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映画『ハンナ』あらすじとネタバレ感想

映画『ハンナ』の概要:2011年に製作された、ジョー・ライト監督のアクションスリラー映画。「つぐない」でもジョー・ライト監督と組んだ、シアーシャ・ローナン主演。出生に大きな秘密を抱える少女が、生きるために戦う姿を描いた。

映画『ハンナ』 作品情報

ハンナ

  • 製作年:2011年
  • 上映時間:111分
  • ジャンル:サスペンス、アクション
  • 監督:ジョー・ライト
  • キャスト:シアーシャ・ローナン、エリック・バナ、ケイト・ブランシェット、トム・ホランダー etc

映画『ハンナ』 評価

  • 点数:90点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★★

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映画『ハンナ』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『ハンナ』のあらすじを紹介します。

極寒の地で父エリックと2人暮らしのハンナは学校へは通わず、父から数カ国語の知識と、銃や武器を使ったサバイバル術を叩き込まれてきた。
幼い頃に他界した母ヨハンナの事は何も知らされず、グリム童話の本の間に忍ばせた写真だけがハンナの知る母の姿だった。
ある日、エリックはハンナに外の世界へ出るためのスイッチを渡す。
ハンナはスイッチを押し、それに気が付いたエリックは身支度を整えて山小屋を出る。

その頃、CIAのマリッサ・ヴィーグラーは、とある極秘プロジェクトの途中で行方をくらませていた元CIA工作員エリックからのシグナルを受信していた。
発信場所にいたハンナは捕らえられ、面会を求められたマリッサは隙を衝かれて絶命。
そして自分の検査記録を手に、ハンナは拘束施設から脱出する。

エリックに葉書でマリッサの死を伝えた後、同年代の少女ソフィーに気に入られたハンナは、旅行中だという彼女の家族と行動を共にする。
だがハンナが命を奪ったのはマリッサの偽者で、本物のマリッサの追っ手がハンナとエリックの元に迫っていた。
マリッサに捕らえられたソフィーと家族は言葉巧みに情報を引き出され、ハンナの目的地が明らかにされてしまう。
そこはベルリンの“グリムの家”。

追っ手に見つかりそうになるが、間一髪で“グリムの家”から脱出したハンナは、インターネットを使って自分の検査データを調べるが、大きな謎が残った。
ようやく再会したハンナに全ての真実を明かしたエリックだったが、それは重すぎる真実だった。

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映画『ハンナ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『ハンナ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

シアーシャ・ローナンの美しすぎる兵士というはまり役

プラチナブロンドの美しい髪と透き通るような肌にブルーアイのシアーシャ・ローナンが、極秘裏に行われていた遺伝子操作を受けて生み出された兵士という役にピッタリ。
恐怖や哀れみという感情が乏しくなっているというハンナの独特な表情も丁度よく表現されている。

キスをしようとした相手を条件反射で投げ飛ばしてしまったり、電気ポットやテレビといった電化製品を初めて見てパニックに陥り、ソフィーの家族に朝食の材料として自分で狩った動物を差し出すなど、俗世に馴染んでいない個性的なシーンも多い。
そんなハンナが、グリムの家から脱出後にインターネットカフェにごく普通に出入りするシーンには違和感がある。

アクションシーンも綺麗に描かれており、ソフィー一家を巻き込まないように車を出て、たくさんのコンテナの上を自在に走り回ったり、自ら敵の懐に飛び込んで偽マリッサの命を瞬時に奪うなど、エリックやマリッサのアクションとは違った華のある演技と演出がなされている。

印象的な2度の「心臓外しちゃった」という台詞

エリックがハンナを大切な娘として育てたのは描かれているが、ヨハンナとの間に恋愛感情があったからなのか、全く触れられていないのでハンナを助けるために命を投げ出す事の説得力に欠ける。
過去の描写が断片的なものばかりで、作品の面白さを半減させる原因になっている。

主人公ハンナも、筋力と感覚が増加している代わりに恐怖などの感情が抑えられているので、スピード感と登場人物の心の動きが伴わないストーリーになっている。
序盤にヘラジカを仕留めた際の「心臓外しちゃった」という台詞と、終盤で弓矢を放って傷を負わせたマリッサに対し、拳銃を突きつけとどめを刺そうとする際の「心臓外しちゃった」という同じ台詞が印象的。
どちらも生きるための行為でハンナというひとりの少女の成長が見えもするが、感情が伴わないひとつの行動として確立された印象も受けるラストだ。

映画『ハンナ』 まとめ

2007年の「つぐない」でアカデミー賞候補に挙がるなど高い評価を得たシアーシャ・ローナンと、その監督ジョー・ライトが再びタッグを組んだ作品で、無垢で美しい暗殺者の少女をシアーシャが演じた。
また同監督の「プライドと偏見」に出演したトム・ホランダーも出演している。
演技派女優のケイト・ブランシェットや、ホラー映画「NY心霊捜査官」に主演したばかりのエリック・バナなど、豪華なキャスティング。

マリッサを魔女と表現したり、手品師の家が通称“グリムの家”でマリッサとの対決が遊園地のような場所であるなど、ちょっとした遊び心も使われている。
北極に近い極寒の地から砂漠、都会の部屋の一室や田舎町といったさまざまな場所でアクションシーンが展開され、飽きないストーリーにハラハラさせられる。

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