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映画『ホール・イン・ザ・グラウンド』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ホール・イン・ザ・グラウンド』の概要:離婚後、幼い息子を連れてアイルランドの田舎町へ引っ越して来たシングルマザー。引っ越し先は山奥の一軒家で森の中に謎の大穴があった。しかし、ある日を境に息子が以前とは違う様子を見せ、母親は偽物なのではないかと疑念を深めていく。

映画『ホール・イン・ザ・グラウンド』の作品情報

ホール・イン・ザ・グラウンド

製作年:2019年
上映時間:90分
ジャンル:ホラー
監督:リー・クローニン
キャスト:ショーナ・カースレイク、ジェームズ・クイン・マーキー、シモーヌ・カービー、ジェームズ・コスモ etc

映画『ホール・イン・ザ・グラウンド』の登場人物(キャスト)

サラ(ショーナ・カースレイク)
夫と離婚し、幼い息子クリスを引き取る。夫のDVにより、左額に大きな傷痕が残っており、とても気にしている。精神的に不安定な状態であり、精神薬を服用している。クリスをとても大切に育てている。
クリス(ジェームズ・クイン・マーキー)
サラの息子。とても無邪気で粉チーズと蜘蛛が嫌い。母をとても慕っているが、大穴の底に囚われていた。
ルイス(シモーヌ・カービー)
雑貨屋の店主でサラの雇い主。人が好い女性でとても親切。シングルマザーのサラとその子供のクリスへと親切にしてくれる。

映画『ホール・イン・ザ・グラウンド』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ホール・イン・ザ・グラウンド』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ホール・イン・ザ・グラウンド』のあらすじ【起】

夫と離婚し田舎町の森の奥にある一軒家へ、幼い息子クリスを連れて引っ越して来たサラ。町で買い物をした後、帰宅途中にフード付きのコートを着用した謎の老婆を轢きそうになり、オンボロカーのサイドミラーが壊れてしまった。

無邪気な息子のクリスは粉チーズが嫌いで蜘蛛が苦手。サラはいつも粉チーズを食べさせるのに四苦八苦していたし、蜘蛛を嫌う息子を宥めるのに苦労していた。
しかしその日、クリスは蜘蛛を外へ逃がそうとしたサラの目の前で、蜘蛛を踏みつけ森へ逃走してしまう。サラは息子を追って森の奥へ入り、そこでとても深い大穴を発見。幸い、クリスはすぐに見つかったため、すぐに帰宅した。

クリスが学校から学芸会開催の手紙を持ち帰った日の夜、仕事先の雑貨屋を経営するクリス夫婦、その友人夫婦と夕食を摂ったサラ。会話の中で道を塞いでいた者と口論になった話と、息子を車で轢いて殺してしまった母親がいて、彼女は息子が幼い頃から異様な行動を取っていたため、精神科病院へ入院し今では絶叫の隣人と呼ばれているという話を聞く。

その日の深夜、サラは強風によって家のドアが開閉する音を聞きつける。彼女は息子が外へ出て行ったのではないかと思い、懐中電灯を手に森の中をひとしきり探した。それでも見つけられなかったため、警察へ連絡を入れたが、そこへクリスがひょっこり現れる。息子はずっと家にいたらしい。

クリスが学校へ行っている間、サラは自宅へ医師の往診を頼み、精神安定剤を処方してもらった。彼女の額の左側には大きな傷痕が残っているが、医師に指摘されたサラは1年前の事故でできた傷で今でもたまに炎症すると話した。

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映画『ホール・イン・ザ・グラウンド』のあらすじ【承】

夕方、夕食を作りクリスを呼んだサラは、振り返って驚く。クリスがすでにテーブルについていたからだ。足音もなくいつの間にか椅子に座っており、息子は呼ばれたから来たと言う。その日の寝る前からサラは安定剤を服用し就寝。
翌朝、目覚めるとクリスが花束を手にサラの部屋の椅子に座っていた。息子は母を喜ばせようとして花を摘んで来てくれたらしい。サラは勝手に外へ出ないよう言い聞かせた。

やがてクリスは学校生活にも馴染み、友達ができた様子。そんな息子を目にして安堵したサラだったが、家の門の前まで来たところで老婆が道を塞いでいる。そこへ、老婆の夫が現れ挨拶を交わした後、車へ戻ったサラ。しかし、老婆はクリス側の車の窓を叩き息子はサラの子ではないと叫び始め、しまいには窓へと頭を叩きつけた。夫が止めてくれたため、サラは驚愕しつつも車を発進させる。

安定剤を就寝前に服用し始めて数日後、帰宅したサラは老婆の異様な姿を発見する。老婆は庭先で頭だけを地面に埋め、息絶えていたのだ。恐怖に震えながらも警察に通報し、自宅にて事情聴取を受けたサラ。その際、警官と腕相撲をする息子が怪力を発揮し、大人の手首を折るという幻覚を見る。

ルイスは数日、仕事を休んでもいいと言ってくれていたが、どうにも落ち着かないサラは仕事場へ出勤。その後、老婆の自宅を訪ね夫から話を聞いた。老婆は噂に聞く絶叫の隣人と呼ばれている人物で、息子が8歳の時に突如、本物の息子ではないと言い始めたらしい。その息子は父親が運転する車の前へ飛び出し、亡くなったと言う。夫は穏やかな人物で、これでやっと妻に静寂が訪れたと話し、弔問に訪れたサラを労ってくれた。

老婆と同様にサラも実は、クリスの中身が別の何かに入れ替わっているのではないかと疑念を抱いている。彼女は森の奥にある大穴へ向かい、穴の底を眺め続けた。
粉チーズと蜘蛛が嫌いだったはずの息子が、文句も言わずに粉チーズを口にしている。サラはクリスが森へ行ったのではないかと詰め寄ったが、息子は憤った反動で押せるはずのない重いテーブルを母親へ向けて押し出した。やはり、以前とは様子が違うと確信したサラ。寝る前に息子の部屋を覗き見ると、クリスが嫌っていた蜘蛛を捕まえて食べているのを目撃してしまうのだった。

映画『ホール・イン・ザ・グラウンド』のあらすじ【転】

そこで、サラはクリスを医者へ診せることに。診察の結果、特に異常は見られなかったが、疑念は晴れることなくむしろ深まっていく。そこで、彼女は息子の部屋に隠しカメラを設置することにした。

そんなある日、小学校にて学芸会が開催。息子の晴れ姿を見に行ったサラ。息子のクラスは合唱を披露したが、クリスの独唱に差し掛かった際、息子は穴の話を強調した。それで確信を持ったサラ。クリスは自分の息子ではないと、ルイスに打ち明けた。

息子を置いて早々に帰宅した彼女は、隠しカメラの映像を目にした後、隣人を訪ねる。亡き老婆の家の壁には無数の鏡が飾られていた。老婆と同様にサラもまた息子が偽物だと明かし、隠しカメラの映像を見せたが、老婆の夫は何も映っていないと言い、多くを語らなかった。

学校に置き去りにしてしまったクリスが帰宅。サラは息子に謝って仲直りする。そして、夕食にパスタを作り、粉チーズを勧めた。すると、やはりクリスは粉チーズを平気で口にする。その後、サラはテレビを観る息子へと偽物であることを問い詰めたが、豹変したクリスによって何度も投げ飛ばされてしまい意識を失ってしまうのだった。

映画『ホール・イン・ザ・グラウンド』の結末・ラスト(ネタバレ)

気絶した母親の頭を土に埋め、意識を失ったクリス。サラは辛うじて土から這い出て、傍に倒れている息子を連れ帰宅。辺りは既に暗闇である。サラはクリスを空き部屋へ運び込んだが、そこで息子が意識を取り戻し反撃されたため、サラもまた息子を押し倒した。すると、クリスと思われる少年は突如、聞いたこともない悲鳴を上げる。虫のような声でもあり、電子音のような金切り声だった。

息子を部屋に閉じ込め家から飛び出し、森へと逃走したサラ。ところが、気付いたら大穴の傍まで来ていて穴底へ落ちてしまう。彼女はそこで横穴を発見し、腹ばいになって先へと進んだ。懐中電灯の明かりを頼りに横穴を進むと、大きな空間に出る。彼女が立っても平気なほどだ。サラはそこで、意識を失っているクリスを発見。そこには謎の生き物が多数いて、今にもサラを襲おうとしている。本物のクリスを連れ横穴へと逃げ込んだサラは、息子を守るべく怪物と対峙し、反撃して外へと脱出した。

幸い、息子の命に異常はなく、意識も取り戻した。サラはクリスを車の傍に隠し自宅へ。そこには偽物のクリスがいるはずである。彼女は車の鍵を手にし、偽物のクリスを閉じ込めたまま家に火を放った。そうして、本物のクリスを連れ町から逃走を果たすのであった。

新たな転居先にて、ようやく落ち着いた生活を送ることができるようになったサラだったが、疑念を晴らすことができず、部屋中には真実を映し出すと伝わる多くの鏡を設置しているのであった。

映画『ホール・イン・ザ・グラウンド』の感想・評価・レビュー

アイルランドが製作したホラー映画で、淡々とした中に不気味さを募らせる演出が魅力。映像は一定の暗さを保ち、母子のやり取りを中心に映し出している。今作はアイルランドに伝わるチェンジリングをテーマに描かれていると思うのだが、ストーリー展開によって様々な深読みができる。

母親が精神的に不安定で全てが彼女の妄想か幻覚、大穴の底にいる宇宙人または怪物と本物の息子が入れ替わっている、全てが現実というパターン。物語的には本物の息子を穴の底で発見し救出。その後は穏やかな暮らしを送っているが、母親は疑念を晴らすことができず、鏡を部屋中に置いている。彼女にとってはどれが真実か、判別ができていないのかもしれない。これは監督の演出によるものであり、憎い演出でもある。ホラーと言うほどの恐怖はないが、延々不気味さを味わうことができる興味深い作品。(MIHOシネマ編集部)

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