映画『画家モリゾ、マネの描いた美女 名画に隠された秘密』の概要:ベルト・モリゾは結婚せず習い事に夢中になり、姉と共に絵を描く日々を送っていた。そんな時、画家のエドゥアール・マネに出会う。ベルトはマネからモデルをして欲しいと頼まれる。
映画『画家モリゾ、マネの描いた美女 名画に隠された秘密』の作品情報
上映時間:100分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:カロリーヌ・シャンプティエ
キャスト:マリーヌ・デルテルメ、マリック・ジディ、ベランジェール・ボンヴワザン、アリス・ビュト etc
映画『画家モリゾ、マネの描いた美女 名画に隠された秘密』の登場人物(キャスト)
- ベルト・モリゾ(マリーヌ・デルテルム)
- 20代半ば。習い事として始めた、絵を描くことにのめり込む。結婚したいとは思っていない。『オランピア』の絵に刺激を受ける。
- エドゥアール・マネ(マリック・ジディ)
- 画家。妻帯者。『オランピア』という裸婦の絵をサロンに出し、批判を受ける。周囲から批判されることに苦しんでいる。
- エドマ・モリゾ(アリス・バトード)
- 30代前の女性。ベルトの姉。マネに心惹かれるが、妻がいると知り別の男性と結婚する。
映画『画家モリゾ、マネの描いた美女 名画に隠された秘密』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『画家モリゾ、マネの描いた美女 名画に隠された秘密』のあらすじ【起】
1865年パリ・産業館。画家であるエドゥアール・マネの絵画(『オランピア』)が展示されていた。マネは裸婦を描いており、多くの人は破廉恥だと否定的な意見を述べた。だが、ベルト・モリゾはその絵に衝撃を受ける。ベルトは家に帰ると、裸婦の絵を描いた。
20代半ばのベルトは結婚せず、絵画に夢中だった。姉のエドマもまた、ベルトと一緒に絵を描く時間が好きだった。ある日、ベルトとエドマが美術館の絵を模写していると、男性に声をかけられ指導される。それは、マネだった。
ベルト達の絵がサロンで展示されることになるが、エドマが3点納品することになったのにベルトは1点だけだった。ベルトは結果が出せないことに苛立ち悲しんだ。母はいつでも止めればいいと娘を慰めた。本当は習い事の一環として絵画を習わせていただけなのだが、ベルトは結婚もせずに絵画にのめり込んでいた。
ベルトはマネからモデルをして欲しいと手紙をもらう。ベルトはエドマがマネに惹かれていることに気づいていたため、断りの言葉と姉をモデルに勧める言葉を書いて返事した。しかし、マネと美術館で再会し、画題を変えることはできないのでモデルを引き受けて欲しいと再度頼まれる。ベルトは悩むが、マネがエドマに付き添いを頼んで一緒に来ることを勧めてきたため、返事を一旦保留にして考えることにした。しかし、エドマは妹が引き受けるつもりであることを見抜いていた。
映画『画家モリゾ、マネの描いた美女 名画に隠された秘密』のあらすじ【承】
エドマが見守る中、ベルトはマネのアトリエでモデルを行った。2人は幸せな気持ちで帰宅した。だが、両親にマネのところにいたことがバレてしまい、アトリエに行くことを禁じられる。すると、マネが訪ねてきて、ベルトの母を説得した。母と父がモデルをやらせるかどうかで言い争っているのを、ベルトは部屋の外でこっそり聞いていた。その時、マネが既婚者であることを知る。ベルトは姉に報告した。エドマは悲しみ、ベルトはそんな姉を抱き締めて慰めた。
エドマは付き添いを拒み、ベルトは母と共にマネのアトリエに行った。母はマネの才能を認めた。だが、ベルトには絵画を止めるよう説得した。女性は結婚するのが当たり前の時代だった。
マネはベルト達の家に招待され、友人のポンティヨン・アドルフを連れて行った。エドマはマネ達をアトリエに案内した。マネはアトリエの中を眺め、1点の絵画を褒めた。それは、ベルトの絵だった。エドマはショックを受ける。その後、ベルトはマネから再びモデルをして欲しいと頼まれる。キスをされそうになるが、拒んでしまう。
ベルトは母と共に、完成した絵を見に行った。その絵に刺激を受けたベルトは、外に出て絵を描きたいと思うようになるが、師はそれを認めなかった。記憶を頼りに絵を描くよう指導され、ベルトは不満を抱く。そんな中、エドマがアドルフと婚約し、彼と共に引っ越すことを決めてしまう。ショックを受けたベルトはマネのアトリエに行くが、そこには彼の妻の姿があった。ベルトは慌ててアトリエを出て行った。
映画『画家モリゾ、マネの描いた美女 名画に隠された秘密』のあらすじ【転】
ベルトはサロンに出品するための絵を描くが、満足できるものが描けなかった。そこで、その絵をマネに見てもらうことにした。だが、マネは指導をしてくれなかった。しかも、マネの妻に会った際、「マダム」と呼ばれ皮肉られてしまう。ベルトは傷つき、絵を持って帰った。
マネはベルトの元を訪ね、ベルトの絵に色を重ねながら指導を行った。それから、再びベルトはマネの絵のモデルをすることになった。ベルトの母が眠っている間、マネはベルトのポージングを調整しながら首筋にキスをした。
ベルトは姉から結婚式の立会人になって欲しいと頼まれるが、マネからすぐにアドルフに心変わりしたことを皮肉って傷つけてしまう。ベルトは絵を描き続けたかったが、姉がいなくなった今誰も味方をしてくれる者はいなかった。母からもいつまでも夢を追いかけることはできないと、厳しい言葉を投げかけられる。そんな中、マネだけがベルトのことを認めていた。しかし、マネが自分よりも妻のことを画家として認めていることに気づき、ベルトは深く傷つく。
1869年ロリアン。ベルトは結婚して引っ越した姉の元を訪ね、外で絵を描いた。それからしばらくして、ベルトは家に帰ることになる。だが、エドマは戦争が起きそうだという情報を得ていたため、妹が帰ることを心配した。しかし、ロリアンに留まって生活を送ることはできないため、ベルトは実家に帰った。
映画『画家モリゾ、マネの描いた美女 名画に隠された秘密』の結末・ラスト(ネタバレ)
1870年パッシー。パリに敵軍が進撃してきた。街では銃撃音が鳴り響き、人々は逃げ惑った。ベルトはマネの家を訪ねるが、既に家族と共に避難していなかった。ベルトは手紙すら残されていなかったことに傷つき、深く悲しむ。そんな中、ベルトは1人の兵士・フレデリックと出会う。彼は画家の端くれだった。フレデリックが戦場での様子を描き残したいと言ったため、ベルトは絵筆などを貸した。だが、フレデリックは戦場で自分の手を汚したことを恥じ、筆を置いてしまう。ベルトはフレデリックを抱き締めた。
パリが開城することになり、敗戦が決まった。ベルトはフレデリックのために絵を描くが、彼は既に亡くなっていた。ベルトは絵をフレデリックの仲間の兵士に託した。兵士は遺品と共に彼の両親に渡すことを約束した。
マネがベルトに会いにきた。マネはベルトをモデルに再び絵を描いた。しかし、体調は良くなかった。彼は梅毒という病気に罹っていた。1871年3月・終戦。ベルトは姉をモデルに描いた絵をマネに贈った。マネはその絵を褒め称え、エドマをモデルにした絵を描き続けることを勧めた。
ベルトがエドマをモデルに描いた絵はサロンには拒否されるが、画商からは買いたいと言われ高い評価を受ける。画商から今後の作品の分を含めて大金を渡されるが、ベルトはマネ以上の金額を受け取ることを拒否した。しかし、ベルト自身は知らなかったが、ベルトは画家達の間でも高い評価を受けており、それに見合った金額を渡されていたのだった。ベルトは画家のモネ、ルノワール、ドガと共に展覧会を開催することになった。ベルトは展覧会にマネを誘うが断られてしまう。マネはやっとサロンに認められたため、展覧会に参加をして名誉を失うのを恐れていた。
展覧会の件は新聞で取り上げられた。好意的な批評も否定的な批評もあった。ベルトはマネの弟のウジェーヌに求婚され、結婚することを決める。ベルトがそのことをマネに報告すると、1つの包み紙を渡される。夜、ベルトが包み紙を開けると、「ベルト嬢へ」と書かれた花束の絵が入っていた。ベルトは感極まり涙を浮かべた。その後、ベルトはマネのモデルを続けていた。
映画『画家モリゾ、マネの描いた美女 名画に隠された秘密』の感想・評価・レビュー
画家の人生は本当に浮き沈みが激しく、波乱万丈だと感じました。今作に出てくるマネやモリゾも例外では無く、才能がありながらそれをなかなか発揮出来ずに認められなかったり、認めてくれる人が居てもそれと同じくらい批判する人が居たり。困難な状況に立たされながらも「描くこと」を諦めなかったモリゾはとても強く、魅力的でした。
モリゾは自分の経験や過去を後悔するのでは無く「糧」にしていて、そのおかげで正しい評価をして貰える作品が描けたのだと感じ、とても感動しました。(女性 30代)
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