映画『ハロー!?ゴースト』の概要:サンマンは孤独に耐えられず自殺を繰り返していたが、いつも失敗に終わっていた。だがある日、自殺をした後数秒間だけ息が止まってしまい、4人の幽霊が見えるようになってしまう。サマンサは幽霊を成仏させるため、それぞれの願いを叶えることになった。
映画『ハロー!?ゴースト』の作品情報
上映時間:111分
ジャンル:コメディ、ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:キム・ヨンタク
キャスト:チャ・テヒョン、コ・チャンソク、チャン・ヨンナム、イ・ムンス etc
映画『ハロー!?ゴースト』の登場人物(キャスト)
- サンマン(チャ・テヒョン)
- 児童養護施設で育った青年。自殺を繰り返すが、なぜかいつも失敗に終わる。ある日、自殺をして数秒間息が止まってから、4人の幽霊が見えるようになる。自動車事故という辛い体験から、家族の顔を忘れてしまっていた。
- ヨンス(カン・イェウォン)
- ホスピスで働く看護婦。幼い頃に母を亡くしており、傍にいてくれなかった父に対してあまりいい感情を持っていない。現在は父もホスピスに入院している。
- ヘビースモーカーゴースト(コ・チャンソク)
- 実はサンマンの父。自動車事故に遭い亡くなってしまう。タクシー運転手。常に煙草を吸っている。穏やかで優しい性格。
- 泣き虫ゴースト(チャン・ヨンナム)
- 実はサンマンの母。自動車事故に遭い亡くなってしまう。料理が得意で、血液をサラサラにするために海苔巻にセリを入れている。
- エロじじいゴースト(イ・ムンス)
- 実はサンマンの祖父。自動車事故に遭い亡くなってしまう。美しい女性が好き。友人のパンスにカメラを借りて孫の写真を撮っていたが、事故に遭って警察に押収されていたため、サンマンの体を使って取り戻そうとする。
- 食いしん坊ゴースト(チョン・ボグン)
- 実はサンマンの兄。自動車事故に遭い亡くなってしまう。幼い頃にアニメ映画に見に行くことをサンマンと約束していたが、見に行く前に事故に遭い亡くなってしまう。
映画『ハロー!?ゴースト』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ハロー!?ゴースト』のあらすじ【起】
サンマンは児童養護施設で育ち、孤独な生活を送っていた。そんな生活に耐えられず、薬を大量に飲み自殺を図った。だが、宿泊施設の従業員に見つかり、助けられてしまう。橋から飛び降りて自殺を図ったときも、たまたま近くにいた救助ボートに助けられていた。
サンマンが目を覚ますと、病室のベッドの上だった。自由に死ねない人生にうんざりしていると、隣に煙草を吸っている奇妙な男性(ヘビースモーカーゴースト)が座っているのが見えた。ヘビースモーカーゴーストは他の人には見えていないらしく、サンマンは精神科に運ばれていった。
サンマンは医師から数秒間だけ呼吸が止まったことを聞かされる。医師はサンマンに問診を行い、どんな“友人”が見えるのか問い掛けた。サンマンはヘビースモーカーゴーストの他に、ロッカーの中で泣きじゃくる女性(泣き虫ゴースト)の姿も見えた。サンマンは医師が女性に酷い扱いをして泣いているのではと誤解するが、医師にはその女性の姿は見えていなかった。
サンマンが夜中に目を覚ますと、ナースステーションでナースのお尻を見る男性(エロじじいゴースト)の姿が見えた。エロじじいゴーストは頭を膨らませてサンマンを威嚇した。サンマンが驚いて病室に戻ると、エロじじいゴースト達が空中に浮かんでいた。その時初めて、サンマンはエロじじいゴーストが人間ではないことに気づく。エロじじいゴースト達はサンマンに、体を使わせてくれと頼んだ。その後、サンマンは気絶してしまい、目を覚ますと新たに少年(食いしん坊ゴースト)の姿が見えた。
映画『ハロー!?ゴースト』のあらすじ【承】
退院後、サンマンに4人の幽霊がついてきた。霊媒師の元に行き相談すると、サンマンが死ぬには霊達を成仏させなければ無理だと言われる。霊がサンマンの体を必要としているため、死なせてくれないのだ。
サンマンは霊達を連れて家に帰った。健康に気を使っていたためお酒を飲んだとなかったが、エロじじいゴーストに体を乗っ取られてお酒を飲んだ。甘い物も苦手だったが、食いしん坊ゴーストに体を乗っ取られて食べた。煙草も吸ったことなかったが、ヘビースモーカーゴーストに体を乗っ取られて吸うようになった。今まで悲しくても泣くのを我慢していたが、泣き虫ゴーストに体を乗っ取られて泣くようになった。
サンマンの部屋の壁に霜がつくほど、温度が急激に下がった。霊媒師の元に行きそのことを相談すると、霊が怒っていると教えられる。サンマンが自殺を考えているからだった。サンマンは霊を送り返してくれと頼むが、霊媒師にそんな力はなかった。霊媒師は霊達の望みを叶えて、成仏させることを勧めた。
サンマンは最初に、エロじじいゴーストの願いを叶えることにした。エロじじいゴーストの願いは、借りていたカメラを元の持ち主に返したいというものだった。サンマンはエロじじいゴーストと共にカメラを押収した刑事につきまとうが、不審人物扱いされて相手にされなかった。その後、サンマンは刑事の見張りを邪魔してしまい、檻の中に入れられてしまう。エロじじいゴーストはサンマンの体を使い、刑事の妻の前で、刑事が昔付き合っていた女性の話を持ち出し、カメラを返して欲しいことを訴えた。
サンマンはエロじじいゴーストの友人のパンスに会いに行った。パンスはホスピスに入院していた。サンマンはそこで出会った看護婦のヨンスに一目惚れする。エロじじいゴーストはサンマンの体を乗っ取りヨンスを口説こうとするが、言い回しが古臭いため怪訝な表情をされる。その日の夜、パンスは受け取ったカメラを独りで眺め、嬉しそうに微笑んだ。
映画『ハロー!?ゴースト』のあらすじ【転】
サンマンは次に食いしん坊ゴーストの願いを叶えることにした。食いしん坊ゴーストの願いはアニメ映画を見ることだった。映画館に行くと、偶然にもヨンスが子供の患者のジョンウォンを連れて来ていた。サンマンは声を掛けるが、昨日変な態度を取ってしまったため怪訝な表情をされる。
サンマンはヨンスが食事に行くと聞き、食いしん坊ゴーストと共に同じ店で食事を食べた。その時、ジョンウォンに声を掛けられ、食いっぷりを褒められる。食いしん坊ゴーストは調子に乗って食べ過ぎてしまい、体を乗っ取られていたサンマンはトイレで吐いてしまう。ヨンスはサンマンに付き添い、謝罪した。ジョンウォンは抗がん剤治療をしており、自分自身はあまり食べることができないのだ。
次はヘビースモーカーゴーストの願いを叶えるため、車を泥棒することになった。だが、なぜか酔っ払いの男が車に座っており、サンマンは追い返られてしまう。酔っ払いは泣きながら妻が浮気していることを話し、話を聞いてくれと叫んだ。サンマンは妻を連れ戻す代わりに、車を用意してくれと頼んだ。
酔っ払いの妻の後をつけると、ホスピスに辿り着いた。妻は妊娠していたのだが、余命が後わずかしかなかった。ヘビースモーカーゴーストは子供が助かることをサンマンに教えた。サンマンが非常階段で煙草を吸っていると、ヨンスに声を掛けられ禁煙を勧められる。酔っ払いの妻は夫が愛煙家だったため、肺がんに侵されてしまっていた。しかも、妻は子供のために治療を受けないつもりだった。その後、サンマンは酔っ払いに会いに行き、妻の病気のことを教えた。酔っ払いは泣きながら妻に治療を勧めるが、妻は自分よりも子供が生きることを望んだ。
ヘビースモーカーゴーストの願いは、タクシーでドライブすることだった。サンマンは男の2人旅に文句を言いながらも付き合った。サンマンは海を見ながらヘビースモーカーゴーストに結婚について問い掛けた。ヘビースモーカーゴーストは結婚すれば大変だが、家族が支えてくれることを教えた。
映画『ハロー!?ゴースト』の結末・ラスト(ネタバレ)
ヘビースモーカーゴーストが運転中に煙草をポイ捨てしたため、パトカーに止められてしまう。サンマンは免許を持っていなかったため、警察署に連行されるが、身元引受人を頼む相手がいなかった。サンマンは孤独で寂しい身の上を警官達に話した。それを、たまたま警察署に来ていたヨンスが聞いていた。ヨンスはサンマンを車で送り届ける最中、自分は家族を捨てたいと感じていることを話した。
サンマンは最後に泣き虫ゴーストの願いを叶えることにした。泣き虫ゴーストの願いは好きな人のために料理を作ることだった。泣き虫ゴーストに頼まれ、サンマンはヨンスを誘いに行った。その時、入院中のヨンスの父に声を掛けられる。だが、ヨンスは父と折り合いが悪いらしく、父がサンマンと話すことを嫌がった。サンマンは父にひどい言葉を投げかけるヨンスを窘めようとするが、家族に幻想を抱いているだけだと怒鳴られてしまう。
サンマンが部屋で落ち込んでいると、幽霊になったヨンスの父が訪ねてくる。サンマンはヨンスの父の葬儀に参列し、ヨンスに幽霊が見えることを話した。そして、ヨンスの父がすまなかったと話していたことを教えた。だが、ヨンスは父の謝罪を素直に受け止めることはできなかった。ヨンスは子供の頃、父が仕事で忙しい間、病弱な母を1人で支え心細い思いをしていた。お金などなくてもいいから、父に傍にいて欲しかったのだ。
サンマンの家に、パンスからカメラを預かったヨンスが訪ねてくる。サンマンは泣き虫ゴーストと共に食事を作っていたため、ヨンスを夕食に招いた。サンマンはヨンスの父が、いつもいた場所に贈り物を置いたと話していたことを教えた。ヨンスは自分の病院では毎日誰かが死ぬため、サンマンが本当に幽霊が見えるのだとしたら悲しくて辛いのだと話して帰っていった。サンマンは落ち込み、幽霊達に願いを叶えたのだから帰ってくれと懇願した。
ジョンウォンが亡くなった後、ヨンスが屋上で黄昏ていると、父からの贈り物である靴を見つける。ヨンスは父を思い、泣き崩れた。ヨンスがナースステーションで項垂れていると、昼食を持ってサンマンが訪ねてきた。サンマンは自殺しようとしたときにヨンスの顔を思い出し、ヨンスと生きたいと感じたことを話した。2人は照れながら微笑み合い、昼食を食べた。
ヨンスが海苔巻にセリが巻かれているのは珍しいと指摘すると、サンマンは母が作る海苔巻にはいつも入っていたことを思い出した。その時、サンマンは泣き虫ゴーストが、自分の母だったことを思い出す。しかも、エロじじいゴーストはサンマンの祖父で、食いしん坊ゴーストはサンマンの兄、ヘビースモーカーゴーストはサンマンの父だった。家族で旅行に出かけているときに事故に遭い、サンマン以外の家族が亡くなってしまったのだ。エロじじいゴーストが探していたカメラには孫の写真が収められており、事故が起った後、警察に押収されていた。
サンマンは家に帰ると、泣きながら幽霊達を呼び掛けた。すると、再び幽霊達が戻ってきて、思い思いの気持ちを話し、いつも一緒にいると声を掛けた。サンマンは母に抱きしめられ、泣きじゃくった。その後、家族で写真撮影をするが、サンマンしか映っていなかった。でも、子供の頃からサンマンが写る写真の傍には、いつも家族の姿があった。サンマンがいつも自殺に失敗するのも、母達が阻止しているからだった。
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