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映画『星守る犬』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『星守る犬』の概要:孤独を抱え、読書に耽る市役所勤めの青年がリストラの末、家族に見捨てられた心優しい男と愛犬が辿った旅の先に見つけたものとは。泣けると話題の同名コミックを映画化。震災直前の東北の風景も貴重な一本。

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映画『星守る犬』の作品情報

星守る犬

製作年:2011年
上映時間:128分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:瀧本智行
キャスト:西田敏行、玉山鉄二、川島海荷、余貴美子 etc

映画『星守る犬』の登場人物(キャスト)

おとうさん(西田敏行)
かつて鉄工所に勤めていた中年男性。おかあさんと娘の三人家族だった。ある日娘が拾ってきた秋田犬・ハッピーと出会う。もともとは犬嫌いだったが、いつしかハッピーの世話係となった。やがてリストラを機に家族に見捨てられ、残されたハッピーと共に車上生活の旅に出る。
奥津京介(玉山鉄二 / 子供時代:根岸泰樹)
市役所の福祉課に勤める青年。幼いころに両親を亡くし、祖父母の住む北海道に引き取られた。“どんな人生でも報告書にまとめてしまえば図書館に並ぶ本と同じ”と思うほどの読書好きで人付き合いが苦手。業務としておとうさんとハッピーの最期の場に赴き、そこから彼らの足取りを辿る旅に出る。
川村有希(川島海荷)
母親の再婚で家庭に居場所のない孤独な少女。好きなダンスで自立しようと上京し、京介と出会う。一緒に旅を続けるうちにおとうさんとハッピーの思い出に惹かれていく。
旅館の女将(余貴美子)
夫に先立たれ、残された旅館を一人で切り盛りしている。無料宿泊券を持って現れたおとうさんとハッピーを泊め、無遠慮な振る舞いに手こずらされる。
コンビニショップ店長・永崎(中村獅童)
知人の借金の保証人になってコンビニを潰してしまったシングルファーザー。万引きした家出少年を助けたおとうさんがその少年に全財産を持ち逃げされた現場を記憶している。
「リサイクルショップ河童」店長・富田(温水洋一)
お人好しで妻の尻に敷かれる古道具屋店主。ハッピーが病気になり、手術費が必要なおとうさんのために赤字覚悟で持ち物を買い取ってくれた。
海辺のレストラン・オーナー(三浦友和)
持病を悪化させたおとうさんが辿り着いた石狩のレストラン「マウニの丘」の主人。自身も飼い犬を失った悲しみを引きずっており、一度はおとうさんに頼まれてハッピーを引き取ろうとした。夕陽を見つめるおとうさんとハッピーの姿を記憶に焼きつけている。
おかあさん(岸本加世子)
かつてはおとうさんと娘の三人で幸せな時代もあったが、おとうさんのリストラを機に溝が深まり、やがて破局を迎えた。実家に戻り介護福祉士として自立すべく離婚を切り出した。
奥津京介の祖父(藤竜也)
両親を亡くした京介を北海道の自宅に引き取り、妻に先立たれた後も一人面倒をみた。孤独な京介に子犬のクロを与え、“星守る犬”の意味を教えた。

映画『星守る犬』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『星守る犬』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『星守る犬』のあらすじ【起】

北海道名寄市。夏のある日、キャンプ場裏手の草むらで身元不明のワゴン車が発見され、車内から死後半年と思われる中年男性の遺体と最近死んだらしい犬の死体が見つかった。

名寄市役所福祉課に勤務する奥津京介は、幼くして両親を事故で亡くし、祖父母の住む北海道に引き取られた。図書館通いを覚え、書物の世界にのめり込んでいった京介は、次第に内向きな少年となった。祖父母も死に、一人暮らしとなった今でも京介の関心はもっぱら日々の読書の中に向けられ、人との係わりは希薄であった。

地元巡査から遺体発見の知らせを受けた京介は、同僚と共に現場へ向かった。遺体は5,60代の男性だったが、朽ち果てた車からはナンバープレートも外され、免許証など故人の身元を示す手掛かりは一切なかった。傍らには新しい盛り土があり、枝を組んだ十字架が立ててあった。男性に寄り添って死んだ秋田犬の墓だと巡査が言う。

そのとき、風に舞った紙片が京介にわずかばかりの手掛かりを与えてくれた。男性が立ち寄った先を示すそれら数枚のレシートは、何故か京介の心を強く惹きつけた。翌朝、有給休暇を申請した京介は愛車に乗り込み、東京を目指して出発した。それは、かつて妻や娘もあった男、“おとうさん”と愛犬ハッピーの足跡を辿る旅であった。

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映画『星守る犬』のあらすじ【承】

レシートの中にはリサイクルショップの買い取り証があり、都内の住所と氏名が書かれてあった。京介はその場所を訪ねてみたが、故人とは関係ない別人だった。他の住所に当たりながら北海道へ戻ろうとする京介の車に、一緒に乗せてほしいという少女が現れた。有希というその少女は、北海道から新人アーティストのオーディションを受けに来たという。渋る京介だったが有希に懇願され、仕方なく送ってやることにする。

東松島の大高森付近に差し掛かったとき、京介は前方におとうさんとハッピーの乗る車を見た気がした。そのまま導かれるように辿り着いた旅館では、女将が一年前に訪れた中年男と秋田犬のコンビを憶えていた。気軽に宿泊を許したばかりにその傍若無人な振る舞いに手を焼いたというのだ。

さらに旅を続けるうち、京介と有希はおとうさんとハッピーが交流を持った幾人かの人々と出会った。いわきでは廃業したコンビニの店長、遠野では件のリサイクルショップの主人が思い出を語った。万引きした少年を助けてお金を持ち逃げされたり、そのお金を工面するために家財道具を売り払ったりしたおとうさんの姿は、彼らの記憶に強く焼きついていた。

弘前でねぶた祭りを見物したおとうさんとハッピーは北海道へ渡る。石狩で心臓の持病を悪化させたおとうさんは、海辺のレストランのオーナーにハッピーを引き取ってほしいと持ちかけた。しかし、ハッピーの激しい抵抗を受けて結局諦める。

映画『星守る犬』のあらすじ【転】

京介も有希も人々が語るおとうさんとハッピーの姿に次第に惹きつけられていった。京介がおとうさんとハッピーの足取りに興味を持ったのは、そこにかつての飼い犬と自分の関係を重ねていたからだった。

本の世界だけを拠り所に孤独な少年時代を送っていた京介に、祖父がクロという子犬を与えた。しかし、始めこそ可愛がったものの、いつしか京介はクロを放り出してしまった。愛するものを失う悲しみを知る京介にとって、クロを愛することでまた深い傷を負うことは耐え難かったのだ。今ではクロへの仕打ちを悔いる京介を有希はそっと励ました。

その有希も家族の中に居場所のない孤独を抱えて生きていた。一年前に母親が再婚し、新しい父は酒に酔っては見境なく彼女を殴った。そんな家を出たくて臨んだオーディションも結果は不合格だった。

京介は有希に以前祖父から聞いたある話を聞かせた。その夜、祖父は一心に空を見つめるクロを見て「星守る犬」だと呟いた。絶対に手に入る筈のないものを欲しがり、高望みをする人の例えだという。そして祖父は、頑なに自分の殻に閉じこもる当時の京介に“人生は所詮無駄だらけだが、それでも高望みし続ける人生の方がいいと思うよ”と言ったのだった。それは祖父のこの世での最後の言葉となった。

映画『星守る犬』の結末・ラスト(ネタバレ)

京介は有希を連れて再びおとうさんとハッピーの最期の地、キャンプ場裏の草むらを訪れた。一年前の夏の終り、おとうさんはガソリンの尽きた車をここに停め、ハッピーと共にキャンプ場へ向かった。そこで家族連れが捨てた食材を集め、やがて訪れる冬までの野宿生活に入った。

おとうさんはかつて鉄工所に勤め、おかあさんと娘の三人で暮らした時代を思い出した。その頃、娘が拾ってきたハッピーと出会い、犬嫌いだった筈のおとうさんがハッピーの世話係になった。その後おとうさんはリストラに遭い、心臓を患い始めた。次第に家族との溝が深まり、おかあさんは娘を連れて出て行った。おとうさんのもとにはハッピーだけが残された。

とうとう冬を迎え、キャンプ場の家族連れも消えた。もう身動きの取れなくなったおとうさんは車中で静かに息を引き取った。おとうさんが動けなくなった直後からハッピーは食べ物を運び続け、それから半年後おとうさんに寄り添って死んだ。

京介と有希もおとうさんとハッピーの足取りを辿る旅を終えた。ハッピーの墓に手を合わせた有希は京介に礼を述べ、もう少し踏ん張ってみると言い残して帰っていった。

京介は無縁仏として荼毘に付されたおとうさんの遺骨をハッピーの墓に埋めた。市役所の前で捨てられた子犬を見つけた京介は、連れて帰って育てることにした。子犬を抱きあげて微笑んだ彼の心には、“たとえ叶わなくてもいい。人は生きている限りみな「星守る犬」だ”という思いがあった。

映画『星守る犬』の感想・評価・レビュー

弱者切り捨てが叫ばれる時代を反映した話で身につまされる。キャンプ場の家族がバーベキューを楽しむそのすぐ裏手で人生の終焉を迎えるおとうさんの姿は切なく、むごい。真面目に生きた人間が浮かばれない理不尽さ。主人を決して裏切らない健気さに犬好きは涙する。だがしかし、おとうさんの道行に惹かれる京介の動機が若干曖昧。また、限られた情報しか知り得ない京介がおとうさんの人生の全貌を知ってしまうかのような描写はやり過ぎで興ざめ。感動の匙加減は難しい。(MIHOシネマ編集部)

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