映画『オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主』の概要:2013年に公開された、「ハムナプトラ」のスティーヴン・ソマーズ監督・脚本の作品。原作はディーン・クーンツの小説。幽霊が見えるオッド・トーマスが巻き込まれる事件を描いた。
映画『オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主』 作品情報
- 製作年:2013年
- 上映時間:96分
- ジャンル:SF、サスペンス、ホラー
- 監督:スティーヴン・ソマーズ
- キャスト:アントン・イェルチン、アディソン・ティムリン、ググ・ンバータ=ロー、ニコ・トルトレッラ etc
映画『オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主』 評価
- 点数:60点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★★★
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★☆☆
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映画『オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主』のあらすじを紹介します。
変わった名前のオッド・トーマスには、幽霊が見えるという変わった能力があった。
幽霊の未練を晴らそうとするためにトラブルばかり起こして、地元警察のワイアット署長とは顔見知り。
食堂でのバイト中、彼女のストーミーが来ている時に、大虐殺の前触れである大量の死神ボダッハの群れを引き連れた奇妙な男性がやってくる。
尾行したオッドは、そこで地獄の入り口を発見する。
家の持ち主ボブが8月15日に何かを起こすと考えたオッドは署長に相談し、彼の身の回りを調べてもらう事にする。
だがストーミーとのデート中にボブの奇襲に遭い、警察に連絡するがボブがやったという証拠は出なかった。
食堂のウェイトレスのヴァイオラと共通点のある夢を見てから、心臓を撃たれるイメージが取れないオッドは、特注で心臓をカバーするアクセサリーを作る。
署長が危険だと感じたオッドは、そのアクセサリーを署長に渡す。
やがてひとつの殺人事件からボブが重要参考人とされ、オッドがこっそり彼の自宅に侵入すると、その前にボブが殺害されていたと判明する。
署長が何者かに撃たれるという事件が起こるが、オッドのアクセサリーによって一命を取り留める。
三度ボブの家に侵入したオッドは、大虐殺を企てている悪魔崇拝者たちの正体と、ストーミーの身に迫る危険に気がつく。
映画『オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
説明口調が無ければ面白いであろうストーリー
奇抜なストーリー展開と、「ハムナプトラ」シリーズの監督らしいVFX技術がフルに使われている作品。
しかし設定が多すぎるためか、説明口調になるシーンが多すぎて、世界観に入り込めない作品でもある。
幽霊の心境を説明するだけで説明口調の台詞が増えるのだから、ヴァイオラなど脇役たちの生活背景は、回想シーンなどでどうにかならなかったのかと疑問になる。
起承転結がはっきりしており、凝ったストーリーなので、説明口調が多いのだけが残念だ。
犯人たちのつながりである悪魔崇拝の「POD」というタトゥーも、4人中2人にしか確認できていないのに、大きく扱いすぎだろう。
“幽霊は喋ることが出来ない”という大前提を置き、それをボブが襲ってきた時の謎の付線にするだけでなく、ストーミーにも使ってどんでん返しをするのは良く出来ている。
また、そのエンディングが悲しく切ないもので、オッドが気付いていたけれど認めたくなかったと語るシーンは心に響く。
飛びぬけたVFX技術
死神ボダッハに使っているVFX技術が見事で、「ロード・オブ・ザ・リング」をはじめとしたファンタジー映画に出てきそうな印象を受ける。
それが見えているけれど、相手に見えていることを知られないようにする、という演技をやりきったオッド役のアンソン・イェルチンの演技力はさることながら、もっとも美しい人100人に選ばれた過去や輝かしいキャリアも好印象だ。
「ハムナプトラ」、「ハムナプトラ2」で強い印象を残したイムホテップ役のアーノルド・ヴォスルーも脇役として登場するなど、遊び心も感じられる。
スピード感があり、ジェットコースターのように進む展開は面白さにあふれているが、死神ボダッハになぜ見えている事を知られてはいけないのかという肝心な部分の多くがぼかされているという、スッキリしない設定が多すぎる。
アントン・イェルチンがとにかくかっこいい今作。彼と言うと『スタートレック』シリーズのイメージが強いですが、私は断然今作の役のほうが好きです。幽霊が見えてしまうことで大切な人を助けることも出来るが、巻き込んでしまうこともあるというかっこよさと脆さを兼ね備えたキャラクターなので感情移入がしやすく、終始楽しんで見られるでしょう。
彼女のストーミーも可愛くてお似合いなのでほっこりします。更にウィレム・デフォーがかなり良い役でキーパーソンにもなっているので、ストーリー全体が引き締まっている気がしました。カップルで見るのにおすすめの作品です。(女性 30代)
知名度が低い割りに、大変出来が良く驚きました。死者が見えるという、現実離れした設定です。しかし、筋書きが綿密に練られており、さらにCGの仕上がりが完璧だからか抵抗無く楽しめました。また、光と影の見せ方が上手いです。変な間延びは一切無く、90分間が一瞬のようでした。そして、ヒロイン役のアディソン・ティムリンがこの上なく可愛いのです。アントン・イェルチンの素晴らしい演技や、ゆったりとした雰囲気をもう見られないなんて寂しいです。(女性 30代)
本作は、死者が見えて死を予期できるという特殊能力を持った主人公オッド・トーマスが、街で起こった大量虐殺を予測し阻止すべく奮闘する姿を描いたSFサスペンスホラー作品。
思いの外スリリングな展開で、グロテスクやホラー、アクションといった様々な要素が盛り込まれていて、オッドが手がかりを収集しながら事件の真相を突き止めていく姿が楽しめた。
また、伏線回収がしっかりしているところや、ハッピーエンドではない終わり方も良かった。(女性 20代)
映画『オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主』 まとめ
軽快なテンポで進んで、起承転結がハッキリとしているので、骨組みがしっかりしたストーリーになっています。
幽霊が笑いを取ろうとするシーンは、面白くも悲しく、死んでまで笑いを取りたくないというオッドの台詞通りの印象を受けます。
テーマソングもノリが良く、オッド・トーマスそのものを表現しているかのようで、思わず口ずさみたくなるようなメロディ。
拳銃乱射事件の後に爆弾が残っていて、それを幽霊に知らされて止めようとする展開はハラハラドキドキさせられます。
幽霊はなぜか話すことが出来ないという設定を使った謎の解明や、どんでん返しには驚かされ、最後の別れのシーンは何度見ても泣かされちゃいます。
ストーミーのブラックジョークも満載ですが、天井に一度付いてから落ちてきたアイスクリームを商品として渡すストーミーと、渡された子役の表情には笑わされます。
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