12000作品を紹介!あなたの映画図書館『MIHOシネマ』

映画『セックスと嘘とビデオテープ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『セックスと嘘とビデオテープ』の概要:夫への不信や妹との不仲により情緒不安定になっているアンは、夫の知人グレアムとの出会いを機に、自身の本心に向き合い始める。誰しもが自分に嘘をついていることを、若かりしスティーブン・ソダーバーグが痛烈にあぶり出したヒューマンドラマ。

映画『セックスと嘘とビデオテープ』の作品情報

セックスと嘘とビデオテープ

製作年:1989年
上映時間:100分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:スティーヴン・ソダーバーグ
キャスト:アンディ・マクダウェル、ジェームズ・スペイダー、ピーター・ギャラガー、ローラ・サン・ジャコモ etc

映画『セックスと嘘とビデオテープ』の登場人物(キャスト)

アン(アンディ・マクダウェル)
専業主婦。夫とはセックスレス、妹とは不仲が続き、情緒不安定なため精神科に通っている。潔癖症。
グレアム(ジェームズ・スペイダー)
アンの夫の旧友。性体験を語る女性を撮影したビデオテープを収集している。
ジョン(ピーター・ギャラガー)
アンの夫の有能な弁護士。傲慢で常に自身に溢れている。アンの妹と浮気をしている。
シンシア(ローラ・サン・ジャコモ)
アンの妹。自由奔放で芸術肌。アンと同じ街に住んでおり、ジョンと浮気している。

映画『セックスと嘘とビデオテープ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『セックスと嘘とビデオテープ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『セックスと嘘とビデオテープ』のあらすじ【起】

専業主婦のアンは一見何不自由ない暮らしを送っているが、夫ジョンや妹シンシアとの関係が上手くいかず、フラストレーションを抱えている。アンは精神科に通っているが、心の平穏は得られない。ジョンはアンに隠れてシンシアと浮気している。

ある日、ジョンの旧友のグレアムが9年振りに街へ戻って来る。ジョンはグレアムを自宅に泊めることをアンに無断で決め、アンはそのことが気に食わない。

予定より早く到着したグレアムを、アンは戸惑いながら家に迎え入れる。アンは弁護士事務所にいるはずのジョンに、グレアム到着の旨を電話する。ジョンはシンシアの家で浮気をしている最中で事務所を不在にしている。アンとグレアムはぎこちなく会話する。

夕食時、ジョンは久々に会うグレアムの変貌ぶりに嫌悪感を顕にする。グレアムは刺々しい雰囲気のアンとジョンを観察している。

翌日からグレアムは部屋探しを始め、アンはグレアムを手伝う。アンとグレアムが留守の間、ジョンはシンシアを自宅に呼び寄せる。ジョンとシンシアは、普段はアンとジョンが眠っているベッドで性交する。

レストランで、アンとグレアムはお互いの個人的な話を語りあう。アンは男女のセックス観の違いについて述べる。グレアムがアンの考えを簡潔に表す一節を引用してみせると、アンはグレアムに感心する。グレアムは、自分が現在は性的不能であることを打ち明ける。

その夜、アンは眠るジョンをベッドに残し、別室のソファで寝ているグレアムをしばし見つめる。グレアムは寝たふりをしている。

翌日、アンはシンシアの家を訪ねる。アンがグレアムについて話す様子から、シンシアはアンがグレアムに興味を持っていることに気付く。シンシアはグレアムを陥落してみせると言って、アンを挑発する。アンは母親の誕生日プレゼントについてシンシアに意見を求めるが、シンシアは母親に興味が無い。

シンシアはどこかで真珠のイヤリングを失くしたことに気付く。

映画『セックスと嘘とビデオテープ』を無料視聴できる動画配信サービスと方法
映画『セックスと嘘とビデオテープ』を無料視聴できる動画配信サービスと方法を分かりやすく紹介しています。

映画『セックスと嘘とビデオテープ』のあらすじ【承】

グレアムは、新居で一人、ある映像に見入っている。グレアムは、性体験を赤裸々に語る女性を撮影し、ビデオテープに収めてコレクションしている。グレアムはこれらのビデオを観ているときだけ、性的興奮を覚える。

突如、アンがグレアムを訪ねてくる。グレアムはビデオを止め、何事もなかったかのようにアンを出迎える。アンは並んでいるビデオテープに目を留め、グレアムに内容を尋ねる。グレアムがテープの内容について話すと、アンは激しく狼狽しその場から逃げるように去っていく。

アンはシンシアに電話をし、グレアムは危険だから近づくなと警告する。シンシアは、姉が何故グレアムを怖がり始めたのか興味を持つ。

シンシアはグレアムの家を訪問する。シンシアは、陳列されているビデオテープの内容をグレアムに質問し、アンがグレアムを恐れる原因はこのテープだと気付く。グレアムはシンシアにビデオ出演を依頼する。シンシアはカメラに向かって自身の性体験を語るうちに饒舌になり、グレアムの前で自慰をする。

興奮したシンシアは、グレアムの家を出た後にジョンを自宅へ呼ぶ。ジョンは重要な顧客との予定を変更して、シンシアの家へ向かう。

シンシアはアンに電話をかけ、グレアムのビデオに出演したことを話す。アンはシンシアをふしだらだと非難する。

翌日、アンは母親へのプレゼントを購入した後、シンシアが働くバーを訪れる。アンがプレゼントを見せると、シンシアはアンのセンスの悪さを笑い折半した代金を払う。アンは怒って店を出て行く。

映画『セックスと嘘とビデオテープ』のあらすじ【転】

ある夜、アンは寝ているジョンを起こし、先日事務所へ電話した際にジョンが不在だった理由を尋ねる。アンはジョンの浮気を疑うが、ジョンは否定し何とかアンを丸め込む。アンはジョンが浮気していないと信じる。

翌日、シンシアは自宅へやって来たジョンに、グレアムのビデオに出演したことを話す。ジョンはグレアムを激しく罵る。シンシアは、自身の行動を棚に上げて全てをグレアムのせいにするジョンに呆れ返り、絶縁を言い渡す。

家中を掃除している最中、アンはベッドの下に落ちていた真珠のイヤリングを発見する。イヤリングがシンシアのものだと気付いたアンは、理性を失い思わず車に飛び乗る。

いつの間にか、アンはグレアムの家の前まで来ている。アンはグレアムに、ジョンの浮気について話す。アンは、グレアムがジョンの浮気を知っていながらアンに教えなかったことにショックを受ける。アンはグレアムに自分を撮るよう頼む。グレアムはアンの撮影を始める。

その夜、アンはジョンに離婚を切り出す。アンがグレアムのビデオに出演したことを打ち明けると、ジョンは憤慨してグレアムの家に車で押しかける。

ジョンは、グレアムを殴りつけて家の外へ閉め出す。ジョンはアンが写っているビデオテープを再生する。

映画『セックスと嘘とビデオテープ』の結末・ラスト(ネタバレ)

映像の中で、アンが語り始める。

アンは、グレアムを男性として意識していると告白する。アンがグレアムに自分を抱きたいか尋ねると、グレアムはアンを好いてはいるが関係を持つつもりはないと答える。アンはグレアムが自分を偽っていると見抜き、グレアムの本心を暴こうとする。アンは、グレアムに質問をし始める。アンとグレアムの立場が反転し、質問する側と答える側が入れ替わる。

グレアムは、不能の原因は過去に恋人に嘘を重ねたことだと考えている。グレアムは、嘘をつく罪悪感に疲れて不能になったと言う。アンは、グレアムは9年間で生まれ変わったと思い込もうとしている、と指摘する。アンはグレアムにカメラを向ける。アンは、グレアムに影響を受けてジョンとの離婚を決意した、今度は自分がグレアムを救いたい、と言う。

二人は誰しもが自分の心を偽って生きていることに気付く。自分の本心に素直になったアンは、グレアムの体に触れる。アンの手の温もりを心地よく思ったグレアムは、アンにキスをする。二人はソファに体を沈める。グレアムがビデオカメラの電源を切り、映像は終わる

テープを見終わったジョンは精神的に打ちのめされる。ジョンは、以前グレアムの恋人と関係したことを暴露して去っていく。グレアムは、恋人の純潔を信じていたために長年自責の念に苛まれていた。グレアムは、ビデオカメラやテープのコレクションを破壊して庭に投げ捨てる。

離婚後、独り身になったジョンは、シンシアとの浮気による怠慢がたたって重要な案件から外される。

アンは、新たに仕事に就いている。ある日、アンはシンシアのいるバーに立ち寄り、シンシアに誕生日プレゼントを渡す。しばらく疎遠になっていた姉の振る舞いに、シンシアは驚き喜ぶ。姉妹は関係を戻そうと歩み寄る。アンは、グレアムの待つ家へ帰る。

映画『セックスと嘘とビデオテープ』の感想・評価・レビュー

セックスをテーマにそれぞれのやるせない気持ちや、もやもやとした悩みを抱え、ぶつかり合っていく内容ではあったが、とても見やすく様々な感情が読み取られた。精神的に不安定なアンと、セックスができないと密かに悩みを抱えているグレアムとの出会いや、ジョンとシンシアの浮気など、最初の部分から濃く描かれており、展開が気になった。一人一人性格が異なり、喧嘩や裏切りなどが多々あったが、和解しハッピーエンドで終わったため、すっきりと見終えることができた。(女性 20代)


本作は、セックスレスに悩み精神科に通う専業主婦のアンが周囲の人々やその本心と向き合う姿を描いたスティーヴン・ソダーバーグ監督が26歳にしてカンヌ国際映画祭グランプリを獲得したラブヒューマンドラマ作品。
タイトルから想像した内容とは違い人間味溢れており、人と人との関わり合いが濃密に描かれていながらも語りすぎない雰囲気が良く、特に暗闇から柔らかな光が浮かび上がるような映像が美しかった。
また、ラストの一対一の対話シーンの緊迫感があって、胸が熱くなった。(女性 20代)


インパクト強めのタイトルだが狭義での性描写は劇中にはほとんどない。ある夫婦と奥さんの妹という少し拗らせた3人の中にさらに拗らせた旦那さんの元友人がやってきて、一悶着の上ある人は拗らせていたものから解放される、という話だ。人が普段他人に見せないであろう心の拗れた部分に触る話なので合わない人には合わないかもしれないが、解放された後のアンディ・マクダウェルが醸し出す雰囲気にはカタルシスさえ感じる。途中不思議な気持ちになりつつもどこか爽快感のある話だ。(男性 40代)


夫婦でも恋人でも愛する二人の関係においてセックスはそれほど大切なことなのかなと疑問に思ってしまうほどセックスに翻弄される人たちのお話でした。
愛するが故なのか、ただ性欲を満たすためなのかその人によってセックスに対する気持ちは異なると思いますが、相手を疑い、不信感を抱いてしまったせいで「セックスレス」になった場合、誰も幸せにならないなと感じました。
今作の場合はある意味振り回されたジョンが少し可哀想に感じてしまいました。(女性 30代)

みんなの感想・レビュー

  1. 匿名 より:

    ①謎の姉妹

    本作にそれほど過激なセックス描写はない。しかし“セックス”というキーワードはやたらと登場し、4人の登場人物もセックスにかなり支配されている。

    優等生のアンは“自分はセックスに熱中したことがない、セックスを重要視していない”と精神科医にも初対面に近いグレアムにも語る。よく知らない男性を前にして聞かれてもいないのにいきなりそんなことを言い出す女性は稀だろう。興味がないなら話題にしようとも思わないはずで、アンは嘘をついている。

    おそらく彼女は男性やセックスに対して奔放な妹に強いコンプレックスを抱いており、それを認めたくないので“私は興味がない”と自らアピールしているのだろう。逆に妹は、美人で優等生の姉が憎たらしくて、好きでもないのに姉の夫とセックスをしまくっている。この姉妹はお互いを嫌悪しながらも、やたらと細かいことまで報告し合うという依存関係にあり、少々理解に苦しむ。家庭環境がいびつだったのかもしれない。

    ②そんなにセックスは大切なのか

    アンの夫ジョンは確かにゲス野郎だがわかりやすい。しかしグレアムは不気味だ。ずっと家に引きこもって、全裸でビデオを見ている30過ぎの男なんて怖すぎる。彼の全生活は自分が女性の前で不能だということに支配されている。

    どうやらグレアムは大学時代に付き合っていたエリザベスという彼女のことが原因で女性の前で勃起しなくなってしまったようだ。エリザベスはジョンとも浮気をしており、“グレアムは勃たない”ということまでバラしていたらしい。それは気の毒なことだが、だからと言って9年間もそのことを引きずり、あちこちの女性に自分のセックスを語らせたところで何になるのか。そこをもっとはっきりとわからせて欲しかった。彼があのビデオを撮影して、それを見て毎日オナニーする理由が見えないと、グレアムはただの変態だろう。

    結局アンと幸運にも愛しあえたことで、彼は救われる。妹のオナニーを撮影していた男というのは、アンにとって大きな問題ではなかったらしい。それもすごい。

  2. 匿名 より:

    私には全く合わなかったので、途中から持て余した。ただ、植木を股間の上に乗せて全裸でシンシアを待ち構えているジョンと、それを喜んでいるシンシアには笑ってしまった。アンもグレアムもお互いに“この人とやりたいな〜”と思っていたわけで、ジョンとシンシアのゲスな浮気のおかげで本音が言い合えて良かったではないか。あのきっかけがなければ、アンはいつまでも悶々とし、グレアムは家に引きこもってビデオ鑑賞を続けていたのだろうから。身から出た錆とはいえ、シンシアに振られ、アンに捨てられ、仕事まで失ったジョンが一番悲惨だ。嘘つきには天罰が下るということだろうか…。