手間と時間を要する、ストップモーション・アニメーション。しかし、それだからこそ出せる魅力が確かに存在する。ゴールデングローブ賞でアニメ映画賞を獲得した名作が、とうとう日本上陸。
映画『ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒』の作品情報
- タイトル
- ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒
- 原題
- Missing Link
- 製作年
- 2019年
- 日本公開日
- 2020年11月13日(金)
- 上映時間
- 95分
- ジャンル
- アドベンチャー
- 監督
- クリス・バトラー
- 脚本
- クリス・バトラー
- 製作
- アリアンヌ・サトナー
トラビス・ナイト - 製作総指揮
- 不明
- キャスト
- ヒュー・ジャックマン
ゾーイ・サルダナ
デビッド・ウォリアムズ
スティーブン・フライ
マット・ルーカス
ティモシー・オリファント
アムリタ・アチャリア
チン・バルデス=アラン - 製作国
- アメリカ
- 配給
- ギャガ
映画『ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒』の作品概要
これまで、海外のアニメーション作品の中でも傑作が次々と生まれてきた。そして、2019年、新たな名作がこの世に送り出される。作品を手がけるのは、これまで『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』などの名作にも携わってきた、ストップモーション・アニメーションのプロ中のプロであるスタジオライカ。過去の実績から、本作のクオリティの高さも証明されたも同然。キャスト陣にも超一流の俳優陣ばかりをそろえた、なんとも豪華な一作となっている。
映画『ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒』の予告動画
映画『ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒』の登場人物(キャスト)
- ライオネル・フロスト(ヒュー・ジャックマン)
- 探検家。野心家で、自身の実力を周囲に認めさせたいと思っている。Mr.リンクと、世界を股にかける大冒険に出る。
- Mr.リンク(ザック・ガリフィアナキス)
- 人類の遠い祖先である、『生きたカセキ』。フロストと共に、どこかにいるはずである自分の仲間を探す旅に出る。
映画『ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒』のあらすじ(ネタバレなし)
ライオネル・フロスト卿は、自らを『神話と怪獣研究の第一人者』と称する人物。プライドの高い彼は、自らの才能を周囲に認めさせるため、伝説の生物を探す旅へと出かけるのだった。そんな冒険の中で、ライオネルはとんでもない存在と遭遇する。それは、人類の遠い祖先だといわれる、生きた化石『ミッシング・リンク』である。しかし、そんなミッシング・リンクの生き残りも彼一人になってしまったという。Mr.リンクの孤独を埋めるため、そして、自身の名を世界に轟かせるため、ライオネルはリンクと共に、リンクの仲間を探す旅に出かけるのだった。その目的地は、伝説の場所、『シャングリラ』。しかし、その冒険は前途多難の旅だった!
映画『ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒』の感想・評価
批評家絶賛の一作
本作は海外では2019年に既に公開済み。そして、この作品の名前を検索してみると、『興行収入的には大失敗』という言葉が出てくる。確かに、本作は興行収入的には約1億ドル以上の赤字を出すという悲惨な結果に終わってしまった。しかし、一方で批評家の意見を見てみると、こぞって大絶賛の嵐。ゴールデングローブ賞でもアニメ映画賞を獲得するなど確実に高評価を得ているのだ。なぜ、これで興行収入に繋がらないのかが分からないほどの評価の高さである。興行収入イコール面白さではないことを教えてくれる作品。興行収入だけを見て、本作を見ないというのはまさしく愚の骨頂。批評家も保証するクオリティの高い海外アニメーションを楽しもう。
職人集団
本作の製作を手掛けているのは、スタジオライカ。スタジオライカは、ストップモーション・アニメーションというジャンルにおいて世界最高峰のクオリティを誇っている。ストップモーション・アニメーションとは、物体を1コマずつ動かし、それを連続して流すことで静止した映像がまるで動いているように見えるという手法である。果てしなく時間と手間がかかるジャンルである。これまで『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』や『コララインとボタンの魔女』などの傑作を生み出してきた、まさにハイセンスなプロ集団。これらの作品が好きな人であれば、ハマること間違いなしの一作。CG技術が発展した現代においても、以前、ストップモーション・アニメーションの魅力は衰えない。
映画『ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒』の公開前に見ておきたい映画
コララインとボタンの魔女
アニメーション作品を得意とするのは、何も日本に限った話ではない。海外のアニメーションにもまた、世界に誇るべき名作が多くある。本作はその一つ。少女、コララインは両親と共にピンクパレスアパートへと越してきた。しかし、両親は多忙で、いつもコララインは一人ぼっち。そんなある日、彼女は自宅の壁に隠された謎の扉を見つける。その扉を潜ってみると、そこにはもう一つの世界が広がっていた。その世界の両親は優しく、コララインと時間を共有してくれる。すっかりその世界を気に入ったコララインだったが、その世界には一つのルールがあった…。そして、最新作は本作と同じアニメーションスタジオで製作されている。本作を見れば、最新作への期待も自ずと上がるはず。
詳細 コララインとボタンの魔女
タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密
主人公が、自身が追い求める宝のために全世界を旅する海外アニメーション作品という点で、最新作と共通点がある一本。元々はベルギーの漫画家であるエルジェが発表した作品で、長年人々から愛され続けてきた名シリーズ。主人公であるタンタンは、愛犬スノーウィと行動する少年記者。彼はある日、蚤の市でユニコーン号という船の模型を購入する。すると、サッカリンという男がその船を購入したいとせがんできた。サッカリンのあまりの必死なその態度に、この模型には何か隠されていると睨んだタンタン。調査を進めていくと、かつて海底に沈んだ財宝が関わっていることを突き止める。そして、模型を諦めきれないサッカリンの魔の手が、タンタンに伸びていた。
カーズ
最新作も受賞した、『ゴールデングローブ賞アニメ映画賞』。ゴールデングローブ賞とは、アカデミーの前哨戦としても注目が集まる、歴史ある賞である。しかし、この『アニメ映画賞』部門が設立されたのは、意外なことに2007年と近年のことなのである。そして、記念すべき第一回で見事受賞を果たしたのが今作。主人公は、なんと人間ではなくカーレースに登場する車。その中でもトップレベルの実力を誇る人気レーサー、ライトニング・マックィーンが主役である本作。しかし、彼は大きな試合を前にして、ちょっとした手違いからルート66の近くにあるラジエーター・スプリングスという田舎に迷い込んでしまう。田舎町に住むオンボロな車達を馬鹿にするマックィーンだったが…?彼らとの友情を介して、さらに大きくなっていくマックィーンの成長の物語。
詳細 カーズ
映画『ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒』の評判・口コミ・レビュー
『ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒』映画館にて141本目。
“多様性”の新たなアプローチを試みたスタジオライカの意欲作。アニメ疎い勢としてはストップモーションアニメがここまで動きが滑らかなことに驚きを隠せない。人が種族を越えても理解し合い共存できる社会を望む。 #EDDIE映画2020 pic.twitter.com/KaymeyoFqH— EDDIE@Kings31-41👑 (@eddie2yuji) November 15, 2020
ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒
自分の功績を作るため進化の過程を探しに冒険する物語。
ライカらしいストップモーションでこれを作り上げたという熱意と表現力が凄まじい作品で、話もインディジョーンズのような昔ながらの冒険活劇が楽しく、居場所と本当の自分を見つける良い物語でした。 pic.twitter.com/Lw0Iky4qii— カプカ (@sincos93990721) November 15, 2020
ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒、鑑賞!尊大なミステリーハンター、ライオネルが出逢ったのは凶暴な伝説のUMA…に見せかけた無垢で雄弁な青年だった、から始まる大冒険活劇!西部劇からインセプション(!)までふんだんに盛り込まれたアクションと不器用な友情の顛末が胸を打つ。良作! pic.twitter.com/RY7lu7oUuR
— 梶原一郎 (@robosuretaroji_) November 15, 2020
ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒。楽しみにしていたLAIKAの新作。今回も映像が本当に素晴らしい。エンドロールまでしっかり楽しませてくれて最高!物語は粗削りな印象もあったけれど、ゆるく楽しむ分にはちょうど良い。ラストのアクションにはアニメながら手に汗を握った。 #映画 pic.twitter.com/3yNXcInbVh
— misuzu (@msz0918) November 15, 2020
『ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒』
ストップモーションアニメのクオリティが異常に凄すぎて本当に凄いのかよくわからなくなってくるLAIKAの最新作。物語の意外性に期待しすぎると良くないことは前作で学習済み。スラップスティックな西部劇アドベンチャーって感じで超楽しかったです。 pic.twitter.com/Ip0IytKc8f— ketsuya (@cristofornu) November 15, 2020
映画『ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒』のまとめ
本作は、間違いなく名作である。それは、ゴールデングローブ賞でアニメ映画賞を受賞したことや、批評家からの高い評価からも理解できる。しかし、いくら名作であっても、興行収入が振るわないと製作陣は大打撃をくらってしまうのだ。また、映画館での上映期間も短くなり、テレビなどでも放送される機会が減る、といった負のスパイラルに陥ってしまうことだってある。製作陣が込めたこれだけの情熱が籠もった作品が評価されないとなると、映画ファンとしては恥ずべき事態である。これから上映される日本では、名作が埋もれてしまうことがないように、ぜひ劇場に足を運ぼう。
みんなの感想・レビュー