この記事では、映画『学校の怪談4』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『学校の怪談4』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『学校の怪談4』の作品情報
上映時間:99分
ジャンル:ホラー
監督:平山秀幸
キャスト:豊田眞唯、広瀬斗史輝、笑福亭松之助、皆川優紀 etc
映画『学校の怪談4』の登場人物(キャスト)
- 安西弥恵(豊田眞唯)
- 兄と共にはまゆり荘へとやってきた、小学4年生の女子。兄を幽霊に攫われてしまい、彼を取り返すため、とある行動に出る。
- 安西恒(広瀬斗史輝)
- 弥恵の兄。その名前故に、尋常小学校に眠る亡霊達に声をかけられる。未だこの世を彷徨う彼女達を救おうと奮闘する。
- 関川幸一(笑福亭松之助)
- 町の文房具屋。大正12年に起きた、津波事件の唯一の生き残り。実は、彼は既に……。
- ユキコ(森安加代子)
- 幸一と共にかくれんぼをしていた少女。隠れんぼをする際、幸一に「見つけてね」と声をかけた後、津波に飲まれ命を落とした。
- サカエ(春名美咲)
- 共に隠れんぼをしていた一人。須美子の前に突如として現れ、彼女を攫ってしまう。
- ススム(内海卓哉)
- 隠れんぼ中に命を落としたうちの一人。テツオと共に、護をどこかへと誘拐していく。
- テツオ(小此木優也)
- 大正12年、津波に飲まれ命を落とした。現代になり突如として現れ、周治をどこかへと攫っていってしまう。
映画『学校の怪談4』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『学校の怪談4』のあらすじ【起】
大正12年の夏、とある悲しい事件が起きた。その日、戸野崎町にある戸野尋常小学校に通う小学生5人がかくれんぼをして遊んでいた。しかし、その時なんと大津波が学校に接近していた。鬼役だった関川幸一を除く、ユキコ、テツオ、サカエ、ススムにはその危険を知らせる警鐘は聞こえず、4人はそのまま波に飲まれ亡き人となってしまったのだった。
そして、時代は巡り現代。その頃戸野崎町に大型台風が接近していた。旅館『はまゆり荘』に、経営者の晴美の甥にあたる安西恒と妹の弥恵が遊びにやってきた。晴美の娘であるあゆむは、同じ年頃の彼らを歓迎し、台風が去った翌日、共に外に遊びに出かけるのだった。あゆむは、新しく建て替えられた戸野崎尋常小学校を彼らに紹介する。
一方、その台風の後、戸野崎町に不可解な事件が起こっていた。謎の古いランドセルを見つけ、それを処分した児童会長の周治が突如として行方不明になってしまったのである。また、周治だけでなく、悪ガキの護まで姿を消してしまったのだ。
映画『学校の怪談4』のあらすじ【承】
実は彼らは、あの津波で死んだはずのテツオとススムに、それぞれどこかへ連れ去られてしまったのである。また、恒も不可解な現象に見舞われる。かつての尋常小学校に突如として飛ばされた彼は、ユキコとサカエに「見つけて」という言葉をかけられたのだった。
それから少しして、なんと行方知れずになっていた周治が戻ってきた。彼は、小学校でかくれんぼを無理やりやらされていたという。その夜、恒は再び夢を見た。そして、自分がかくれんぼの鬼役となって、未だ見つかっていないユキコ達を見つけてあげなければいけない、という使命を直感するのだった。
そして、町で毎年行われる、灯籠流しの日がやってきた。その灯籠流しに参加していた恒だったが、彼はここにいるはずのない、ユキコの姿をそこで見つけるのだった。ユキコに着いて行こうする恒を弥恵は必死に止めるが、それでも恒は立ち止まらない。そして、恒は弥恵に、「一緒に行くか?」と声をかけるのだった。
映画『学校の怪談4』のあらすじ【転】
しかし、恒の後を歩いていた弥恵だったが、突如として恒が姿を消してしまったのだ。また、その日姿を消したのは恒だけではなかった。あゆむの友人である須美子の前にもサカエが現れ、忽然と姿を消してしまったのだ。
ある夜、弥恵は「見つけられないよ」という恒の声を耳にする。そして、弥恵は衝撃の事実を知ることになる。今まで彼女の目に普通に見えていたこの町の文房具屋が、実は幽霊だったのだ。そして、その幽霊こそが当時かくれんぼで鬼役を務めていた幸一だったのである。未だ一人で4人を探しているであろう兄を助けるため、弥恵はとある決心を固める。
弥恵は霊体である文房具屋の元へと向かうと、兄の代わりに4人を探すように説得するのだった。4人が待っているのは兄の恒(コウ)ではなく、幸一(コウ)なのだ。最初は乗り気ではない幸一だったが、しかし、弥恵の必死の説得を受けて腰を上げる。そして、散々町を彷徨った二人の前に、かつての尋常小学校が突如として現れるのだった。
映画『学校の怪談4』の結末・ラスト(ネタバレ)
その校舎は、今まで海に沈んでいたかのようにフジツボなどの生物に囲まれ、異様な空気を発していた。しかし、学校に到着しても幸一は乗り気ではなかった。自分一人だけ助かってしまった手前、彼らに合わせる顔がなかったのだ。しかし、幸一は「見つけて…」というユキコの声を耳にする。そして、彼らを見つけ成仏させてやる決心を固めるのだった。
そして、幸一は学校内を歩き回り、4人を一人ずつ見つけていく。幸一が全員を見つけた時、4人は「ようやく見つけてくれた」と笑顔を浮かべた。幸一は弥恵に感謝を告げると、5人は揃って成仏していった。長く続いていた彼らのかくれんぼが、今日ようやく終わりを迎えたのである。
そして、弥恵は自分に必死で呼びかける晴美の声で眼を覚ました。しかし、その場に恒の姿はない。彼女が慌てて灯台へと向かうと、そこには気を失って倒れている恒の姿があったのだった。恒だけでなく、今回の事件で行方不明になっていた全員が無事に帰ってきた。こうして、彼らの不思議な体験は終わりを迎えたのである。
映画『学校の怪談4』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
1990年代にヒットした学校の怪談シリーズの第4作品目。2000年に入ってから一応シリーズの続編扱いの作品はあるが、区切りとしては本作品にあたるのではないだろうか。学校の作品シリーズといえば、コミカルかつゾクッとする妖怪や幽霊、そして夏休みの終わりのような暖かくも寂しい展開が楽しめる作品であるが、本作品もまさしくその期待を裏切らない。ただ、全体的にコミカルな部分は少なめなので、ジワっとした恐怖はより味わえる内容となっている。(男性 30代)
今までのシリーズ1~3とは雰囲気が違うのが本作。
今回は、テケテケやトイレの花子さん、ろくろ首といったお馴染みの伝説の幽霊たちは登場しない。
序盤から、海辺の校舎で子どもたちが隠れんぼの最中に、校舎丸ごと津波に流されてしまうシーンがある。大津波で沈んだ学校の中に、死んだ子どもたちの幽霊が彷徨っているのだ。
現実にも起こり得るような心霊的なリアルさがあって、より一層深い恐怖を感じずにはいられなかった。
けれども、最後に文具店のおじいちゃんの謎が解明される心温まる場面もあった。
怖さだけじゃない、多面的な作品である。(女性 20代)
子ども向けのわかりやすい怪談話かと思いきや、壮大なドラマが詰まった大作となっている。
もちろん、ビジュアル的に幽霊が登場し、視聴者を怖がらせる仕掛けはふんだんに用意されているも、その幽霊たちの背景、過去の話がわかると、何とも切ない気持ちになる。
さらに、子どもと幽霊とが心を通わせるシーンは、大人が忘れた純粋な心を呼び覚ましてくれるようだ。
子どもだけでなく大人にも観てほしい作品である。(男性 40代)
トイレの花子さんやテケテケと言った『学校の怪談』の代名詞とも言えるオバケが出てこない今作は、学校に彷徨う幽霊を成仏させてあげようと子供たちが奮闘するお話です。
かくれんぼをしている最中に津波が起こり、津波に飲まれて死んでしまった子供たちの幽霊が彷徨う学校を舞台に現在と過去を交錯させながら謎を明らかにしていく展開は、子供向けのストーリーでは無く、大人もしっかり楽しめる壮大なミステリー作品のような雰囲気がありました。
昔の事件について少しずつ明らかになると何故今の状況になっているのかが分かり、怖いと言うより切なくて可哀想な気持ちになりました。(女性 30代)
シリーズ最終作にふさわしく、前作までとは一味違う“異世界”感が強くて印象に残りました。幽霊たちの存在がただ怖いだけでなく、成仏を願う切なさや哀愁を感じさせる描写が多くて、ちょっと大人っぽい雰囲気もありました。最後に少女が記憶を取り戻していく展開では、ホラーというよりもヒューマンドラマのような余韻があって感動。学校の怪談シリーズの中で一番“静かな恐怖”を感じた作品でした。(30代 男性)
小学生のときにテレビ放送で観て、怖すぎて夜トイレに行けなくなった記憶があります。改めて大人になって観てみると、確かにホラー演出は抑えめですが、異空間に迷い込んでしまう不安感や、徐々に記憶を取り戻していく少女の描写はじわじわ来るものがあります。廃校という舞台も、どこか懐かしくて切ない。子ども向けでありながら、ノスタルジーと人間ドラマを感じられる作品でした。(20代 女性)
シリーズの中ではやや異質で、幽霊が“悪役”として描かれていない点が印象的でした。怖いのは怖いけど、どこか悲しさや過去の記憶に関わるような描写が多くて、単なるお化け退治ではない深みがあります。主人公の少女が記憶を失っている設定が効いていて、観ている側も“何かおかしい”と感じながら物語に引き込まれていく構成が良かったです。静かな作品ですが、心に残るラストでした。(40代 男性)
娘と一緒に観ましたが、ホラーが苦手な子でも見られるちょうどいい怖さでした。特に廃校に閉じ込められてからの展開がテンポよく、子どもたちの視点で描かれているから共感しやすい。記憶をなくした主人公が、幽霊たちとの関わりを通して少しずつ思い出していく流れは、親としてもちょっと胸が痛くなるような切なさがありました。怖さだけじゃなく、優しさも感じられる作品です。(40代 女性)
他の「学校の怪談」シリーズに比べると、お化けの派手さは少ないですが、怖さの質が違っていて面白かったです。鏡の中の世界や、時間が止まったような不気味さがじわじわと迫ってくる感じがよくて、ホラーというより幻想譚に近いかもしれません。最後に明かされる少女の正体には驚きましたし、ラストの別れのシーンでは泣きそうになりました。子ども向けとは思えない完成度です。(20代 男性)
『学校の怪談』シリーズの中でも特に“静寂”が印象的な作品。ホラーというより、ミステリーのような空気感で、登場する幽霊たちにも哀しみがにじみ出ていました。忘れ去られた者たちが集まる廃校で、主人公が自分の正体に気づいていく過程がとても切ない。無邪気に怖がる子どもたちではなく、“記憶”というテーマに踏み込んだこの作品は、シリーズを締めくくるにふさわしい作品だと思います。(50代 男性)
映画『学校の怪談4』を見た人におすすめの映画5選
さまよう魂たち(原題:The Frighteners)
この映画を一言で表すと?
「死者と交信できる男が、真の“悪霊”と対峙するホラー・ファンタジー」
どんな話?
幽霊が見える詐欺まがいの男フランクが、連続死の真相を追ううちに、強大な悪霊の存在と向き合うことに。ユーモアとホラーが絶妙に交錯し、死者の世界のドラマが展開していく異色の作品。
ここがおすすめ!
『学校の怪談4』同様、幽霊との関わりに“哀しみ”と“救済”の要素がある点が共通しています。怖いけど笑えて、最後には泣ける、そんなバランス感覚が見事。ピーター・ジャクソン監督の初期の傑作です。
黄泉がえり
この映画を一言で表すと?
「帰ってきた“あの人”ともう一度過ごす奇跡の時間」
どんな話?
熊本の町で死者たちが突然生き返り始める現象が起きる。亡き人と再会できる喜びの裏に潜む謎や、感情の葛藤を描いた感動系ファンタジー。ラストには切ない展開も待ち受ける。
ここがおすすめ!
ただのホラーやオカルトではなく、“死者と生者の絆”をテーマにした点で『学校の怪談4』と通じるものがあります。優しさと切なさが心に残る名作で、感情の余韻を楽しみたい方にぴったりです。
リメンバー・ミー(原題:Coco)
この映画を一言で表すと?
「死者の国で紡がれる、家族と音楽の奇跡の物語」
どんな話?
死者の日に“死者の国”へ迷い込んでしまった少年ミゲルが、家族のルーツと夢を追いながら、祖先とのつながりを再発見していくピクサー製作の感動アニメーション。
ここがおすすめ!
ビジュアルの美しさと感情を揺さぶる音楽、そして“死者との再会”というテーマが『学校の怪談4』とも共鳴。家族の絆と記憶を大切に描く優しい物語で、大人にも深く刺さる1本です。
千と千尋の神隠し
この映画を一言で表すと?
「不思議な世界で少女が成長する、日本アニメ史に残る冒険譚」
どんな話?
迷い込んだ異世界で、少女・千尋が両親を助けるために奮闘するジブリの代表作。神々や妖怪が入り混じる幻想世界での出会いと別れを通して、自分自身を見つけていく成長物語。
ここがおすすめ!
異世界に迷い込み、真実に気づいていくという構成は『学校の怪談4』にとても似ています。見た目は幻想的で美しいのに、その裏にある不気味さや深いメッセージ性が魅力。何度観ても新しい発見があります。
放課後の怪談シリーズ(NHK)
この映画を一言で表すと?
「“学校”に潜む日常の違和感を描いた、珠玉のショートホラー」
どんな話?
NHK教育で放送されていたショートホラーのシリーズ。学校という空間で起こる怪現象や、子どもたちの小さな“異変”をテーマに、リアルと非現実の境目を描く全話完結型の物語。
ここがおすすめ!
『学校の怪談』と同じく、学校を舞台にした“ちょっと怖いけど観たくなる”ホラー作品。短編だからこその濃密さと、教育的な視点も感じられる構成が秀逸。思春期特有の怖さや感性に寄り添った作品群です。
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