長谷川家は三兄妹と両親、愛犬のさくらが一緒に暮らし、穏やかで幸せな日々を送っていた。しかし、長男の一が他界したことにより、家族の関係がギクシャクしてしまう。父は音信不通になり、次男の薫は家を出て東京で一人暮らしを始めた。
映画『さくら』の作品情報
- タイトル
- さくら
- 原題
- なし
- 製作年
- 2020年
- 日本公開日
- 2020年11月13日(金)
- 上映時間
- 119分
- ジャンル
- ヒューマンドラマ
- 監督
- 矢崎仁司
- 脚本
- 朝西真砂
- 製作
- 大角正
山元一朗
久保雅一
山勝彦
関顕嗣
本庄浩樹
野口英一
中村一政
小松貴子
関顕嗣
宮下昇 - 製作総指揮
- 高橋敏弘
- キャスト
- 北村匠海
小松菜奈
吉沢亮
小林由依
水谷果穂
山谷花純
加藤雅也
趙たみ和 - 製作国
- 日本
- 配給
- 松竹
映画『さくら』の作品概要
累計発行部数55万部を超える西加奈子のベストセラー小説を元に制作された作品。長男の死をきっかけに、長谷川家はバラバラになってしまう。そんな長谷川家に起こった大晦日の温かな奇跡と、家族の絆が描かれた物語。人気俳優の吉沢亮、北村匠海、小松菜奈が長谷川家の三兄妹を演じており、加藤雅也、寺島しのぶ、永瀬正敏ら豪華な俳優陣が共演している。2020年に再始動をしたロックバンド「東京事変」が、映画のために書き下ろした楽曲『青のID』が主題歌に起用されている。
映画『さくら』の予告動画
映画『さくら』の登場人物(キャスト)
- 長谷川薫(北村匠海)
- 長谷川家の次男。大学生。東京で一人暮らしをしている。平凡な青年。兄に劣等感を抱きながらも、憧れていた。
- 長谷川美貴(小松菜奈)
- 長谷川家の長女。男勝りな性格。美人。長男・一のことを慕っており、複雑な思いを抱えている。
- 長谷川一(吉沢亮)
- 長谷川家の長男。二年前に他界している。カッコ良く、周囲からヒーローのように憧れられていた。
映画『さくら』のあらすじ(ネタバレなし)
長谷川家は六人家族。長男の一、次男の薫、長女の美貴、母のつぼみ、父の昭夫、そして愛犬のさくら。長谷川家は平凡で幸せな日々を送っていた。しかし、周囲からヒーローのように深く愛されていた一が他界したことにより、幸せな日常が一変してしまう。母は悲しみに暮れ、父はふらりと家を出て消息を絶った。
二年後。薫は大学生となり、東京で一人暮らしをしていた。ある日、音信不通だった父から、突然家に帰ると手紙が届く。薫は困惑した気持ちを抱えたまま、実家に戻った。久しぶりの家族の再会だったが、どこかよそよそしい空気が流れていた。一が他界してから、長谷川家に流れていた温かな空気はどこかに行ってしまったようだった。薫はさくらが初めて家にやって来た日や、一が彼女を連れて来た日など、過去に思いを馳せた。
映画『さくら』の感想・評価
人気作家・西加奈子のベストセラー小説を映画化
累計発行部数55万部を超える西加奈子のベストセラー小説を元に制作された作品。ヒーローのように愛されていた長男・一の死をきっかけに壊れてしまった家族の、苦悩と絆が描かれた物語。家族がそれぞれ抱える複雑な思いと、大晦日に起こった温かな奇跡に注目して欲しい。
原作者の西加奈子は2004年に、『あおい』で作家デビューを果たす。小説『通天閣』で「織田作之助賞」大賞を受賞するなど人気作家として着実にキャリアを積み上げる中、2013年に小説『きいろいゾウ』が映画化されることになりお茶の間にも名前が浸透するようになった。西加奈子の作品が映画化されるのは、小説『円卓』、児童文学『まく子』に引き続き本作で四作目である。
「東京事変」書き下ろしの新曲が主題歌に
劇中音楽を担当したのは、クラシックピアニストのアダム・ジョージ。日本でもリサイタルを開催しており、世界的に活躍するピアニストである。「UEFA EURO 2012」の開会式に出席し、素晴らしい腕前を披露したことでも大きな話題を集めた。
主題歌を担当したのは、2020年に再始動したロックバンド「東京事変」。アニメ映画『名探偵コナン 緋色の弾丸』(21)の主題歌や日本テレビ系で放送されたテレビドラマ『私たちはどうかしている』(20)の主題歌など、数々の話題作に楽曲を提供している。今回、映画のために書き下ろされた新曲『青のID』が起用されている。ボーカル・椎名林檎の力強い歌声と繊細なメロディーが印象的な楽曲になっている。
人気俳優の吉沢亮、北村匠海、小松菜奈が三兄妹を熱演
豪華なキャストが勢揃いしている。人気者の長男・一役を演じたのは、映画『キングダム』(19)での演技が好評だった俳優の吉沢亮。物語の語り手を担う次男・薫役は、ダンスロックバンド「DISH//」のリーダーとしても活躍する北村匠海。気が強く美人な長女・美貴役は、作品の中で強烈な存在感を放つ女優の小松菜奈。音信不通になる父・昭夫役は、写真家としても活躍する永瀬正敏。一が他界し深い悲しみに襲われる母・つぼみ役は、高い演技力に定評がある女優の寺島しのぶ。
その他、美貴の友人である大友カオル役はアイドルグループ「欅坂46」のメンバーである小林由依、一の恋人・矢嶋優子役は若手女優の水谷果穂、昭夫の友人でゲイバーを営む溝口先史役は、『アンフェア』シリーズなどの話題作に出演している俳優の加藤雅也が務めている。
映画『さくら』の公開前に見ておきたい映画
ストロベリーショートケイクス
矢崎仁司が監督を務めた作品。魚喃キリコ原作の漫画『strawberry shortcakes』を元に制作された作品。四人の女性の日常と恋愛模様が描かれている。女優の池脇千鶴がフリーターの里子、女優の中村優子がデリヘル嬢の秋代、女優の中越典子がOLのちひろ、漫画家の岩瀬塔子がイラストレーターの塔子を演じた。
フリーターの里子は、デリヘルの受付の仕事をしていた。過去に経験した失恋を忘れることができず、心に深い傷を負っていた。里子が働く店に、秋代という女性がいた。彼女はなぜか棺で寝起きしていた。OLのちひろは恋愛に落ちれば、彼氏のことしから考えられなくなるような女性だった。ちひろの同居人の塔子はイラストレーターとして働いていたが、仕事が上手くいっていなかった。四人の日常の行く末とは?
サヨナラまでの30分
北村匠海が俳優の新田真剣佑とダブル主演を務めた作品。映画『東京喰種 トーキョーグール』(17)で長編映画監督デビューを果たした萩原健太郎がメガホンを取った。他界したミュージシャンと、ひょんなことから30分間だけ彼に体を貸すことになった青年・窪田颯太の姿が描かれている。北村匠海は窪田颯太役を務めた。
窪田颯太は人付き合いが苦手な大学生で、就職活動に苦戦していた。ある日、少し汚れたポータブルカセットプレイヤーを見つける。それは、一年前に他界したミュージシャン、宮田アキの物だった。颯太には幽霊となったアキの姿が見えた。アキはもう一度バンドのボーカルとして歌を歌うため、体を貸して欲しいと颯太に頼んだ。颯太は了承するが、アキが颯太の体を借りられるのはカセットテープが再生される30分だけだった。
詳細 サヨナラまでの30分
閉鎖病棟 それぞれの朝
小松菜奈が主要人物の一人である島崎由紀を演じている。帚木蓬生原作の小説を元に制作された作品。歌手のKが主題歌を担当している。主題歌に起用された『光るソラ蒼く』は映画のために書き下ろされた楽曲である。2001年にも映画化されており、島崎由紀役は女優でタレントの上良早紀が務めた。
梶木秀丸は生きながらえた元死刑囚である。死刑執行が成立しなかった後、精神病院に入院することになった。秀丸は病院内で、様々な事情を抱えながら生きる人々に出会う。元サラリーマンのチュウさんは、幻聴に苦しんでいた。そして、病院を退院することを恐れていた。女子高生の島崎由紀はDVを受けており、家庭に居場所がなく孤独を抱えていた。秀丸、チュウさん、由紀はお互いの存在に癒され、温かさを感じていた。
詳細 閉鎖病棟 それぞれの朝
映画『さくら』の評判・口コミ・レビュー
不思議と長谷川家が笑顔になった時に大粒の涙が溢れました。
笑顔になるきっかけはさくら。さくらが居て、長谷川家はどんなボールも受け止めていく。色んな愛の形を感じました。痛くて、柔らかくて、儚くて。匠海くんのナレーションも心にぐっときました。
素敵な映画だ。#映画さくら #映画さくら感想 pic.twitter.com/7TQ6xZUsDs— ゆみか (@takumiiin0317) November 13, 2020
凄く、リアルで、でも少し変わってて、考えさせられる映画だった。途中から涙が止まらなかった。原作の本読んでから観ようと思ってたけど読み切れないまま観たから想像してたのとはいい意味で全く違った。最後に流れる青のIDも、本当にこの映画に合ってて何度聴いても最高だなって思った。 #映画さくら pic.twitter.com/9Fl60lANXE
— サ ガミ ◢⁴⁶🍎🦚 (@Sagami_4480) November 15, 2020
#さくら #映画さくら
#映画さくら感想
普通の家族愛の綺麗な物語じゃないのが非常に良かった。人間臭くて、隠したくなる部分をあえて表に出したお話だったから親しみやすかった。私も兄がいて妹だから美貴の気持ちに共感できるところがあった。愛や家族について考える機会を頂けた気がします。 pic.twitter.com/bWj9Uyo5z6— ありさ (@arisadish) November 15, 2020
『#映画さくら』
愛犬さくらが寄り添う家族の歴史。朗らかな家族の中、明らかに異質な末っ子美貴を演じる小松菜奈の存在感。体育館裏に呼びつけた相手にツバを吐く小松菜奈と友人の小林由依のパートに『風たちの午後』の、長兄への恋慕に『三月のライオン』ら矢崎仁司監督の過去作のエッセンスを見た。 pic.twitter.com/oYIurjgoDX— sail (@hysknttnkk) November 13, 2020
映画『さくら』のまとめ
三兄妹と両親、愛犬のさくらと幸せな日々を送っていた長谷川家。しかし、家族だけでなく友人達からも愛されていた長男の一が他界してしまう。母と長女の美貴は深く悲しみ、父は家を出て音信不通になった。そして、次男の薫は家を出て一人暮らしを始めた。バラバラになった家族は二年後、父から届いた手紙をきっかけに実家に集まった。過去の出来事を振り返りながら、家族の絆を取り戻す様子が描かれている。切なさや悲しさと共に、家族愛と明日への希望が感じられる物語になっている。
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