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映画『ストレンジ・アフェア』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ストレンジ・アフェア』の概要:5年前に交通事故で亡くなった兄の恋人が突然、自宅を訪ねて来る。彼女は妊娠中でお腹の子供は兄の子だと言う。母と弟は彼女の子供が本当に兄の子であるかをそれぞれに調べ始め、驚くべき真実が明らかになる。

映画『ストレンジ・アフェア』の作品情報

ストレンジ・アフェア

製作年:2019年
上映時間:96分
ジャンル:サスペンス、ミステリー
監督:ローワン・アタリー
キャスト:エイミー・ライアン、ニック・ロビンソン、マーガレット・クアリー、ブライス・ダナー etc

映画『ストレンジ・アフェア』の登場人物(キャスト)

フィリップ(ニック・ロビンソン)
ロニーの弟でシャーリーンの息子。マンハッタンに在住しているが、自転車の事故で右足を骨折。実家へ帰省している。困難な出来事と遭遇すると逃げ出してしまう性格。
メリッサ(マーガレット・クアリー)
5年前に亡くなったロニーの恋人。現在妊娠中で39週目。ロニーの子供だと信じて疑っていない。恋人を亡くしてから自失状態で、事故でのPTSDにより記憶が錯乱することがある。妊娠したことで生きる希望を得る。
シャーリーン(エイミー・ライアン)
フィリップとロニーの母親。図書館の元館長。プライドが高く息子を失くした後は全てを拒絶し、内に籠もってしまう。攻撃的で常に不機嫌。
リチャード(グレッグ・キニア)
シャーリーンの元夫で、フィリップとロニーの父。優秀な外科医で現在はフロリダにて若い再婚相手と暮らしている。愛情深く息子のフィリップを心配している。密かにメリッサを支援していた。
ビル(ブライアン・コックス)
警察を定年退職し、現在は工具店を営んでいる。従業員のメリッサを娘のように思っている。禁煙していると見せかけ、実は隠れて喫煙しており妻ゲイルには隠している。
ゲイル(ブライス・ダナー)
ビルの妻。メリッサを我が子のように可愛がっており、子供が産まれることを喜んでいる。夫の体を心配しており、禁煙しているか厳しく見張っている。
ロニー(コナー・ジェサップ)
フィリップの兄。交通事故にて亡くなっている。非常に温厚で快活。ムードメーカーでもあり、一家でも要のような存在だった。

映画『ストレンジ・アフェア』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ストレンジ・アフェア』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ストレンジ・アフェア』のあらすじ【起】

兄ロニーが交通事故で亡くなって5年。ある日突然、恋人のメリッサが家を訪ねて来る。弟のフィリップはマンハッタンに住んでいたが、自転車の事故で右足を骨折し実家へ帰省中だった。メリッサは妊娠中でしかも父親はロニーだと言う。5年前に亡くなった兄の子を妊娠して39週目だなどと信じ難い。当然、母シャーリーンもフィリップも彼女の話を信じなかった。

ロニーの家を出たメリッサは仕事で世話になっているビルとゲイル夫妻の家へ。夫妻はメリッサの妊娠をとても喜んでいて彼女を歓迎する。メリッサの両親は彼女の人生に関わらないと決めたため、彼女にはもうビルとゲイルしか家族と呼べる存在がいなかった。故に、夫妻に後見人になってもらうよう頼む。夫妻は感動し二つ返事で後見人を引き受けた。

ロニーが亡くなってから両親は離婚。フィリップも家を出てニューヨークへ向かった。家族の誰もが兄の死を深く悲しみ、未だに引き摺っている。それぞれに距離を取ることで心の均衡を保ってきたが、怪我をしたフィリップは1人で生活もままならずシャーリーンの元へ身を寄せている状態だ。メリッサが現れてから、シャーリーンの動揺は激しくギスギスした空気が漂う。母は事故に遭ったメリッサが生き残ったことにも腹を立てているのだ。だが事故当時、10代とは言えロニーの精子を冷凍保存していれば妊娠は可能なのではないかとフィリップは考えた。

苛立ちつつも息子の話を聞いたシャーリーンは、元職場である図書館のPCにて精子の冷凍保存の件を調べてみた。同じ頃、思い立ったフィリップは車で家を出てロニーとメリッサの共通の友人を訪ねる。メリッサの家は敬虔なクリスチャンであったが、娘が魔術に嵌ったことから2・3年前に勘当されたらしい。

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映画『ストレンジ・アフェア』のあらすじ【承】

精子提供者が死亡しても精子の採取は可能である。元夫リチャードは医師で事故当時も当直だった。シャーリーンは彼がメリッサに協力して精子の採取を行ったのかと連絡をしてみたが、リチャードは何も知らない様子。

メリッサが来てから2日目。シャーリーンはその日も図書館へ。フィリップはメリッサが持って来たカセットテープからヒントを得て霊視師の元を訪ねた。霊視師はフィリップが困難なことと対峙せず逃げてばかりいること、そして今後、近しい人たちに困難が発生する可能性があると霊視した。

その頃、シャーリーンは図書館からビルとゲイル夫妻の家へ。そこでゲイルから毎月、リチャードからメリッサへと生活費が振り込まれていることを知る。元夫の自宅へ電話すると、再婚相手からニューヨークへ向かったと言われる。空港に降り立ったリチャードはフィリップを心配して会いに来たのだと言い張った。

シャーリーンは元夫を車に乗せ、メリッサと会っていたのかと問い詰める。すると、リチャードは亡くなったロニーの思い出を語り合いたくて、年に数回会っていたと言う。元妻は長男が亡くなってからいつも不機嫌で、夫や次男をも拒絶しロニーのことも語り合おうとはしなかった。故に、リチャードは密かにメリッサを支援していたと言うのだった。

映画『ストレンジ・アフェア』のあらすじ【転】

同じ頃、フィリップはメリッサの自宅を訪ね、自転車の事故の真相を語る。フィリップはロニーと共にマンハッタンで生活を送ろうと話し合っていたが、事故のせいで計画はなかったことに。だが、フィリップは高校卒業後、兄との未来を叶えるべく単身、マンハッタンへ引っ越した。父からの仕送りもあり生活には困らなかったが、今後のことを考え1人でも生活を維持しようとメッセンジャーのアルバイトに就く。

だが、多くの人と接しても孤独は消えなかった。そんなある日、避けられるはずの車と対面した時、事故に遭って怪我をすればマンハッタンから離れる理由ができると気付く。そうして、彼はわざと車を避けず事故に遭ったのだ。自殺したかったわけではなく、ただ孤独から逃れたかった。そうして、フィリップはメリッサを信じることにする。ロニーの子供かどうかは分からないが、もしもメリッサの話が真実であれば、彼女の子供の叔父であることに変わりないと思ったからだ。

自宅の地下室で夫の煙草と共に謎の薬を発見したゲイル。彼女はその薬にどのような効果があるのかを薬局で確認。ビルは帰宅し、地下室にて例の薬が妻に発見されことを知り愕然とした。帰宅したゲイルから薬が睡眠導入剤であることを指摘されたビルは、薬を入手した経緯を説明。彼は元警察官で遺留品であった薬をなぜか盗んでしまった。そして、その薬を使って何度もある行為を繰り返したのだ。ゲイルを裏切るつもりは毛頭なかったが、どうしてか抗うことができなかった。すると、ゲイルは夫の裏切りに酷く嘆き、地下室の階段で夫と揉み合いになり転落。命を落としてしまうのだった。

同じ頃、メリッサとの会話を終え、家を出ようとしたフィリップ。その直後、メリッサに陣痛がくる。急いで戻って陣痛に喘ぐ彼女を自分の車へ乗せ、病院へ向かおうとしたが、メリッサは後見人であるビルとゲイルを連れて来て欲しいと言う。夫妻の家はメリッサの家の隣にある。松葉杖をついて夫妻の家を訪ねたが、応答がない。ふと地下から話し声が聞こえたため、小窓から中を覗いてみるとそこには、転落したゲイルに語り掛けるビルの姿があった。

映画『ストレンジ・アフェア』の結末・ラスト(ネタバレ)

直後、スマホにシャーリーンから着信が入る。慌ててその場を離れたフィリップだが、ビルに見つかってしまう。ビルはショットガンを手に逃げたフィリップを追いかけた。フィリップは森へと駆け込み必死に逃げる。焦るあまり松葉杖を1本落としてしまった。

周囲を見渡すビルの姿を目にして更に逃げる。下り坂を転がり落ち、木の陰に身を潜めた。最後の松葉杖も落としてしまいビルも背後に迫る。しかしそこで、メリッサが車のクラクションを鳴らして注意を逸らしてくれる。ビルが車の方へと向かったようだったため、フィリップは安堵したが、ビルが背後に潜んでいることまでは分からなかった。フィリップはビルに殴られ意識を失ってしまう。

いくら呼んでもフィリップが戻らないため、メリッサは自力で車を運転し病院へ。同じ頃、シャーリーンとリチャードも自宅に車がないことから、フィリップがメリッサの元へ向かったと考え車を走らせていた。夜の帳が下りビル夫妻の自宅を訪ねる。ビルは意識を奪ったフィリップを家の作業倉庫の床下に埋めようとしていた。リチャードとシャーリーンはビルの言い訳を信じたが、車へ向かう道すがら息子の松葉杖を発見してしまう。

メリッサが病院へ駆け込んだ頃、リチャードシャーリーンはビルの自宅へ侵入。2人は地下室でゲイルの遺体を発見し、危機感を募らせる。
メリッサが出産でいきんでいる最中、意識を取り戻したフィリップ。今にも土中に埋められる寸前でビルへと反撃し穴から這い出たが、首を絞められてしまう。意識がもうろうとする中、彼は必死に手を伸ばしショットガンのトリガーを弾いた。
銃声に気付いた両親が作業倉庫へ駆け付ける。ビルは再びショットガンに装填し、銃口を向け発砲した。

メリッサは無事に出産を終え、我が子との感動の対面を果たした。フィリップとリチャード、シャーリーンもまた無事に作業倉庫を脱出し病院へ。ビルは自分が仕出かしたことを悔い、自らに銃口を向け自殺したのである。
その後、一家はわだかまりも解けメリッサの子供と対面し、笑顔で笑い合うのであった。

映画『ストレンジ・アフェア』の感想・評価・レビュー

ジョン・サールズが2005年に発表した小説『Strange But True』を原作に制作された映画。日本国内では劇場公開されていないが、有料映画チャンネルにて放送された。

5年前に亡くなった兄の恋人が兄の子を妊娠していると家を訪ねて来たことが発端となり、家族関係の修復と未来へ向けての希望を新たに抱くという内容。セリフ回しが非常に巧みであると感じた。真実を明かしつつも遠回しのセリフにてストレートな表現を避けている。そうすることで視聴者の想像力を働かせ、上手く誘導している。ただ、衝撃を受けるほどのミステリー度合いではないことなど鑑みても、評価が平凡であることは頷ける。(MIHOシネマ編集部)


私たち観客は赤ちゃんの秘密を知れてすっきりできますが、彼らはその秘密を知らないまま笑って生きていくのかと思うとゾッとします。
そもそも、なんの前情報もなく鑑賞したので序盤の兄の彼女の登場シーンから「え?どういうこと?」という疑問が止まらず、終始疑いながら鑑賞してしまいました。
知らない方がいいこともあるけど、それを知ってしまった私たちは、この作品をどういう気持ちで受け止めれば良いのでしょう。モヤモヤした気持ちが残る作品でした。(女性 30代)

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