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映画『源氏物語 千年の謎』あらすじネタバレ結末と感想

この記事では、映画『源氏物語 千年の謎』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『源氏物語 千年の謎』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『源氏物語 千年の謎』の結末までのストーリー
  • 『源氏物語 千年の謎』を見た感想・レビュー
  • 『源氏物語 千年の謎』を見た人におすすめの映画5選

映画『源氏物語 千年の謎』 作品情報

源氏物語 千年の謎

  • 製作年:2011年
  • 上映時間:136分
  • ジャンル:歴史、ラブストーリー
  • 監督:鶴橋康夫
  • キャスト:生田斗真、中谷美紀、窪塚洋介、東山紀之 etc

映画『源氏物語 千年の謎』 評価

  • 点数:50点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★☆☆☆
  • 設定:★★★☆☆

[miho21]

映画『源氏物語 千年の謎』 あらすじネタバレ(起承転結)

映画『源氏物語 千年の謎』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『源氏物語 千年の謎』 あらすじ【起・承】

娘彰子を一条帝の中宮に据え、藤原道長が栄華を極めた時代。
帝の寵愛を彰子に向けるために、道長は紫式部に紙を与えて物語を書かせる。それが『源氏物語』である。

物語は、時の帝が一人の更衣を寵愛し、その間に生まれた皇子を主人公とする。母桐壷更衣は後見もなく、弘徽殿女御をはじめとする人々の嫉妬を買い、嫌がらせの末に病にかかり亡くなる。
しかし幼い皇子は美しく、「光る君」と呼ばれ父帝に大切にされ育つ。
一方、最愛の人を亡くした桐壺帝は、桐壷更衣に瓜二つの女宮藤壺を入内させ、光君も慕いなつく。だが、次第にその想いは激しい恋情となり身を苦しめることになる。

元服した光君は、後見のない息子の行末を案じた帝によってあえて臣籍に下し、源姓を賜った。元服すれば、藤壺と顔を合わせての対面はもうかなわない。
義母への叶わぬ恋を諦められないまま、源氏は正妻の葵、恋人の六条御息所や夕顔などに愛を求める。しかしそれでも藤壺への愛は断ち切ることができない。

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映画『源氏物語 千年の謎』 結末・ラスト(ネタバレ)

『源氏物語』は宮中で評判となり、帝をも魅了し彰子の元への訪れが多くなった。彰子は皇子を出産して后としての役目を果たし、後の帝の祖父となった道長の権力はより強固なものになった。
紫式部の役目も終わったかと思えたが、彼女はまだ書き続ける。

源氏の夜歩きは相変わらず続いていたが、恋人の一人六条御息所は源氏の愛が自分一人に向いていないことに苦しみ始める。しかし御息所としてのプライドもあり、だんだん苦悩は深まり、とうとう生霊となって夕顔を殺してしまう。
そんな時、正妻葵が懐妊。四歳年長の妻で、元々は后になるはずだったため、源氏との仲は良くなかったが、これをきっかけに二人は寄り添いはじめる。
だが、幸せも長くは続かない。六条御息所はまた生霊となって今度は葵にとり憑く。

陰陽師安倍晴明は、物語の世界に入り込み、物の怪となった六条御息所と対面する。源氏を愛するあまり、嫉妬し、誇りとの間で苦しむ彼女の姿に、道長をひそかに恋い慕う紫式部の影を見る。

葵をとり殺してしまった六条御息所は、娘が斎宮となって伊勢に下るのに付き添うことを決意。源氏から離れることを選ぶ。
そして紫式部も、自分が物の怪となり、女の業によって道長を滅ぼす前に道長の前から去ることを決める。

源氏は紫式部に「自分はいつまで苦しまなければならないのか」と問う。
紫式部が道長を愛し続ける限り、物語の中の源氏は永遠に愛に苦しむことになる。

映画『源氏物語 千年の謎』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『源氏物語 千年の謎』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

『源氏物語』ファンには物足りない

平安時代の作品を映像化するにあたって、衣装・化粧・屋敷の描写や生活様式など、突っ込みどころはたくさんあるものの、それは映画としての演出のこともあるし、現代で受け入れやすいものでなければ好まれないのでしかたがない。
主人公光源氏をはじめとした登場人物たちの美しさはすごいし、六条御息所を演じる田中麗奈の演技が凄まじく、見応えはあったと思う。
でも、『源氏物語』をよく知る人にとっては物足りない。二時間ちょっとの映画におさめるには『源氏物語』五十四帖全てを網羅するのは不可能なので、光源氏の青年期(青春期)に限定して展開しているのは良かった。
この頃恋愛関係にある葵・六条御息所・夕顔、そして藤壺。これらの女性達の関係が上手く描かれていたし、この映画が伝えたかったのであろう作者紫式部の「恋する女の業」は、特に六条御息所に重ね合わせる形で描かれていて、それがよく伝わっていたと思う。
ただ、そこまで六条御息所に焦点を当てる割には『源氏物語』の重要な場面がない。
映画の中でも六条御息所が嫉妬に狂い変化していく様子が描かれるが、生霊となり葵に憑いて殺してしまう決定的な動機は、「御息所」(故東宮の正室)としてのプライドがズタズタにされたことにある。原作では「車争ひ」の場面で葵が六条御息所のプライドを傷つけてしまうのだが、映画の中でそれは描かれない。
他にも省略された場面はあるが、そういった所が物足りなく感じてしまった。

安倍晴明のシーンは蛇足

陰陽師安倍晴明は、平安中期の摂関最盛期に活躍したとされる人物で、よく知られている。映画化もされ、人気の人物だが、道長の時代には既に老齢のはずである。
それにもかかわらず演じているのは窪塚洋介。若すぎる。
おまけに、現実世界と物語の世界を行き来する描写まであり、六条御息所と対峙したりする。
鬼を祓う場面では一体何を観せられてるんだろうと思うほどひどかった。はっきり言って安倍晴明を登場させる必要はなかったと思う。


世間の評価はあまり高くない今作。生田斗真が大好きな私にとっては最高の作品でした。
まず、生田斗真のお顔が美しい。すっと通った鼻筋とキリッとした目元が私のイメージする源氏そのものでとにかくかっこよかったです。
評価があまり良くない原因はストーリーでしょうか。私は「源氏物語」をよく知らないので、1つの映画として楽しみましたが、本来されてきた解釈とはだいぶ異なるようなので、こういう解釈の仕方もあるのだと割り切って見ることをオススメします。
昔々のラブストーリーはかなりドロドロしていたのが意外すぎて、少し笑えてしまいました。(女性 30代)


紫式部と光源氏の物語が交錯する構成に最初は戸惑いましたが、観終わった後にはその仕掛けの妙に感心しました。生と死、現実と幻想が入り混じる映像はとても美しく、特に平安の宮廷文化が繊細に再現されていたのが印象的です。生田斗真さんの光源氏は色気と儚さがあり、彼の持つ繊細な雰囲気が役にぴったり。源氏物語を知らない人にはやや難解な部分もありますが、幻想文学として楽しむのも一興かと。(30代 女性)


物語の進行とともに現実とフィクションの境界が曖昧になる演出が印象的でした。紫式部が自ら創作した登場人物に翻弄されるという設定は斬新で、特に中谷美紀さんの演技が圧巻。源氏物語の儚さや哀しみが映像で丁寧に描かれており、原作の持つ美意識を現代に再解釈した試みとして興味深かったです。ただ、終盤の展開は少々抽象的で、物語に入り込むのに少し苦労しました。(50代 男性)


映像美と衣装、音楽すべてがとにかく素晴らしかったです。特に光源氏と藤壺の禁断の恋は、切なさと美しさが交差して心を打ちました。紫式部が自分の創作に飲み込まれていく描写は恐ろしくもあり、創作の狂気と魅力を見せてくれました。正直なところ、もう少しテンポが良ければもっと楽しめたと思いますが、総じて幻想的で満足感のある作品でした。(20代 女性)


この映画は、文学と映像芸術の融合という点で非常に挑戦的な作品だと感じました。源氏物語という古典を題材にしながら、作者・紫式部の心の内を描く構成は斬新で、まるでミステリーのような緊張感がありました。夢と現実が交差する場面の演出も巧みで、観る側に深い読解力を求めてきます。やや難解ではありますが、知的好奇心を刺激される作品でした。(40代 男性)


正直、源氏物語の世界観にはあまり詳しくなかったのですが、映像の美しさと俳優陣の演技力だけでも引き込まれました。中でも藤原道長と紫式部の関係が興味深く、歴史の裏側にある人間関係のドラマが垣間見える構成になっているのが良かったです。時代物が苦手な人にはやや取っつきにくいかもしれませんが、一度観て損はない作品だと思います。(10代 男性)


源氏物語の持つエロスと死のイメージが、現代的にとても洗練された形で映像化されていたのが印象的でした。幻想的な場面と現実の紫式部の苦悩が交錯し、まるで夢の中を彷徨っているような不思議な体験でした。俳優陣の演技も安定していて、生田斗真さんの光源氏は文句なしに美しい。物語を知らなくても感性で楽しめる作品だと思います。(30代 男性)


この映画は、「書くこと」によって生まれる罪と痛みがテーマだったように感じました。紫式部が光源氏という人物に取り憑かれていく様は、作家としての苦悩と狂気を感じさせ、非常にリアルでした。平安時代の宮廷を舞台にしていながら、現代にも通じる深いテーマを描いている点が素晴らしいと思います。ただし、娯楽映画というよりは芸術作品寄りです。(40代 女性)


源氏物語の世界にどっぷりと浸かれる映画でした。特に光源氏と六条御息所との関係の描写が見応えあり、彼女の嫉妬と哀しみがしっかり描かれていたのが良かったです。平安時代の装束や装飾の美しさも目の保養で、思わず見入ってしまいました。ストーリーは複雑でしたが、視覚的な情報が豊富なので、それだけでも十分楽しめます。(50代 女性)


物語の構成が非常に独特で、観る人を選ぶ映画かもしれませんが、個人的には大満足です。幻想と現実が重なる演出がとても好きで、特にラストシーンの余韻が忘れられません。紫式部と光源氏、二人の物語が交錯していくうちに、「物語に命を吹き込むこと」の重みを感じさせられました。映画好きの人にはぜひ観てほしい一本です。(20代 男性)

映画『源氏物語 千年の謎』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『源氏物語 千年の謎』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

陰陽師(2001年)

この映画を一言で表すと?

平安の闇に挑む美しき陰陽師が繰り広げる、幻想と呪術の異世界バトル。

どんな話?

平安時代、都に迫る怪異や陰謀を、天才陰陽師・安倍晴明がその鋭い知略と霊術で解決していく物語。式神や呪術、平安文化の魅力が詰まった幻想的な世界が広がり、史実とファンタジーが融合した壮大なドラマが展開されます。

ここがおすすめ!

市川染五郎(現・松本幸四郎)演じる安倍晴明の美しさと妖艶さが最大の魅力。精緻な衣装や美術、時代考証も見どころで、平安時代の空気感を存分に味わえます。『源氏物語 千年の謎』の世界観が好きな方にはぴったりの一作です。

千年の恋 ひかる源氏物語(2001年)

この映画を一言で表すと?

“光源氏”の人生と愛を本格的に描いた、ビジュアル詩のような平安絵巻。

どんな話?

源氏物語の世界を、そのまま映像美で再現した作品。紫式部の創作意図を追いつつ、光源氏が女性たちと織りなす恋愛模様や、彼の孤独と苦悩に迫る物語。文学的な香り漂う、静かで繊細な美の世界が広がります。

ここがおすすめ!

豪華な衣装、伝統音楽、和歌の引用など、原典に忠実な演出が魅力。源氏物語の本質である「美」と「無常感」を映像で丁寧に表現しており、文学好きにもたまらない一作です。耽美な世界に浸りたい人におすすめ。

夢(1990年)

この映画を一言で表すと?

巨匠・黒澤明が描く、夢と現実の境界線が溶け出す幻想的体験。

どんな話?

黒澤明自身の夢をモチーフにした8つの短編からなるオムニバス映画。少年時代の幻想や、戦争、死者との対話、自然との調和といったテーマが詩的かつ象徴的に語られ、現実を超えた映像体験が味わえます。

ここがおすすめ!

幻想と哲学が融合した芸術作品。色彩、構図、光の使い方など、美術的観点からも高評価。『源氏物語 千年の謎』で描かれた夢幻的世界観が心に残った人には、間違いなく心を打つ名作です。

さくらん(2007年)

この映画を一言で表すと?

艶やかで過激な江戸の遊郭を駆け抜けた、ひとりの女の生き様。

どんな話?

江戸時代の吉原遊郭を舞台に、少女・きよ葉が遊女「日暮」として成長しながらも、自らの運命を切り開こうとする物語。ヴィジュアルに強いこだわりがあり、豪華絢爛な衣装と独特の色彩感覚が魅力の一作です。

ここがおすすめ!

監督・蜷川実花の鮮烈なビジュアルセンスが光り、時代劇とは思えないほどポップで刺激的。強く生きる女性の姿に惹かれる方、『源氏物語 千年の謎』で描かれた女性たちの物語に共感した方にぜひ。

たそがれ清兵衛(2002年)

この映画を一言で表すと?

静かな侍の生き様に、滲み出る哀愁と誠実さが胸を打つ。

どんな話?

時代劇でありながら派手な殺陣よりも、人間ドラマに重きを置いた物語。下級武士の清兵衛が、娘のために生き、そしてある使命により再び剣を取る姿を通じて、真の強さと愛のかたちを描き出します。

ここがおすすめ!

派手さはないが、心に深く残る誠実な人物描写が魅力。時代の波に翻弄されながらも、家族や信念を大切に生きる姿に心が震えます。内面描写を大切にする映画が好きな方には必見です。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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