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映画『陽だまりの彼女』あらすじネタバレ結末と感想

映画『陽だまりの彼女』の概要:十年ぶりに再会した初恋の女の子。彼女は太陽みたいに明るく魅力的な女性になっていた。偶然なのか必然なのか、気づいた時にはもう一度彼女に恋に落ちていた。だが、そんな彼女には驚くべき秘密があって・・・

映画『陽だまりの彼女』 作品情報

陽だまりの彼女

  • 製作年:2013年
  • 上映時間:128分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:三木孝浩
  • キャスト:松本潤、上野樹里、玉山鉄二、大倉孝二 etc

映画『陽だまりの彼女』 評価

  • 点数:65点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★☆☆☆
  • 演出:★★☆☆☆
  • 設定:★★★☆☆

[miho21]

映画『陽だまりの彼女』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『陽だまりの彼女』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『陽だまりの彼女』 あらすじ【起・承】

東京で新人営業マンとしてサラリーマン生活を送る浩介。彼女もおらず、気になっていた女性にも袖にされ、家に訪ねてくる人といえば弟のみ。

そんなある日、取引先の会社で一人の女性と偶然の再会をする。彼女は中学時代の同級生で浩介の初恋の相手だった。中学時代いじめられっ子だった彼女は美しく魅力的な女性に育っていて浩介は驚く。真緒のことは気になるものの、しかし彼女の同僚である奥田と付き合っているのでは、と勘ぐって自分からはなかなか近づけない。

真緒の会社との案件を進める中、彼女の提案したデザインが過激すぎる為に広告にできない、と上司に苦言を呈される。浩介はカメラ片手に街中を歩き上司を納得させられるような既存の広告を収めていくが、やがてそれが真緒に見つかると彼女は明るく「言ってくれればよかったのに」と次の休みに一緒に回ることを提案した。

まるでデートのようなその日をキッカケに距離が縮まる。

後日浩介は「偶然でも会えてよかった」と真緒に伝えると、彼女もまた「必然じゃない偶然なんてないよ」と浩介にキスしたのだった。

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映画『陽だまりの彼女』 結末・ラスト(ネタバレ)

二人はデートを重ねる中、江ノ島へと赴く。そこで永遠の愛を誓い合いった帰り道、真緒は浩介を実家に連れて行った。

唐突に「結婚します」、と両親の前で宣言した真緒に対し両親も浩介も驚く。特に父親は反対したが、浩介は「離れてた十年を埋めてほしい」という真緒の言葉に促されるように駆け落ち同然に結婚した。

穏やかで幸せな新婚生活を送る中、なぜか真緒は日毎痩せていき体が弱っていく。心配した浩介が真緒を引っぱるように医者へ連れて行くが、検査の結果「問題はない」と言われてしまう。ひょうひょうとする真緒に浩介は一抹の不安を覚えながら日々を過ごしていた。

ある日、真緒が仕事先で倒れた。同僚の新藤に車で送ってもらうが、なぜか実家のある藤沢ではなく江ノ島まで送ってほしい、と言う。

戸惑いながらも新藤はその通りにするが、車には真緒が落とした古いお守りが落ちていた。そのお守りには「奥田浩介」と書かれていて、浩介が子供の頃、江ノ島で子猫を助けた時に落としたものだった。

浩介は奥田からそのお守りを受け取ると真緒に問い詰める。しかし、そのタイミングで隣人の子供がベランダから落下すると悲鳴が上がる。真緒が機転を利かせ階下の部屋のベランダから落下する子供を庇うように空へ飛び出した。

最上階から落ちた二人。命に関わる大怪我をしてもおかしくはない状況だったが、真緒に抱きかかえられた子供はもちろん、真緒自身にも一つも怪我はなかった。

次の日の朝食、浩介が何か言いかけようとするが、真緒が遮り「朝刊取ってくる」と部屋を後にしたまま姿を消してしまう。

そんな真緒を追って、浩介が辿り着いたのは江ノ島だった・・・。

映画『陽だまりの彼女』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『陽だまりの彼女』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

『A cat has nine lives 猫には9つの命がある』

これがこの映画の最大のキーワードである。松本潤演じる浩介は迷い猫や捨て犬を放っておけない心優しい青年。そんな主人公を上野樹里演じるヒロイン真緒が明るく奔放に、自由気ままに浩介を振り回し夢中にさせていく。
と一見、微笑ましい王道ラブストーリーのように思えるが、実はヒロインには大きな、想像もしない秘密がありそれ故の純愛ファンタジーラブストーリーである。

配役が素晴らしい

まず、この映画の一番の見所はこの配役である。人気のアイドルをして、優しいだけの冴えないサラリーマンを演じさせ、一方これまで個性的な役の印象が強かった上野樹里の美しさ、可愛らしさを前面に描き出している。恋人の可愛い我侭を優しく受け止める彼と、そんな彼をこっそり愛しそうに見つめる彼女のまるで本物の恋人同士のような、この二人の醸し出す空気感だけでも映画を観る価値はあるだろう。
また、映画オリジナルキャラクターである玉山鉄二演じる真緒に想いを寄せるイケメン同僚と、謎のキーパーソンを演じる夏木マリは登場の度に画面を引き締め存在感を放っていた。

ファンタジーだとしても現実感を統一してほしかった

残念だったのは、真緒が子供を抱えベランダから落ちるシーンである。それまでのゆったりとした、光の作用を多用した美しいシーンを台無しにするかのような直線的な落下シーンはあまりにリアリティがなく、迫力もない。その他のシーンが現実を美しく描き出したものだっただけにここだけがやけに低レベルな作り物っぽく感じられて興ざめしてしまった。

優しく温かく、それでいてユーモアのある映画

映画全体の雰囲気を壊すのはその落下シーンだけで、それを覗けば全編を通して柔らかく温かい映画だった。
舞台は冬だが、劇中歌にはビーチボーイズの『素敵じゃないか』を使用しポップさを演出している。また、二人が新婚生活を送る部屋は窓からの日差しが、寝そべって寛ぐ二人をまさに陽だまりのように柔らかく包み込んでおり、映画全体の雰囲気を表す素晴らしい演出だった。
また、真緒の秘密は二人のデートの間にも新婚生活の中にも度々伏線が張られていたから、原作を知らない人は推測しながら楽しめるだろう。


原作が好きで、嵐の松本潤と上野樹里で映画化すると聞いた時からとても楽しみにしていた。結末は同じものの、描き方が若干異なるが、映画版のラストもとても好きだ。原作にはないシーンで特に、何も覚えていないはずの主人公が2人の思い出の曲である「素敵じゃないか」が流れた時に理由もわからずなぜか涙を流しているシーンは胸がキュッと切なくなって、松本潤の演技も素晴らしく私も自然と涙が流れていた。恋人と一緒に見たい映画。(女性 20代)

映画『陽だまりの彼女』 まとめ

総評としては、心が疲れた時に観てほしい、損のない映画だった。

加えて、三木監督は「上野樹里のビューティな部分を前面に押し出すことを考えた。」と何かでおっしゃっていたが、全くそれについては成功している。筆者は女であるが、彼女の目線、仕草、動き、台詞は主人公でなくてもにやけてしまう程に魅力的に描かれていて、いっそ上野樹里の可愛らしさを愛でる為だけの映画と言っても過言ではない。

大きく派手な事件は起きない、ただどこにでもいそうなカップルに起きたちょっとしたファンタジーを恋するもの同士の目線で描いてみた・・・、そんな気軽な、しかし観客をホッとさせてくれる物語で、休日の昼下がりには丁度良い映画だった。

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