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映画『ゴシカ』あらすじネタバレ結末と感想

映画『ゴシカ』の概要:夫の殺害容疑をかけられた精神分析医が、鍵を握る少女の正体と真実を探るホラーサスペンス。主演はハル・ベリー。メガホンを取ったのは、本作がハリウッド映画監督デビュー作となったマチュー・カソヴィッツ。

映画『ゴシカ』 作品情報

ゴシカ

  • 製作年:2003年
  • 上映時間:97分
  • ジャンル:ホラー、サスペンス、ミステリー
  • 監督:マチュー・カソヴィッツ
  • キャスト:ハリー・ベリー、ロバート・ダウニー・Jr、ペネロペ・クルス、チャールズ・S・ダットン etc

映画『ゴシカ』 評価

  • 点数:50点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★☆☆☆
  • キャスト起用:★★☆☆☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★☆☆☆

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映画『ゴシカ』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『ゴシカ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『ゴシカ』 あらすじ【起・承】

女子刑務所の精神科病棟で分析医をしているミランダは、悪魔にレイプされたと話す囚人のクロエに手を焼いていた。

ある日の帰り道、雨の影響で迂回する途中で白人の少女を轢きそうになってしまう。
怪我をしていた少女に話しかけた直後、彼女は炎に包まれ、ミランダの記憶は途切れた。

独房で目覚めたミランダは、上司であり夫でもあるダグの死と、自分が容疑者だという事実を知らされる。
そして、これまでとは立場が逆転したミランダの周囲で、不可解なことが起こり始める。

シャワールームで少女の幻覚に腕を傷つけられるが、周囲から見れば自傷行為だった。
もともと面識のあった弁護士のテディーや保安官のボブ、主治医になった同僚のピートも、ミランダは病気だと確信。
しかし現場写真の中に「一人じゃない(NOT ALONE)」という文字を見つけたミランダは、腕の傷痕と同じだと気付いて錯乱する。

記憶が戻り始めたミランダは、ダグが死んだ現場に自分ともう一人の人間がいたことを思い出す。
自分に好意を持つピートを信用できないミランダは、別の同僚フィルに相談するが、路上にいた少女が自殺した彼の娘レイチェルだとわかり愕然とする。

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映画『ゴシカ』 結末・ラスト(ネタバレ)

独房の鍵が開き、導かれるようにしてピートの部屋に忍び込んだミランダは、クロエに危険が迫っていることを知る。
クロエは、炎に焼かれる女性のタトゥーを入れた男に襲われていた。

クロエの話は真実で、レイチェルの幽霊は、レイプ被害にあった無念を自分に訴えていると確信するミランダ。

別の独房に入れられるが、そこでレイチェルの霊がミランダに襲い掛かる。
驚いた職員が駆けつけると、ミランダは鍵を奪って逃走。
親しかった職員ジョーに手助けされ、事件現場の自宅に戻る。
そして彼女はダグを殺した瞬間を思い出すが、レイチェルに憑りつかれてやったことだった。

ダグとの最後の電話で、農園の納屋の話をしたのを思い出してそこへ急ぐ。
納屋の地下には、ダグが少女を誘拐してレイプした証拠と被害者少女が残されていて、ミランダを追ってきたボブは事件をFBIに委ねた。

保安官事務所に勾留されたミランダは、「一人じゃない」の意味に気付いて、ボブに意見を話す。
クロエをレイプしたタトゥーの男が、ダグと組んで少女たちをレイプしていたもう一人の犯人だったのだ。
それはボブだった。

襲われるミランダだったが、ボブとダグの被害にあっていたレイチェルに助けられ、ボブは炎の中で死んだ。

1年後。
クロエと別れの言葉を交わしたミランダは、路上に立つ少年の姿を見つける。
しかし、その少年は幽霊だった。

映画『ゴシカ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『ゴシカ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

ミスキャストが多い

共演としてペネロペ・クルスの名前がクレジットされている作品だが、中身を見ると、彼女の登場シーンはほとんど無い。
義父から性的虐待を受けた末に殺害、刑務所内ではボブに強姦被害を受けているというミランダの患者クロエを演じているのだが、ペネロペ・クルスの魅力が全く生かされていないのだ。
これはミスキャストと言えるだろう。

一方、主演のミランダ役のハル・ベリーは、身に覚えのない夫を殺害した容疑で、これまでとの立場が逆転してしまうという悲劇的な役柄にも関わらず、見ている側に悲痛な様子が伝わってこない。
ミランダというキャラクターの魅力である、芯の通った強い女性という部分を強調しすぎているせいだ。
後半ではレイプ犯のボブを追い詰めるという行動への説得力につながってくるのだが、前半では物足りなさを感じさせてしまう。

また、いかにも悪人顔に見える夫ダグ役のチャールズ・S・ダットンとつりあわない、という見た目の問題にも首を捻ってしまう。

中途半端なストーリー展開

ホラーミステリーとしてはありがちな展開だが、夫殺害に関してミランダが本当に心を病んでしまったのか、それとも幽霊が原因なのか、真犯人は別にいるのかとやきもきさせる演出は上手い。
周囲は心を病んでしまったと判断し、何を言っても信用されないという展開も、ありがちなのにハラハラドキドキさせる魅力がある。

「NOT ALONE」が意味するものが何なのか、という部分も含め、謎が謎を呼ぶストーリーに仕上がっている。
独房から逃げ出し、プールの中に潜って警備員をやり過ごす場面で、急に出てくるレイチェルの幽霊にもドキッとさせられる。
しかし、職員のひとりがミランダを逃がす手伝いをするのには、違和感が残る。

脱出し、自宅で全てを思い出して、ボブに見つかってからは完全にダレてしまうのが勿体ないところ。

レイチェルの幽霊に取り憑かれていたとはいえ、ダグを殺したのはミランダなのに、1年後には普通に暮らしている様子なのもツッコミどころ。
刑には問われなかったのかが気になってしまう。

ラストで少年の幽霊を見るミランダという終わり方には、スッキリしないものを感じる。


前半は先が読めない展開でドキドキできたのですが、ミランダが幽霊にとりつかれて殺人を犯してしまっていたと分かってから、一気にテンポが悪くなってしまい少し残念でした。
クロエを演じたペネロペ・クルスの演技力が素晴らしく、不気味で謎めいた雰囲気を醸し出していたので作品の世界観を引き締めていたと思います。
ハル・ベリーはどうしても「強い女」というイメージがあり、立場が逆転してからも、きっと彼女は何とかなるのだろうと感じてしまいました。(女性 30代)

映画『ゴシカ』 まとめ

怖がらせる演出がうまく、プールの中で突然目の前に現れるレイチェルの幽霊、シャワールームの中で出てくる顔の歪んだ人々など、ドキリとさせられるシーンが多い。
最初にレイチェルの幽霊とミランダが遭遇するシーンの、炎に包まれるレイチェルの姿は垢抜けない合成感たっぷりだが、驚かせるだけなら十分だろう。

後半とオチにしこりが残る作品で、好き嫌いが別れるホラーミステリー映画だ。

ハル・ベリーのファンなら一見の価値があるかもしれない。
ペネロペ・クルスは脇役に徹している感覚なので、彼女のファンはガッカリする可能性が高い。

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