映画『ハッピー フィート(2006)』の概要:『ハッピーフィート(2006)』は、ジョージ・ミラー監督によるペンギンを主人公にした長編アニメーション映画。同じく動物を主人公に描いた『ベイブ』の制作陣が、フルCGで作り上げた。
映画『ハッピー フィート』 作品情報
- 製作年:2006年
- 上映時間:108分
- ジャンル:ファンタジー、コメディ、アドベンチャー、アニメ
- 監督:ジョージ・ミラー
- キャスト:イライジャ・ウッド、ブリタニー・マーフィ、ヒュー・ジャックマン、ニコール・キッドマン etc
映画『ハッピー フィート』 評価
- 点数:85点/100点
- オススメ度:★★★★★
- ストーリー:★★★★★
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★★★★
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『ハッピー フィート』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『ハッピー フィート(2006)』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『ハッピー フィート』 あらすじ【起・承】
南極大陸のコウテイペンギンの群れで、マンブルは生まれた。他の赤ちゃんペンギンたちよりも生まれるのが遅かったマンブルは、体も小さく、コウテイペンギンには当たり前の歌も上手に歌えない。そのかわり、マンブルはタップダンスが得意だった。母のノーマはマンブルの特技を尊重し、かわいいと思うが、父のメンフィスは不安の方が大きかった。
学校に入っても、歌えないマンブルは常に仲間はずれ。「心の歌」が歌えなければ、パートナーを探すこともできないのだ。ある日、一人ぼっちで踊っていたマンブルは、トウゾクカモメの集団に襲われそうになる。溝に入り込んでなんとか回避する。この時、トウゾクカモメから外の世界にはエイリアン(人間)がいるということを聞き、初めて知る氷の外の世界に興味を持つ。
ペンギンたちは成長し、卒業式を迎えたが、マンブルは落第。姿も、まだマンブルだけ産毛に覆われ、中途半端な状態だった。歌って騒ぐ仲間から邪見にされたマンブルは一人で踊っていたが、気付くと流氷の上だった。おまけにヒョウアザラシに襲われ、無我夢中で泳ぎ逃げ延びた先は、見知らぬ場所だった。
そこは、アデリーペンギン達の群れが住む国だった。マンブルはここでラモンや他のアデリーペンギン5人のチーム「アミーゴス」と知り合う。明るく騒ぐことが大好きなアデリーペンギン達は、マンブルのタップダンスを褒める。マンブルは、歌えなくても認めてもらえる場所があることを知る。
自信を付けたマンブルは、国に戻ってひそかに想っていたグローリアのためにパフォーマンスをし、それにつられた若いペンギンたちも踊り出す。
しかし、長老のノアはこれを良く思わなかった。コウテイペンギンはダンスなどしない、伝統を守るべきだと言い、魚が獲れなくなったのはマンブルのせいだと決めつける。そして、和を乱すマンブルを追放する。
映画『ハッピー フィート』 結末・ラスト(ネタバレ)
マンブルは、魚が減った理由がエイリアン(人間)のせいだと考える。理由を突き止め、必ず国に戻ることを誓う。グローリアはマンブルを心配して追いかけてくるが、マンブルはわざと冷たく突き放して彼女を群れに戻した。
マンブルはアミーゴスと共にアデリーペンギンの国へ行く。そこには、教祖ラブレイスがいる。彼にエイリアンの事を聞こうと思ったのだが、様子がおかしい。どうやら、彼が神から授かったというネックレスで首が閉まり、息が苦しいようだった。
マンブルは苦しむラブレイスからこれがエイリアンのものであることを聞きだし、エイリアンがいる場所までラブレイスも一緒に行くことになった。
長い旅の果てに、エイリアンの場所を見つけた。そこは南極基地である。アミーゴスやラブレイスは、これを見つけたことを証言するからここで終わろうというが、マンブルは魚の乱獲を辞めさせたいのだ。
マンブルは一人で巨大な船へと向かい、魚を獲るのをやめさせようとするが、人間には無視されてしまう。それでもあきらめず船を追いかけてどこまでも泳いだマンブルは、見知らぬ浜で疲れ果てて倒れてしまう。
目が覚めると、そこは透明な壁に覆われた狭い場所だった。どうやらマンブルは水族館に保護されたのだ。ガラスの向こうの人間に訴えかけるが、ペンギンの言葉をわかる人はいない。次第にマンブルは言葉を失い、そして心も失っていた。
ある日、一人の少女がマンブルに興味を示す。ガラスをつついてマンブルを呼ぶと、マンブルはリズムにつられて踊り出した。
人々はこれを珍しがり、マンブルは一躍人気者になった。
マンブルは、南極の国に戻ってきた。GPSを付けたマンブルをノアは気味悪がり、非難する。しかし、マンブルはペンギンたちにダンスを踊ればエイリアンに通じると説得し、全員で踊り出す。
人間はこの様子を見て驚き、何かメッセージを伝えようとしているのでは、と思い至る。
人々は南極に関心を示し、動物たちのことを考えずに魚を乱獲していたことに気付く。
こうしてペンギンの国一帯は禁漁区となり、魚の数は増えていった。
映画『ハッピー フィート』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ハッピー フィート(2006)』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
ペンギンが歌い踊ってかわいいだけの映画じゃない
宣伝などを見る限りでは、かわいいペンギンのミュージカル、くらいの印象だった。しかし、実際本編を観てみると、環境問題はもちろん、人間社会にも通じるような社会の問題までもが盛り込まれているのである。
環境問題については、人間による魚の乱獲や、ゴミを放置することで動物を死なせてしまう危険性などに警鐘を鳴らしている。この辺はまあ、取り上げやすいテーマだと思う。
次に、ペンギンの社会について。群れで行動する動物なので、劣る者は排除され淘汰されるのが動物社会だと思う。現実的なことをいえばマンブルが追放されるのは当然ともいえるが、そこは子供向け作品なので、救いがなければならない。
コウテイペンギンが歌う、という設定はどこから来たのか、求愛で「鳴きあう」ことがそれにあたるのかもしれないが、当たり前の習性を誇張して表現し、集団のルールを「歌」で表現したのはいいと思った。マンブルは、それから逸脱した存在である。そんなマンブルがいかに仲間に認められていくか、人間的な見方ではあるが、おもしろいと思った。
ペンギン視点
ペンギンが主人公なので、何もかもがペンギンの目線に合わせられている。特にいいと思ったのは、天敵であるヒョウアザラシの描き方だ。アザラシの中では凶暴な種類で、「海のギャング」とまで言われる動物だが、人間から見て本当にこわい、というほどではない。しかし、ペンギンを通して観ているので、これが本当にこわく感じるのである。
あとは、人間とペンギンとの間のコミュニケーション。ペンギンの言葉は当然人間には通じず、そしてペンギンのマンブルにも人間の言葉は理解できない。この描き方は、子供向け作品にしては徹底していていいと思った。
映画『ハッピー フィート』 まとめ
思った以上に、映像、設定ともに素晴らしい作品だった。『ベイブ』を作ったスタッフが集結し、動物はCGによって作られている。踊っているシーンはモーションキャプチャで作られている。
キャラクターに声をあてた声優も豪華で、主人公マンブルはイライジャ・ウッド、グローリアはブリタニー・マーフィ、メンフィスはヒュー・ジャックマン、ノーマはニコール・キッドマン、など、他にも豪華ハリウッド俳優ばかりである。日本語吹き替え版もおすすめなので、両方で楽しみたい。
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