映画『半分の月がのぼる空』の概要:2010年公開の日本映画。原作は全八巻からなるライトノベルで、心臓疾患を抱え長く生きることが出来ない少女と肝炎で入院した男子が病院の中で静かに恋を育てていく青春ラブストーリー。
映画『半分の月がのぼる空』 作品情報
- 製作年:2009年
- 上映時間:112分
- ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
- 監督:深川栄洋
- キャスト:池松壮亮、忽那汐里、大泉洋、濱田マリ etc
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映画『半分の月がのぼる空』 評価
- 点数:75点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『半分の月がのぼる空』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『半分の月がのぼる空』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『半分の月がのぼる空』 あらすじ【起・承】
物語は伊勢にあるとある病院。
この病院に肝炎で入院している裕一は、学校の仲間と待ち合わせし病院を抜け出していた。
その度に看護師の亜希子から大目玉だ。
ある日いつものように仲間と商店街をうろつき、病院にこっそり戻ってきたところを亜希子に見つかった。
今回も注意を受けるも黙っているから、とある患者と友達になれと言う。
その患者とは里香という少女だった。
里香は我が儘で強気な少女。
裕一に命令してはそれを素直にする裕一を見て楽しんでいた。
しかしそんな平凡なことが、里香には新鮮だった。
彼女は名古屋や東京と病院を転々としてきたのだ。
9歳の頃から学校にも通えず。
彼女の病気は治ることの無い心臓疾患だった。
徐々に親密になる二人。
外に出ることの出来なかった里香は、病院の窓から見える砲台山に行きたいと言う。
裕一はその夜病院を抜け出して、友人のバイクで彼女を連れて行った。
山頂で彼女は亡き父との思い出を語った。
そして自分の心臓はもう治らなく、命の限りを知っているとも。
裕一は心から一緒にいたいと思った。
そのことを伝えると、里香は生きる気力を取り戻した。
映画『半分の月がのぼる空』 結末・ラスト(ネタバレ)
この病院に腕の良い心臓外科医がいる。
夏目(大泉洋)と言い、現在は妻を亡くしシングルファーザーになったため内科医として勤務している。
夏目の妻は里香と同じ病気だったが、手術で失敗してしまい亡くなってしまった。
それ以来自分を責め、メスを握ることが出来なくなった夏目。
夏目の腕を頼って転院してくる患者を断り続けている。
今もまた新患で依頼を受けたところだが、悩みながらも断っているところだ。
砲台山に連れて行った後、里香の容態が悪化したため接近禁止を出された裕一。
しかし気を利かせて亜希子が屋上で合わせてくれた。
屋上からは裕一の学校が見える。
そこでは文化祭の準備をしているのが見えた。
里香は羨ましがった。
里香は裕一に宮沢賢治の「銀貨鉄道の夜」を貸した。
裕一もこの本を文通のように読んだ。
裕一は学校に里香を連れて行く。
そこでは友人がやるはずの演劇のヒロインが来ていなかった。
自分がやいたいと立候補する里香に唖然とする一同。
しかし本番で堂々とした演技で、客席を魅了したのだ。
その直後容態が悪化し、救急で運ばれてしまう。
心配でならない裕一だった。
夏目の正体。
それは成長した裕一だった。
里香を救うため医者となっていたのだった。
しかし里香を亡くし自信を無くしたのである。
夏目と里香は結婚し一女までもうけた。
しかし残念な結果となる。
夏目は自分を頼ってくれる少女の手術を受けることにする。
里香は戻っては来ないが、前を向くことにしたのだ。
映画『半分の月がのぼる空』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『半分の月がのぼる空』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
忽那汐里の演技力の高さ
忽那汐里という女優は知っているが、改めて映画を見たことは無い。
そんなに存在感を感じたことも無く、名女優だと思ったことも正直無い。
しかしこの映画ではまさに彼女のための役柄といっても過言では無いほど、ヒロイン像にはまっている。
気が強く、わがまま。
しかしそれは人とどのように接して良いかわからないからなのである。
本当に嫌な正確であると誤解させるような演出も、表情も無いからこそ何の説明も無く彼女の演技を味わうことが出来た。
美人できりっとしているのに、キュートな笑顔。
まさに新しい彼女の魅力に気がついてしまったというところだろうか。
大泉洋の役柄の意外さ
この映画で出てくる夏目という医者は、妻を死なせてしまっていることから心臓外科医としてメスを握れなくなってしまうという役柄だ。
最初どうしてもの手術を頼まれているときは、てっきり里香の手術のことかと思ってしまうが実は裕一が成長した姿が夏目だったのだ。
「えっ!そうなの!?」といった驚きがやってくる新鮮さ。
物語の深みにもなり、良い脚本である。
青春の王道物語
病気で入院した病院で不治の病の女の子と恋に落ちる。
なんとありがちな乙女コミックの流れ。
しかし青春の王道ではあるが、それが良いのである。
安心して見ることが出来るのも映画の重要な要素。
いつもハラハラさせられるのは疲れてしまう。
里香が見に行きたいと砲台山までバイクで連れて行く裕一。
必ず怒られるに決まっているのだが、そこはドラマだから効果的演出が必要である。
ラストで明かされる物語の真実に、驚きを隠せなかった。戎崎裕一と秋庭里香の出会いから心を通わせていく過程が丁寧に描かれていたからこそ、夏目吾郎の苦悩が伝わってきて切なくなった。二人が結ばれてハッピーエンドでは終わらない、リアルな現実を見ているような気持ちになった。
大人の男性が泣くことは滅多にないと思う。だからこそ、夏目吾郎が声を上げて号泣するシーンは、胸が締め付けられた。
池松壮亮を始め、出演しているキャスト達の演技が素晴らしかった。(女性 30代)
映画『半分の月がのぼる空』 まとめ
日本映画はやはり良いものである。
心の移り変わりや、病に対する静かな向き合いを表現するのが非常に上手い。
若いからこそ大事にしたい青春物語。
登場人物が恋愛をし、そこから自分のことも他人のことも考え学んでいく。
それが出来たらどんな若い子でも人を理解する力がつくというものである。
見ていても成長がうかがえる若い子の映画は観ていてよいものである。
今後の日本の若手俳優達にも期待出来そうだ。
忽那汐里にも要チェックである。
間違い無い。
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