映画『ノウイング』の概要:『ノウイング』は、ニコラス・ケイジ主演のパニック映画。宇宙物理学者のジョンは、ある日息子が持ち帰った一枚の紙に書かれた不規則な数字の羅列に興味を持ち、暗号の解読を試みる。
映画『ノウイング』 作品情報
- 製作年:2009年
- 上映時間:122分
- ジャンル:SF、サスペンス
- 監督:アレックス・プロヤス
- キャスト:ニコラス・ケイジ、ローズ・バーン、チャンドラー・カンタベリー、ララ・ロビンソン etc
映画『ノウイング』 評価
- 点数:65点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『ノウイング』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『ノウイング』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『ノウイング』 あらすじ【起・承】
1959年、マサチューセッツ州レキシントンのある小学校で、タイムカプセルを埋める行事が行われていた。その日は学校の創立記念日で、生徒はそれぞれ一枚の絵を描いてタイムカプセルに入れた。その中で、ルシンダという少女だけが、紙一面にびっしりと不規則な数字を羅列したものを入れた。
その後、ルシンダは謎の声を聞きながら一人学校の木製の扉に爪で数字を書き、血まみれになっていた。
50年後、2009年。
同じ小学校でタイムカプセルが掘り起こされた。ケイレブという少年が手にしたのは、あの日ルシンダが入れた数字がびっしり書き込まれた紙だった。
ケイレブの父で宇宙物理学者のジョンは、息子からその紙を見せてもらい、興味を持つ。
ジョンは不規則な数字が意味するものを解き明かそうと試みる。
その中で、ある一部分の数字がアメリカの同時多発テロ9.11を示していることに気付く。ジョンは、50年の間に起こった災害について日付や犠牲者の数が記されていることがわかり、これは未来の災害を予知するものだと知る。さらに、これから起こるであろう未来の災害についても書かれており、ジョンは驚愕する。
映画『ノウイング』 結末・ラスト(ネタバレ)
ジョンはルシンダについて調べ始める。彼女は既に亡くなっていた。そこで、ルシンダの娘であるダイアナに協力を求める。
一方、その頃ケイレブに謎の人物が近づいていた。ケイレブには、彼らが近づく度に不思議な声が聞こえた。
ジョンの仮説通り、大規模な災害が起こった。紙に書かれた数字が示す通りにニューヨークで災害が起こったのだ。
ジョンはダイアナの協力も得て続きの数字を解読しはじめるが、それがとんでもなく大規模な災害であることを知る。街ひとつどころか、地球が滅亡するほどの規模なのである。
原因となるのは、太陽フレア。よく発生する太陽面爆発現象だが、今回ばかりは桁違いで、地球を包み込む程の規模だ。
もはや逃れる術はない。ジョンがルシンダの残した扉の数字に何か希望がないかと確認しに行ったすきに、ダイアナは自分の娘のアビーとケイレブを連れて逃げ出していた。
地下に逃れようとしたのだが、アビーとケイレブは謎の人物に連れ去られてしまう。
ジョンは謎の人物に連れられた二人を見つける。連れ去った人物は、災害から選ばれた生物を救い出すためにやってきた宇宙人だった。
ジョンは、息子のためには生き残れるのが一番だと思い、彼らに二人を託すことを決め、ケイレブに別れを告げる。
地球滅亡までの残りわずかな時間で、ジョンは長年疎遠だった父を訪ね、家族との最後の時を過ごした。
宇宙人に救われたケイレブとアビーは、見知らぬ土地に降り立った。救い出された生物たちと共に、二人は新たな人生を歩んでいく。
映画『ノウイング』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ノウイング』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
旧約聖書がモチーフ
最後まで観ると、パニック映画というよりも、宗教映画に近いと思える作品だった。ジョンはともかく、息子の「ケイレブ」というのはあまり耳馴染みのない名前。映画の最後にノアの方舟のような宇宙船が登場することからも、『旧約聖書』に関わるということに気付いた人は多いのではないだろうか。
ジョンはヨシュア、ケイレブは聖カレブがモチーフなのだと思う。モーセによってカナン偵察に遣わされた人物であり、この二人だけが約束の地・カナンに入ることを許された。聖書について精通しているわけではないので詳しいことはわからないが、映画の中に何度も登場した黒い石や、ケイレブが抱いていたウサギなども何か『旧約聖書』にまつわるものなのかもしれない。
他にも、最後のケイレブとアビーはアダムとイヴを想起させる。
『インデペンデンス・デイ』のような、地球滅亡の危機に人類が立ち向かうストーリーを予想させるような予告だったが、結果としては救い出された者以外の人類は滅亡したので、救いがないように見える。ケイレブとアビーが乗ったのと同じ方舟(宇宙船)はいくつもあったので、人間含め他の動物もたくさん救われたのだとは思う。
細かい所が気になる
ケイレブとアビーは声が「聞こえる者」なので選ばれし人間であることはわかるが、その選定基準はどこにあるのか。また、50年のタイムラグは何なのかということ。ルシンダは声が聞こえるので、確実に選ばれた者なのだろうが、宇宙人はいつから地球人を救い出す活動をしていたのかがわからない。50年前からしていたのだとしたら、多分現在に至るまでにもルシンダ以外の地球人が救い出されていたのだろうか。
また、作中で神がどうとかいう話はなかったと思うが、どう見ても宗教がらみの作品なわけで、そうすると気になることがいくつか出てくる。
神は天と地を作ったというのは知っているが、天とはどこまでを指すのか……災害の規模を見る限り、太陽系規模ではなくもっと遠いところまでを想定している気がする。神の使い(らしき)宇宙人も気になる。神の使いが宇宙人なら神も宇宙人なのか、など。
また、宇宙人が話すささやき声があの予言の数字なのだが、その内容も明らかに人間のご都合に合わせた物なのが笑える。日付、座標など、人間が決めた仕組みに合わせて神が教えてくれるというのはちょっとどうなのかと思うし、ありがちな暗号になかなか気づかない主人公にもちょっと笑える。
映画『ノウイング』 まとめ
普通のディザスター・ムービー(パニック映画)としては納得のいかないラストだが、ありきたりな内容ではないし、意外性がある所は良かったと思う。
しかし、宗教を前面に押し出した展開には、キリスト教徒ではない人が多い日本人からしたらついていけないと思う。これだけ『旧約聖書』に丸投げするラストなら、もっとそれらしい展開を盛り込むべきだったと思う。全体的に作りが甘く、ニコラス・ケイジが出ているというだけでなんとか体裁を保った映画になっていると思う。
みんなの感想・レビュー
ホピ予言などに示された終末の2012年、その直前までは人類滅亡モノの映画がいっぱい出ていましたね。
あの手この手で人類滅亡してましたが、太陽のスーパーフレアで、しかも全滅回避不能というのはちょっと新鮮で面白かったのを覚えてます。
熾天使というのも、ああいうものかもしれませんね。
キリスト教圏の人だともっと楽しく見れるのかも。
あたしゃ飛行機事故や列車事故の被害者数が少なすぎるのが気になっちゃいました。