この記事では、映画『ゴシカ』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ゴシカ』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『ゴシカ』 作品情報
- 製作年:2003年
- 上映時間:97分
- ジャンル:ホラー、サスペンス、ミステリー
- 監督:マチュー・カソヴィッツ
- キャスト:ハリー・ベリー、ロバート・ダウニー・Jr、ペネロペ・クルス、チャールズ・S・ダットン etc
映画『ゴシカ』 評価
- 点数:50点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★☆☆☆
- キャスト起用:★★☆☆☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★☆☆☆
[miho21]
映画『ゴシカ』 あらすじネタバレ(起承転結)
映画『ゴシカ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『ゴシカ』 あらすじ【起・承】
女子刑務所の精神科病棟で分析医をしているミランダは、悪魔にレイプされたと話す囚人のクロエに手を焼いていた。
ある日の帰り道、雨の影響で迂回する途中で白人の少女を轢きそうになってしまう。
怪我をしていた少女に話しかけた直後、彼女は炎に包まれ、ミランダの記憶は途切れた。
独房で目覚めたミランダは、上司であり夫でもあるダグの死と、自分が容疑者だという事実を知らされる。
そして、これまでとは立場が逆転したミランダの周囲で、不可解なことが起こり始める。
シャワールームで少女の幻覚に腕を傷つけられるが、周囲から見れば自傷行為だった。
もともと面識のあった弁護士のテディーや保安官のボブ、主治医になった同僚のピートも、ミランダは病気だと確信。
しかし現場写真の中に「一人じゃない(NOT ALONE)」という文字を見つけたミランダは、腕の傷痕と同じだと気付いて錯乱する。
記憶が戻り始めたミランダは、ダグが死んだ現場に自分ともう一人の人間がいたことを思い出す。
自分に好意を持つピートを信用できないミランダは、別の同僚フィルに相談するが、路上にいた少女が自殺した彼の娘レイチェルだとわかり愕然とする。

映画『ゴシカ』 結末・ラスト(ネタバレ)
独房の鍵が開き、導かれるようにしてピートの部屋に忍び込んだミランダは、クロエに危険が迫っていることを知る。
クロエは、炎に焼かれる女性のタトゥーを入れた男に襲われていた。
クロエの話は真実で、レイチェルの幽霊は、レイプ被害にあった無念を自分に訴えていると確信するミランダ。
別の独房に入れられるが、そこでレイチェルの霊がミランダに襲い掛かる。
驚いた職員が駆けつけると、ミランダは鍵を奪って逃走。
親しかった職員ジョーに手助けされ、事件現場の自宅に戻る。
そして彼女はダグを殺した瞬間を思い出すが、レイチェルに憑りつかれてやったことだった。
ダグとの最後の電話で、農園の納屋の話をしたのを思い出してそこへ急ぐ。
納屋の地下には、ダグが少女を誘拐してレイプした証拠と被害者少女が残されていて、ミランダを追ってきたボブは事件をFBIに委ねた。
保安官事務所に勾留されたミランダは、「一人じゃない」の意味に気付いて、ボブに意見を話す。
クロエをレイプしたタトゥーの男が、ダグと組んで少女たちをレイプしていたもう一人の犯人だったのだ。
それはボブだった。
襲われるミランダだったが、ボブとダグの被害にあっていたレイチェルに助けられ、ボブは炎の中で死んだ。
1年後。
クロエと別れの言葉を交わしたミランダは、路上に立つ少年の姿を見つける。
しかし、その少年は幽霊だった。
映画『ゴシカ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ゴシカ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
ミスキャストが多い
共演としてペネロペ・クルスの名前がクレジットされている作品だが、中身を見ると、彼女の登場シーンはほとんど無い。
義父から性的虐待を受けた末に殺害、刑務所内ではボブに強姦被害を受けているというミランダの患者クロエを演じているのだが、ペネロペ・クルスの魅力が全く生かされていないのだ。
これはミスキャストと言えるだろう。
一方、主演のミランダ役のハル・ベリーは、身に覚えのない夫を殺害した容疑で、これまでとの立場が逆転してしまうという悲劇的な役柄にも関わらず、見ている側に悲痛な様子が伝わってこない。
ミランダというキャラクターの魅力である、芯の通った強い女性という部分を強調しすぎているせいだ。
後半ではレイプ犯のボブを追い詰めるという行動への説得力につながってくるのだが、前半では物足りなさを感じさせてしまう。
また、いかにも悪人顔に見える夫ダグ役のチャールズ・S・ダットンとつりあわない、という見た目の問題にも首を捻ってしまう。
中途半端なストーリー展開
ホラーミステリーとしてはありがちな展開だが、夫殺害に関してミランダが本当に心を病んでしまったのか、それとも幽霊が原因なのか、真犯人は別にいるのかとやきもきさせる演出は上手い。
周囲は心を病んでしまったと判断し、何を言っても信用されないという展開も、ありがちなのにハラハラドキドキさせる魅力がある。
「NOT ALONE」が意味するものが何なのか、という部分も含め、謎が謎を呼ぶストーリーに仕上がっている。
独房から逃げ出し、プールの中に潜って警備員をやり過ごす場面で、急に出てくるレイチェルの幽霊にもドキッとさせられる。
しかし、職員のひとりがミランダを逃がす手伝いをするのには、違和感が残る。
脱出し、自宅で全てを思い出して、ボブに見つかってからは完全にダレてしまうのが勿体ないところ。
レイチェルの幽霊に取り憑かれていたとはいえ、ダグを殺したのはミランダなのに、1年後には普通に暮らしている様子なのもツッコミどころ。
刑には問われなかったのかが気になってしまう。
ラストで少年の幽霊を見るミランダという終わり方には、スッキリしないものを感じる。
前半は先が読めない展開でドキドキできたのですが、ミランダが幽霊にとりつかれて殺人を犯してしまっていたと分かってから、一気にテンポが悪くなってしまい少し残念でした。
クロエを演じたペネロペ・クルスの演技力が素晴らしく、不気味で謎めいた雰囲気を醸し出していたので作品の世界観を引き締めていたと思います。
ハル・ベリーはどうしても「強い女」というイメージがあり、立場が逆転してからも、きっと彼女は何とかなるのだろうと感じてしまいました。(女性 30代)
精神科医のミランダが、自分自身が患者になっていく展開が衝撃的でした。ハル・ベリーの演技がとにかく素晴らしく、混乱と恐怖がリアルに伝わってきます。幽霊の存在や夫の秘密が明かされていく過程で、物語がどんどん深くなっていくのが魅力的。特に夫が真犯人だったと明かされた時の絶望感と怒りは圧巻。ラストの展開も後味の悪さを残しつつ、希望もある不思議なバランスでした。(30代 女性)
最初は典型的な精神系サスペンスかと思っていましたが、途中から霊的要素が加わって一気に怖さが増しました。ハル・ベリーが演じるミランダの混乱ぶりがとてもリアルで、視聴者も彼女と同じ目線で真実を探すことになります。夫の裏切り、少女の死、全てのピースが最後に繋がる構成も見事。幽霊が単なるホラー要素ではなく、重要な役割を果たす点が新鮮でした。(40代 男性)
映画の冒頭から漂う不気味な雰囲気に引き込まれました。精神病棟の舞台も不安をあおり、誰も信じられない状況でのサバイバルが始まります。幽霊の正体が、実は助けを求めていた少女の魂だったと分かった時は涙が出ました。夫が連続レイプ犯だったという衝撃の事実にはゾッとさせられ、女性として強く共感しました。恐怖とサスペンスのバランスが絶妙な作品です。(20代 女性)
一度見ただけでは理解しきれない複雑さと、繰り返し見たくなる伏線の多さが魅力です。途中までは幽霊による幻覚かと思わせながら、実はミランダが真実に導かれていたという構造が巧み。夫の冷酷さと、彼女の周囲の人間の変化が恐ろしく描かれていて、どこまで信じていいのか分からない心理戦も面白かったです。スリラー好きにはたまらない一本。(50代 男性)
ハル・ベリーの熱演が本作の一番の見どころだと思います。医師から突然容疑者になり、信じてもらえない恐怖に直面する彼女の姿は、見ていて本当に辛くなりました。ホラー要素は強すぎず、あくまでサスペンスとして楽しめるバランスが絶妙。夫の裏の顔が暴かれる終盤は、スリリングで見応えがありました。思っていた以上に深いテーマ性も感じました。(30代 男性)
「自分が信じていたものが全て嘘だった」そんな衝撃を見事に描いた作品。ミランダが徐々に記憶を取り戻し、自分の身に何が起きたのかを探る過程は非常にスリリング。何より怖いのは人間そのもので、幽霊よりも夫の裏の顔のほうがよほど恐ろしかったです。真実を知る勇気、正義を貫く強さに心打たれました。心理スリラーとして非常に完成度が高いです。(20代 男性)
夫を愛していたミランダが、知らずに凶悪犯罪者と寝食を共にしていたという事実があまりにもショックで、観ていて複雑な気持ちになりました。幽霊=怖い存在という単純な構図ではなく、被害者の無念を伝える“声”として描かれていたのが印象的。ジャンル的にはサイコスリラーに分類されるかもしれませんが、人間の感情に深く刺さるドラマでもあります。(40代 女性)
本作の構成は非常にうまく練られており、前半の混乱が後半になるほど鮮明に繋がっていくのが心地よかったです。精神病院の閉塞感や、信頼していた人が一変する怖さなど、リアルな恐怖が満載。夫がサイコパスだったという展開は唐突ですが、伏線の回収が丁寧なので納得感もありました。ハル・ベリーの演技で最後まで引っ張られる映画でした。(50代 男性)
夫の裏切りと、ミランダの追い詰められた精神状態がリアルに描かれていて、まるで彼女の心の中を旅しているような気分でした。ホラーというよりはサスペンス要素が強く、精神的な怖さがじわじわ来ます。幽霊が本当にミランダを助けようとしている存在だったと分かった時には、安心と悲しみが同時に押し寄せてきました。重厚で見応えある一本です。(20代 女性)
映画『ゴシカ』を見た人におすすめの映画5選
シャッター アイランド
この映画を一言で表すと?
真実が二転三転する、精神を揺さぶる傑作サイコスリラー。
どんな話?
連邦保安官テディが精神病院から脱走した女性の捜査に訪れた孤島で、次々と謎に包まれた出来事に巻き込まれていく。自身の過去や病院の陰謀が明らかになる中、テディが直面する“真実”とは――。
ここがおすすめ!
精神と現実の境界線が崩れていく感覚が『ゴシカ』に似ています。レオナルド・ディカプリオの鬼気迫る演技と、終盤の衝撃のどんでん返しが見どころ。観終えた後にもう一度観たくなる作品です。
シックス・センス
この映画を一言で表すと?
「見える」少年と精神科医が紡ぐ、心震えるゴースト・サスペンス。
どんな話?
霊が見える能力を持つ少年と、彼を助けようとする精神科医との交流を描いた物語。次第に明らかになる少年の恐怖と精神科医の秘密が交錯し、ラストに誰もが息をのむ展開が待っている。
ここがおすすめ!
幽霊が登場するサスペンスでありながら、感動的な人間ドラマも融合。『ゴシカ』と同様に、霊的存在が真実を導くカギになる構造が秀逸で、静かな怖さと切なさが心に残ります。
ザ・スケルトン・キー
この映画を一言で表すと?
南部の呪術と陰謀が絡み合う、濃密ゴシックホラー。
どんな話?
ルイジアナの古い屋敷で働くことになった介護士が、家の中に漂う奇妙な空気と呪術的な儀式に巻き込まれていく。不可解な出来事の裏にある恐るべき真実とは――。
ここがおすすめ!
閉鎖空間、信じる者しか引き込まれない呪術、予測不能のラスト…『ゴシカ』同様に女性主人公が謎に迫る展開が魅力。静かに恐怖を積み上げていく演出と、緻密なストーリーが印象に残ります。
オーガスト・ウォーズ(原題:The Others)
この映画を一言で表すと?
光を嫌う家族が住む屋敷に潜む、静かで確かな恐怖。
どんな話?
戦争で夫を失った女性と2人の子どもが暮らす館で、奇怪な現象が起こり始める。光に過敏な子どもたち、怪しい使用人、次第に明らかになる屋敷の秘密と“本当の住人”とは…。
ここがおすすめ!
ニコール・キッドマンの繊細な演技が光る心理ゴシックホラー。『ゴシカ』と同様、真実がわかると一気に視点が変わる構成が魅力。何気ない静けさが恐怖を増幅させる名作です。
ジェーン・ドウの解剖
この映画を一言で表すと?
死体解剖室が舞台の、想像を絶する密室スリラー。
どんな話?
検視官の親子が身元不明の遺体“ジェーン・ドウ”の解剖を進めるうち、体内に残された謎と異常な現象に気付き始める。時間が経つごとに、恐怖が加速していく――。
ここがおすすめ!
ワンシチュエーションでここまで緊迫感が出せるのかと驚く傑作。『ゴシカ』のような霊的要素と謎解きのサスペンスが好きな方に特におすすめ。死体がすべてを語るという斬新な構成も見逃せません。
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