12000作品を紹介!あなたの映画図書館『MIHOシネマ』
スポンサーリンク

映画『砂の器(1974)』あらすじネタバレ結末と感想

この記事では、映画『砂の器(1974)』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『砂の器(1974)』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『砂の器(1974)』の結末までのストーリー
  • 『砂の器(1974)』を見た感想・レビュー
  • 『砂の器(1974)』を見た人におすすめの映画5選

映画『砂の器』 作品情報

砂の器

  • 製作年:1974年
  • 上映時間:143分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ、サスペンス
  • 監督:野村芳太郎
  • キャスト:丹波哲郎、加藤剛、森田健作、島田陽子 etc

映画『砂の器』 評価

  • 点数:90点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

[miho21]

映画『砂の器』 あらすじネタバレ(起承転結)

映画『砂の器(1974)』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『砂の器』 あらすじ【起・承】

昭和48年6月24日早朝。東京国鉄蒲田操車場構内で頭を殴打された初老の男性の死体が発見される。警視庁は殺人事件として捜査を開始するが男性の身元さえ分からなかった。

唯一の手がかりは男性が殺される直前に若い男と訪れていたバーのホステスの証言だった。男性はズーズー弁を使い“カメダ”という言葉を何度か発していたというものだ。

警視庁捜査一課の今西警部補(丹波哲郎)は“カメダ”は地名ではないかと考え、吉村刑事(森田健作)と秋田県の亀田という地へ向かうが何の手がかりも得られない。

ある日吉村は新聞で若い女性が電車の窓からで紙吹雪のようなものをまいていたという記事を見つける。吉村はその紙吹雪が犯人の来ていた白いポロシャツではないかと考える。女性は高木理恵子(島田陽子)というホステスで、彼女は聞き込みに来た吉村の前から姿を消し、そのまま行方不明となる。

8月9日。遺体は岡山の三木謙一(緒形拳)という男性だと判明する。伊勢参りに出たまま帰らない謙一の捜索願が出されたことがきっかけとなった。息子の話から謙一は善人で、また東北に何の縁もゆかりもないことがわかる。

今西は執念で謙一が昔巡査を務めていた島根県の出雲地方でもズーズー弁に似た方言を使うこと、そして出雲に「亀嵩」という場所があることを突き止める。

今西は亀嵩へ向かうが、そこで聞けた話は息子の証言を裏付けるだけの実りのないものだった。ところが吉村が見つけたポロシャツの破片から謙一と同じO型の血痕が確認され、犯人と理恵子は結びつき警察は理恵子の行方を全力で捜し始める。

理恵子には和賀英良(加藤剛)という天才音楽家の恋人がいた。理恵子は彼の子供を身ごもっていたが、元大蔵大臣の娘と婚約した和賀は産むことを許さなかった。

今西は伊勢での謙一の足取りを調べ、彼がなぜ東京へ来たのかを探る。そこから和賀と謙一の関係が浮かび上がる。捜査は大詰めを迎えていた。

404 NOT FOUND | MIHOシネマ
映画のネタバレあらすじの専門サイトです(ネタバレサイト・ネタバレブログ)。映画のストーリーをネタバレありの起承転結で解説...

映画『砂の器』 結末・ラスト(ネタバレ)

和賀が「宿命」と題したピアノとオーケストラによる協奏曲を発表するコンサートの日。警視庁では捜査会議が開かれ、今西は和賀の逮捕令状を取り、事件の概要を説明する。

犯人の和賀英良は本名を本浦秀夫といい、実の父・本浦千代吉はハンセン病を患っていた。当時ハンセン病患者は差別され、2人は故郷の村にいられなくなり放浪の旅に出る。

遍路姿で施しを受けながら、親子は各地を転々と旅する。野宿を重ね、親子は島根県の亀嵩へ行き着く。病状が悪化した千代吉と秀夫は神社の軒下に身を隠していた。それを当時ここの巡査をしていた謙一が発見し保護する。

謙一は秀夫のために療養所へ入るよう千代吉を説得する。謙一の必死の説得で千代吉はそれを了承し親子は離れ離れとなる。そして秀夫は子供のいなかった謙一夫婦に引き取られる。夫婦は秀夫を我が子のように可愛がるが、秀夫は行方をくらましてしまう。

秀夫は大阪へ行き、自転車店を営む和賀英蔵に住み込み従業員として雇ってもらう。しかし大空襲で店は焼け和賀夫婦も死亡する。焼失した戸籍謄本を再発行する際、秀夫は自分を和賀の長男英良と偽って戸籍を作り、本浦秀夫の名を捨てる。

その後和賀は苦労して音楽家となり成功するが、そこに謙一が突然連絡してくる。実は千代吉はまだ生きており、謙一と文通をしていた。“秀夫に会いたい”という千代吉の願いを叶えたいと謙一はわざわざ東京の和賀を訪ねてきたのだった。

しかし過去を捨てたい和賀は謙一の申し出を拒み、それでも食い下がってくる謙一をついには殺害してしまったのだった。

吉村からは理恵子が流産による異常出血のため死亡していたことが報告される。

逮捕令状を持った今西と吉村は和賀のコンサート会場へ到着する。コンサートは大成功で終了し、舞台上の和賀は拍手の渦の中にいた。

舞台袖では逮捕令状を持った今西と吉村がそんな和賀の姿を見つめていた。

映画『砂の器』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『砂の器(1974)』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

宿命の悲しさ

宿命という言葉を辞書で引くと“本人の意志や欲求にかかわりなく、置かれた環境や状況には逆らうことができないものととらえられる定め”と書いてある。

物語の後半部分で加藤剛演じる和賀が演奏しているのが“宿命”というタイトルの曲だ。この曲に和賀がどんな想いを込めていたのか、この演奏をバックに描かれる回想シーンによって観客は知ることになる。

今ではハンセン病が不治の病でも危険な病気でもないことがわかり、日本国内で新規患者が発見されることもほぼない。しかし和賀が生まれた当時の昭和初期の日本では、まだハンセン病患者への差別や誤解は甚だしく、残酷な現実があった。

そんな父のもとに生まれてきたことが和賀の宿命であり、幼い彼はその宿命をしっかり受け止めていた。父は息子を愛し、息子もまた父を愛していた。どれほど辛い目に遭ったとしてもこの親子は宿命に逆らわず2人で生きたかったのだろう。

父とは二度と会えないと悟ったからこそ、身も心も他人になりきることで彼は父だけでなくそれまでの自分も捨てたのだ。宿命を断ち切ったつもりだった。

しかし彼は謙一を殺したことで宿命には逆らえないことを悟る。そして宿命という名の曲を作る。あの悲しい旋律に込められた彼の想いを本当に理解できるのは、同じ宿命を背負って生きた父の千代吉だけなのかもしれない。

丹波哲郎の存在感

映像化は難しいと言われた松本清張の長編小説を、脚色のうまさや壮大な演出によって名作と言われる映像作品に仕上げた本作。見所はたくさんあるのだが、個人的には今西警部補を演じた丹波哲郎の存在感が一番印象に残った。

ユニークな人柄やセリフを覚えないエピソード、さらに霊界についての造詣が深いという妙な印象が強くなっていた丹波哲郎が、これほど重厚な芝居をする俳優だったとは実は本作を観るまで気づかなかった。

後輩の吉村刑事に向ける優しい眼差しや捜査を続ける中での地味なシーンが特に印象に残る。こういう何気ないシーンでの芝居が自然だと、観客は感情移入しやすい。

Gメンやキイハンターなど、ハードボイルドなイメージが強くそういうところもかっこいいが、本作では人間味あふれる今西警部補を自然に演じる名優・丹波哲郎のぬくもりが堪能できる。


音楽家というのはどうしてこうも数奇な運命に惑わされてしまうのでしょう。
松本清張作品と言うと、勝手なイメージで難しそうだと敬遠していたのですが映像として見てみると意外とわかりやすくて知っている俳優さんも多く出ていたので違和感なく楽しめました。
日本の良いところを切り取ったような風景や世界観はもちろん素晴らしいのですが、なんと言っても「宿命」がすごく良いですよね。観客の気持ちをグッと高めてくれるような作りに感動させられました。(女性 30代)


何度も映像化された原作を持つ作品。それだけ芯に強いものを持つ話ということかもしれない。ハンセン氏病という具体的な対象に限らず、後の世になってみればあれは偏見だった、間違った恐れによる差別だった、ということは現在にもたくさんある。その中で今作の主人公のように1人何かに耐えている人も少なくないのだろう。あらゆる差別を解消しなければ不幸になる人がいるという点で、この話は普遍的だろう。また映画的には後半で劇中曲を完全に演奏するあたりが映画ならではの味わいだ。(男性 40代)


列車内での殺人事件という発端から、まさかあの結末にたどり着くとは思わなかった。和賀英良の過去が明かされる後半、ハンセン病の父と放浪する幼少期の回想が重なり、犯行の動機が胸に迫る。音楽とともに映し出される父子の旅路は圧巻で、単なるミステリーを超えた人間ドラマだった。真相を知ったときのやるせなさが忘れられない。(20代 男性)


社会的偏見が一人の人生を狂わせる構図に強い衝撃を受けた。エリート作曲家として成功した和賀が、過去を消すために父を殺すという悲劇。ラストの演奏シーンに重なる回想は涙なしには観られない。刑事の執念と、犯人の哀しみが交錯する名作だと思う。(30代 女性)


ミステリーとしての完成度も高いが、やはりテーマは差別と親子愛。丹念な捜査が少しずつ真実に迫る過程が見応え十分。和賀が自らの出自を隠し続けた理由が明らかになるにつれ、怒りよりも哀れみを感じた。ラストの音楽と映像の融合は映画史に残る名場面だ。(50代 男性)


重厚なストーリーに圧倒された。父と子が社会から追われながら旅を続ける姿が胸に刺さる。成功を手に入れた和賀が、過去を守るために犯行に及ぶという皮肉が痛い。ラストの演奏は美しくも残酷で、観終わった後しばらく動けなかった。(40代 女性)


刑事ドラマとして観始めたが、後半は完全に人間ドラマだった。地道な聞き込みが積み重なり、やがて浮かび上がる父子の物語。和賀の選択は許されないが、彼の孤独と恐怖を思うと単純に断罪できない。余韻が長く続く作品。(20代 男性)


時代背景と社会問題を絡めた構成が見事。ハンセン病への差別という重いテーマを真正面から描いている。ラストのコンサートで明かされる真実は衝撃的で、音楽が物語を語るようだった。刑事たちの姿も人間味があり、全体に深みを感じた。(30代 女性)


映像と音楽の融合が圧巻。特に父子の放浪シーンは、言葉以上に感情を伝える。犯人の動機が単なる悪意ではなく、社会の偏見から生まれた悲劇だという点が重い。ミステリーでありながら、強い社会性を持った傑作だと思う。(50代 男性)


地道な捜査が物語を引っ張る前半と、感情が爆発する後半の対比が印象的。和賀の成功の裏に隠された過去が明らかになる瞬間は鳥肌もの。ラストの演奏と父の姿が重なる構成は涙を誘う。人間の弱さと社会の残酷さを描いた名作。(40代 女性)

映画『砂の器』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『砂の器(1974)』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

鬼畜

この映画を一言で表すと?

家族という名の密室で崩れていく人間の良心。

どんな話?

愛人との間に生まれた子どもを押し付けられた夫婦が、生活苦の中で子どもたちを疎ましく思い始める。やがて追い詰められた大人の身勝手な選択が、取り返しのつかない悲劇を招く。家族の闇を容赦なく描く社会派ドラマ。

ここがおすすめ!

加害者の心理と社会的背景を丁寧に描き、観る者に重い問いを投げかける。砂の器同様、罪の裏にある事情と人間の弱さを見つめたい人に強くおすすめしたい。

飢餓海峡

この映画を一言で表すと?

戦後日本の影を映し出す、壮大な追跡劇。

どんな話?

強盗殺人事件の犯人を追う刑事と、逃亡を続ける男の姿を長い年月にわたり描く。貧困や差別といった社会背景が事件の根底に横たわり、単なる犯罪劇を超えた人間ドラマへと昇華する。

ここがおすすめ!

社会問題とミステリーを融合させた重厚な構成が魅力。犯人の過去に迫ることで生まれる哀しみは、砂の器と通じるものがある。骨太な邦画を味わいたい人に最適。

八日目の蝉

この映画を一言で表すと?

母性と罪が交錯する、切実な人間ドラマ。

どんな話?

不倫相手の子どもを連れ去った女性が、逃亡生活の中で母として生きる。しかしやがて現実と向き合う時が訪れ、子どもは成長後に自らの過去と向き合うことになる。罪と愛情の境界を描く物語。

ここがおすすめ!

犯した罪の裏にある感情を丹念に描写。被害と加害の境界が揺らぐ点が印象的で、観る者に深い余韻を残す。重いテーマを丁寧に描く作品が好きな人におすすめ。

告白

この映画を一言で表すと?

静かな語りが暴く、衝撃の真実。

どんな話?

中学校教師が娘の死の真相を生徒たちに告白することから始まる復讐劇。語り手が次々に変わり、事件の裏に隠された動機や心理が明らかになっていく。冷徹な構成が緊張感を生む。

ここがおすすめ!

罪の背景や人間の歪みを多角的に描き、観客に考えさせる。真相が明かされる瞬間の衝撃と余韻は強烈で、社会性のあるミステリーを求める人にぴったり。

悪人

この映画を一言で表すと?

誰が本当の悪人なのかを問いかける切実な物語。

どんな話?

殺人事件を起こした青年と、彼をかくまう女性の逃避行を描く。事件の裏にある孤独や社会からの疎外感が浮き彫りになり、単純な善悪では割り切れない人間像が浮かび上がる。

ここがおすすめ!

加害者の内面に迫る描写が深く、観る者に複雑な感情を抱かせる。社会の偏見や孤独が生む悲劇という点で、砂の器と共鳴する要素が多い。重厚な人間ドラマを味わいたい人におすすめ。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。

影山みほをフォローする
サスペンス映画ヒューマンドラマ映画

みんなの感想・レビュー

  1. 音菜大好 より:

    およそ40年前に観ました。島田陽子が美しかった。流産、死、可哀想。
    母が、子を産むために、死ぬことは、大変多い。これも、恐ろしい、宿命。
    どれだけの数の婦人が、出産で命を落としたことか。
    妊娠、出産は、戦争にを例えられる。女性は、男の知らない戦争をしている。
    女性万歳。特に、子供を産んだ女性、万歳。
    男は、つらいよ、ではなく、女は偉いよ。
    父親と息子の絆は、不確か。
    母親と息子の絆は、確か。

  2. より:

    上手い撮り方ですよね。清張先生の作品映像化の中でこれだけは別格ですよ。別格。どこまでも重く、悲痛で救われない人間の業。製作陣と演技陣が見事なまでに 味わい深さを作り上げてますよね。原作の、これはちょっと…?って思うシーンは全部カットしてますもん。砂の器の良さが凝縮されてるんですね。素晴らしい映画です。

  3. 鈴ゆん より:

    素敵な視点。素晴らしい表現。funになりました。

  4. 駒澤太郎 より:

    宿命とは人、人により様々です。田舎より上京し東京で働くこととなった大学卒業時に、母親と大きくない地元の映画館でみました。幼い時、実の父親を亡くし頑張りながら私を育て、大学までだしてくれた母はどのような気持ちで見ていたのかわかりませんが、後半は二人でなきまくってました。大変いい映画です。

  5. 煉獄 より:

    全く同感です。自身、もう何度もこの映画を見ていますが、丁寧に作られたストーリーと特に映像、音楽の素晴らしさは、現代の映画では決して表現出来ないと思っています。友人や知り合いのような横の繋がりは、いつでも断つことが出来ます。親、更には自分の祖先に遡るような縦の繋がりは決して断つことも否定する事も出来ない、正に宿命という言葉以外に、それを言い表せない。

    このコラムはとても良いコラムでした。共感ばかりです。ありがとうございました。