映画『ゲルマニウムの夜』の概要:人を殺し、教会の養護院へと戻ってきた男。修道女を強姦し、暴力に身を任せる彼は、自分を罰さない神や宗教を試し始める。そんな彼が持っているゲルマニウムラジオからは、神の囁きが聞こえてくる。
映画『ゲルマニウムの夜』の作品情報
上映時間:107分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:大森立嗣
キャスト:新井浩文、広田レオナ、早良めぐみ、木村啓太 etc
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映画『ゲルマニウムの夜』の登場人物(キャスト)
- 朧(新井浩文)
- 人を殺し、教会の養護院へと戻ってきた男。修道女を強姦し、暴力に身を任せ、神父を困らせることで宗教や神を試す。
- 教子(早良めぐみ)
- アスピラントの女。愛する人との子供を中絶し、不妊になってしまう。それが原因で、両親や愛する人を憎むようになる。朧と体の関係を持ち、朧を救おうとする。
- 宇川(大森南朋)
- 豚小屋の世話をする男で、朧の上司。朧に暴力を振るわれ、主従関係が逆転してしまう。臆病な男。
- 小宮(石橋蓮司)
- 養護院の院長。生徒に自分の性処理をさせる男。犬にまでも性処理をさせる。快楽に溺れた悪人。
- 戸川(佐藤慶)
- 神父。朧の先生。宗教や神を試すような態度の朧に、困り果てる。それでも、朧が一番宗教に近い存在だと思っている。
- トオル(木村啓太)
- 養護院の男生徒。小宮に性処理をさせられ、同級生にも同じことをさせられる。朧を兄のように慕い、性的な目で朧のことを見始める。
- テレジア(広田レオナ)
- シスター。朧に出会い、朧に汚されてしまう。妊娠をし、朧にとっての処女懐胎の象徴になってしまう。
映画『ゲルマニウムの夜』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ゲルマニウムの夜』のあらすじ【起】
辺り一面の白銀世界。猛吹雪の中、数頭の牛が歩いている。
ラテン語の聖書を音読している小宮という男。そこは教会の養護院で、彼は教会の養護院の院長なのだ。その隣には、朧という青年が座っている。朧は、下半身を露出した小宮の男性器をしごいている。
小宮は、何度も何度も朧に同じことをさせる。そうすることで、小宮はエクスタシーを感じていた。
行為を終えた後、朧は自分の手を入念に洗う。ベッドに横になった朧は、ゲルマニウムラジオに繋がれたイヤホンをつけている。
夜中、外に出た朧。彼に向かって走ってきたのは、小宮が飼っている犬だった。朧は、容赦無くその犬を蹴り飛ばす。
修道士の赤羽が、木に殺虫剤を撒いている。朧は赤羽のことを先生と呼び、殺虫剤について尋ねる。もし人間に使えば、憂鬱になって死にたくなってしまうのだと赤羽は答える。
同僚が、朧のもとに走ってやってくる。二人は、急いで豚小屋へと向かう。そこでは、豚が交尾をしていた。興味津々でその光景を眺める二人。そこへ宇川という男がやってきて、去勢してしまう。
映画『ゲルマニウムの夜』のあらすじ【承】
アスピラントの教子という女が、犬に餌をやっている。そこへ現れた朧は、教子と話をする。
古い建物の中に入った二人。朧は自分の過去を語り出す。朧はこの教会の養護院出身だった。その後ここを離れたが、人を殺して戻ってきたのだと教子に話す。
朧は、教子にゲルマニウムラジオを渡す。このラジオからは、神の囁きが聞こえると朧は言う。その後二人は抱き合い、裸になって性行為をする。それは、朧にとって初めての経験だった。
宇川から、残飯運びの担当になったと言われる朧。残飯回収に向かった先で、テレジアというシスターと出会う。テレジアは朧に、教子に何をしたのかと尋ねる。
テレジアは、教子は愛を誓い合った人との間にできた子供を掻爬されたのだと朧に語る。それが彼女の心と体を大きく傷つけ、結果不妊になってしまった。掻爬させた両親を恨み、愛を誓った人の無力ささえ憎み始めた教子を、テレジアは救ってあげたいと思っていたのだ。教子との関係を聞かれた朧は、自らの下半身を露出して見せる。
映画『ゲルマニウムの夜』のあらすじ【転】
朧が宇川を呼び出す。朧は、残飯係に任命した宇川を良く思っていなかった。話し合いで解決しようという宇川に、石を拾えと命令する朧。宇川の口に石を含ませ、口をガムテープで止めた後、朧は宇川の顔を蹴り飛ばす。宇川は、許してくださいと泣きながらに訴える。
朧は神父の戸川に罪の告白をする。朧は、深い理由もなく男女を殺した。後ろめたさはないのかと聞く戸川に、全くないと答える。さらに朧は、いずれテレジアが自分の子供を妊娠すると言う。まるで神や宗教を試すように、朧は自分の悪事を告白する。こんな悪い人間を、罰することのできない神は無力だと朧は話す。それでも戸川は、神は朧を許すのだと言う。
足の悪い戸川を、ベッドまで送り届けた朧。彼は、テレジアについての告白は、未来に起こる罪だと言い出す。告白された罪はなされなければならず、しかもすでに許されているがゆえに心置き無く実行できると朧は戸川に語る。部屋を出た朧は、その足でテレジアのもとへと向かう。
映画『ゲルマニウムの夜』の結末・ラスト(ネタバレ)
養護院の生徒であるトオル。彼もまた、小宮に性処理をさせられている少年だった。朧はそんなトオルを気にかける。
トオルは、同級生に自慰行為を見られてしまったと朧に相談する。さらに、その同級生に小宮と同じことをさせられたと言って泣き出してしまう。朧は、小宮とその同級生のどっちを先にやるかと聞く。トオルは、自分でなんとかしますと朧に答える。そんなトオルを、朧はそっと抱きしめる。
ベンチに座る朧の隣には、テレジアがいる。ゲルマニウムラジオを聴きながら横たわる朧を、テレジアは膝枕で優しく受ける。そして、テレジアは妊娠したと朧に告白する。
トオルは友人をバットで殴り殺す。その友人の葬儀の後、小宮のもとを訪れたトオル。彼は小宮に、友人を殺したのは小宮と同じことをさせられていたからだと伝える。
今度は犬に性処理をさせる小宮。しかし、犬に自分の男性器を噛まれてしまう。小宮は、今度は自分が犬の性器を舐め始める。
トオルが朧のもとを訪れる。朧は、良くやったとトオルを褒める。それに喜ぶトオルは、朧にお願いをして、朧の男性器を咥える。その様子を、テレジアが見てしまう。テレジアがその場を去った後、朧とトオルは豚小屋の掃除を始めるのだった。
映画『ゲルマニウムの夜』の感想・評価・レビュー
かなりシュールな作品で、これを新井浩文や大森南朋、石橋蓮司が演じているのは凄いことだと思いました。
新井浩文演じる朧の性に対する執着と、死に対する無頓着さ、そして神に対する横暴さがぐちゃぐちゃに入り交じっていて、複雑な朧の心がそのまま作品の世界観に反映されているようでした。
過激なシーンは多いですが、朧が後輩を気にかける様子や、後輩が朧のことを性的な目で見ていて崇拝しているかにも見える描写は朧の持つ魅力を引き出していたような気がします。(女性 30代)
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