思いやりのある落ち着いた女性。慎一郎と恋人同士になる。実は慎一郎と同じ航空機事故にて瀕死の体験をし、フォルトゥナの瞳を持っている。慎一郎を運命の相手だと思っている。
金田大輝(志尊淳)
慎一郎の同僚で先輩。整備士としての腕は良いものの慎一郎をやっかみ、いじめている。客の車を乗り回したことで社長からクビにされ、逆恨みして社長を襲うが、慎一郎に救われる。以降は2号店に所属し真面目になる。
黒川武雄(北村有起哉)
心臓外科医。フォルトゥナの瞳を持ち、何かと慎一郎に忠告する。慎一郎の担当医でもある。医師でありながら死を目前にした人を助けられず、常に諦念を抱いている。

映画『フォルトゥナの瞳』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『フォルトゥナの瞳』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『フォルトゥナの瞳』のあらすじ【起】

幼い頃、航空機事故にて瀕死体験をし、両親を亡くした木内慎一郎。彼は車の整備会社を営む社長夫妻の元に引き取られ整備士として10年、真面目に勤めてきた。だが、慎一郎は両親を亡くして以来、人生に楽しみを見出せずにいる。そんな彼を見守ってきた社長夫妻は、彼に生きがいを持ってもらうため、新設される2号店の店長を任せようと考えるのだった。

事情を知らない先輩整備士の金田大輝は、社長夫妻に気に入られている慎一郎をやっかみ、いつも仕事中に嫌がらせをする。毎回、ほんの些細なことだったが、その日は金田に突き飛ばされ携帯の画面にヒビが入ってしまう。仕方ないので慎一郎は就業後に携帯ショップへと立ち寄ることにした。すると、ショップの店員、桐山葵に声をかけられる。だが、慎一郎の携帯は古い機種でメーカーでは修理できない。代わりに葵は個人的に応急処置を施してくれる。可愛らしい彼女に好印象を覚える慎一郎。

翌朝、仕事場へ向かう電車の中、隣に立つサラリーマンの手が透けて見える。その日の夜、携帯ショップの前をうろついていた慎一郎は、通りがかりの人とぶつかってしまうが、なんとその人も透けて見える。その人をこっそり追いかけると、目前で車に轢かれ即死してしまうのだった。

翌日も仕事に向かった慎一郎。その日、葵に応急処置をしてもらった携帯がとうとう壊れてしまう。夜に再び携帯ショップへ向かい、葵に機種変更を頼んだ慎一郎だったが、彼女の手が透けて見えてしまい愕然とする。彼は逡巡した後、葵を救うべく仕事帰りに時間をもらう約束をした。

近くのカフェで待ち合わせをしたが、やって来た葵はもう透けていなかった。助かったのだと喜んだ慎一郎は彼女に事情を話したが、死を目前にした人が透けて見えるなど、到底信じられる話ではない。彼は葵に礼を言って店から早々に去った。だが、店を出てすぐ強い痛みが胸を襲う。発作的なものだったのか、痛みは数分で引いた。

更に翌日、慎一郎は2号店の店長になることを社長に告げる。準備は着々と進み、ついに2号店がオープン。今のところ従業員は店長の慎一郎だけだったが、社長夫人が本店と掛け持ちで事務をしてくれることになった。
そんなある日、慎一郎の仕事場に葵が姿を見せる。彼女は自分が死ぬはずだった爆発事故の記事を見せ、救ってくれた礼を言う。話の内容からどうやら彼女も慎一郎に好印象を抱いているようだった。

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映画『フォルトゥナの瞳』のあらすじ【承】

しばらく後、本店を訪れていた慎一郎は、整備場で金田が客の車を無断で乗り回したことを咎められ、社長にクビを言い渡されるという場面に遭遇。金田は憤慨し職場から去って行った。その直後、社長の両手が透けて見えてしまった慎一郎。彼は日が暮れるまで社長を見守り終業後、夕食に誘った。時が近づくにつれ透ける範囲が広がっている。じきに何かが起こると警戒していた慎一郎の前に、鉄パイプを持った金田が物陰から襲い掛かって来る。咄嗟に社長を守った慎一郎は、すぐさま強い胸の痛みに襲われ意識を失ってしまうのだった。

救急搬送され病院で意識を取り戻した慎一郎は後日、改めて心臓外科を受診。精密検査をすることになったが、病気の子供が透けて見えてしまう。声をかけようとしたが、医師の黒川武雄から指摘される。どうやら黒川も死を目前にした人が透けて見えるらしい。曰く、この目のことをローマ神話に登場する運命の女神の名を取って、“フォルトゥナの瞳”と呼んでいるようだ。誰かの運命を変えれば、その代償を払わなければならない。慎一郎はすでに2人の運命を変えている。そのための代償として心臓に負荷がかかったのだ。黒川は人の運命を歪めてはならないと忠告するのだった。

そこで、慎一郎は自分の人生を賭け、葵を守ろうと決意。彼女と知り合って間もないにも関わらず、付き合って欲しいと告白した。すると、葵も憎からず慎一郎を思っており、快く了承してくれる。以降、2人は恋人同士となり喜びと愛に溢れた日々を送った。
それからしばらく後、改心した金田を2号店で雇うことにした慎一郎。金田は心機一転、慎一郎のために真面目に仕事をしてくれるようになった。

葵と恋人同士になって1年半が経過した頃、慎一郎は彼女との結婚を考え始める。先んじて婚約指輪を購入した矢先、胸に違和感を覚えた彼は早々に黒川の元へ。精密検査の結果、狭心症であることが分かった。運命を変えた影響が徐々に身体を蝕んでいたのだ。だが、慎一郎は葵と付き合ってから1度も誰かの運命を変えようとは考えていなかった。

映画『フォルトゥナの瞳』のあらすじ【転】

そんなある日、本店の常連が社長の薦めで2号店へとやって来る。彼は非常に横柄で身勝手な人物だった。それでも慎一郎は、客だからと丁寧な対応を心掛ける。ところが、彼が車を引き取りに来た際、その手が透けて見えてしまう。だが、慎一郎はそれを見過ごすことにした。案の定、男は交通事故で亡くなってしまい、酷い奴ではあったものの深い罪悪感を抱えることになった慎一郎。励ましてくれた葵にも酷い言葉を投げつけてしまう。

以来、電車内でも透けた人ばかりが目についてしまい愕然とする。更に公園でも砂場で遊ぶ子供達が全員、透けて見え不審者扱いされる。あまりに多くの人々が同時に透けて見えることなど、これまでになった。彼は朝7時半の電車に乗る人々を注意深く観察。子供達が所属する幼稚園でも、遠足で同じ電車に乗ることが分かった。葵もまた、同じ電車に乗ることがあると言っていたため、これらから推察するに7時半の電車が何らかの事故に遭うのではないだろうか。

日付は明後日。それまでの間に何かできることがあるかもしれない。その日の夜、慎一郎は葵を訪ね八つ当たりしたことを謝った。すると、彼女も悪かったと逆に謝ってくる。仲直りした矢先、葵の手が透けて見えてしまい失う恐怖に駆られた慎一郎は、葵だけは必ず守ると強く心に決める。

翌日、彼女が電車に乗らないよう旅行に誘った。急な話に驚いた葵だったが、慎一郎の言葉に頷いてくれる。彼女と別れた後、幼稚園に連絡を入れ遠足の日程変更を訴えたが、不審者扱いされ警察に通報されてしまう。怒鳴った拍子に胸痛が襲ったため、黒川を訪ねた。彼に自分が透けて見えるか聞くためだった。黒川は慎一郎が何をしようとしているかを察し、引き止めようとする。だが、慎一郎は命を賭してでも助ける価値はあると言うのだった。

映画『フォルトゥナの瞳』の結末・ラスト(ネタバレ)

翌朝、葵宛てに手紙を書いた慎一郎。彼女とは8時に家へ迎えに行く約束していた。ところが、家を出る準備をしていると葵から出勤するという連絡が入る。慌てて外へ出ると、警察が待っていた。慎一郎は応じるふりをして逃走。警察の追跡から逃れ、駅へと向かった。電車は発車時刻通りにドアが閉まる。そのドア越し、葵と顔を合わせた。彼女の全身がすでに透けている。

慎一郎は駅からタクシーに乗り、2つ先の駅へ。タクシー料金を多めに置いて、発煙筒を持ってホームへ向かった。葵が乗った電車がやって来る。周囲を見渡した彼は線路脇にて作業しているリフト車を目にする。作業員の姿が透けていた。恐らくあれが、事故に発展するのだろう。慎一郎は発煙筒を使い、ホームから線路に降りて走行して来る電車へと向かった。胸がぎしぎしと痛んでいたが、仁王立ちになってその時を待った。

リフト車の土台が崩れ、倒れて来る。電車は急停車したため、倒れたリフト車とはぶつからなかった。だが、慎一郎は膝をついたまま絶命していた。葵は彼の姿を目にして愕然とし、泣きながら強く抱き締めるのだった。

その後、慎一郎の葬式も無事に終わり帰路に就いた葵。実は彼女もまたフォルトゥナの瞳を持っていた。なぜなら、幼い頃に慎一郎と同じ飛行機で事故に遭っていたからだ。彼は記憶を失っているようだが、その時も葵を助けてくれた。彼との再会は運命だと思った。だが、彼女には慎一郎が透けて見えてしまう。葵は慎一郎を助けるため、運命を受け入れようと考えたが、彼は葵を助けるために行動し命を落としてしまったのだった。

後日、慎一郎の部屋の荷物を片付けに来た葵は、彼が残した手紙と指輪を発見する。彼女は泣きながら手紙を読み、彼が自分と同じ気持ちであったことを知るのだった。

映画『フォルトゥナの瞳』の感想・評価・レビュー

作家、百田尚樹の同名恋愛小説を映画化した作品。瀕死体験により人の死の運命が見えるようになったら、大変なことである。主人公は幼い頃に瀕死体験をしてフォルトゥナの瞳を持ったようだが、今作では同じ目を持つ人物が意外に多く登場する。

主人公が愛する恋人の死を回避するため、自らの命を賭ける。そこまでは、とても良かったと思う。だが、その後がどうにも納得できない。恋人もフォルトゥナの瞳を持っていたという展開には些か驚いたものの、主人公を運命の相手だと思っていたのなら、ラストシーンで笑えるだろうか。彼女の行動も分からないではないが、個人的には鑑賞後の後味がいまいちだった。(MIHOシネマ編集部)


もうすぐ死ぬ人が透けて見えるという特殊な力を持った少年の物語。大好きな神木隆之介と有村架純が主演ということで鑑賞したが、特殊能力を描いた作品というのはやはり無理があるように思う。序盤の数人は透けて見えてから亡くなるまでが早かったのに対し、後半は亡くなるまでに数日ある。私が理由を見落としたのかもしれないが、どこか違和感のあるシーンが多々あった。一方、自分の過去や能力を隠していることを所々表情から感じさせる有村架純の演技は素晴らしいと思う。(女性 20代)

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