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映画『銀色のシーズン』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『銀色のシーズン』の概要:ひと気の無い町営スキー場で迷惑の限りを尽くす、銀、祐治、次郎の三人は、「雪山の何でも屋」として小銭を稼いでいた。ある時、銀はスキーができない花嫁、七海と出会う。

映画『銀色のシーズン』の作品情報

銀色のシーズン

製作年:2007年
上映時間:108分
ジャンル:青春、スポーツ
監督:羽住英一郎
キャスト:瑛太、田中麗奈、玉山鉄二、青木崇高 etc

映画『銀色のシーズン』の登場人物(キャスト)

城山銀(瑛太)
桃山町出身の元ワールドカップスキーヤー。モーグルの日本選手権で数多くの賞を受賞するも、町の人々からの期待に押し潰され競技中に大怪我を負ってしまう。それをきっかけに引退し、今では「雪山の何でも屋」を謳い迷惑行為を繰り返している。山中の山小屋で祐治と次郎と暮らす。
綾瀬七海(田中麗奈)
桃山町の町興しイベントである「雪の教会」で結婚式を挙げるため、旅館はなみずきを訪れた東京人。スキー未経験というだけでなく雪を見るのも初めてという素人だが、式の最後に夫とスキーで退場するという演出のため一人で練習に励む。滑落したところを銀に助けられた。
小鳩祐治(玉山鉄二)
「雪山の何でも屋」の一人。数年前に北海道からやって来た。北海道のモーグルチームに所属していたが、厳しい練習に耐えられず挫折した。障害物スキーを得意とし、町中の手すりを滑りきるチャレンジをしている。
神沼次郎(青木崇高)
「雪山の何でも屋」の一人。数年前に大阪からやって来た。スキーで水上を滑走するため、日々水浸しになりながら練習している。
瀬戸(國村隼)
旅館はなみずきの支配人。町役場や町内会と協力して「雪の教会」を作り、結婚式のプロデュースで町を再建しようと奮闘している。銀の迷惑行為に頭を抱えているが、彼が怪我をしたのは町の責任だと感じており強く注意できずにいる。
エリカ(佐藤江梨子)
はなみずきで働く地元スキーヤー。銀が怪我をした大会を振り返り、瀬戸と同じように彼の引退へ責任を感じている。

映画『銀色のシーズン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『銀色のシーズン』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『銀色のシーズン』のあらすじ【起】

“モーグルの町”を謳う桃山町営スキー場で、城山銀、小鳩祐治、神沼次郎の三人は、雪山の山頂からゲレンデまで勢いよく滑走すると、一般客の間を猛スピードですり抜けた。勢いをそのままに祐治はゲレンデ中の手すりを滑り、次郎は近所の池をスキーで渡ろうと試み、銀はスキージャンプのジャンプ台から飛び出しパラシュートでゲレンデ上空を旋回した。銀は空から「雪山の何でも屋」のビラを撒き散らし、スキー客や町内会の人々を困惑させた。

しかし、「雪山の何でも屋」としての収入が得られずにいた三人は、カモを見つけて当たり屋をしようと思い付いた。

白馬桃駅に降り立った綾瀬七海は、翌日に控えた結婚式のため、旅館はなみずきを訪れた。支配人の瀬戸は、「雪の教会」イベントへの募集第一号である彼女を、スタッフ総出で持てなした。部屋へ通された七海は、自身のウェディングドレスを見て感嘆した。

七海の結婚式への参加人数が80人だと聞いて、町内会をはじめ町役場も色めき立った。山向こうのグランドホテルに客を取られすっかり寂れてしまった町を復興させるため、瀬戸を中心に町中が結婚式を成功させようと意気込んだが、一方で、銀達にイベントを台無しにされるのではないかとみな不安を感じていた。

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映画『銀色のシーズン』のあらすじ【承】

銀と祐治、次郎は、カモとなる男性を見つけわざと接触事故を起こすと、示談金の請求を始めた。そこへ山岳警備隊が訪れ、彼らは男性を解放すると銀に説教をした。

七海は、雪と氷でできた教会の前でスキーの練習をしていた。しかし、彼女はすぐにコースを脱し滑落してしまった。それを見ていた銀は、助ける見返りに7000円を支払うことを条件に、彼女をコースへ戻した。

七海は銀へ、結婚式の最後にライスシャワーを浴びながら退場する際、夫と共にスキーで参列者の間を抜けていくのだと話したが、彼女はスキーどころか雪も見たことがない超初心者だった。銀は一日20000円のコーチ料を条件に、彼女へ滑り方を教えはじめた。しかし、七海は、銀が何度教えてもまともに滑ることができなかった。

その日の夜、七海は旅館にあるスキー資料室で、かつて銀が貰ったトロフィーや賞状を発見した。七海がエリカに銀のことを訪ねると、彼女は5年前に銀が出場した大会のビデオを見せた。元ワールドカップスキーヤーだった銀は、町の期待を一身に背負い、選考会で初めて挑戦する技に挑み大怪我を負った。エリカは、瀬戸をはじめ町中がその事故へ責任を感じていると言った。銀は、毎年山向こうで行われる選考会へ招待されているが、怪我をして以降全て無視しているようだった。

一方、祐治と次郎は一向に小銭を稼げずにおり、山向こうのスキー場で賭けレースをしようと思い付いていた。

映画『銀色のシーズン』のあらすじ【転】

銀は、眠っている祐治と次郎を起こすと、雪崩の危険があり滑れずにいた山の南斜面に向けて大砲を撃った。わざと雪崩を起こした彼らは、翌日、南斜面を制覇した。

瀬戸は、崩壊した「雪の教会」を目の当たりにし放心状態となった。七海もまた、その一報を受け放心した。

町内会は、七海と夫の親族や参列者をはじめ、「雪の教会」を予約している全ての人へイベント中止の電話を掛けて回った。ところが、新郎の関係者へ電話した彼らは、新郎が半年前に交通事故で亡くなっていたことを知る。それを聞いた瀬戸やエリカが七海へ説明を求めようとすると、彼女は置き手紙と挙式費用だけを残し消えていた。

山岳警備隊は、教会を壊した「雪山の何でも屋」を拘束した。さらに、七海の失踪を受け彼女の自殺を心配した町内会と警備隊は、捜索へ踏み切った。

旅館を去った七海は教会の前で立ちすくみ、その後吹雪の雪山を一人彷徨うと、雪庇を踏み抜き滑落してしまった。

銀は、警備隊の制止を振り切り七海を捜しに向かった。彼は雪の中に倒れる七海を見つけると、かまくらを作って悪天候の夜をやり過ごした。

映画『銀色のシーズン』の結末・ラスト(ネタバレ)

翌日下山した二人だったが、銀は七海が町内会の面々に迎えられるのを見届けると教会へ向かった。彼が崩れた教会を見つめていると、そこへスキーウェアを着た七海が現れた。彼女は、夢を諦めてしまった銀を尻目に、何度転んでも斜面を滑りきる練習をした。銀は必死に練習する彼女に「中途半端でごめん」と謝りつつも、手を貸すことができなかった。

七海は、ついに一人で転ばずに雪の上を滑ることができた。彼女は銀へスキー用具を返却し、翌日には東京へ戻ると告げた。銀は寂しげな彼女にキスをしようとしたが、そこへ丁度良く瀬戸が顔を出してしまい、羞恥に溺れた銀は叫びながら山小屋へと帰った。

瀬戸は、「雪の教会」イベントが頓挫した代わりに、自身がワールドカップに出場し町を立て直そうと無謀な計画に挑んだ。山向こうで行われる選考会に出場した瀬戸だったが、小さなジャンプ台に恐怖心が拭えず即座にコースアウト、失格となった。

一方で次郎は、駅のホームで電車を待つ七海を強引にジェットスキーへ乗せると、選考会に出場する銀の姿を見て欲しいと言い彼女を山向こうのスキー場へ連れて行った。

会場は、伝説のスキーヤー城山銀の当日参加に沸いていた。銀は観客の声援に応え技を繰り出そうとしたが、5年前と同様転倒してしまった。倒れたまま動かない銀へ、七海は「立って。最後まで滑って」と呟いた。意識が戻った銀は、担架に乗せられることなく転倒した箇所から自力で滑りきった。七海と町内会の面々は、銀へ大きな拍手を浴びせた。

映画『銀色のシーズン』の感想・評価・レビュー

スポーツを介して諦めない心を説く、王道の青春映画だった。

海猿』がヒットしていた背景に合わせこの映画の宣伝文句には“雪猿”とあったが、「雪山の何でも屋」が人助けをする場面は一切無い。町の繁栄や一般客への配慮が全く無い三人が、最終的に改心するといった描写もない。ラストシーンで銀が諦めない心を取り戻した程度で、それに対して七海が力強い後押しをしたという描写もなかった。

全体を通して登場人物の心の移り変わりを暗示するようなシーンが少ないため、元プロスキーヤーがなんとなく第一線に戻っただけのストーリー展開である。(MIHOシネマ編集部)


ものすごく中途半端なストーリーで、不完全燃焼感が否めません。生まれて初めてスキー場に行った日、スキースクールに入れられた私は3時間で基礎を習得し、自分1人で滑れるようになりました。
それに対して銀にスキーを教えて貰っている七海は高額なコーチ料を支払っているにも関わらず、全く滑れるようになりません。これは完全にコーチの責任でこんなこと、ありえないんです。
そこを映画なんだからと気にせずに見られる人は楽しめる作品だと思います。リアリティを求める方にはオススメしません。(女性 30代)

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